4.《ネタバレ》 ルパン三世のやり方とは思えない、回りくどくて泣く人が大勢出る方法で、コナンに小生意気なこと言わせるためだけの事件。
ルパン三世なら、鉱石の所有者を特定したら、その相手に直接罠を仕掛けて、獲物を盗むだろう。わざわざアレンを悲しませる必要はない。
それにしても、ここんところ(というかカリオストロ以降)、五右衛門のいらなさ半端ない。表面上は仕事しているが、魔法使いすぎてギャグにしかなっていない。昔はルパンらと一緒に変装したりして員数として活躍してたのに。
コナン側について。ミステリの常道である、魅力的な謎の提示、時にミスリードな探偵や捜査陣による興味の持続、常人には成し得ない推理による解決のみごさ。そういったものを、少なくとも初期のTVシリーズでは時に2話構成で丁寧に描いていたと思うが、本作ではややこしすぎる事件とキャラクタのふざけすぎた描写などに阻まれ、謎に対する興味が途中で霧散してしまう。
そして、得意気に話すコナンの推理も、大雑把で根拠の希薄な決め付けが多く、相変わらずミステリの醍醐味である「巧くやられた感」が無い。
書いていて今気付いたが、私はこのシリーズをコナンものとして観ているので、どうしても本格ミステリ的なものを期待していた。一方ルパンシリーズは活劇。だが前二段で書いたように、どちらにしても「らしくない」。印象に残るのは各キャラクタの、お祭り映画としての楽しさだけだ。
それにしても、世界の軍事バランスが崩れてしまうようなものを、いくら囮で宝石のように仕立てたとはいえ、泥棒に渡して任せてしまうのもスゴイよなあ。