295.10代だった私は、某ピアノ・コンクールにてモーツァルトを弾くため、部活を辞め友達との遊びも控え、一日数時間ピアノに向かう日々を過ごしていた。彼のピアノ曲は、天真爛漫でとろけそうな旋律が予定調和的に上昇下降する一方で、作曲者自身が即興演奏中に突発的に感じたのであろう孤独や悲しみがさり気ない転調やカデンツの中に織り込まれていて、テクニック以上にその表現に泣かされた。作曲家の中には、楽譜の最初に「これこれこんな感じで弾くように」と指示を一言付す人も多いのだが、このモーツァルト氏の原典譜にそんなものはない。よって、分かりたいのに分からない。欲求不満。辛かった。この映画を観たあと「なーんだ、こんなおバカな若僧がイキがって作ってた曲だったのか」と妙に気が楽になったと同時に、「この私ですら理解することの叶わなかった天才を、お前などに分かられてたまるか!」とお怒りになるサリエリ先生の顔が浮かんで来て、結局また辛かった。罪な奴、モーツァルト。思えばこの映画も随分と罪作りである。 【中山家】さん 10点(2003-12-05 04:43:11) (良:1票) |
294.音楽の都ウィーンを舞台にオーストリア人たちが英語でしゃべる映画。そんなことはどうでもいい。豪華なセット、華麗なる衣装、圧倒的な音楽、非の打ちどころのないシナリオ、完成された演技、こまやかな演出…。直球勝負の正拳突きで、柱どころか建物まで打ち砕いてしまいました、みたいな作品。18世紀の欧州を描いたものとしては「バリー・リンドン」という傑作もあるが、あちらがいわば絵画のような静謐を保っているのに対し、こちらはあくまで映画として脈動し、観客を突き動かそうとする。画面をぼんやりと眺めているだけでも、この映画を作るために注がれた労力のほどが感じられる。「アマデウス」のような作品を、またこの目で見られるのはいつだろうかと考えると、ただ嘆息するしかない。 【ウーフー】さん 9点(2003-10-14 12:36:53) (良:1票) |
293. 主演の2人の対比があまりにも強烈で、それだけでこの作品は成功しています。音楽の才能以外はすべてが駄目人間のモーツァルトが神に選ばれるという理不尽さ、そしてそれに対する葛藤と嫉妬に苛まれる健全な一般人のサリエリという主題が、冒頭から終幕までの全体から表現されています。ストーリーの流れはやや明確性を欠いているような気がしますが、そんなことはどうでもいいです。それにしても、モーツァルトの、日常生活でのアホ丸出しぶりと、オペラ指揮のときの神々しさのギャップは強烈でした。 【Olias】さん 7点(2003-07-07 02:57:08) (良:1票) |
292.最高!嫉妬に狂い、老後神父に告白するサリエリの演技、お見事!しかしこの映画を魅力的にしているのは、モーツァルト。トム・ハルス以外に誰がいよう?トム・ハルスはメジャーな作品が少ないせいか、彼=モーツァルト、本物のモーツァルトのようだった。彼の演技がモーツァルトを侮辱したという理由で最優秀主演男優賞をとれなかったことが事実だとすれば悲しいこと。フォアマン監督は場面の切り替えが実に巧みだ。時にセリフで、残像で、音楽で、流れる一本の川の様に不自然さを感じさせない。この映画に限って音楽はモーツァルト。聞きなれた曲も有るのに、映画の為に作られた音楽のように、いや、この映画は音楽のために作られたミュジックビデオの様に画像と絡み合っている。「音楽が主役だ」監督が言うように、一つの音符も変えていないというスタッフのこだわりが見える。臨終近いモーツァルトにサリエリが「君の作品を見逃すものか!君は僕が知ってるオペラ作曲家の中で一番だ。」最後の賛美となった。現実には富も名声も知ることなく死んでいったモーツァルト。「死人に口無し」というが、「死人に耳無し」なのか?。200年経った今でもあなたの音楽が愛されていることが伝わってればいいのに、、。 【汽車ポッポ】さん 10点(2003-06-13 00:22:10) (良:1票) |
291.天才を理解するという残酷な才能を与えられた「凡庸」な人間が,その天才性を理解できるがゆえに嫉妬に駆られ狂気におちてゆく.天才ではない自分はサリエリをみているといたたまれない気持ちになる.自分に与えられたささやかな才能に満足し感謝しつつ生きるのか,望んでも得られない完璧な才能を目の当たりにし,自分が持ち得ないものへの渇望を感じながら生きてゆくのか.「将来のために」いま努力をすることが尊いことであるという教育を受けた世代としては,現状を肯定し満足することが進歩をやめてしまうことにつながるという漠然とした不安感がある.この映画をみて何とも言えない不安定な精神状態に毎回陥るのは,与えられたものに満足できないとこうなるよと言われている気がするからだろう.この絢爛たる映像と音楽に彩られた作品は,だからこそ多くの人を魅了しているのだろう.最高の映画の一つです.時代を超えて残る作品でしょう. 【take1】さん 10点(2003-06-04 23:20:59) (良:1票) |
