136.《ネタバレ》 子供のころに観た時の「面白すぎる」っていう印象があるために、
今観ると、あの感動が消えてしまうのが怖くて、この作品を遠ざけていた。
今回は「面白いアニメだ」って意識しないで、力を抜いて観れた。
意識しすぎて力が入りすぎると、感動できなくなるからだ。
普通に意識しなくても、何か神秘的な美しさを感じた。石に宿る精霊(青白い光)とか、水に沈んだ町とか。
昔ほど神秘性を感じなくなってきているものの(大人になって感性がつまらなくなったんだなあ)、やはり美しいところはある。それがとても深くて、懐かしく、て悲しいところにあるような気がした。この監督の作品の「少女」は、やはり神秘的なパワーを放っている。
ロボットのデザインには哀愁が漂っているし、ラピュタのユートピア的な雰囲気も神がかりだ。(昔はよく、自分がこのラピュタにいるところを想像して楽しんだ)
洞窟で石が光を放っているところなんて、「銀河鉄道の夜」に出てきそうな場面ではないだろうか?
否定されるかもしれないけど、個人的に、初期の宮崎アニメには、宮沢賢治を連想させる雰囲気があったようにおもう。
表面的にやっただけではここまで深さは出ない。
昨今のアニメは、技術的な面は進歩しているものの、内面的な部分はそぎ落とされているように思えてしまう。
もうこのアニメを超える作品は出てこないのではないだろうか。