1.あひるがギャーギャー鳴くシーンと共にナレーターが入る。「川島劇場」のはじまりです。これは、もう口喧しい主婦達をモジっていて、主婦の集団が歩くたびに「ギャ、ギャ、ギャ」と鳴き声を入んですが、もうこんな事するのは川島さんだけでしょうね(笑)
隣同士のバトルが、いつの間にか夫婦喧嘩になったり、かたやぶっきらぼう豪快な性格の高橋貞二の恋模様や。課長の妻の如何にも【噂・製造機】的なキャラが絡んだりと、情報量が多いんですけど、庶民的な雰囲気を持ったうえでテンポの良い演出。要は、松竹調に収まりつつ、その上に川島さんの個性が出ているんですね。
作品的には大きな意義はないんですが、プログラムピクチャーの目的を大いに果たしていると思う。こういう小品的な作品って少ないのですが好みです。
芦川いづみは本作でデビュー。北原三枝、月丘夢路に三橋達也と川島さんの常連が登場してきます。このメンバーだけみるとなんか松竹っぽくないんですが・・・、要は、みんな川島さんを慕って日活に移ったんですかね。
ラピュタ阿佐ヶ谷「月丘夢路特集」及びNFC「川島雄三特集」にて鑑賞