ひまわり(1970)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ひまわり(1970)

[ヒマワリ]
Sunflower
(I Girasoli)
1970年ソ連上映時間:101分
平均点:7.66 / 10(Review 185人) (点数分布表示)
公開開始日(1970-09-30)
ドラマラブストーリー戦争もの
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2022-10-07)【Olias】さん
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監督ヴィットリオ・デ・シーカ
助監督アンドレイ・コンチャロフスキー(第2班監督)
キャストソフィア・ローレン(女優)ジョバンナ
マルチェロ・マストロヤンニ(男優)アントニオ
リュドミラ・サベーリエワ(女優)マーシャ
此島愛子ジョバンナ(日本語吹き替え版【TBS】)
羽佐間道夫アントニオ(日本語吹き替え版【TBS/テレビ大阪】)
筈見純(日本語吹き替え版【TBS】)
松尾佳子(日本語吹き替え版【TBS】)
高村章子(日本語吹き替え版【TBS】)
加藤治(日本語吹き替え版【TBS】)
田中秀幸(日本語吹き替え版【TBS】)
勝生真沙子ジョバンナ(日本語吹き替え版【テレビ大阪】)
原作チェザーレ・ザヴァッティーニ(原案)
トニーノ・グエッラ(原案)
脚本チェザーレ・ザヴァッティーニ
トニーノ・グエッラ
音楽ヘンリー・マンシーニ
撮影ジュゼッペ・ロトゥンノ
製作カルロ・ポンティ
アーサー・コーン
製作総指揮ジョセフ・E・レヴィン
配給ブエナビスタ
美術ピエロ・ポレット(プロダクション・デザイン)
衣装エンリコ・サバッティーニ
その他ヘンリー・マンシーニ(指揮)
あらすじ
出征前に駆け込み結婚したアントニオとジョヴァンナは十四日間の夢のような新婚生活を送るが、狂気を装った徴兵忌避の試みにもかかわらず、アントニオはドイツ・イタリアの戦線の中で最も過酷なロシア戦線に送られてしまう。戦争が終わっても戻らないアントニオをジョヴァンナはひたすら待ち、彼の生存を信じる。スターリン時代が終わるのと同時にジョヴァンナはアントニオを探すためにソ連に旅立つが、ジョヴァンナがそこで知ったのはソ連とイタリアの女たち、そして愛し合う男女にとっては残酷としか言えない戦争の現実だった。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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45.映画『ひまわり』に関してはリアルタイム世代じゃないけど、「ひまわり・ひまわり・ひまわり」とみなさんがあまりにも連呼している
ので、「ひまわり」とは何か?自分なりに考察した結果、ズバリ「ひまわり=S・ローレン」を表しているのではないかと思えました。
太陽に向かって、力強くまっすぐに伸びていくひまわりの姿は彼女のイメージにピッタリであり、決して顔がデカイと言う
意味ではない。
映画に登場するキャラの濃いジョバンナ・やさ男のアントニオ・ロシア人女性に共感できたりできなかったりするのは仕方の無いことだし、観る側の自由である。
むしろ、その方が映画らしくて興味深いことだと思う。ただし、本作の主体はS・ローレンなので、映画『アメリカの夜』のレヴューでも書いたが、
共感できないジョバンナに対して、‘なぜ、彼女はこのような行動をとったのか?’を先に考え、受け入れようとすることから始めると、
少し強欲・傲慢に見えたとしても、戦争という名の狂気の世界を力強く生き抜いた一人の女性として、
御世辞にも綺麗とは言えないかも知れないが、パニック状態で動揺する彼女の姿が可愛く見えてきて、意外と素直に受け入れることができるんですよ。
そのように、一人の人間として人を(映画を)好きになることができれば、今まで共感できずに敬遠していた映画が別の映画に見えてくるかもしれませんよ。
だって、映画の主人公は多少欠点があった方が面白くて愛着が湧くし、だいいち完璧な人物じゃつまらないでしょ。
もし、ロシア人女性を主体とし映画を一本作るとすれば、彼女のイメージには「すずらん」がピッタリなので、映画『すずらん』
が出来上がりそうな勢いであるが、ヒットするかどうかは微妙である。また、はなことばは割愛するので各人で調べて下さい。
最後に、スクリーンいっぱいにでてくるひまわりであるが、これを現実の世界に置き換えて自分の目で見ても、余計なものまで見えてしまったり、
臭いにおいがしたり、周りがうるさかったりと実際には映画の世界のようにうまくは行きません。
ひまわりしか目に写らない素晴らしい映像マジックだと思う。
以上の通り、ジョバンナに共感できなかったと本作に低い点数を付ける人達が少しでも減ってくれることを期待します。
Fatmanさん 8点(2004-03-27 17:23:54)(良:2票)(笑:2票)
44.《ネタバレ》 これはひたすら切ないわね…。 アントニオと再会したジョバンナが電車に飛び乗って泣き崩れたところでアタシも大号泣しちゃったわよ。 一途に彼を思い続けてロシアくんだりまではるばる出かけていったのに…気の毒すぎて見てるのがつらかったわ。 現地のオンナとさっさと結婚したアントニオは、一見とってもいい加減なイタリア男って感じで憎らしくもあるんだけど…あれだけ壮絶な体験をした彼が手近な安らぎを選んだとしても、やっぱりとても責める気にはなれないわね。 最後の「一緒に逃げよう」って台詞もどこまで本気だったんだか…。 ジョバンナに言われなくたって、美人のロシア人妻とカワイイ娘さんを捨てて駆け落ちなんてできっこないってアントニオ自身もよくわかってるはず。 でも…どうしてもそう言わずにはいられなかった…そんな遣り切れなさがアタシには感じられて余計に切なかったわ。 時代に翻弄された、戦争に狂わされた、そう言って諦めるしかないのかしらね…。
梅桃さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-12-06 18:45:30)(良:2票)
43.男性と女性とでは、感じ方が異なってしまうのかな?とみかん様のレビューに考えさせられました。

