父親たちの星条旗のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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父親たちの星条旗

[チチオヤタチノセイジョウキ]
Flags of Our Fathers
2006年上映時間:132分
平均点:6.83 / 10(Review 149人) (点数分布表示)
公開開始日(2006-10-28)
ドラマ戦争ものシリーズもの歴史もの実話もの小説の映画化
新規登録(2006-02-05)【rothschild】さん
タイトル情報更新(2022-05-12)【イニシャルK】さん
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監督クリント・イーストウッド
演出バディ・ヴァン・ホーン(スタント・コーディネーター)
キャストライアン・フィリップ(男優)ジョン・"ドグ"・ブラッドリー
ジェシー・ブラッドフォード(男優)レイニー・ギャグノン
アダム・ビーチ(男優)アイラ・ヘイズ
ジョン・スラッテリー(男優)財務省大臣 バド・ガーバー
バリー・ペッパー(男優)マイク・ストランク軍曹
ジェイミー・ベル(男優)ラルフ・"イギー"・イグナトウスキー
ポール・ウォーカー(男優)ハンク・ハンセン
ロバート・パトリック(男優)チャンドラー・ジョンソン大佐
ニール・マクドノー(男優)司令官 セヴェランス大尉
メラニー・リンスキー(女優)レイニー・ギャグノンの恋人 ポーリーン・ハーノイス
トーマス・マッカーシー(男優)ジョン・ブラッドリーの息子 ジェイムズ・ブラッドリー
ジュディス・アイヴィ(女優)ハーロン・ブロックの母 ベル・ブロック
ジョセフ・クロス(男優)フランクリン・スースリー
スターク・サンズ(男優)ガスト
デヴィッド・パトリック・ケリー(男優)ハリー・S・トルーマン大統領
ジョン・ポリト(男優)自治長
ゴードン・クラップ〔男優〕(男優)"ハウリング・マッド"スミス将軍
カーク・B・R・ウォーラー(男優)従軍カメラマン ビル・ゲナウスト
デヴィッド・クレノン(男優)ホワイトハウス高官
ベス・グラント(女優)
レン・キャリオー(男優)ビーチ氏
ジョン・ベンジャミン・ヒッキー(男優)キース・ビーチ
ベンジャミン・ウォーカー(男優)ハーロン・ブロック
ハーヴ・プレスネル(男優)
スコット・イーストウッド(男優)
関智一レイニー・ギャグノン(日本語吹き替え版)
森川智之ハンク・ハンセン(日本語吹き替え版)
仲野裕キース・ビーチ(日本語吹き替え版)
小島敏彦バド・ガーバー(日本語吹き替え版)
有川博セベランス大尉(日本語吹き替え版)
井上和彦ジェームズ・ブラッドリー(日本語吹き替え版)
志村知幸アイラ・ヘイズ(日本語吹き替え版)
桐本琢也マイク・ストランク軍曹(日本語吹き替え版)
東條加那子(日本語吹き替え版)
私市淳(日本語吹き替え版)
原作ジェイムズ・ブラッドリー[原作]「硫黄島の星条旗」(文春文庫刊)
ロン・パワーズ「硫黄島の星条旗」(文春文庫刊)
脚本ウィリアム・ブロイルズ・Jr
ポール・ハギス
音楽クリント・イーストウッド
編曲レニー・ニーハウス
カイル・イーストウッド
撮影トム・スターン〔撮影・照明〕
リチャード・ボーウェン(第二班撮影監督)
デヴィッド・ノリス〔撮影〕(空中シーン撮影監督)
スティーヴン・S・カンパネリ(カメラ・オペレーター)
製作クリント・イーストウッド
スティーヴン・スピルバーグ
ロバート・ロレンツ
ワーナー・ブラザース(共同製作)
ドリームワークス(共同製作)
配給ワーナー・ブラザース
特殊メイクヴィンセント・J・ガスティーニ
特撮デジタル・ドメイン社(視覚効果)
美術ヘンリー・バムステッド(プロダクション・デザイン)
リチャード・C・ゴダード
衣装デボラ・ホッパー
編集ジョエル・コックス〔編集〕
ゲイリー・ローチ(編集補)
録音ジョン・T・ライツ
グレッグ・ルドロフ
デヴィッド・E・キャンベル
バブ・アズマン
アラン・ロバート・マレー
字幕翻訳戸田奈津子
日本語翻訳佐藤恵子
その他レニー・ニーハウス(指揮)
あらすじ
