《改行表示》49.《ネタバレ》 南部で北軍兵が負傷し、女だけの女学院に運ばれ、女たちはハンサムな男に興味津々、男は保身のため女たちの気を引こうとして、5人の女性といい関係になる。 マーサ校長はクソ真面目な人だが、兄と不適切な関係を持ち、彼の殺害に関与した疑いがある。マクビーが夜這いに来るのではと胸をときめかせるが、キャロルのベッドに行ったため、彼の脚を切断する。 ハリーは奴隷ではないのに校長に忠実で、自由になれるのに出て行かないのは、校長に密かな借りがあるのだろう。 エドウィナ先生は貞淑を絵に描いたような人で、校長に経営者にならないかと持ちかけられ喜ぶが、マクビーがキャロルと関係すると彼を突き飛ばし、Bワードで罵る。だが数日後には彼と初体験して、ともに出て行くと宣言する。 キャロルは、マクビーがエドウィナ先生とキスするのを見て嫉妬し、彼を南軍に引き渡そうとする。あとになって「今でも愛している」と言い、彼の頼みで部屋の鍵を開けるが、彼が暴君になるととたんに「脅された」と嘘を言う。 エイミーは12歳なのに、マクビーがキャロルのベッドに入ったことに嫉妬し、ペットの亀を殺されて逆上する。 一同が食堂に集まるシーンでは、脚を切断されたマクビーが探偵のように全員の心理状態を説明し、偽善を告発して溜飲を下げるが、全員を性奴隷にすると宣言したことで、全員の支持を失い、ラストの悲劇に至る。「最後の晩餐」のシーンでは、エドウィナ以外の全員が毒キノコだと知りながら、誰も教えない。 作者が言いたかったことは、女たちは女だけの世界で長い間男を知らず、男は南軍に引き渡される恐怖があり、特殊な状況ゆえに破綻してしまう悲劇だったのだろう。だが脚本が下手なせいか、本作では登場人物がその都度「なんでそうなるの」という不可解な行動を取る。マクビーもあまりにやり過ぎなので、殺されても当然にしか見えない。気持ちのすれ違いが原因で、女たちは殺人加害者へ、男は殺人被害者へという悲劇の結末に至るつもりが、喜劇にしか見えてこない。邦題では、原題にない「異常な」という言葉が挿入されているが、登場人物はみな異常にしか見えず、全く共感できないという点において珍しいカルトムービーだ。内心がいちいち音声化されるという技法も「異常」であり、ソフィア・コッポラ監督のリメイク版を除けば、類似設定の作品がほかにないという意味でも、記念碑的珍作といえよう。 マクビーが来たら雌鶏が卵を産んだのは、女性の発情を暗示している。無力で女たちに運び入れられたマクビーが、最後に無力で女たちに運び出されるシーンも、暴力的な性を発露した校長の兄の末路を暗示している。 【高橋幸二】さん [地上波(字幕)] 7点(2020-05-12 13:14:27) |
48.《ネタバレ》 学校内の主要な登場人物に主人公が次々にモテまくる都合の良い展開が楽しい。イーストウッドのハードボイルドぶりとやってることの品性下劣さとが微妙に整合していないのも楽しい。女性同士のドロドロネチネチはもう少しいろいろあるのかと思っていましたが、あくまでも主眼は主人公の徹底したアホさですね。それが舞台設定の閉塞性によってなぜか一応完結しているという、不思議な作品。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2020-02-21 00:13:23) |
47.《ネタバレ》 女学院に担ぎ込まれたのは戦争で死にかけた一兵。女の園に傷ついた男が一人。よく見ると、ちょっぴりイイ男。何だかソワソワざわざわしちゃうアタシたち。女ばっかで、ちょっと元気になったら精力ムンムン、ハーレムでウハウハのおいら。獣と化したおいら、罰として足んよをチョッキン、毒入りキノコでお逝き。最後まで目が離せねえ良作。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-10-20 23:02:01) |