ヘンリー・マンシーニの調べと一面のヒマワリ畑…、幸福なアントニオとジョアンナの結婚、戦争に引き裂かれる夫婦。そして再会。後味は「イングリッシュ・ペイシェント」に次いで暗くブルーになります(苦笑)ただ、ジョアンナとアントニオが現在の『家族・愛するべき人』の元に戻る、と云う潔さに救われて思いの外感動できた作品です。

   復員して来る夫を待つ妻と、別の女性を愛する事に自責の念を背負う夫は、戦争に傷ついた心を現しているのでしょう。
立派な反戦映画である一方、立派な悲恋の物語でもあります。
MAZEさん 8点(2004-02-01 20:33:43)(良:2票)
42.《ネタバレ》 大人になってから観ないと、この映画の深さは絶対わからないのではないでしょうか。ずっと待ち続けていた夫が、実は他の女との間に子供までもうけていた・・・これを知ったときの妻の気持ちは・・・もう言葉にできないですね。身も心もボロボロの夫が、出会った女を唯一の心の支えにしていた気持ちもわかるけど、やっぱり知らずに待っていた妻の方がかわいそうです。それぞれに家庭を築き、気持ちは残っているけどもうどうにもならずに結局別れていく。つらいけど、よりを戻さないところが大人の男と女だなぁと思いました。
きょうかさん 8点(2003-08-18 12:18:50)(良:2票)
41.これぞ映画の王道!何度も見ているのにTVでやっているとまた全部見てしまい、号泣し、スパニッシュオムレツをつくってしまうのだった。
黒猫クロマティさん 8点(2003-05-07 17:13:24)(良:1票)(笑:1票)
40.《ネタバレ》 レビュー700本目、メモリアル作品。望まぬ戦争が愛する二人を別ち、残酷なすれ違いを生んだ悲劇のラブストーリー。哀愁漂う美しい旋律の主題歌に、満面に生い茂る黄金色の向日葵畑。言葉はいらない、今観ても充分味わえる小品ながら不朽の名作です。
獅子-平常心さん [DVD(字幕)] 8点(2012-04-23 00:53:43)(良:1票)
39.初見。女々しいアントニオと獰猛なジョバンニの悲恋を突き放した目で見てしまいますが、そんな彼女をもってしても堪えきれずに嗚咽してしまう姿はやはり切ないです。愛する者との再会叶わず力尽きた人々の魂の化身となったひまわりで覆い尽くされた光景に戦争の無情さを痛感します。当時困難を排してロケを敢行された事に千金の重みを感じます。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 8点(2012-04-08 10:17:12)(良:1票)
38.最初はソフィア・ローレン演ずるジョバンナがとても強い女に見えて感情移入できづらかった。アントニオももう少し早くせめて子供ができてしまう前にでも手紙くらい書けなかったのだろうかと、腹も立った。だけどもう最後の別れの場面ではどうしてもつらくって仕方なかったです。案外男性の方がズルズルと思いをひきずるものなのかもしれませんね。ひまわりの映像やヘンリー・マンシー二の曲がとってもこの作品を盛り立てていました。結局は縁がなかったのでしょう、、切ないですけれど。
fujicoさん 8点(2004-01-21 14:52:27)(良:1票)
