《改行表示》30.《ネタバレ》 犬神家の一族よりこっちを評価します キャッチャーなシーンこそ少ないものの抑え気味の演出で村にみちる恐怖がひしひし伝わってきます。 なんといっても演技陣が良い。 若山富三郎と岸恵子の会心の演技。 陰惨な事件にあって一服の清涼剤加藤武。今回は石坂浩二が少し下がって演技していたのが良かったように思いました。 横溝正史原作なんでなんじゃこりゃ感は否めないんですがそれを超えるものがあります。 【CBパークビュー】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-09-21 16:46:43) (良:1票) |
29.《ネタバレ》 この雰囲気、胸を衝く音楽に絡め取られて痺れる。日本の鄙びた田舎の因習がもたらす妖気。色の無い山道を、金田一が歩く印象的なシーン。真っ黒でまっすぐな杉が愛想無く林立する山。ラストでわが子を殺した岸恵子が半狂乱で走る、彼女を取りまくのがまた山だ。ずっしりと暗くて陰気な。怖い、怖いです。女たち、母も娘もみな哀れで切ない。岸恵子の嗚咽、呆然自失の若山富三郎、目を丸くして困惑顔の石坂浩二。娘たちの死に様とか、半分あざで覆われた顔とか、今ではお祭りのお化け屋敷のようにしか見えないけれど、人物たちの織り成す人生の哀しさが、興味本位の猟奇を凌駕する。怖いといえば居るだけで怖い白石加代子も強烈。あと、字幕で“総社”って出るだけでぞくっとするのは何故だろう。 【tottoko】さん [地上波(邦画)] 8点(2012-10-11 00:25:54) (良:1票) |
《改行表示》28.前作犬神家より話題性は落ちるものの古典的なホラーが満載で個人的にはこちらのほうが好み。 殺人バリエーション、ロケーション、風習や慣わしの古さが逆に切れ味があって現代映画ではきっと描けないだろうなと。 金田一演じる石坂が二度目ということもあり前回よりもはまり役。続編として凄みを増している。 |
27.岸恵子は確かに美しかったのですがそれ以上に永島暎子の横顔の美しさが印象的でした。さらにそれ以上に白石加代子のインパクトが強烈でありました。なんで素であんなに不気味悪いのでしょうか。彼女らに加えて大滝秀治、常田富士男、三木のり平といった個性的な脇役陣がいい味を出していて、市川監督の繊細な映像と相まって個人的には満足度の高い作品です。残念なのは、いくらジャニーズからの売り込みが強かったとはいえ大根北公次を採用したことと、坂口良子が不参加だったことです。 【la_spagna】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-10-17 21:50:29) |
26.《ネタバレ》 これは若山富三郎さんと金田一との友情?が非常に印象的です。お互いのやさしさと思いやりが邪魔せず、うまく融合しています。ただ一つ気になったのは、犯人の謝るシーンはいらないのではと思ったことです。このシリーズは犯人の堂々とした佇まい、事件の救いようの無さ、どうしようも無さがあるからこそTVドラマとは違った「映画」としての風格が際立つのではないでしょうか。そこが「犬神家の一族」「古谷一行の6話連続のTVドラマの悪魔の手毬歌」に一歩及ばずな印象を持ってしまいます。 【金田一耕助】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-23 15:41:06) |
25.なにがすごかったというと、あのフケの多さです。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-09-18 06:50:36) |
24.これが白石加代子の映画デビューだとずっと思い込んでたが、今確認したらこの前に「さそり」シリーズの一本で出てるのね。なんか「王女メディア」を連想させるような凄まじい役で、見てないけど彼女の狂気演技が想像できる。で本作だが、当時私は動いて演技をする彼女を見るのが初めてだったので、おそるおそる期待とともに観賞した記憶がある。雰囲気充満だけど、意外におとなしい印象。「白石加代子」を突出させず、崑さんの作り物の世界にピタリはめた、と感じた。日本的怨念をジワッと過剰に滲ませる人で、崑さんがもっぱら日本的な装置にバタ臭い女優(岸恵子とか草笛光子とか)を配置する趣味なのに、さらに逆の方向からアクセントを一つ加えてアンサンブルに厚みを出している。草笛光子はこのシリーズを通しての助演女優賞ものだと思っているのだが、おどろおどろしい日本的情念の世界に和服の草笛光子を配置すると、全体の「作り物」感が際立つ。そこにさらに背景であったおどろおどろしさいっぱいの白石加代子を置くと、調味料に砂糖と塩を混ぜて入れたようで、コクが出るんですな。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-03-01 09:20:08) |
23.金田一シリーズはこれが初めての鑑賞。前半は登場してない人物の名前も含めて次々に情報が出てくるので頭の中で整理しきれなくなり一時停止をして紙に書いて整理しながら見ました。何気なく観ていると流れについていけなくなり置いてきぼりを食らってしまうかもしれませんのでご注意を。(まあ途中で金田一が紙に書いてくれるのでわかりますけど)推理がどうのというよりインパクトのあるストーリーが面白いですね。金田一と依頼した刑事のキャラクターもなかなか味があってよいです。 【映画大好きっ子】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-04-25 18:17:15) |
《改行表示》22.横溝正史原作の映画の中では、一番好きな作品。 よくもまあ、あれだけの長編をうまくまとめたものである。 最高傑作と言われているのは後から知ったのだが、十分納得できるというもの。 文明社会から隔離された鬼首村、村に伝わる手毬歌の歌詞になぞらえた奇怪な連続殺人、 どろどろとした人間関係と、もう横溝節が炸裂。 原作自体が面白いこともあるんだろうけど、完成度の高い脚本、演出を含め、 映像化させた制作者たちに拍手を送りたい。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-09-21 06:26:57) |
