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プロフィール
コメント数 2399
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  チャイナ・シンドローム 《ネタバレ》 
“大企業は悪、マスコミは善”という幻想が蔓延っていた(今じゃマスコミも大悪であるのはバレてしまってますけど)いかにも70年代のアメリカらしい作風だけど、本作はその衝撃性では歴代企業告発もの映画ではトップに位置するんじゃないでしょうか。なんせ劇場公開12日後にあのスリーマイル島原発事故が起こり、しかもその原因が劇中と同様の人為的なミスだったわけだから、まさに映画史上屈指の予言映画だと思います。劇中でもスリーマイル島事故でも結局破滅的な結果にはならなかったけど、わずか7年後にソ連でも人為的エラーでチェルノブイリ原発事故が起こり壊滅的な被害が発生してしまったわけで、単純に“大企業が悪”とは言えなくなったわけです。 ジャック・レモンはコメディが持ち味の俳優というイメージが強いけど、実はシリアスな役柄においてこそ本領を発揮するタイプなんだと思います。と改めて力説したくなるほど、本作での彼の演技には圧倒されます。とくにラストにかけての三十分間の緊迫感は、彼の演技無くしては成立しなかったでしょう。ジェーン・フォンダはいかにも彼女らしい適役でしたが、やはり特筆すべきはマイケル・ダグラスの功績だと思います。大俳優の息子とはいえ弱冠30代の彼がプロデュースしなければこの映画は誕生しなかったわけでなんですから。彼は俳優としても非凡ですけど、プロデューサーとしても引けを取らない実績を残してきた人なんですね。 結局チャイナシンドロームが起こらなかった結末は今風では物足りない感はあるでしょうが、かえって現実世界に向かって警告を与えるような社会性を持たせたと感じました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-10-09 22:33:35)
2.  チャイナタウン 《ネタバレ》 
ロマン・ポランスキーに典型的なハードボイルド=フィルム・ノワールを撮らせるというプロデューサー=ロバート・エヴァンズの目利き力は賞賛すべきです。ロバート・タウンの“優れた脚本の教科書”と呼ばれる脚本と、ノワール的な雰囲気をこれでもかと盛り上げるジェリー・ゴールドスミスのスコア(彼の手掛けた映画音楽のベスト・スコアでしょう)も忘れてはならんでしょう。ジャック・ニコルソンに探偵役がこれほどしっくり演じることが出来るというのはそれまで彼が演じてきたキャラを考えると意外かもしれませんが、歴代ハードボイルド映画に登場する私立探偵の中でベスト・スリーにランクインするのは間違いないでしょう。このジェイクはかつてチャイナタウンを管轄地としていた刑事、その地で女性絡みの事件がきっかけで警察をリタイアした過去があるみたいですが、それを匂わせながらも最後まで詳細を観客に教えない脚本が上手いですね。イヴリンは“何をしでかすか判らん女”というのがキャラ設定だったそうですが、まさにフェイ・ダナウェイにはピッタシの役です。出番は少なかったですけど悪の黒幕であるジョン・ヒューストンもなんか凄い存在感でした。劇中彼がニコルソンと対話している中で「うちの娘と寝てるか?」と言うセリフ、彼のアドリブだったのかもしれませんが脚本上のセリフだとしたら傑作な楽屋オチです。ニコルソンとジョンの娘アンジェリカ・ヒューストンが当時同棲していたのは周知でしたからね、この時ニコルソンが微妙な表情で返すのも傑作です。 ハードボイルド映画のストーリーが判りにくいのは一種の伝統芸みたいなものですが、その中でもこの脚本はましな方じゃないですかね。それでも“誰がダイアン・ラッド(アイーダ:偽イヴリン)を殺したのか?”なんて、気にしたら夜も眠れなくなっちゃいます(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2022-05-21 23:19:22)(良:1票)
3.  地球は女で回ってる 《ネタバレ》 
主人公ハリーは三度も結婚して別れた妻がみんな出てくるし、小説の世界ではハリーと妻たちをそれぞれ違う俳優が演じているので、始めのうちはややこしくて頭を整理するのが大変でした。でもこの脚本、数あるアレン映画の中でもかなり上位にランクされる出来だと思います。よく“虚実とりまぜる”と言いますが、これほど巧みにその境界線がぼかして見せてくれる映画は滅多にありません。ピンボケのR・ウィリアムスなんて、こんなこと考えつく映画監督はそう滅多にいるもんじゃありません(そいうや彼、最後までピンボケのままでしたね、良くこんなキャラを引き受けたものです)。最後にハリーの創造した小説の登場人物たちが勢ぞろいするところを観て、この映画はW・アレンの『8 1/2』なんだなと納得しました。