37.どうしようもない状況の哀しい映画。こういうことは何処の国でも沢山あったのでしょう。そして、今でも起き続けているのでしょう。愛し合っている人達には、当事者の誰もが辛い辛い話ですよね。人間の辛く哀しい人生なんか関係ないというように、ひまわりが咲き誇っているのが余計哀しみを誘いました。
大木眠魚さん 8点(2003-10-28 00:49:48)(良:1票)
36.BSにて久々に拝見。いじらしさが服着て歩いてるようなリュドミラ・サベリーエワに改めてやられた。主役の二人も運命に逆らえず断腸の思いで節度を守るのですなぁ。悲しいけれども、立派であります。
モートルの玉さん 8点(2003-08-09 01:59:56)(笑:1票)
35.《ネタバレ》 -I Girasoli- イタリア語で“ひまわり(ジラソーリ)” 最初のIは男性名詞の定冠詞の複数形。花だと女性名詞な印象ですが、チューリップやひまわりは男性名詞なんだそうな。
結婚休暇や嘘の精神疾患を駆使してアフリカ戦線行きを避けたアントだけど、結果もっと悪いソ連戦線送りに。イタリアからソ連行きなんてあったんだな。てっきり死んだか、死んだ扱いで強制労働と思っていたところ。執念で見つけ出すジョバンナ。

さてあの広大なソ連で、どうやって夫を探したのか。ソ連に派遣されたイタリア軍はそう多くはないはず。旧友の「ドン河で一緒だった」も大きなヒントで、そこ近辺で総崩れした部隊にきっとアントは居たんだろうと。あとはドン河流域の村を当たっていけば…でもこれ、言葉も通じない土地でとんでもない労力と根気が必要。お金も掛かるし精神も磨り減るよな。
若くて子供もいる現地妻マーシャと、あれから10年歳を取った独り身のジョバンナの対比も可哀想。敵兵を助けて夫にしてなんて、本当にあるのか?って思ってしまうけど、ソ連ではキャベツと兵隊は畑で取れるものだから何ら不思議ではない。この2022年に一方的に他国の州を併合するような国家。国家のために働けて敵意のない男だったら、受け入れた可能性も。

ジョバンナの立場で話を追っていたけど、このマーシャがとても純粋で、全然悪い人じゃないのがまた苦しい。10年前に助けて、そのままずっと一緒に暮らしてるんだから。ジョバンナが来て、引っ越すときもすごくアントを気にして、考え込んでる時に話しかけなかったり、無理に明るく話しかけられたら笑顔で答えたり。とても良く出来た奥さんです。
ドン河で頑張ってアントを引きずるマーシャ。コレどっかで観た画だなって思ったら、レッドリボンにやられた悟空を助ける女の子だ。ほらあの、ジングル村の、ハッチャンと暮らしてる。ほら。

ちなみにロシア語でひまわりは“подсолнечник(パトソールニチニク)”だそうです。
ウクライナ語では“соняшник (ソーニヤシュニク)”だそうです。ぜんぜん違うんですね。
K&Kさん [インターネット(字幕)] 8点(2022-10-06 20:29:27)
34.《ネタバレ》 戦争のことをどうしても考えてしまう時期時世のこともあり、本作を鑑賞。
ロシアによるウクライナ侵略が始まって以降、本作にもあらためて世間の注目が集まることとなった。
ひまわりといえばウクライナの象徴だが、本作上映時はそのウクライナもソ連の一部だった。

