179.《ネタバレ》 白黒映画ですが、一部ピンク色が効果的に使われています。黒澤明の現代劇を初めて見たのですが、いやー、面白い。誘拐犯人を警察が捜査によって追い込んでいくという話なのですが、犯人が誘拐する子供を間違えるという発想がすばらしく、話が断然面白くなっているんですよね。でもあり得ないわけではない。なさそうで、ありそうな、絶妙なラインを巧く踏んでいます。そして、緻密かつ泥臭い捜査の詳細が、いちいち面白い。三船敏郎、仲代達矢、山崎努とキャラも立ちまくりです。若き山崎努は、医学生役。後年と比較するとまだまだ薄味で、向井理とか、そっちに近い感じ。でも、最後は迫真の演技でした。まだ新幹線ができる前で、特急こだま号の時代です。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 9点(2023-04-05 20:43:50) |
178.昔の映画ながら、気にならずにそこそこ楽しめました 【afoijw】さん [DVD(字幕)] 7点(2023-03-15 01:38:37) |
《改行表示》177.随分、昔に観ているのですが、今一度鑑賞 いや、面白いですね。 1963年と言えば、半世紀以上前の作品 しかし、今観ても古くない。 上映時間143分は、現在なら長尺の部類に入ると思いますが、最初から最後まで一瞬たりとも目が離せない緊張感に包まれています。 煙突から上がるピンク色の煙 当時の観客は、さぞかし驚いたことと思います。 三船敏郎の重厚な演技 仲代達矢の緻密で執念深い刑事、狂気を帯びた山崎努の演技も素晴らしいです。 |
《改行表示》176.《ネタバレ》 凄いなぁ、黒澤監督は・・ 最初、会社の経営権をめぐる場面で、三船演じる権藤が自分がしっかりしてて、 頭のいい、喧嘩の強い人物だと描く。 そこで、誘拐事件。しかも自分の子どもと間違えて、運転手の子どもが・・ ここで権藤がどう動くか。見せ場はそこである。 そして権藤が魅力的な男だと分かる。 (三船を黒澤さんが捕まえて離さないのも分かる) それから警察の捜査で話を見せていく。 犯人が絞られていくとこは圧巻である。 警察もまた、権藤の魅力に引っ張られてか、この犯人をただでは 捕まえないと、魅力的に描かれる。 犯人の山崎努。 この男は徹底して悪である。 2時間の映画なので、この犯人像を深堀り出来る余裕はなかったろう。 それでも十分、娯楽映画として完璧である。 黒澤さんの映画は、とにかく飽きさせない。 最後まであっという間である。 人間を描いてる映画ではないが、娯楽映画とは何かを考えさせられる。 【トント】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-05-23 12:05:44) |
175.《ネタバレ》 時代劇っぽいタイトルとは違い、サスペンスもの。山崎努、この頃はへんちくりんな奴だ。犯人役になったのも頷ける。また三船のシャツ姿、あんまり似合わない気が・・・先入観のせいか。この頃の黒沢映画は、何でも三船だな~。 |
174.韓国映画の「パラサイト」がアカデミー作品賞などを受賞し、インド映画がパクリ元の名乗りを上げ、思わず「こちらこそがパクリ元ではないか?」とSNS上に投稿したので数年、もしかしたら十年以上の時を隔ててもう一度鑑賞することと相成りました。ただしこちらは「パラ」のポン・ジュノ監督が黒澤明監督の影響を受けたことを隠しもしていないしまた本作品が娯楽作品(推理作品、あるいは警察もの)として押しも押されもしない作品なので当事者によるパクリ元の主張はあり得ないでしょう。「パラ」と本作品に共通するのは高台と下町に象徴される富者と貧者の格差、そして小道具などにも神経を行き届かせている緊密な構成です。ただし、両作品の世界観や社会観は非常に異なっています。本作品に於いては富は勤勉と献身の対価として与えられるものであり、「パラ」の富豪はなぜか裕福、また本作品での貧者は正当な努力を拒む異常者、「パラ」の半地下一家は社会の波に乗り切れずに凋落した社会の犠牲者です。社会における人間についてこれだけリアルに描きながら他の黒澤明作品ほど人間性の奥底に切り込んでいるわけではない本作品にはわたしが娯楽作品につけることにしている最高点の8点しかつけられないのですが、本作品と韓国映画「パラ」を比較することは高度経済成長期の入口に立っている日本の倫理観とイギリスのEU離脱になぞらえてKOREXITとも呼ばれる韓国の自由主義陣営からの離脱を予見させる社会観や正義観を対比させてみると面白いかもしれません。 【かわまり】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-03-08 09:36:42) |
