ワルキューレのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ワルキューレ

[ワルキューレ]
Valkyrie
2008年上映時間:120分
平均点:6.54 / 10(Review 100人) (点数分布表示)
公開開始日(2009-03-20)
ドラマサスペンス戦争もの歴史もの実話もの
新規登録(2009-01-05)【尻軽娘♪】さん
タイトル情報更新(2014-12-18)【イニシャルK】さん
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監督ブライアン・シンガー
助監督リー・クリアリー(第1助監督)
演出ヴィク・アームストロング(アクション・コーディネーター)
キャストトム・クルーズ(男優)クラウス・フォン・シュタウフェンベルク
ケネス・ブラナー(男優)ヘニング・フォン・トレスコウ
ビル・ナイ(男優)フリードリヒ・オルブリヒト将軍
トム・ウィルキンソン(男優)フリードリヒ・フロム将軍
カリス・ファン・ハウテン(女優)ニーナ・フォン・シュタウフェンベルク
トーマス・クレッチマン(男優)オットー・エルンスト・レーマー
テレンス・スタンプ(男優)ルートヴィヒ・ベック
エディ・イザード(男優)エーリッヒ・フェルギーベル
ケヴィン・マクナリー(男優)カール・ゲルデラー
クリスチャン・ベルケル(男優)メルツ・フォン・クイルンハイム
トム・ホランダー(男優)ハインツ・ブラント
ケネス・クラナム(男優)陸軍元帥 ヴィルヘルム・カイテル
ハリナ・ライン(女優)マルガレーテ
イアン・マクニース(男優)将軍
クリスチャン・オリヴィエ(男優)上級曹長 アダム
マティアス・シュヴァイクホファー(男優)ヘルバー中尉
バーナード・ヒル(男優)将軍
ワルデマー・コブス(男優)
森川智之クラウス・フォン・シュタウフェンベルク(日本語吹き替え版)
内田直哉ヘニング・フォン・トレスコウ(日本語吹き替え版)
中博史フリードリヒ・オルブリヒト将軍(日本語吹き替え版)
堀勝之祐ルートヴィヒ・ベック(日本語吹き替え版)
菅生隆之フリードリヒ・フロム将軍(日本語吹き替え版)
宮内敦士オットー・エルンスト・レーマー(日本語吹き替え版)
横島亘ハインツ・ブラント(日本語吹き替え版)
脚本クリストファー・マッカリー
音楽ジョン・オットマン
撮影ニュートン・トーマス・サイジェル
製作ブライアン・シンガー
ギルバート・アドラー
クリストファー・マッカリー
ヘニング・モルフェンター(共同製作)
リー・クリアリー(共同製作)
ユナイテッド・アーチスツ
製作総指揮トム・クルーズ
ポーラ・ワグナー
クリス・リー[製作]
配給東宝東和
特殊メイクランディ・ウェストゲイト(ノンクレジット)
特撮ソニー・ピクチャーズ・イメージワークス(視覚効果)
美術リリー・キルヴァート(プロダクション・デザイン)
キース・ペイン
衣装ジョアンナ・ジョンストン
編集ジョン・オットマン
録音マイク・ホプキンス[録音]
スキップ・リーヴセイ
字幕翻訳戸田奈津子
スタントケイシー・オニール(トム・クルーズのスタント・ダブル)
ジョーイ・ボックス
あらすじ
連合軍がノルマンディー上陸作戦に成功し、劣勢に立たされ始めたドイツ。祖国愛故にヒトラーへの反感を抱いていたシュタウフェンベルク大佐は、軍内部で秘密裏に活動しているレジスタンスメンバーとともに、総統の暗殺とクーデター「ワルキューレ作戦」を計画していたのだが…。 ナチス政権の暴挙に疑問を抱いていたドイツ軍将校らが、ヒトラー暗殺とその後の国家再生に向けて計画を進めていく過程、及びその顛末が、緊迫感十分に描かれていく。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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【クチコミ・感想】

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100.だいぶどうでもいい話かもしれないが、ひとつ面白いことがあった。 「慎重もしくは臆病なせいで決断ができず、主人公と揉める上官」というのは映画でよく登場する。そして、そういうのが出てきた場合、常に正しいのは主人公で、上官が間違っているのである。これは私の知る限りではあるが、100%必ずそうである。 しかし、本作では、上官の判断は事前の打ち合わせ通りにしなかった点で正しくはなかったが、結果的にはそこまで間違ってもなかった。映画の定番通りにならない掟破りがあって面白かったのだが、なぜそんなことになったかといえば、それが史実だからなのだ。あの上官は、実際ヒットラーの生死が確認できないとして、作戦を実行しなかった。ランチに行ったのも事実だそうだ。 この映画はだいぶ史実に則って作られている。 この映画で興味を持ったので、このワルキューレ作戦についてwikiでも見てみたが、当時の記録が驚くほど詳細に残っていて、そして、本作はそうした事実にだいぶ忠実に作られていた。また、当時の建物や戦車などもかなり正確に再現しているそうな。 話の筋としてはそこまで大したものではないのだけれど、史実の再現ドラマという感じで、楽しむことができた。