46.《ネタバレ》 南北戦争時代、まるで桃源郷のような女学園へと迷い込んだ北軍兵士の男のそのハーレム生活と破滅を濃厚に描いたサスペンス・ドラマ。ソフィア・コッポラのリメイク版がなかなか良かったので、オリジナルである本作もこの度鑑賞してみました。いやー、噂に違わぬ変な映画でしたね、これ。12歳のいたいけな少女から年増の園長先生まで、まさに男の妄想全開のハーレム状態。え、これって原作はフランス書院か何かですか(笑)。というか、主人公はじめ登場人物全員がおかしな行動を取り続けるので、最後まで居心地が悪いったらありゃしない。特に脚を切り落とすシーンなんて、「え、なんでそーなるの?」って感じでした。そして目覚めた男は居直って堂々の「お前ら全員俺の女だ。いつでも好きな時に抱く」宣言。なんでやねん!挙句、最後は何故かみんな仲直りして一緒にディナー……と思ったら、12歳の女の子による毒キノコであえなく昇天。おのれのキノコのツケはキノコで清算ってことですか…。いったいコレ、ほんとに何を描きたかったんでしょうね(笑)。ソフィア・コッポラのリメイク版は、女性たち目線でストーリーを語り直すことによって全く不自然さを感じさせなかったのはさすがでした。若かりし日のクリント・イーストウッドが何故か出ているこの珍品、興味のある方はぜひどうぞ。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2019-09-24 20:03:43) (良:1票) |
45.《ネタバレ》 制約された空間での女の本性むき出しで、足の切断までは面白かったんだけどな。ここから話がおかしくなり、まさに「異常」な状態に。で、結局トラブルの元を殺してメデタシメデタシって全然オチになってないし。抜け駆けしようとしたネーチャンが最後発狂してもよさそうなモノだけど、冷静でいるのもどうなのかと。もっと女の葛藤をトコトン描いて欲しかった。 |
《改行表示》44.《ネタバレ》 「異常な」とは凄い邦題だけども、なんか訳者の気持ちが分かる。なんつうか「ヘン」なんですよこの作品の手触り。登場人物がですね、皆こちらの思う線とズレがあって、そのズレが「意外で興味深い」というんじゃなくて、「なぜにそうなる」と不可解なんですな。 まずイーストウッド。のっけから12歳の少女にキスをかまし、ロリータから熟女まで幅広すぎな女好きぶりを隠すことなく発揮。一見誠実そうに見えるだけに、その節操の無さはちょっとひく。さらに脚をとられた(!!)後の亀殺しや”学園まるごとハーレム宣言”にはさらに引く。 ”貞淑な”女学院の生徒さんたちにはまるで商売女みたいのがいたり、グロ好きがいたり。規範となるべき女先生の「死ねえええ」の咆哮には、一体どこが淑女やねん、と目が点だ。しかもしかも女校長は兄と関係があって、小間使いの黒人女もその兄と何かあるようで、カオスさながらのこの話一体どこに着地するんだと恐慌状態になりながら観てたら、イーストウッド毒キノコ殺害事件にて投了。こんな話あり?独特が過ぎて忘れ難いけどさ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-03-14 23:04:28) (良:1票) |
43.《ネタバレ》 2016.03/11 鑑賞。異常プラス異常、どこを取っても異常、戦争の成せる業かと思いきや全て過去に起因が。設定が全て無茶すぎるがそこを新味と見るか否か。私の好みでない。-1点。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-03-11 22:18:06) |
42.《ネタバレ》 ○同年にイーストウッドは監督デビューしているが、その作品同様女性に苦しめられる作品。○男禁制でイーストウッドの男前さは分かるが、次々に惚れていくのがなぁ。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-01-17 12:12:11) |