太平洋戦争中でも最も凄惨だった硫黄島攻防戦では米軍海兵師団六万余名の一割、日本軍二万余名のほぼ全員が戦死を遂げたが、その最中、日本軍の戦略拠点擂鉢山が陥落した際に米軍の従軍記者が撮影した星条旗掲揚の瞬間の写真は全米の人々の愛国心を掻き立て、旗を掲げた兵士たちは英雄にまつり上げられる。しかし、その「英雄」達にとって、死と隣り合わせだった硫黄島での記憶はあまりに重たかった。有名な写真の被写体となるという偶然によって英雄となった兵士たちの心の葛藤と硫黄島以後の各々の生き方を回想を交えて描く。
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【クチコミ・感想】

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96.イーストウッドの人生に、繰り返しイベントのように存在したのは戦争なのかもしれない。少年期には第二次世界大戦、青年期には朝鮮戦争、壮年期にはベトナム戦争、湾岸戦争、そして今は対テロ戦争。その時代を生きてきた齢76を越えたイーストウッドが感じ思うこと、戦争に対し、政治に対し思うこと、その映画がこれだとすれば私は素直にこの映画を支持したい気持ちになる。
確かに下の方がおっしゃるように時系列が飛びまくるので、人物把握がし辛かったり映画の造りとしては少し残念なところがある。しかし薄い青みを帯びた光と影の使い方の心地好さは相変わらずであり、プライベートライアンのような上陸場面(これはスピルバーグのパート?)によって戦争映画としての醍醐味も十分に味わう事が出来る。
だがイーストウッドが描きたかった本当のモノは、アメリカで英雄に仕立てられた普通の兵士のその後の運命であり、作られた英雄を演じる彼らの苦悩であったと思う。
ここ10年ほどの彼の映画に見え隠れする無常とも言うべき人生観。「許されざる者」にて作られた西部のイメージの否定、「ミスティツク・リバー」での単純な正義の否定、「ミリオンダラーベイビー」での生かされる生の否定など、人間の力の及ばない「大きな力」に翻弄される人々が懸命に生きる姿を描くその姿勢が私は好きだ。もちろんイーストウッドの映画は一見「救い」が無い場合は多い。おまけに、ほとんどハッピーエンドではない。しかし、静寂の庭園に鳴り響く獅子脅しの音のような余韻を残してくれる。
クルイベルさん [映画館(字幕)] 9点(2006-10-30 11:26:27)(良:3票)
95.戦争は虚しい。戦争でつながった友情も虚しい。戦争で得たものはない。英雄はいない。そんなことを静かに教えてもらった。
おっちょさん [DVD(字幕)] 9点(2007-05-03 13:58:30)(良:1票)
94.18世紀プロシアの軍人クラウゼヴィッツは、その古典的著書『戦争論』で言っている。戦争の「本領」とは、「憎悪と敵意」を伴って遂行される暴力行為だ、と。

戦場において国民(=兵士)たちは、ただこの「憎悪と敵意」を増幅することだけを課せられ、そのエスカレーションとともに相手国民(=兵士)を殺し・殺される。そして、そんな「憎悪と敵意」をむけるべき〈敵〉としてのみ、本作の日本兵たちは描かれるのだ。だから、彼らは「顔」がない。徹底して得体のしれない“脅威”としてのみ、アメリカ兵たちの前に現れる。その時『父親たちの星条旗』は、これ以上なく端的に戦争の「本領」をぼくたち観客に見せつけているのである・・・。

一方クラウゼヴィッツは、「戦争とは異なる手段をもってする政治の継続である」とも言っている。「憎悪と敵意」をぶつけ合う戦場とは別に、国家にとって戦争とはあくまで政治的な「外交(!)」の手段なのだ、ということか。事実、映画のなかで政治家たちは戦争を継続するために、何とか戦場から生還した兵士たちを、国民が国債を買うための“道具”として利用する。兵士たちは、否応なくもうひとつの戦争の「本領」に巻き込まれてしまう。いわば、彼らは「憎悪と敵意」と「政治」という二重の「戦争」を戦うハメになったのだ。

そう、これまで常に〈体制〉からハミ出した「個人(アウトサイダー)」を演じ・描き続けてきたイーストウッドは、そんな「個」を単なる“道具=消耗品”としてしか扱わない戦争そのものの〈本質〉、ただそれだけをこの映画のなかで表出しようとした。声高に「反戦」を叫んだり、賛美・正当化する「反動」に走ったりするのではなく、いかに戦争が〈個人〉をないがしろにすることで遂行=継続されるものであるかを、ある痛み(と、悼み)とともに観客へと伝えようとしたのだと思う。同時にその時、本作が、ジョン・フォード監督の『コレヒドール戦記』(原題は、「They Were Expendable(彼らは消耗品)」だ…)に呼応し共鳴しあうものであることも、ぼくは深い感動とともに確信する。 

