3.ファンタジーでこそ、作者は自分の世界をしっかり持ってなくちゃいけないもののはずなんだけど、日本ではそれがいい加減になってグズグズにされてしまう。とりわけ目立つのが不思議な公私混同。よくあるんだ。これなんか、恐竜生育という行ないと、ピーマンを食べさせる教育とが、ベタッと当事者が奇妙がりもせずにくっついている。この科学実験世界の貧相さ。せっかくペットを恐竜にしたのなら、もっと成長することの悲しみなり、怖さなりが必要なのではないか。後半家出してからのいい加減さは、もっと意識的にやればナンセンスのきらめきに至れたのかも知れないのに、ただの「いい加減」にとどまってしまう。無理にいいとこを思い出そうとすれば、ラストの雲によるREXがちょっときれいだったこと。