椎名みかんさん [インターネット(吹替)] 7点(2023-10-11 07:02:16)
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99.非常に地味に丁寧に史実のヒトラー暗殺映画を描いた映画です。  この手の「実話映画」で問題になるのは最初から結果がわかっていることです。 戦争中に何度も計画されたヒトラー暗殺計画が成功していないのは誰しも知っている事なので、この映画の結末も誰でも想像できます。 結果が分かったストーリーを2時間見せられるのってどうよ?という事です。  この手の実話物の最高傑作は「ユナイテッド93」だと思いますが、あれは映画的な脚色を極力減らしたからこその緊張感がありました。 この映画の場合、娯楽映画としてのスタイルをとりつつ実話を描く、そういう意味では非常に上手に映画として作られているとは思いますが、結果としてやや中途半端になってるな、と、そう感じました。  また映画のあとにwikiを確認してトム・クルーズ演じる伯爵大佐が、実際にどういう人でどういう評価を受けているかを勉強できた事は収穫かなと思っています。 映画用の脚色したスタイルかと思いきやリアルにあの姿だったんですね。なるほど~
あばれて万歳さん [インターネット(吹替)] 7点(2023-10-09 13:36:05)
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98.《ネタバレ》 特に理由は無いんだけどずっとスルーしてた作品ですが、特に理由もなく配信に上がってきたので鑑賞、期待はしていなかったけど面白かったです。人物についてはそういう人が居たらしい程度でしたが英雄視されるのもうなずけます。9か月ほどの差しかないけど成功してたら歴史はどうなっていたんでしょうね。。。 wikiでシュタウフェンベルクさんの顔写真が掲載されていますが気品のある顔立ちです、魅力のある人だった様ですね。 少しトムさんおアクション作が食傷気味なのでこういう作品ももっと頑張って欲しいですね。   最新のMIと本作のおかげで、僕の俳優別統計ランキングでトムさんが堂々の1位になりました。 マイページから確認してみてください、面白い統計がみれますよ。
ないとれいんさん [インターネット(字幕)] 7点(2023-08-17 17:15:04)
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97.《ネタバレ》 - Valkyrie - バルキリーのドイツ語読み。 ワーグナーのオペラの代表作。北欧神話の軍団名。この映画の場合は“ドイツ国内の予備軍の動員命令の作戦名” 実話ベースのヒトラー暗殺計画の首謀者をトム・クルーズが演じるアメリカ映画。みんな英語で喋ってる。 旧日本軍の映画で「天皇陛下万歳」や「靖国で会おう」を入れにくいのと同様に、これをもしドイツが創ろうとしても、きっと色んな圧力とか忖度とかで、もっと意味が通じにくい映画になっていたかもしれない。  詳細はともかく、ヒトラーは暗殺で死んだ訳でないので、失敗の結末は想像が付く。結末は解っていても、計画から実行、シュタウフェンベルク大佐の真っ直ぐな人間性が、暗殺サスペンスとして充分に盛り上げてくれる。 トムらしいワンマン・アクションが発揮されるかと思ったけど、あくまで淡々とシュタウフェンベルク大佐役を演じるトム。コレはコレでイイ。 クイルンハイムを演じたクリスティアン・ベルケル、旧ドイツ軍人役の彼を観るの、たまたまだけど今年3回目。  シュタウフェンベルク大佐はドイツに忠誠を誓った反ナチズムの好人物として描かれているが、他の幹部のそれぞれの立ち位置はどうか?戦争はほぼ負けが見えてきた中、ヒトラー無きあとのドイツをどうコントロールしていくか。相手がヒトラーとはいえ、暗殺参加は単に“正義”という言葉で片付けられない事情があったろう。その辺を掘り下げても面白かったと思う。 この時期に独裁者の暗殺映画をテレビで流す意図は、何となくイメージできる。独裁者の暗殺で本当に戦争が終わるかどうか。公開時の2008年あたりは、何かあったのかなぁ?