その上で、『硫黄島からの手紙』を撮ることによって、あらためて「兵士たち」を人間として、〈個人〉として追悼しようとしたイーストウッド・・・。この「硫黄島二部作」において、彼はジョン・フォードをすら“超えた。この2作品と「今」出会えたことを、ぼくはただただ幸福に思う。
やましんの巻さん [映画館(字幕)] 10点(2007-01-17 15:43:55)(良:2票)
93.普通はこちらのほうを先に観るようだが、日本人であれば先に「硫黄島」を観てからこちらを観たほうが、自国側そしてそのいわば舞台裏(アメリカ側)という意味でしっくりくるような気がする。そして兵士の葛藤や、イーストウッドの扱う「死」、それも単なる死ではなく、「生」の下に埋もれる無数の死を描く本作は見ごたえがあった。ハリボテの山に星条旗を立てる、というこの上ない茶番の際に三人がフラッシュバックとして死を思い出すのは偶然ではない。どんな茶番であれ、生きていることは無数の死体を土台とするのだという教訓の象徴としてあのシーンは存在する。逆に言えば、生を規定しているのは過去の死であり、それは誰も覆すことはできない。「英雄なんていない」というセリフを、「硫黄島」に当てはめるならば「英霊なんていない」とするのがぴったりであるし、そうすることがイーストウッドのしたかったことであろうと思う。
Balrogさん [DVD(字幕)] 8点(2011-05-19 00:08:57)(良:1票)
92.『硫黄島からの手紙』と本作を合わせて10と考えた時、本作の占める比重は3か多くても4くらいではないだろうか。あえて3人のキャラクターを薄く描いているのかも知れないが、その分画面から伝わってくる主張も弱くなってしまっていると感じた。もっともっと重厚に、一人一人をじっくりと見せてくれれば、やはりこちらにもグッと伝わってくるものがあったと思うのだが。一本の作品としては成立しているが、(日本人として見るからかもしれないが)『~手紙』との対比で見るとどうしても印象が薄くなってしまった感のある一本だった。
woodさん [映画館(字幕)] 5点(2007-07-16 14:08:54)(良:1票)
91.この有名な写真画像をバニラアイスで模って、イチゴかチョコのソースかけて本人たちに食わせようとするのにビックリした。こういう無神経な国なんだよなアメリカって。
mimiさん [映画館(字幕)] 6点(2007-06-17 22:24:21)(笑:1票)
90.日米双方の視点から描いた硫黄島2部作とは、舞台が同じでありながらアプローチの方法がまったく違う為、大きく異なった印象を受けるものであった。それは作品の出来不出来という次元の話ではなく、民族の置かれた立場、描かれている内容、人間描写の密度の違いから受ける物語性の深さによるものであり、本作が「硫黄島からの手紙」ほど身につまされなかったのは、単に私が日本人だからという理由だけではない。硫黄島に星条旗を立てることの意味と価値観は、まさしくアメリカ人特有のものであり、それに纏わる裏話として関わった3人の米兵の後日談を綴っていくのが本作の主としたスタイルであり、攻防戦を基点にした過去を回想形式で描いた日本側の「硫黄島」と大きく異なる点である。帰国後、英雄として祭り上げられた彼等は、連夜のセレモニーの舞台に立たされるものの、その居心地の悪さに後ろめたさを感じたり狼狽するばかりであり、(端的な例として、悪酔いする一人の兵士に凝縮して描かれる。)戦意高揚の広告塔としての立場を経て、社会情勢の変化による大きなうねりに呑み込まれた挙句、人生をも狂わし、やがて人々から忘れ去られていく様を、映画は断片的に語り繋ぎ、戦争の悲惨さや虚しさを謳いあげる。しかし、それにしても“硫黄島の戦い”を舞台にしなければならない動機が今ひとつよく分らない。現在と回想シーンとがまったく別物のような印象を受けるのも、話の繋がりの解り難さからくるとも言えるが、ひとつには、終始無表情なR・フィリップに代表されるように、“彼等の顔”が見えないことだ。直截的な「硫黄島」と違い、彼等の屈折した心情というものが、十分に表現しきれなかった事に起因するように思う。要は、“戦争にヒーローなどいない!”という本来主張するべき部分にインパクトが無いのだ。また、彼等の嘆き節は、70年代後半から80年代にかけて、あまた作られたヴェトナム戦争後遺症映画で語られてきた事と同音異曲であり、ドラマに何ひとつ意外性が無く、テーマそのものにも目新しさというものが感じられない。ただ、「硫黄島」の強烈さと物語性に比べると損をしているとも言えるが、イーストウッドは余りにも冷静過ぎて、原作の良さを十分に生かし切ったとは言い難い。これをスピルバーグが自ら監督をしていたなら、もっとウエットな作品になっていたに違いないが、それが正しい方法論なのかは私には分らない。
