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タイトル名 |
ワイルドライフ |
レビュワー |
tottokoさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2022-02-06 22:08:19 |
変更日時 |
2022-02-06 22:08:19 |
レビュー内容 |
家族といえど元は他人同士。信頼していたのに、こんなはずではなかったのに、との思いと裏腹にポロポロと崩れてゆくある家庭。14歳の目から描写される母親の、母親業の決壊というべき姿がちょっと毒々しいほどに痛ましいです。 演技派J・ギレンホールの仕事に期待して観始めたのですが、このお話は妻であるジャネットがメインでした。山火事消火の応援に行ったきりのギレンホールの出番は三割ほど。戻ってからの裏切られた夫としての動揺、驚愕演技は流石でしたが。 ジャネットの心が移ろってゆく原因については詳しい描写がされていないので、見る側でいろいろ解釈できそうです。 夫にしてみれば青天の霹靂であったでしょうけど、萌芽はずっと前からあったのではないかな、と想像します。夫の転職で余儀なくされる何度もの引っ越しと、その度に途切れる自分の生活。代用教員の仕事だったり、人間関係だったり。常に良き妻、良き母でいようと無意識に自分に課していたけれど、夫がいなくなってまず良き妻のペルソナから剥がれていったのだろうな。 突然看板が崩壊したようにみえても、内部の支えは長いことかけて脆くなっていた。人間関係ってそんなものですよね。 エド・オクセンボールドの気遣わし気な表情が繊細な14歳をうまく表現していました。演技巧者三人によるビターでリアルな家庭劇です。 |
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