K&Kさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-11-06 22:59:33)
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96.《ネタバレ》 これも何度か放送されていて、ラストのあたりを2~3回観たことはあったんです、今回初めて録画してきちんと観ました。  クーデターというものにあまり良い印象はないんですが、この件に限ってはやはり印象は悪くないのね。トム・クルーズが唯一完了できなかったミッションですが。 そしてドイツ兵の中にもレジスタンスがいたということがわかっただけでも有益な映画でした。 ブライアン・シンガーはドイツ系ユダヤ人移民の家系だという、しかし巨人でクールな美形が多いドイツ人にはどうしても見えないトム・クルーズ、ドイツでは今も英雄とされている人物を、もろハリウッドの俳優が演じることにかなり反発があったらしい。 でもウィキでシュタウフェンベルク本人の画像を見たら、目元がトムみたい。伯爵であり、育ちの良さが出てますね。 海賊みたいな眼帯の効果もあるし、トムは期待以上に完璧に演じたと思います。 トム以外の主要な人物はほとんどが個性的な英国俳優であり、聞きなれないドイツ人の名前に苦心はしたけど誰が誰だかわからないとはならず、こういうところもいいですね。 トム・クルーズとケネス・ブラナーが一緒にいる映像というだけで何か感動してしまいました。ブラナーはドイツ兵が様になる人ですね、TV用だと思うけどヴァンゼー会議を描いた作品でハイドリヒを演じてた時も冷徹という感じがよく出ていたと思う。 ロケ地は実際の場所、跡地が使われたというし、史実に忠実らしい。暗殺に失敗した原因となるものもきちんと描かれ、わかっていてもハラハラして引き込まれてしまうのね、映画として優れていると思いました。
envyさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-05 16:27:56)
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95.《ネタバレ》 これは、トム・クルーズものという先入観を良い方向に裏切る秀作でした。歴史の出来事ゆえ、誰もが結末を知っている出来事だけどちゃんとハラハラできましたもん。 B・シンガーの潔いのは‶ワルキューレ作戦”を歴史ドキュメントでも反乱者らの人間ドラマでもなく、サスペンスの素材として扱ったこと。ナチに対する批判も処刑された将校らの思想背景も、この映画からはうかがえません。 ヒトラー暗殺作戦は44年時のミッション・インポッシブル。人物をシンプルに駒としたことで、トム・クルーズもボロを出さずに乗り切った感があります。 トム・クルーズはいつものトムでしたけど、周りを固めるベテラン英国俳優の面子が激渋なことこの上ない。当時のナチ高官にもかなり面差しが似ているとは、これいかに。怒涛の名演技ラッシュは見ごたえありますし、衣装の精密さで当時のナチス軍服の美麗なことも際立ちます。ただ、やっぱり言語は丸みのある英語でなくガッガッ、というドイツ語で聞きたかったです。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-10-04 23:37:57)
94.《ネタバレ》 数年ぶり2度目観賞。ドイツ軍人によるヒトラー暗殺計画「ワルキューレ作戦」。隻眼で片腕、異形のドイツ軍人にして作戦の首謀者をトム・クルーズが好演。作戦は失敗に終わるので爽快感はないが、中身は重厚。
獅子-平常心さん [DVD(字幕)] 6点(2020-03-01 23:17:20)
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93.《ネタバレ》    誤解を恐れずにそもそも論を言えば、 ヒトラーが絶対悪であることを根拠に作られてる映画。 でも、ヒトラーという存在は絶対悪なのかという常々の疑問。 だって、あの時代はヒトラーを信じた人たちが多かったからこそ、存在できたのだから。  相対的な根拠に基づくならクーデターとかも歴史上、世界上に起きたクーデターに絶対的正義はない。 この映画でも主人公を含めクーデターに関わった人々が絶対的な英雄ではない。  ただ、自分が正しいと信じることに忠実であったことは間違いない。 そうではないクーデター側の人間もいるからこそ。  その存在が心を魅かれるし、失敗に終わったことが悔しい。 日本の近代史でいえば226も含め。 それが絶対的に正しいかではなくて、大勢に流れることなく、強さと信念で行動したことに対して。     トム・クルーズは過小評価されすぎ。 シンガー監督の演出と、とトム・クルーズの演技あっての映画だと思います。
こっちゃんさん [インターネット(字幕)] 10点(2020-02-26 20:30:55)