ドラえもんさん [映画館(字幕)] 7点(2007-02-12 00:49:22)(良:1票)
89.アメリカさんもあの戦争は十分痛かったんだなぁと感慨深く考えさせられた。全般的にやや盛り上がりに欠けると思ったのは「お涙頂戴」を意図的に排除したんだと、CSで「プライベートライアン」を観ながら感じた。でも、私にとって何よりも主人公やその仲間の生死云々よりも脇役でゾンビのように数秒登場しては「うぅっ」と簡単にやられて死んでいった日本軍の痛みに毎回ビクっと身体が脊髄反射してしまい、「うーむ、この映画の観方としては間違ってるのかな」とちょっと悩んだ。
りんすさん [映画館(字幕)] 7点(2006-12-22 18:43:04)(良:1票)
88.イーストウッドの映画には常にイーストウッドがいた。本人が出ていなくても彼の分身がいた。前作『ミリオンダラー・ベイビー』のレビューで私は「イーストウッドはどこに行くのだろう」と書いた。現実に打ちのめされたアウトローはどこに行くのだろうと。彼は帰ってこなかった。この映画にイーストウッドはいない。それは私がずっと望んでいたことでもあった。だから作品の内容とは別のところでこのイーストウッドの到達点に感無量になった。しかし同時に寂しくもあった。この作品は英雄を否定する。英雄は作られる。映画のヒーローもまた作り物なのである。映画が現実味を帯びるにしたがいヒーローはヒーローとして存在しにくくなり、もはやイーストウッドもイーストウッドの分身も入る余地がなくなってしまった。何度も言うがそれは私が望んだものであったはずなのにとてつもなく悲しいことのように思えてならない。英雄の否定は戦争を題材としているからであって、イーストウッドの不在は偶然なのかもしれないけど、これまでの彼の映画の軌跡からするとやはり、ひとつの到達点と考えるのが自然だと思う。私の心境は複雑です。 イーストウッドの新しい映画を拍手をもって歓迎すると同時にイーストウッドの帰還を待ち望む自分がいる。
R&Aさん [映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 13:01:32)(良:1票)
87.イーストウッドとスピルバーグのコンビだけに相当な期待をしましたが、残念ながら私はイマイチに感じました。もちろん戦闘シーンは完璧。さすがは軍事おたくのスピルバーグがついているだけあって、ビジュアルのインパクトだけでなく艦砲射撃や爆撃などの現実的な作戦もきっちり見せ、かつ当時の兵器も続々登場して戦争映画の醍醐味を味わわせます。残酷シーンも手抜きがなく、硫黄島の場面はスピルバーグが演出したのではないかと思うほど良くわかってる仕上がりです。一方で問題なのが脚本の構造で、戦争映画において時間軸を解体するという前代未聞の試みが完全に裏目に出ています。読書家のイーストウッドは、かねてから原作の改変をせずほぼ忠実に映画化する監督さんですので、今回の原作の膨大な要素を切り捨てることなく2時間強に収める苦肉の策として時間軸の解体を行ったのだと思います。複雑な要素をすっきり整理するにはエピソードのコラージュは確かに効果的ですが、それが機能するのはパルプ・フィクションのようにエピソードによって演出の色合いを変えることで観客の頭を混乱させないという手続きが取れる場合のみです。「兵士ひとりひとりの区別がつきにくい」という弱点を元々持っている戦争映画でそれをやってしまうと、「さっき死んだのは誰だったっけ?」という混乱が当然生じるのです。また、本作は戦場における死が大きなテーマですが、それを描く上でも時間軸の解体はまずかったと思います。死を悼む気持ちには2種類あります。他人だろうが何だろうがとにかく人が死ぬことは悲しいという倫理的なものと、親しい友達や家族が死ぬことが辛いという個人的な感情とです。そこに来て「仲間が死に行く中で偶然英雄にされた男達の苦悩」を扱った本作においては後者が強調されるべきだと考えられますが、時間軸の解体をやってしまうと各キャラクターへの感情移入ができていないまま「さっき登場したあの人が死にましたよ」みたいな描き方となってしまうので、戦場で多くの人が続々と死んでいくことのやるせなさは伝わりますが、かけがえのない仲間が死ぬことの悲しみは伝わりません。上映時間が3時間を越えてもいいから、戦場での友情ドラマをまずやって、そうやって観客達も好きになった戦友たちがどんどん死んでいき、にも関わらず本国へ帰ると英雄扱いされて戸惑うという正攻法な流れで描くべきだったと思います。
