13.《ネタバレ》 お気に入りのラブコメ映画「50回目のファースト・キス」と同じ監督さんという事で、大いに期待していた本作。
ところが、ジャンルの違いもあるからなのか、今一つ楽しむ事が出来ませんでした。
好きな女優さんであるアン・ハサウェイがヒロイン役ですし、アクションシーンなども結構しっかり描かれていたと思うのですが、熱中する場面も無く、気が付けばエンドロールになっていたという印象ですね。
自分にとっては善玉の印象が強いドウェイン・ジョンソンが実は悪役であったという展開なども、意外性があって良かったはずなのに、何故か興奮を誘われない。
その理由として、一つ印象に残っているのは、飛行機内にて手枷を掛けられた主人公が悪戦苦闘する場面。
スパイらしく、小型のクロスボウで狙いを定め、手枷を破壊しようとするも、見事に失敗。
自らの足に矢が突き刺さってしまい、悶える事になる……というギャグがあるのですが、これ、一回目はクスっと笑えたのです。
ところが二回も三回も失敗して矢が刺さるのを繰り返されてしまうものだから(もういいよ……)と、少々飽きてしまったのですよね。
で、ようやく最後に成功するのかと思ったら、間違えてボタンを押してしまって床が開き、そのまま主人公が地上に向かって真っ逆さま、という顛末だったのです。
この「肩透かし」っぷりがシュールで面白い、という人もいるのでしょうが、自分としては(どうも、この映画とは相性が悪いな)と思えてしまい、以降は少し距離を置いて観賞していたような気がします。
書類仕事は優秀であっても、実務においてはドジな主人公。
そんな彼が、有能な相棒の助けと幸運とで事態を乗り切っていくだけなく、終盤にて「やれば出来る男」と実力を証明してみせるストーリーラインなどは、とても好み。
最後も安心のハッピーエンドで、何故この映画を楽しむ事が出来なかったのか、自分でも納得出来ないくらいですね。
面白いはずなのに面白くないという、不思議な感覚。
映画と自分との「ズレっぷり」が残念に感じられる一品でした。