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92.《ネタバレ》  歴史に疎く、戦争ものは苦手。そんな私にとって、まあなんとも相性の悪い映画。悲劇もあまり好きではないですしね。  じゃあ何で見たかっていうと、トム・クルーズが出ていたから。  でもそんな理由で見ちゃったからやっぱだめでした。まずストーリーについていけません。予備知識ゼロ。そんな人はお断りって感じで、今何が起きているのかがそもそもよくわかりません。トム・クルーズたちが何を目的にしてそれぞれ何の役目を担っているのかようわからんのです。当然、私にはこの映画を正しく評価できる資格はないでしょう。  でもあえて、わからないなりに言わせてもらうと、前半はかなり退屈。  中盤以降の盛り上がりも、『音楽』『空気感』のみで緊迫した状況を無理矢理感じさせる演出。  そう、この作品はこの時代の歴史に強く、ある程度事前に内容を調べて用意周到に映画を見る準備を整えるような人でない場合、つまり私が手を出してはいけない代物。  率直な感想で、面白くはなく、何か心に残る作品でもなく、中盤以降なんか雰囲気に圧されて最後までただ『飽きなかっただけ』の作品。
たきたてさん [DVD(字幕)] 4点(2020-02-16 02:42:31)
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91.《ネタバレ》 戦時が舞台ですが、戦争映画というよりサスペンスものとしてよく出来ていたと思います。 史実に基づいてますが展開は割りと早いので、重い歴史的テーマからの感銘とか、余韻とかはあまり感じられませんでした。字幕の訳ではややはしょった表現もありましたので、当時のドイツ軍の組織とか知らないと解りにくい部分もあったと思います。 爆弾爆発の後、シュタウフェンベルグと共に車で脱出する際の、副官ヘフテン中尉の呆然とした表情が印象に残っています。 ベルリン護衛大隊長レーマー少佐役はドイツ映画でおなじみのトーマス・クレッチマン。またドイツ軍将校役か、という感じですが、クーデターの鍵を握る事になる役をクールに演じていました。史実ではこの騒動時の行動により、彼は2階級特進しているはずです。 時は1944年の7月ですので、何度か出てくるヒトラー他列席の会議では、ソ連軍のバグラチオン作戦により白ロシアでドイツ軍がコテンコテンにやられている様の報告がなされています。何度か登場するJu52は実機のようです。
クリプトポネさん [映画館(字幕)] 5点(2017-08-13 16:15:33)
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90.《ネタバレ》 ヒトラー暗殺を試みた史実は知らなかった。 失敗することはわかっていても、興味深く見応えがある。 独裁者へのクーデターって、よほど周到にやらないと。失敗したときの手酷い制裁が恐ろしい。 そんなリスクを冒して挑む勇気に、思わず感情移入。 今も人権無視の独裁国家はあるけど、そこを舞台に空想してしまう。
飛鳥さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2017-03-12 08:29:44)
89.《ネタバレ》 人によっては、ドイツなのに英語?とか、史実なのになんか英雄的に描きすぎとか、トムがドイツ人て無理あるんじゃね?てゆーか、キャストの一部がドイツ人じゃないのにドイツ人って笑止千万とか、色々あると思うんですけど、僕的には、知らない史実をハリウッド的な娯楽作品として描いていて、非常に観やすくわかりやすく、面白かったです。ハリウッド的なので、むしろ迫力のクオリティーとか、ストーリーの盛り上げとかよくできていて、暗殺計画実行シーンなんかは、ヒットラーの行く末を知っていても、ドキドキできました。それに後半のトムクルーズたちがどーなるのかは知らないので、結構ショックで、トムクルーズが主役だけに、ショック度も大きいとゆーか。最初のほうの、トムクルーズがやられる戦闘シーンも迫力満点で、そこでつかみはオッケー的に映画にのめり込まされました。史実を全く知らいない人が、まずこの作品でわかりやすく楽しんで、その後、じっくり調べればいい的な入口映画としても、よくできているんじゃないかとも思えます。
なにわ君さん [DVD(字幕)] 10点(2016-11-24 18:09:21)
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88.《ネタバレ》 ヒトラー暗殺の物語をよりによってユダヤ系で同性愛者のブライアン・シンガーが撮るというトンデモ企画だったわけですが、意外なことにシンガーはナチス時代の様式美の再現にこだわっています。それは車両や航空機の独特な美しさであったり、パリっと決まった制服のかっこよさであったり、整然とした官庁街の建築美であったりするのですが、私はこれらの描写を眺めているだけでも楽しめました。本作はアメリカ人やイギリス人が主要キャストを占めることで多くの批判を受けているし、私自身もその点は気になったのですが、他方でナチス時代の様式美をこれだけ克明に描写した作品をドイツ人の手で撮ることは政治的に不可能。