1. ジェイソン・ボーン
《ネタバレ》 超大物の悪役ボスが死んで、後はターミネーターのような執念だけでボーンを追いかける殺し屋(ヴァンサン・カッセル)との対決を残すのみ…とワクワクしていたら、あれ、何で殺し屋の方が逃げてるの…? 指揮系統が消滅してボーンと接触できるおそらく最後の機会なんだから、殺し屋は必死にボーンを追わなきゃイカンでしょう。 百歩譲ってボーンに恐れおののいて逃げるというなら、誰にも気付かれずにこっそり姿を隠せばいい所、何でわざわざ装甲車盗んであんなド派手な逃走劇を繰り広げる必要があるのか。そもそも装甲車乗ってるせいでボーンに見つかったわけだし。 これもターミネーターのような、このシリーズらしからぬ超弩級の街破壊カーアクションも、その必然性の設定が甘いので今一つノリ切れなかったのが残念。 この殺し屋の執念はボーンが改心?して情報を公開したとばっちりで、素性がバレて敵地で2年の拷問経験を受けた恨みだったと思うけど、その辺をもっときっちり描いてくれたら、このシリーズが持つどことなく薄い偽善性をカバーしてそれなりに物語に深みが増したと思う。実はこの殺し屋が父親を殺した実行犯…て、なんかプロットが雑すぎます。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-02-04 12:07:17) |
2. 16ブロック
《ネタバレ》 一見頭が弱そうに見えて実は切れ者という、いかにも犯罪者っぽい黒人のキャラが良。それゆえ彼が改心してケーキ屋を目指すと言う・・これが最後までホントか嘘か判らないというのも良かったです。アクションの方は、ダイハードのようなアクロバティックな手法は使えないので、一体ここからどうやって脱出できるんだ、と結構ハラハラして楽しめました。 裁判所で証言してメデタシメデタシというラストは何だか物足りない。警察があれだけ腐敗していて、裁判所も汚れてないと何故無条件に信用できるのだろうか・・とは思いました。日本の酷い裁判事例見過ぎかな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-08-02 23:12:23) |
3. 市民ケーン
王様が宮殿に住んで豪華な暮らしが出来るのは、その分貧しく暮らさなければいけない人が居るから。主人公は「社会的弱者の味方」を標榜していたはずなのに、結局どうでもいいって事? また王様は国に対して全責任を負っているからこそ贅沢な暮らしが出来る。新聞記者は何の責任も負わずに他者の批判をしていればいいだけで、ある意味最もラクな立場。この点で新聞記者は宮殿に住む資格も無い。結局は偽善者というだけの話で、この映画がマスコミ関係者に評価が高いのは、いわゆる自虐かな?と思ってしまいます。 [DVD(字幕)] 6点(2009-01-11 08:23:25) |
4. シービスケット
乗馬シーンの迫力は中々でした。感動できる良い映画とは思います。ただ前半どうにも入り込み辛く苦労しました。もう少し編集してほしい感じ。 7点(2004-02-22 02:47:13) |
5. シャイニング(1980)
今見るとエレベーターから血が噴出すシーンなどはコケオドシのように見えますが、全体の骨格がしっかりしてるのであまり気にならなかったです。立体感のある映像が素晴しい。 8点(2004-02-04 22:19:42) |
6. 白い刻印
《ネタバレ》 炎上する納屋を見ながらの一服のコーヒー…今までの努力を全て水泡に帰して得る暗い開放感、この感覚はどこかで…と思ったらマルケスの「百年の孤独」のラストでした。シュールな描写は全く無いけど、「不条理もの」としてマルケスや安部公房辺りと同列に認識してしまう不思議な映画。 6点(2004-01-11 22:15:39) |
7. 地獄の黙示録
アメリカは何故ベトナムに負けたのか…?に対する、アメリカ人自身によるひとつの回答。アメリカ人は、己が創り上げた人工享楽物から切り離されると意外と脆い(伝統文化を持たない国の宿命か)。サーフィン→慰安ショー→ラジオ…川を遡って行くに従い、その切り離され具合が段々とアップしていく。そして全てを剥ぎ取られた状態で何が現れたか…という感じで、かなり興味深く観れました。これを観るとアメリカ人が何故「禅」やメディテーションに異様な関心を示すのかなんとなく納得できる感じ。 …評価の違いは「好き・嫌い」でなく、まず「何を言っているかがわかるか・否か」に拠ってくると思う。「プラトーン」的なものを求める向きにはあまりお勧めではないです… 9点(2004-01-05 01:10:07) |
8. 処刑人
《ネタバレ》 短絡的ながら気持ちは解るラスト。どことなく「沈黙の艦隊」みたい。ただデフォーは最後まで対決してほしかった。アクション映画なのにケルト音楽の軽やかなビートが新鮮。 7点(2003-12-13 23:40:22) |
9. シー・オブ・ラブ
《ネタバレ》 最後の数シーンで今までのもやもやが一気に氷解する、推理ドラマとしてはかなり良く出来てる方だと思います。 「二重人格」「自作自演」「被害者が加害者」のどれでもない「意外な犯人」というのはあまり見た事ない気がします。エンディングのトム・ウェイツ版ニューバージョンがカッコイイ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2003-12-01 21:04:14) |