21.《ネタバレ》 映画化された金田一耕助シリーズの中では、この作品がダントツの1位です。その理由はやはり岸恵子の素晴らしい演技力。でも殺人の動機が・・・。気持ちはわからないではありませんが、ああいう理由で次々と人を殺しますかねぇ・・・? 【ramo】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2011-07-08 23:03:41) |
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《改行表示》20.いやあ、とにかく岸恵子と若山富三郎が最高です。この二人の微妙な関係、 それを実に味わい深く演じています。どちらが崩れてもこの味は出せなかった、 まさに芸達者なベテラン二人が生み出した奇跡のケミストリーです。これだけ でも十分過ぎる位観る価値はありますよ。 【チョッパー】さん [地上波(邦画)] 8点(2008-09-27 23:09:14) |
《改行表示》19.まさかあの人があんな力ないだろ!と 突っ込み入れたくなったが このドロドロした展開は見事。 自然の風景がとてもキレイで魅入ってしまう。 登場人物が多くて覚えづらいのがキズだね。 息子の演技の大根ブリには笑いを誘う。 【突っ込み】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2007-09-30 16:57:29) |
18. 市川崑の金田一シリーズでは、個人的には『犬神家の一族』(1976)が最も好きだけれども、映画としての完成度からいうとこちらのほうが上なのにちがいない。ただ話がより推理探偵小説的トリックに終始して、民俗伝承的おどろおどろしさに比較的薄かったところと、より湿っぽい雰囲気に終始したところが、犬神家に上位を譲る。犬神家の小澤榮太郎の位置にあるのが、こちらでは若山富三郎で、ともに味わい深い演技が素晴らしい。若山富三郎はほかにも東映映画などでいろいろ出演作を観たけれども、これが一番の代表作だったのではないだろうか。 【goro】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-05-01 04:19:43) |
17.市川作品の金田一シリーズでは結構評判が良い作品です。色の使い方が巧みですね。枯れた森や薄暗い沼といった中で、着物の色や血のドクドクした赤とあのハンドバックの赤が、この作品から受ける印象を決定付けています。つまり、主人公リカの外見のサッパリしたおっちょこちょいと、秘めた内面の葛藤を見事に色で使い分け表現しています。女達の悲しい運命をストレートに表現しているものの、警部が密かに寄せるリカへの思いをサラリと最後に描き、後味を良くしています。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-04-30 23:43:03) |
《改行表示》16.《ネタバレ》 今やってる犬神家の方が好きだけどこれもなかなかの出来。 この「悪魔の手毬唄」は磯川警部が1番重要な役だと思うのだが若山富三郎さんは良い味を出していた。 リカと2人で会話するシーンや金田一にリカは犯人ではないと訴えるシーンなんか良かった。これから観る機会があれば、若山富三郎さんの演技に注目してほしい。 他の金田一シリーズと比べても内容が特に悲惨で救いの無い話だから暗くなってしまったけどその雰囲気もかなりよく出来ていた。 おどろおどろしさは勿論、真犯人が分かったときの磯川警部の哀愁漂う雰囲気まで作られている。 ラストの金田一と磯川警部のやり取りが好き。印象的。 【ケ66軍曹】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-12-21 15:38:51) |
15.《ネタバレ》 磯川警部につきますね。最後の別れは何度見てもいいです。 【yu-mi】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-10-06 13:13:07) |
14.惜しいなあ・・・。原作じゃラスト、リカ(岸恵子)の息子歌名雄(北公次←ブルドック)に千恵(仁科明子)が救いの言葉をかけて後味良く終わるのに映画にはその部分がないんですよ。あの終わり方じゃ彼に全く救いがないんですよねえ。そこの不満さえ除けば「犬神家」と同等のクオリティを持った作品だと思います。それにしても「~してつかあさい」っていい響きの方言ですね。 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(字幕)] 8点(2005-07-31 10:55:41) |
13.市川崑の金田一映画は漂う空気の湿っぽさがたまらない。邦画特有の闇と悲哀と、かすれたような色の美しさが堪能できる。今作は脇役がなかなか粒ぞろいだったが、磯川警部役の若山富三郎が突出して素晴らしかった。どっしりと静かに構えて、さらに人情味溢れていた。最近こんな役者を観ていないので、軽くショックを受けた。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-30 09:48:18) |
12.《ネタバレ》 横溝お得意の近親相姦(風)ネタではあるが、顔のない被害者=加害者という、古典的本格派ミステリーでよく使用されるギミックを使って、うまくまとめた好作品。乱歩ものもそうだが、昭和初期という舞台設定はこの種のミステリーには不可欠な要素。DNA鑑定などの科学捜査全盛の現代では、こんな謎ありえないから。この種の土着的なムードっていまの日本には(特に都会には)皆無だから、レトロスペクティブに訴えるものがあるんだろうな、と。ともかく、金田一ものとしてはとてもよい作品であることは疑いない。 |
11.全体にわたる灰色の画面や物悲しい音楽、いつ見ても心にぐっとくる作品です。 |