トム・クルーズという大スターが身元保証人を引き受け、ユダヤ系に監督させたアメリカ映画だからこそ可能となった作品であり、ドイツ人役が英語で演じられるという欠点を補って余りあるほどの存在価値はあったと思います。 内容は極めて禁欲的で、政治的な善悪や人間ドラマといった領域にはほとんど踏み込まず、ヒトラー暗殺計画とそれに続くクーデターの成り行きを描くことのみに集中しています。『ユージュアル・サスペクツ』で映画史に名を残すコンビは端正な語り口でその顛末を描いており、ハラハラさせられる優秀なサスペンス映画となっています。彼らは歴史的事実として結末がわかりきっていることを逆手にとって、計画の首謀者達はどこでミスを犯したのかという視点で物語を組み立てています。現場でのとっさの判断ミスや(シュタウフェンベルクは急なスケジュール変更に対応するため準備していた2つの爆弾のうち1つしか使用せず、ヒトラーに致命傷を与え損ねた)、計画そのものが抱えていた欠陥(官庁街占拠という重要な役割を首謀者自身が担わずヒトラーの忠臣だったレーマーを駒として使い、彼をどれだけ騙しておけるかが鍵という不安定な計画だった)、その他の人為的ミス(一度目の計画失敗からオルブリヒトが慎重になっており、暗殺実行後のクーデターが著しく出遅れた)を浮き彫りにします。この視点は面白いと感じました。それと同時に、暗殺未遂で不意を突かれた後にもヒトラー陣営は腹の座ったところを見せており、首謀者側とはまるで格が違うということも描写されています。そもそもこのクーデターは成功しようがなかったという、冷徹な切り口で描かれているのです。アメリカ映画がここまで突き放した描写をしてくることには驚かされました。また、そんな作風に合わせてか、時に演技を張り切りすぎておかしなことになってしまうトム・クルーズも、本作では熱演アピール控えめで渋めの演技を披露しており、名門貴族出身のドイツ軍高級士官にきちんと見えるのだから大したものです。 禁欲的、それが本作の問題でもあります。人類史上最恐の独裁者の首をとりにいくとなれば、仮に計画が発覚しただけでもすべての関係者は死を覚悟せねばなりません。それほどリスキーな計画になぜ参加しようとしたのかは当然に観客にとっての関心の対象となるのですが、残念なことに本作は各当事者の背景に係る一切の描写を切り捨てています。このあたりを充実させれば重厚な歴史ドラマになったかもしれないだけに、ブライアン・シンガーの潔すぎる采配も考えものです。
ザ・チャンバラさん [ブルーレイ(吹替)] 7点(2016-08-18 18:20:52)(良:2票)
87.《ネタバレ》 2016.02/24 鑑賞。ナチのヒトラーに反抗する勢力があったことは嬉しい。でもこのクーデターは不成功、残念!!
ご自由さんさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-03-10 16:09:22)
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86.恥ずかしながら、こういう史実を知らなかったので、「へぇ~」と感心しきり。ほぼ全国民が熱にうなされるように「ハイル・ヒトラー!」なのかと思っていました。考えてみれば、冷静に状況判断する軍人がいてもおかしくないですね。ただ、けっこうな将校たちがずいぶんおおっぴらに転覆計画を議論していましたが、SSはいったい何をしていたんでしょう? 翻って日本の場合、戦時中にこういう軍人がいたという話は聞いたことがありません。仮にいたとしても、敵は「ヒトラー」のようなシンボリックな政治・軍事リーダーではなく「空気」なので、手のつけようがないでしょうが。
眉山さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-12-05 23:15:31)
85.《ネタバレ》 最初見たときは、予想よりもこぢんまりとまとまっているし、計画に至るまでの背景とか相手方の動きとかもあまり突っ込まれてないけど、それでもなぜか印象に残るなあと思っていたのです。で、改めて考えてみると、例えば爆破のシークエンスとか、決起が崩壊するくだりとか、ラストの処刑への流れとか、余計な寄り道をすっ飛ばして、むしろサクサク進んでいる。この、逆に過剰なほどの手際の良さが、現実の刻々と過ぎ去る時間の経過とシンクロして、全体の敗北の容赦なさを醸し出すことに成功しているのです。その偶然によって、作品の質がぎりぎりの一線を確保しています。
Oliasさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-11-11 02:16:24)
84.よかったと思いますが、正直英語で見ると混乱します。いくらなんでももう少しドイツにゆかりのある配役はできませんでしたかね。「イングロリアス・バスターズ」くらいに。
HRM36さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-22 16:28:43)