《改行表示》173.《ネタバレ》 創作も含まれているだろうが、黄金町の阿片窟のような様子、外国語で書かれたメニュー、あの雰囲気には圧倒された。 巻玉火薬の銃で昔よく遊んだっけ・・・ 【チェブ大王】さん [地上波(邦画)] 7点(2020-01-02 22:07:49) |
172.黒沢の全盛期の作品なので、ダイナミックで面白いのだが、黒沢映画の悪い面の説教臭さが出ている。(良い面は、活劇のダイナミズム)犯人を追い詰める際、わざと罪を重くするのは如何なものか。また、ラストの犯人(山崎努)の独白はやりすぎと思う。香川京子良し。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 6点(2018-12-24 19:02:28) |
《改行表示》171.《ネタバレ》 ほんとに面白い映画だな、と毎回見るたびにつくづく感心してしまう。 間違って誘拐された子供を助けるべきかの心理的葛藤、現金を詰めたかばんを持って特急こだまに乗れ、7cm開く洗面所の窓…。 冒頭から息詰まる展開の連続、後半で犯人が割れてからは警察の狂気さえ感ずるような執念の捜査、モノクロ画面に浮かぶ唯一のカラー。 名場面・名演出のオンパレードだ。誘拐罪の刑の軽さに対する黒澤の怒りが本作の大きなテーマだというが、それが映画全編を通じて伝わってくる。 皮肉なのは、名声名誉の象徴である高台の住人を憎悪して犯行に及んだ犯人だが、その被害者である大富豪権藤も、かつては貧しい靴屋であり、高圧的ではあっても仕事には熱心で、善良な男であったことだ。 要は犯人は、自分と似たような境遇にあった人間に対して罪を働いてしまい、もっといえば、未来の自分がなりうるだろう立場の人間に罪を働いたともいえる。 犯人は医師の資格もあり、それなりの教養もあったのだろうから、高台に対する屈折した憎悪など抱かずに、善良さを持ち、仕事には熱心に励んでいればよかったのに・・・。そう思わずにはいられなかった。 黒澤映画が偉大なのは、娯楽性が十二分にありながら、こうした人間性や善良さについて深く考えさせてくれるところだ。 【nakashi】さん [DVD(邦画)] 10点(2018-08-18 15:19:45) |
《改行表示》170.《ネタバレ》 まずサスペンスものとして十分に面白い。子供が返ってくるまでの展開は本当にドキドキして引き込まれた。犯人の顔が映ってからは(子供が返ってきた安心感もあったのだろう)少々緊張感が薄れてしまったが、それでも警察の捜査の様子は中々面白かった。 最後のシーンはあまりスカッとしないが、監督が描きたかったテーマはこれなのだろうか。「天国」に住む権藤に地獄を見せてやろうと犯行に及んだものの、結局の所地獄を見たのは自分自身だった、と言った所か。犯人が強がる様があまりにも滑稽で憐れみすら感じてしまった。それすらも監督の狙いなのだろう。 【alian】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-12-03 16:18:37) |
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《改行表示》169.大画面で観られる事を計算しつくして映像と音を作り上げた大傑作。20数年ぶりに劇場観賞したが、映画を観る快楽に酔いしれた。 三船が自宅の窓を開けると街の音がわーっと入ってくるシーン、すごく良かった。 【爆裂ダンゴ虫】さん [映画館(邦画)] 10点(2017-11-08 20:28:59) |
168.《ネタバレ》 圧倒的。前半の密室劇も、特急のシーンのスピード感も、後半の捜査の描写も全部素晴らしい。登場人物たちのなんと魅力的なことか。仲代達矢のカッコ良さ。ラストシーンの山崎努の迫力。そして何より三船敏郎!彼が身代金を払うことを決め、自らカバンに細工をするシーンが素敵すぎる。大富豪である彼も、かつてはしがない一職工に過ぎなかったわけだ。なんの前知識もなく観た一回目も感動したが、色々と撮影の裏話を知ってからもう一回観てまた感動した。 【すらりん】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2017-10-14 23:20:11) |
