8.《ネタバレ》 原作を読んだ直後に映画を見てみた。原作と最も違う点は、事故が起きるのが藻奈子が高校生の時点である事。
原作では事故が小学生で起こり、高校生で終盤を迎える。その為、原作では緻密に描かれていた藻奈子の精神的な
変化が映画だと変化したのは父親側のみと捉えられる、その急激な変化を補う為か、若干ギャグテイストが多く
徐々に移り変わる物語の質を体感できなかった。ラストにしても秘密をバラしてしまうと、直子が平介を裏切ったと
感じてしまう、原作のラストのあいまいさはどうなんだろう?と思ったが、映画をみて原作が正解だと気付く。
小説の映画化の場合、小説を超える事は2時間という制限的に無理だと思う。その為、映画は映画として割り切って
原作をモチーフにした別の映画と解釈して作られる方が、原作者としても映画製作者としても幸せなんじゃ
ないだろうか?と思った。