1.誰もが知っている名作を、イメージを崩さぬようにしつつも飽きさせぬようにする。これはかなり難しいことだと思う。その辺のところ―どのように原作を料理したのかに注目して鑑賞した。まずは配役だが、メグ、エミー、べスはいいとして、ジョー役にウィノナ・ライダーというのはどう考えてもミス・キャストのように思われる。あのアイドル顔からジョーの男っぽさを引き出そうとしても、それは無理だ。いくら演技派のノニーが生き生きと演じても、あの顔はやっぱり合っていない。それなのにアカデミー主演女優賞にノミネートされたのはどういうことなのであろう。次に内容だが、これは完全に原作どおり。ただ、どのエピソードも簡素化されているため、味気ない印象はぬぐえない。まるで、映像化した原作を早送りで見ているような感じを受けてしまった。結論を言うと、この作品は失敗作だと思う。ノニーの他にクレア・デーンズ、キルスティン・ダンストといった今やスターになった女優が出ているというのに光がなく、映画としての魅力が感じられない。まるで、学芸会を見ているような気がしてしまった。