現代的な観点で見ると、ソ連周りの描写は、色々と無理がある。
ロシア戦線の想像を絶する過酷さを考えると、あの状況でアントが生き残る、しかもロシア娘に救助され、生活を共にしていること自体が非現実的に映る。そのまま凍死か、処刑か、収容所送りの方が遥かに現実的な気がする。また、ジョバンナがあの広大で、しかも情報を隠匿する共産体制下のソ連でアントを探し当てるのも、かなり無理があるだろう。他にも、やけに小綺麗な街並みの描写や、やけに善意のある人々など、ソ連に都合のいいプロパガンダ描写になっている感がどうしても拭えない。昨今のロシアの蛮行や閉鎖的なロシア社会を目にしてしまった現在からすると、その当時は善意に溢れる社会だったとはなかなか信じがたい。

一方で、人物描写の巧みさがとにかく光る映画であり、戦争に引き裂かれた男女の悲劇を、十二分に演出し切っている。

情が深く、烈女ともいうべき誇り高い性格のジョバンナ。美男だが、どこか頼りなく、不安定さが見え隠れするアントニオ。主役二人の性格描写が素晴らしい。愛に忠実で、愛のためならどこまでも毅然となれるジョバンナ(だから役人や、帰還兵にも敢然と食って掛かる)だが、愛に裏切られると、その毅然とした性格が裏目に出て、荒れに荒れてしまうのだ。アントを探し当てるも途中で逃げ去る場面や自暴自棄になって想い出の写真や服を投げ捨てる場面は、ジョバンナの心情が痛いほど理解でき、強く感情移入してしまった。

毅然と誇り高いジョバンナに対して、優男のアントがいい具合に未練がましく、どうも頼りないというこの対比が良い。記憶喪失のくだりは、何回観ても嘘くさい(笑)ロシアに残した妻子を放り投げて、ジョバンナと一緒になりたいと言い出すあたりの情けなさも、ジョバンナとの対比がよくできている。だが、ジョバンナは、誇り高い性格であり、そうした一線を踏み越えることは拒絶する。

戦争さえなければ、ウマがあった二人が引き裂かれることはなかっただろう。そうしたやるせなさも含めて、戦争そのもの、そして戦争がもたらす悲劇について考えさせられる作品である。

クライマックス、下ろした髪で隠れているが、ジョバンナの耳にはかつてアントから贈られたイヤリングがつけられている。アントはなにも気づかない。最後の最後、ジョバンナに見送られ列車で去るアント。遠ざかる車窓から、ジョバンナの涙は、はたして見えていたのか。すれ違いの悲劇やヒロインの愛情深さが、言葉でなく、映像で表現された素晴らしい場面だ。
nakashiさん [DVD(字幕)] 8点(2022-08-14 22:03:34)
33.《ネタバレ》 これほどヒロインのキャラが脳裏に焼きつく作品は、なかなかないのではないか。

よく笑い、よく怒り、よく泣く。
自由奔放のようでいて、意外と律儀。

それぞれのギャップのコントラストがあまりにも強く、こちらの感情を力技で揺り動かしてくるような性格だ。

その性格は、必ずしも人間として”善”とはいいがたいものもある。
戦闘員に関する情報を出す受付で「夫は生きてるはずよ!」といきまいて居座り、他の人達の順番がどんどん遅れるのもおかまいなし。
情報をくれたのに、彼を見殺しにしたと帰還兵に怒ったり、母親には「あんたの息子は裏切りものだ!」みたいな言い方でつっかかったり(たぶんその後あの母親とは絶縁したものと思われる)。
まるで子供ような自己中心的な性格だ。

だが、そんな子供のような自己中心的な性格だからこそ、重大な選択(アントニオと不倫駆け落ちを実行するか)で、お互いの子供のことを思って、自分の欲求を押し殺す選択をした、そのケナゲさが心にしみるのだといえないだろうか。