《改行表示》41.南北戦争時代、イーストウッド演じる北軍の伍長が南部の戦線で負傷し、女ばかりの寄宿学校みたいなところに匿われる。さまざまな年齢の女性数名に対し、男が一人、もうより取り見取り。これがイタリア映画ならお色気コメディ映画にでもなったかも知れませんが、ドン・シーゲルとイーストウッドが組んだら、ほとんどホラー映画みたいなサスペンスになりました(何度か出てくる真っ赤な血の描写がコワイ)。密度の高い、緊張感に満ちた映画で、「イーストウッドがモテモテ役だなんて、許せんなあ」という気持ちもすぐに引っ込みます。 まずそもそも、学校の外部というものが、戦時下で秩序というものが無い不安な状態。その中において、舞台となる女学校は、厳格さに満ちた閉ざされた世界、であるのですが、そこに負傷した男が一匹。負傷してたって、男としてヤルことはヤル、っていうかむしろ体の不自由さゆえに性的な方向に暴走しがちなもんで、女ばかりの秩序だった世界(それはもともと表面的なものに過ぎなかったらしいのだけど)に、嫉妬に満ちた大きな波紋を投げかけることになる。それは、映画後半におけるあるショッキングなエピソードによって、男をより純粋な性的存在へと変化させ、事態をより深い混沌へと導きかねない展開にもつながっていきます。が、それでも危ういバランスは保ち続けられ、そしてそのまま、一連の混乱は唐突に、断ち切られるように終わりを告げる。あとに残るのは、不気味極まりない、秩序の世界。まあ実にヤな感じで気持ちの悪い、「異常な」映画です。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-11-15 08:24:20) (良:1票) |
40.男ならちょっとは羨む設定で、もっとめちゃくちゃな展開かと思ったけど、まあそこそこ現実的な内容でした。狭い世界であんなに手を出しちゃね。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-08 17:31:48) |
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39.《ネタバレ》 イケメン北軍兵士が女の園でモテ男になるが一転どん底に落とされる異色サスペンス。イーストウッドをはじめ女性陣の猜疑、期待、打算、恋愛、嫉妬、嘘、憎悪、殺意、騙し、希望、絶望等の表情がリアルでとてもいい。邦題のセンスや皮肉な結末には苦笑してしまうが、ワクワクするような世界に潜む異様な怖さを満喫できた。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-11-07 20:43:46) |
《改行表示》38.思っていたより楽しめた。主人公の行動には一貫性が無いと感じるが、戦争中で排他的な女学院という雰囲気が良かった。 単純に言えば、男は性欲に逆らえず、女の嫉妬は怖いという映画(笑) |
《改行表示》37.《ネタバレ》 男の意図が謎!手出し過ぎやろ。 先生とのキスをのぞき見する風の演出はよい。 心の声が聞こえるのが面白いがチープな印象。直接的すぎるのかも? 女心はよくわかった。同性としても共感できる場面が多かった。 【らんまる】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-08 20:46:48) |
36.《ネタバレ》 いやーーー恐ろしい・・・女の嫉妬心の異常ななれの果ては、裏切った男への復讐へと変わっていく様をするどく描いていますね。そして、その対象がクリント・イーストウッドということがスゴイ。まさかキノコで殺されるとは・・・この人が殺されるシーン初めて観ました(どうも本作だけみたいですね、すんごく貴重ダ) 確かに本作のイーストウッドはカッコイイ。そりゃー閉鎖的な女学校の子達、というか先生方か、、もメロメロにそりゃなるわ。しかしいいことばかりは続きませんな。。まさに因果応報(ちがうかな?(苦笑)) 人生の教訓にしたいとオモイマス 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-29 00:49:42) |