83.《ネタバレ》 「すべての歴史は現代史である」現代では英雄視される主人公達も、当時はテロリストであり、反逆者である事は間違いない。桜田門外の変の水戸浪士も明治になって勲章を得ているし。勝てば官軍・負ければ賊軍である。歴史のifをとやかく言う楽しみを否定はしない(よくやったとも言えるし、もっと上手くやれよとも言える)が、結果のわかっている物語にサスペンス要素を求めるのは無理がある(関が原や大阪の陣や忠臣蔵、明治維新や226にサスペンスを求める人はいないでしょう)し、その時代に生きた人間たちのドラマを堪能するのが史実モノの醍醐味である。という点においては、国家の一大事において、権力に忠実である者、保身に走る者、原理主義者、己の信念を貫く者、迷う者、日和見する者、裏切る者等々、よくできた人物図鑑である。終盤で家族を心配する主人公に否定的意見もあるが、私は人間らしさが感じられてよかった。ユダヤ人を虐殺した将校たちも文芸を愛する教養人であり、家庭ではよき夫・よき父であったらしい。組織に生きるという事はそういう二面性を持つという事であり、それが組織の恐ろしさでもある。その事を何とも思わない人間もいれば苦悩する人間もいる。会社組織でセクハラ・パワハラ・その他犯罪行為をしつつ、家庭ではよき夫・よき父である現代人もその人間性においてはユダヤ人を虐殺したナチス将校と同じである。人間図鑑を提示して、あなたならどのように振舞うのか?という問いを鑑賞者に突きつける作品である。難点は尺が短く説明不足で少々わかり難いのと、ハリウッドスターを主役にしてしまった事によりやや重厚さに欠ける事か。客寄せパンダと貶す程悪くもないが。英語にも違和感があったが、吹き替えで見れば問題ないのかと。
東京50km圏道路地図さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-07-19 00:29:50)
82.失敗したヒトラー暗殺計画の存在は知っていましたが、結構際どい展開になっていてサスペンス感も十分です。ドイツでは主演のトム・クルーズに強い反発があったそうですが、宗教や人種、言語に当事者意識のない者には違和感なしです。時間的にも身近な史実なので「たら、れば」はいろいろ考えてしまいますが。
ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-07-18 23:48:32)
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81.《ネタバレ》 この話は脚色は出来ても史実の根幹を違う表現には出来ないと思うのでやはり見せ方を工夫するしか無いと思います。 前半を淡々と見せて2時間で収めるのでしたら作戦決行後はやはりもっと盛り上げた見せ方にしないと見ている側も不完全燃焼で終わってしまいます。 クーデター勢力がベルリンを制圧していく見せ方は良かったのでその後の正規軍が鎮圧していく様子をオセロの最後の一手でパタパタとひっくり返して一気に形勢逆転してしまうように作中でももっと大胆に畳み掛けて見せるか、逆に後半をあの程度で見せるのでしたら前半部の人間関係や登場人物の見せ方に厚みを持たせて2時間以上の深みのある作品に仕上げるかにしないと淡々とした話が少しテンポアップして終わっただけの作品という印象しか残りません。 作品全体を通して見ても次の展開に急いで進もうとしているだけで、緊張感というより質の良くない焦燥感のようなものを感じるだけでした。 史実に基づいた作品は脚本に限界があるので映像や演出に特出する所が無いと魅力を感じられないものになってしまいます。  アメリカ側の製作者はシュタウフェンベルクをハリウッドが大好きなファミリーマンとして、またドイツ側の製作者は彼を英雄として描きたかったのではないでしょうか。 勿論これは推測ですが確かな事は前者の描き方が中途半端な為に後者のイメージを損ねてしまっているという事です。 家族を大事にする男というよりも大事の前で私事に目を向ける残念な人物に映ってしまった印象があります。
しってるねこのちさん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-07-13 00:22:47)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 100人
平均点数 6.54点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
433.00%
51414.00%
63333.00%
73131.00%
81616.00%
911.00%
1022.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.25点 Review4人
2 ストーリー評価 6.54点 Review11人
3 鑑賞後の後味 6.10点 Review10人
4 音楽評価 6.22点 Review9人
5 感泣評価 5.00点 Review6人
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