あれ買って~!これ買って~!あれヤダ~!これヤダ~!それがイイ~~!ギャーギャー!とわめく子供が「パパとママのために、僕、我慢するよ」なんてシンミリいうと、心がほだされるのと似ている。

ジョバンナを喜怒哀楽の激しい自己中心的で幼稚な性格にし、人間としてデキた人物設定にあえてしないことで、こうした”ギャップ効果”を見事に作り出している。まことに、知能犯な脚本である。

ジョバンナがダメ人間だから感情移入できないとシャットアウトしてしまうのは、あと一歩、ヨミが足りない。

タイトルにもなっている「ひまわり」は、その見た目の陽気さや快活さと、その花の下にいる大量の死体・・・というギャップをはらんでいることで、まるでひまわりがジョバンナの性格を表しているようだ。

徴兵から逃れるために精神病のふりをする作戦をとろうとする倫理観の欠如があって、義母が来訪すれば、部屋にあった掃除道具を窓の外にポンと放り出して片付けるテキトウさがあるのに、いざ二人で駆け落ちをという状況になると「あなたも私もバンビーニは犠牲にできない」というマットウな意見を言ったりするから、見ているこちらも「そうなの?どうしてもだめなの?だめ・・・か」とアントニオと同じように、ダラ~ンとうなだれてしまう。

気に入った男は結婚アレルギーだとしても徴兵を先延ばしするという口実を作ってでも強引に結婚させるとか、行方不明になっただけなら生きているはずと単身ソ連に乗り込むそんなイノシシのような猪突猛進の行動力があるのに、いざ二人で駆け落ちをという状況になると、グっと行動が抑制的になるとかもう、ジョバンナの手に持たれたお土産のタヌキの毛皮のように、ダラ~ンとうなだれてしまう。

さらに、そうやってアントニオに冷静に告げている彼女の耳には、かつて彼からもらったイヤリングをつけていると思うと、やっぱり切ない。
彼が部屋に来ることを知って、つけた思い出のイヤリング。
でも、髪の毛で隠れて見えないイヤリング。
彼に気づかれることもなく、でも確実に彼女の耳にある、彼の愛の証であるイヤリング。

彼女の中には確かにまだ彼への思いがあるけれど、それを、あからさまに彼に見せることはできず、心にそっと秘めている・・・
そんな彼女の思いを象徴するのが、あのイヤリングなのではないか。

タブーを抱えた二人が、お互いに思いを寄せ合ったまま、結ばれない道を選ぶ・・・という物語は、わたしは大好物で、たとえば名作「ローマの休日」や「旅情」にせよ、それに比べてわりと現代の作品である「マディソン郡の橋」にせよ、確実に心に残る。

どんなに時代が変わっても、タブーを抱えた二人は結ばれてはいけない。そこをねじまげて周囲に迷惑かけてでも愛を貫きますなんていう展開になると「昼顔」やら「失楽園」や「冬ソナ」のように陳腐で下世話なメロドラマになってしまうのだから。
フィンセントさん [DVD(字幕)] 8点(2017-10-24 09:28:02)
32.駅での別れが3回あったのか。出征、ロシアでの再会(ソフィアが探して、ソフィアが汽車に乗る)、イタリアでの再会(マルチェロが探して、マルチェロが汽車に乗る)。この映画、タイトル曲が有名なんだけど、ソフィアが異国の地を探し回るときの、6拍子のテーマもいいんだ。ロシア民謡のような引きずるようなメロディ。「岸壁の母」より心に沁みる。メインテーマもいいけど(おびただしい死者がイメージの中で重なる画面いっぱいのひまわり!)、思い出そうとすると、ビリーバンバンの「さよならをするために」が混ざってきちゃうんだ。
なんのかんのさん [地上波(吹替)] 8点(2014-03-04 09:41:10)
31.いわゆるメロドラマ系の作品だが、昼メロのように低俗で軽薄ではなく、
説得力のある状況設定がしっかりと用意されてます。ストーリーはありきたりで単純なれど、
人物のディテールもしっかりと描かれているため、ヒロイン、主人公、サブヒロインに
感情移入がしやすい。ヒロインの義母だけは、存在の意味をなしていないのが惜しいくらい。
反戦のメッセージをさりげなく織り込みつつ、風景描写で映し出される「ひまわり」で、
本作のテーマを表現したセンスのある演出。日本人好みの哀愁感たっぷりな音楽もいい。
総体的に完成度の高い作品だが、シナリオ、演出、音楽が特出している名画。
MAHITOさん [DVD(字幕)] 8点(2012-09-02 13:58:35)
30.《ネタバレ》 TSUTAYAの名作コーナーに置かれていたので、普段はあまりそういうのは借りないのだが鑑賞してみた。結果、予想よりもかなりいい作品だった。壮大な音楽と、冒頭、中盤、最後で現れる一面のひまわりは、見ているだけで何かを感じさせられる。