【2016/11/7追記】
ブルーレイで見直しましたが初見時と同じ感想でした。この内容ならば戦場場面と戦後パートは不要であり、戦時国債発行ツアーに焦点を絞ってもよかったような気がします。戦場の描写がほぼ皆無でもちゃんとしたベトナム戦争映画になっていた『ランボー』第一作みたいな作りにすればよかったわけですから(ただし、そうすると『硫黄島からの手紙』という副産物ができなかったのですが)。
また、ライアン・フィリップ演じる主人公ジョン・ブラッドリーの個性が薄くて観客にとっての感情移入の依り代になれていない点にも問題があったと思います。実際の戦場では使えなかった奴なのに英雄扱いにノリノリだったレイニー・ギャグノンとか、戦友達に対する敬意が大きすぎて英雄扱いに耐えられず精神を病んだアイラ・ヘイズとか、言うことを聞かない広告塔達をなだめながら国債ツアーを進めるキース・ビーチとか、キャラ立ちした登場人物が大勢いる中で、なぜジョン・ブラッドリーを中心にしたのだろうかと思いました。特にレイニー・ギャグノンとその婚約者の低俗さは最高で、この人物が国家と大衆に消費された後に落ちぶれていく様を描くだけでも、一本の映画として十分に成立したのではないかと思います。
ザ・チャンバラさん [映画館(字幕)] 6点(2006-11-26 02:41:07)(良:1票)
86.何とも言えない空虚感が凄く伝わってきました。淡々と描かれていて冷静に見ることが出来ました。あの英雄に祭り上げられた3人の人生は一体何だったんでしょ。「硫黄島からの手紙」がどう描かれているのかとても楽しみ。ジェシー・ブラッドフォードを久々に見たけども「チアーズ!」の頃と全然変わっていなくてよかった。バリー・ペッパーは軍人がとても似合う。
ギニューさん [映画館(字幕)] 7点(2006-11-04 23:49:53)(良:1票)
85.「ミスティック・リバー」を観た後の脱力感、とんでもないものを見せられた後の、どこに発散するべきか何と言い表せばいいのか分からない時に感じる無力さへの苛立ちが突き抜けて、ただその映画を「見た」という事実だけが残るという感覚。もしかしたら、見てすらいなかったのかもしれない。「ミリオンダラー・ベイビー」で徹底的に打ちのめされた時に味わった感覚とは何か違う、この何ともいえない感覚を「父親たちの星条旗」は持っているように思う。イーストウッドは多分、まったく新しい視点を発明したんじゃないのか。パンフで蓮實重彦が書いていた、有名性と無名性をめぐる関係の新たな形式、というのもあるだろうが、そんな簡単にすっぽりと収まるだろうか、少なくとも自分には納められない。「父親たちの星条旗」は現代映画への重過ぎる宿題だろう。
Qfwfqさん [映画館(字幕)] 10点(2006-11-04 22:47:57)(良:1票)
84.あの星条旗の写真は、もっとも美しい戦争写真と言われているんですね。写真はそこで時間が止まっているはずなのに、たった一枚の写真に大きな意味が生まれる。物語の進行的には、当初は誰が主役か分からず、誰が生き残った3人か特定できず。(私の記憶力の問題かもしれないが)現在と回想と戦闘中。色々と時間が重なりあって、正直、分かりにくかった。それでも戦闘シーン、やはりどんな映画でも目を背けてしまいます。どーしてこんな酷いことをするんだろう。あれだけの銃撃。弾に当たらないのは運がいいからとしか思えない…。
西川家さん [試写会(字幕)] 6点(2006-11-04 02:08:30)(良:1票)
83.F6Fが輸送船団すれすれに飛び回り、すり鉢山に艦砲射撃が炸裂する。こいつぁ、すごい!と思ったのは、最初のうちだけ。その後は、「英雄たち」に対するアメリカ国内での華やかな歓迎シーンと、戦場シーンが何の工夫もなく交互に垂れ流されるだけ。ドラマが何もないんだよな。登場人物も誰が誰やら分からない。肝心の戦闘シーンも、プライベート・ライアンを見た後では、お粗末にさえ感じる。だいたい、作り物とすぐ分かる「人体」使うなんて、恥ずかしいよ。
