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タイトル名 |
イル・ポスティーノ |
レビュワー |
tottokoさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2016-09-06 00:24:54 |
変更日時 |
2016-09-06 00:29:16 |
レビュー内容 |
イタリア映画の、何者でもない人たちの人生を語る、その訥々とした語り口が好き。出てくる人たちは皆普通の、生活はちょっと苦しくて、でも基本善良で恋したり瑣末な人間関係に悩んだりして生きている。おんなじだ、私らと。 主人公もまた、一人の郵便配達人で何ということの無い人生を送るはずが 世界的に著名な詩人と出会って共産の思想や詩の世界に触れてちょっとだけベクトルが変わる。 人との出会い、その化学反応が彼の人生の終焉にまで影響したのだと観る側は衝撃を伴って知らされるけれど、ドラマチックに盛り上げる演出は一切無くて終始映像は穏やかなままだ。美しい地中海の寄せては返す波のように、繰り返し日々は過ぎてゆく。この穏やかさがラストのショックの緩和剤になっている。 何かをどーんと訴えてくる種の映画ではないけれど、人間を愛おしさでくるんだような大切な一品。思い出すと泣けてくる。 |
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