《改行表示》35.《ネタバレ》 クリント・イーストウッドの作品で本人が死ぬ映画というのは、これ一本ではないだろうか? 桃源郷に入り込んだ一人の男が様々な女性に誘惑され、一人と合体したことで全てが崩れていく過程が面白い。 70年代だからこそ出来たアイデアだと思うが、階段から落ちて気絶した男に対する処置は観賞する女性にとっても、ちょっとやりすぎのような気がする。返って笑えたりしちゃって。 気になったのは、心の声を皆が出してしまうところだ。 このへんはシナリオの力不足だと思う。 面白い作品だった。 【クロエ】さん [地上波(吹替)] 8点(2012-01-17 04:35:41) |
《改行表示》34.《ネタバレ》 若いクリント・イーストウッドってイケメンだねえ。そんな主人公が敵軍の負傷兵として女の園に匿われる。そこでやっぱりモテモテで園長から12歳の女の子まで複数の女性の愛情と嫉妬が渦巻く。前半はハーレム状態でかったるいが、後半に入り恐怖感が加速していく。足を切断する場面は筆者にはちょっと重すぎた。主人公にもう少し誠実さがあれば女性の恐ろしさが際立つ感じがするのだが、いかんせんこの女たらしっぷりでは半分自業自得じゃんと思ってしまう。好み20/50、演出8/15、脚本6/15、演技8/10、技術8/10、合計50/100→5/10点 |
《改行表示》33.イーストウッドの出演作品としては異色作。 序盤の設定からして興味を惹くんだけど、そのあとの展開、 特に終盤からラストにかけてのお話の流れが非常に面白かった。 女教師、女生徒たちの心理状況がよく描かれていて、サスペンス・スリラーに近い印象かな。 それにしても、この頃のイーストウッドはホントにカッコいい。 そのカッコよさが、この作品のキーポイントになっております。 【MAHITO】さん [地上波(吹替)] 6点(2011-09-17 23:30:51) |
32.子供の頃にテレビで見て、けっこう怖かったのを覚えています。テレビ放映にふと気づき、久々に鑑賞し直しました。細部の記憶がよみがえり、けっこうどころか、とても怖いじゃないですか。シーゲル+イーストウッド作品の中では異質に感じる作品ですが、良作です。 【ジャッカルの目】さん [地上波(吹替)] 6点(2011-02-05 13:00:43) |
31.男女の本質を描いてる映画。男は女を抱く為なら平気で嘘を付く。女は嫉妬するととんでもない行為に出る。とてもじゃないが気持ちのいい映画とはいえない。しかし、その緊張感や恐怖感はこれ以前、以降のイーストウッド作品には感じられないものがあり、評価せざるを得ないだろう。こういった人間の本能的な部分を上手くかけるドン・シーゲルは素晴らしいし、それを受け継いだイーストウッドの現在の監督業には頭が下がる。 【関白宣言】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-05-29 15:31:13) |
《改行表示》30.《ネタバレ》 なかなか面白い。テレビ放映の吹き替えが作り出す微妙な雰囲気はまた少し違う異世界に連れて行ってくれる。 イーストウッドのイーストウッド像が、いつもの格好良さとは違う憎らしさをまとっている。浅ましさや汚さが文字通りの穢れのような物を象徴する本作では、主人公の主人公然としない行動に説得力を持たせている。この不快感がたまらなく良い。 女たちの嫉妬心を描写するそのイメージが、いちいち固定的観念的で良い。そこに薄汚く歯車を合わせていく主人公が破綻無くスムースに破綻を招くというプロットは愉快ですらあるが、やはり不快なのだ。そこにこの映画の核があるのか。ほんとのところこの映画のどのあたりがどのように面白いのかというのは具体的には言いにくいが、やはり画面上に表れないが存在する感情という部分に惹かれるのだろうと思う。 それとやはりテレビ東京の昼の時間帯に微妙な音質の吹き替えで、くすんだ映像が放送される効果の大きさか。本来この映画の中に存在しなかった、変な実在感が浮き出てくるのである。 【黒猫クック】さん [地上波(吹替)] 7点(2010-04-03 20:01:44) (良:1票) |