駆けてゆく雲さん [映画館(字幕)] 5点(2006-11-01 21:16:30)(良:1票)
82.確かに英雄なんてそういうものなのかもしれない。
TERUさん [インターネット(字幕)] 6点(2023-10-09 13:31:26)
81.戦争に対して痛烈な批判だ。英雄とされてしまった人は権力者に名声や名誉を与えられ利用されてしまった。
ホットチョコレートさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-21 12:39:17)
80.硫黄島の方が、身近に感じるし、出来もいいと思う。その煽りをくって、評価は落ちる。登場人物の影も薄い。
にけさん [映画館(字幕)] 6点(2018-12-27 20:31:45)
79.アメリカ側視点から描いているが特に違和感は無いのだけども、登場人物のキャラクタが薄すかった。
旗の重要性・メッセージ性は一定の理解はできるものの面白くないので鑑賞には正直しんどかった。
好みの問題だが背景を写すより戦場onlyが好き。「意味」を深く探る気力にはならず。
mighty guardさん [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-11-04 12:20:03)
78.激しい戦闘場面等を通じて戦争の悲惨さ・虚しさを前面に出している。兵士の苦悩や葛藤を丁寧に描いているが、数多の回想形式映画を観てきたせいか、ものすごい既視感がある。それだけに陳腐な印象。基本的には「市民ケーン」の構成かな?事前にBSのドキュメンタリー番組を観ていたため、星条旗を立てた後も戦闘が続いたことや、写真が戦費調達に利用されたことを知ることができた。一部の兵士をヒーロー扱いする政府やマスコミの手口は醜い面もあるが、冷静に考えればこのような資金調達が戦争勝利に貢献したともいえる。したたかに計算されたアメリカの国力と、最後は竹やりで本土決戦しようとした日本、彼我の差を感じさせられる。印象深いのはアイラ。案の定、数か所のシーンで彼に対する差別が描かれており、人間としての苦悩は深い。陰の主役といっていいだろう。
風小僧さん [CS・衛星(吹替)] 5点(2015-09-03 20:55:01)
77.実話にしてはリアルさが感じられませんでした。登場人物も多く、回想シーンが頻繁に出てくるので顔と名前がなかなか一致しない映画でした。後半のストーリー展開が退屈で、ヒーローに祀り上げられて虚構を演じる苦悩や仲間への思い、戦場での恐怖や切迫感などがあまり伝わってこない映画でした。
ProPaceさん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-09-17 19:59:36)
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【点数情報】

Review人数 149人
平均点数 6.83点
000.00%
100.00%
210.67%
310.67%
485.37%
52114.09%
63020.13%
73724.83%
83020.13%
9149.40%
1074.70%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.41点 Review17人
2 ストーリー評価 7.45点 Review22人
3 鑑賞後の後味 6.66点 Review21人
4 音楽評価 7.60点 Review20人
5 感泣評価 6.11点 Review17人
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【アカデミー賞 情報】

2006年 79回
音響効果賞バブ・アズマン候補(ノミネート) 
音響効果賞アラン・ロバート・マレー候補(ノミネート) 
音響賞グレッグ・ルドロフ候補(ノミネート) 
音響賞デヴィッド・E・キャンベル候補(ノミネート) 
音響賞ジョン・T・ライツ候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2006年 64回
監督賞クリント・イーストウッド候補(ノミネート) 

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