290.サリエリはモーツァルトの天才に嫉妬していたのではありません。「神はモーツァルトを器に選び、私にはその事実を理解する才能を与えた。」モーツァルトの天才はその奇抜な人格もあり存命中はさほど評価されなかった。むしろサリエリが宮廷作曲家としてその才能を認められていた。しかしただサリエリだけが「彼」との絶対的な差を知り、凡人には分からないその天才を誰よりも理解していた。天からのメロディーをただ書き写しただけのような、修正が全くないすべて一発で書かれた「彼」の楽譜を見た瞬間、サリエリはそのすべての旋律を理解できてしまうのだ。サリエリはむしろこの残酷な才能を与えられてしまったことで心を病み最期は廃人同様に、そして「凡人の神」になる。そして「彼」もその狂気の天才ゆえに身を滅ぼす。すさまじい映画です。 【トミー】さん 10点(2003-05-14 03:42:10) (良:1票) |
289.年を取ったサリエリの表情、それから曲を口頭で表現するうまさが凄かった。そして、彼のような比較的標準的な曲を作る人間がいてこその天才だと思いました。当時の現実はどうであれ、あれほどうまく一つの人間感情を表現している映画は初めてでした。そして、別にサリエリが殺したわけではないのにそう思い込んで自分を慰めている彼が印象的です。どこかで、神に対して反抗をした自分に陶酔しているのでしょうか。彼なら、間違いなくあの天才が自滅するだろうことは分かっていたわけで。バッハとは全く違うタイプの天才ですからね。天才は孤独になってしまうのは悲しい現実ですね。多くの僕の好きなアーティストも死んじゃったし。この映画はそういった点で心に残りました。 【どらよっ】さん 10点(2003-02-18 15:44:32) (良:1票) |
288. ピーター・シェーファーの大ヒット舞台劇を原作者自ら脚色してミロシュ・フォアマンが映像化した一級のクラシック映画。流石にモーツァルトを知り抜いているシェーファーの脚本だけあって曲を挿入するタイミングが実に絶妙。レクイエムのシーンでは、モーツァルトを追い詰める内に音楽家としての本能が憎しみを凌駕し、共に作曲に没入するサリエリの鬼気迫る姿が印象的。トム・ハルスは本作以降パッとしないが、個人的には本作のMVPだと思う。あれくらい羽目を外さないと、お耽美系の美男俳優とかが演じていたら、ありふれたコスチューム・プレイ映画として作品の格がガクッと落ちていただろう。ただ、史上に名高い悪妻(経済観念ゼロの女性を妻にしたら…ゾゾッ!)コンスタンツェの描き方がてんで甘いので2点マイナス。 【へちょちょ】さん 8点(2003-01-10 02:14:17) (良:1票) |
287.長い分だけ面白いし、美しい映画。はまった。 【のびた】さん 10点(2002-09-04 23:09:27) (良:1票) |
286.これはすごい!音楽だけで10点なのに減点の対象がない・・名作です。 【てぃむ】さん 10点(2002-01-18 09:37:46) (良:1票) |
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285.サリエリが最高!!!昔の栄光を恍惚の表情で語るときと、神を憎み復讐を誓うときのあの恐ろしい顔!!!まじでこわかった。でもおもしろい。5回は見ましたね。 【tagaga25】さん 10点(2001-11-14 14:01:08) (良:1票) |
【HIROSUE】さん 10点(2001-09-26 21:15:18) (良:1票) |
283.先日久しぶりに見返して、再感動しちゃいました。 【ハマザー】さん 10点(2001-06-26 02:57:14) (良:1票) |
282.最高傑作のひとつ。華麗なセット、重厚なテーマ、文句なんかつけられません。 【なな】さん 10点(2001-05-24 22:23:55) (良:1票) |
281.俺にとって今まで観た中で最高の作品。何回観ただろ。何回観ても面白い。 【aki】さん 10点(2001-04-02 23:29:02) (良:1票) |
280.重厚なテーマと時代背景がよく描かれてます。お勧め! 【NAOKING】さん 9点(2001-02-16 01:44:10) (良:1票) |
【たけぞー総研】さん 10点(2000-05-09 09:19:26) (良:1票) |
《改行表示》278.虚構の塊。モーツァルトやサリエリを愚弄している。 人間はキャラクターではない。この程度の浅さで扱われてたまるものではない。 許されない。 【浅田荷葉】さん [DVD(字幕)] 0点(2019-03-29 11:18:58) |
《改行表示》277.オペラ、衣装、時代、カツラ・・・。 全てにおいて拒絶反応がでた。 【へまち】さん [インターネット(字幕)] 3点(2018-02-28 19:10:35) |
《改行表示》276.『カッコーの巣の上で』での主要5部門受賞により世界的名声を得た 巨匠監督ミロス・フォアマンと、原作&脚色のピーター・シェイファーが タッグを組み、誕生した「奇跡の映画」です。 個人的には、半世紀に一度生まれるか生まれないかの名作中の名作だと思います。 90本近いアカデミー作品賞のなかでも、際立った出来栄えですね。 演技賞においては、サリエリ役のマーレイ・エイブラハムがオスカーを手にしましたが、 もう一人の主役であるモーツアルト役のトム・ハルスにも受賞してほしいくらいの差し迫った演技力でした。 これを見ずして死んではいけませんよ! 【ぶっちち】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2015-11-29 13:21:25) |