《改行表示》167.《ネタバレ》 今回約20年ぶりの2回目の鑑賞、 いやストーリーを結構覚えていたので、ひょっとしたら間にもう一回見ているかもしれない。 とにかく10点、今回も10点、初見時も10点。文句無しの10点。 以下は今回の感想。 前半と後半ではテンポが違う。 上映時間の情報が無かったら、後半は間延び感を感じるかもしれないが、 見始める前から140分と知っていたので大丈夫。 また、後半の映像は土地勘のあるところが多くて、あー昔はこんな街だったのか? と個人的に楽しめる場面多数あり。そういう楽しみもできた。 最後のシーン、ガラスに映り込む双方の表情にも引き込まれる。 何故、犯人はこんなに卑劣な犯行に及んだのか? 恐らくは、誘拐自体は単純なイタズラ感覚なのだと思う。 中毒者に対する非人道的な振る舞いは、ひょっとしたら劇中存在が明らかになっていない父親が・・・なのかもしれない。 また、手に大きな怪我をしていたが、これにより目指していた外科医の道が閉ざされ 瞬時の自暴自棄になってしまったのかもしれない。 動機は後付けでいくらでも想像できるほど伏線はたくさんある。ただ 映画自体を、役者たちの表情をバンバン楽しめる、そんな作品だ。 サスペンスには、動機づけが一番重要と考えながら見てしまう私だが、(特に殺人は) これはその大黒柱を無視できる稀有な作品。 |
166.割と長いが、展開が早く内容が濃いので、退屈する事がない。捜査の過程が非常によく出来ており、面白い。ただホシが判明してからの中だるみ感が残念。邦題の意味がよく解らなかったが最後の権藤との対面のシーンでなるほどと。地獄を見せてやろうと思いきや、前向きな権藤に逮捕された自分。上手い邦題だと感心だ。非常に面白い作品。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 9点(2017-05-08 16:05:34) |
《改行表示》165.リメイクしたドラマを観ていたので話の筋がおおよそ分かっていたが、知らずに観たらもっとインパクトあったと思う。 密度濃く、出来が良い映画。このぐらいの作品が現代にもっと登場してもいいのだが、今だと評価は違うのだろうか。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-04-22 22:16:12) |
《改行表示》164.《ネタバレ》 面白い映画を作りたければ前半部分を色濃くしたのかもしれない。しかし黒澤監督はそうはせず、当時の社会についてのメッセージ性のある監督の主張を織り交ぜた作品に仕上げた。 ラストは印象的だった。再起していく明日を見ている印象の権藤に対して、取り返しのつかないことをして死刑になるだろう犯人の対照性。そして印象的だったのは、権藤は犯人にまるで興味が無い様子のカット。これは権藤が工場作業員からのたたき上げで多くの経験を重ねてきた人間の深みを感じさせる。反対に平静を装いながら最後には大声で喚いてしまう犯人には、若さから来る浅はかさを感じてしまった。 黒澤監督のこういった犯罪に対しての見識が垣間見えた気がする。 ともかく、面白みは半減したので、前半の屋敷内でのやり取りをメインとした作品も見たかった気はしました。 【さわき】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-04-17 23:54:40) |
《改行表示》163.普通に面白くて退屈しない展開。極上のサスペンスと言っても過言じゃない。 誘拐事件が多発した昭和中期、アナログな捜査がまたなんとも言えない味が出てる。三船は鉄板だが仲代がまたなんとも名演技で際立つ。 |
《改行表示》162.《ネタバレ》 先が読めずに、刑事すらも敵ではなないかと思わせる緊張感には感服したが、とにかく必要の無いダラダラとしたシーンが多くて、長いのが本当に残念。 特に、列車から身代金を放り投げて以降のダラダラとした展開が辛く、最高潮に達した後の虚無感で、一気に冷めてしまった。 ただ、山崎努の演技力が素晴らしいので、なんとか最後まで楽しんで見られるものの、1時間30分程度にまとめてもらえたら、最高傑作と評していただろう。 【カムイ】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2015-11-28 22:51:26) |
161.集中して観られました。仲代さんの落ち着いた刑事ぶり、三船さんのどっしりとした貫禄の中に見せる哀愁、山崎さんの飄々とした悪人ぶり。前半のハラハラ感と打って変わる後半のドキドキ感。長い尺も気になりませんでした。携帯電話って便利なものだなぁ、やっぱり。 【movie海馬】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-02-06 21:26:35) |
160.《ネタバレ》 黒澤映画はぜったい時代劇じゃないほうがおもしろい |