2.《ネタバレ》 バケラッタのO次郎vsラブ・デラックスの山岸由花子&漂流教室の未来人。この映画から貞子が髪の毛で物理攻撃してくる様になる。キャラ立てとしては面白いけど、やっぱり貞子の武器は呪いであった方がいい。その方が神秘的だし。てか不老不死みたいな存在だったはずなのに叫び声で吹き飛ばされる貞子弱いなと思ったらついには石で撲殺される。ビクついて逃げ回っていた石原さとみがいつしか棒術を会得したりとツッコミが追いつかない。真田広之が必死に謎を追って解決したと思ったらまだテレビから這い摺り出て来たりと無敵を誇った貞子はどこへ。とどめはスマホ破壊であっさり降参と殴打に屈し過ぎだ。石原さとみ先生は健闘したが結局敗北したっぽいので強さの順列としては石原さとみ<貞子<同棲してた男のスマホ破壊攻撃、といった所でしょうか。そんな…僕達の無敵の貞子がこんな直接攻撃に敗れてしまうとは…てか動画なんてどのスマホでも見れるのになんでそれを破壊しただけで勝ててしまうの。
ちなみに漂流教室の未来人みたいな貞子が大量生産されたが、あれは憑代として井戸に投げ込まれた女性達のなりそこないの姿という事で宜しいのでしょうか。そう考えると気の毒というか悲しい。貞子本人はちゃんと橋本愛という美人に変化(へんげ)出来ているしそこまでしなくても良かったのにね。
あまりに評価が低く、期待値は限りなくゼロに近い状態で鑑賞したせいか、逆に楽しめました。でも一番怖かったのは物理貞子ではなく貞子のコスプレした刑事が唐突に自殺した所でした。なんか色々と訳が分からなくてそこそこ怖かったです。
ただマイナス要素も結構あるので、やはり高得点は付けられません。まずストーリーが無さすぎる。中盤までもう眠くて眠くて最後まで見るのに一苦労。我々視聴者は「呪いのビデオを見たら貞子に殺される」というからくりは知っている訳だ。てか知らずにこの映画を見る人はそういないだろう。なのにいつまで経ってもこのからくりの根源を解明・解決しようという方向に話が進まない。ひたすら疑い続けてた刑事がやっと重い腰を上げてくれるまで1時間以上を要する。1時間半しかないのに。要するに新鮮さが無いのだ。3Dありきで作ったのは分かりますが、日本ではジョーズ3Dの時代から何度かブームもあってそんなに新鮮な手法ではない。薄いストーリーを誤魔化せるほど豪勢な技術とは言えないのだ。さらに言うとなぜか日本では3Dがそんなに人気が無いらしい。世界的に3Dで広く公開されるアメリカの映画も日本だけは配給が全て2Dなんてのも結構ある。3Dを柱にしても喜ばれないのだ。この映画、公開当時は石原さとみが主演だからかやたらと番宣打って話題になり、レンタル屋に円盤が並ぶ頃には各店舗で大袈裟に貞子コーナーが設置されたりとかなり力を入れていたのを覚えている。果たして金になったのだろうか。
貞子のキャラも残念。断言します。貞子ってのは萌えキャラなんです。日本人は長い黒髪、白服、色白、細身の女が大好きなんです。個人的には太いのがエロくていいと思うけどそれはさて置き、貞子の黒髪は美の象徴であり萌え要素。夜目遠目笠の内なんて申します通り顔がはっきり見えないのも神秘的。それがどうだ、この映画で貞子は妖怪髪女にされてしまった。その悲しい境遇から呪いの念を人に向ける、これもまた同情ポイントであり、殺害方法も不明瞭で神秘さに拍車を掛けている。それがまさかパワー型の化け物と化すとは。うーん可愛くない。
それと石原さとみ。人気若手女優にイケメンと同棲してるという設定を付与するのはいただけない。男からも女からも共感されないと思うよ。教師という設定も、本来生徒を守るべき立場でそんな頼りないのはどうなんだと思ってしまった。
さらに残念なのがビデオ。その長い黒髪と並んで貞子のキャラを印象付ける代名詞の一つであり、その不気味さが面白いのに、何よそれ。何なのよそれは。「リング」のビデオってあれ訳分かんないけど実は一つ一つの場面に意味があるんだよね。今回のはただのニコ生じゃないか…まあ色々突っ込んだけどツッコミ入れて楽しむ映画なんだと割り切ればネタとして面白くはあります。