7.《ネタバレ》 演出と演技が上質なため、低予算ならではのチープさがあまりない。
"何か"を見たら自殺するという序盤の大混乱を見せることによって、外への行動と視界が制限され、
映画のほとんどを占める室内シーンと山林シーンを受け入れることができるからだ。
2年後のコロナ禍で"鳥かご"の中に閉じ込められてしまったことを予言しているみたいに。
過去と現在を交互に見せるため、退屈さはあまり感じられず、伏線回収が上手い。
主人公を気に掛ける男性がいつか本性を表して襲い掛からなかったのは意外。
この手の不条理パニックもので言えることだが、最後に謎が明らかにされるわけではない。
既に精神を病んでいる人ほど自殺に陥らず、目隠しなしで健常者に襲い掛かる新たな設定すら、ただの脅威で終わっている。
盲学校に辿り着いて、今後もここで生きていくにしても食料や衣類はどうするの?という疑問が湧く。
そういう意味でオチは弱いが、見て損はないと思われる。