■展開は男女が戦争で生き別れ、再会できたものの相手はすでに別の生活を築いており、もう元には戻れない、というオーソドックスなもの。だが、それを正面から訴えてくる本作は、最近の過度な装飾の作品とは異なり、心を揺さぶるものがある。

■あのような展開をたどるのだったら、ひまわりの畑の下にアントニオが眠っていた方がどれほどよかったものか。ジョバンナもきっとそう思っていたに違いない。生きていたのに、やっと再開できたのに、一度運命に引き裂かれてしまった糸はもう紡ぎなおすことはできない。それは死んで別れてしまうより辛い。
θさん [DVD(字幕)] 8点(2010-11-23 00:07:23)
29.《ネタバレ》 音楽最高。イタリア人は乳繰り合っても絵になりますね。この映画で、私が好きなのは
毛皮のエピソード。土産に毛皮を買って帰ると約束したアントニオは、ソ連の店で、毛皮を買おうとしますが、値段が高いので、もっと安いのはないかと尋ねます。アントニオのソ連での生活が、決して楽ではないことがよくわかります。安い毛皮を手にしたところで、いきなりシーンは、ジョバンニの仕事場(マネキン工場)場面に変わるのですが、マネキン達のインパクトが強いので、アントニオのシーンが気にならなくなります。そして、2人が再会後、アントニオが手渡した毛皮は高価な方のものでした。
小さなものしか買えなかったとあやまりながら渡すのですが、それでも無理していたアントニオ。いい奴だと思ってしまう私なのでした。
代書屋さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-31 00:21:42)
28.もし日本人がこの内容で映画を撮ったら、主演は細面のはかなげな女性で、
ねと~っとした、ひたすら悲しい映画になるのではないかと思います。
ソフィア・ローレン演じる主人公の、悲しいけれど逞しい感じや、
すごく可哀想な状況なのに悲惨さよりも強さが際立っている感じ。
日本とは違う「悲しい女の生き様」が、新しい感性の発見でした。

タイトルの「ひまわり」が、またいいですね。
ともともさん [DVD(字幕)] 8点(2009-02-04 20:14:07)
27.《ネタバレ》 もう、オープニングの美しくせつないテーマ曲とひまわりの映像が非常に素晴らしいです。しかし、力強く咲き誇るひまわりの下には哀しい事実が・・・・・・。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの哀しいラブ・ストーリーも素晴らしかったですが、この映画は戦争により尊い命を落とした人たちへのレクイエムなんじゃないでしょうか。そしてその人達の象徴があの一面に広がるひまわり畑なんでしょう。
 本当に名作と呼ぶにふさわしい作品でした。
TMさん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-04-08 20:20:43)
26.戦争は悲劇以外の何でもありませんね。音楽が切なさをいっそう引き立たせる。
Michael.Kさん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-18 23:36:47)
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【点数情報】

Review人数 185人
平均点数 7.66点
000.00%
110.54%
200.00%
321.08%
410.54%
5147.57%
62412.97%
73921.08%
84524.32%
93016.22%
102915.68%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 8.66点 Review15人
2 ストーリー評価 7.00点 Review19人
3 鑑賞後の後味 7.43点 Review16人
4 音楽評価 9.14点 Review27人
5 感泣評価 7.76点 Review17人
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【アカデミー賞 情報】

1970年 43回
作曲賞(ドラマ)ヘンリー・マンシーニ候補(ノミネート) 

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