[ビデオ(字幕)] 9点(2013-02-22 22:15:48)
4.  チャイルド・プレイ(1988) 《ネタバレ》 
ご存知の80年代ホラー映画を代表するキャラの一つであるチャッキー人形、大ヒットしてその後三十年間に八作も撮られるホラー・フランチャイズ化しているのはご存知の通り。“人形に魂が宿って殺人を重ねる”というプロットでは警察などの第三者には到底信じられない出来事であり、もっとも“フーダニット(誰が犯人なのか?)”という展開になる可能性が高いストーリーになりがち。母親や刑事も「チャッキーが喋る、歩く」というアンディの言葉を信じないしアンディが犯人なんじゃないかという疑念を持つわけだが、割と早い段階でチャッキーが正体を見せるので映画自体の展開もスピーディーになってグッドです。連続殺人犯がチャッキー人形に転移するきっかけも“こうするしかない”という脚本ですけど、このシンプルさでグイグイと引っ張てゆく展開なのがこの映画の強みです。でもチャッキーがアンディの家から抜け出して行動するというところには思わず突っ込んでしまいました。いくら何でも街中を人形が歩き回っていたら大騒ぎになるでしょ、とね。まあこの人形はブードゥーの呪術の産物で、中身の魂は銃で撃たれれば痛いし心臓もあるという人間的な代物だというのがミソ。ストーリー展開もオカルトというよりもスラッシャーだというのが正解でしょう。でもB級とはいえどチャッキーの不気味さや爆発などの派手でスピーディーなところは、十分に愉しませていただきました。 けっきょくチャッキー人形の正体を知ったのはアンディの他は母親と刑事ふたりだけ、いくら刑事の証言でも誰も信じないだろうし、この一連の事件は果たして上手く処理できるのだろうか?と案じていたら続編では母親は精神病院にぶち込まれている設定みたい。そりゃあ、そうなるよね…
[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-03-28 23:09:58)(良:1票)
5.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
イーストウッドにしては珍しく女性が主人公の作品と思いきや、この映画は企画段階ではロン・ハワードが監督するはずだったそうです(彼は製作にまわっています)。とは言え、さすがイーストウッド、アンジョリーナ・ジョリーの素晴らしい演技を引き出してくれました。この映画では彼女えらくスリムになっていて、きつい赤のルージュのせいか何か別人みたいな印象です。これが実話だというんですから、アメリカって本当に変な国ですねえ。観ていて物足りなかったのは、警察が別人をウォルターに仕立てる過程や内情を描いていなかったところで、これがあればもっと盛り上がっていただろうと思います。それにしても、イーストウッドの担当した音楽は素晴らしかったです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-10-18 23:44:12)
6.  父親たちの星条旗 《ネタバレ》 
アメリカ人にとって“Iojima”は今や苦戦の代名詞になっていますが、「苦痛を背負うヒーロー」を描いてきたイーストウッドには最適の題材だったのではと思います。確かにやり過ぎとしか思えないほどショー化した戦時国債募集キャンペーンには誰もが嫌悪を感じるでしょうが、アメリカが戦費調達にこれほどまで苦労していたとは意外でした。命を危険にさらす兵士が戦争では絶対に必要とされますが、大衆を扇動してでも国債を買わせて財政を運営しなければならなかった官僚も近代戦では必要な存在なのです。しかし、硫黄島の3人に銃後での道化役までさせたのは、あまりに残酷なことでした。「手紙」で描かれているように、日本兵は家族を守るために日本領土である硫黄島で死んでゆくのですが、攻める米軍にはもっと抽象的な「大義」が必要になっているのが対照的で面白いです。でも戦場の地獄の中では「大義」などけし飛んでしまい、海兵隊兵士も疑似家族である戦友を守るために戦うのです。ラスト死の床で主人公が硫黄島の海岸で戦友と泳いだことを思い出すシーンに、イーストウッドのメッセージが込められていた気がします。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-24 00:43:01)
7.  地球爆破作戦 《ネタバレ》 
自分は今までTV放映で観たことはなく、と言うよりまったく予備知識もなく観てしまいましたけど、けっこう面白いじゃないですかこの映画は。 確かに本作はいろんな映画に影響を与えていますね、スパコン(?)・コロッサスは『ターミネーター』のスカイネットの原型と言えますし、なにより『フェイズⅣ/戦慄!昆虫パニック』にラストに味合わされる絶望感を含めて良く似ているなと感じました。低予算だったと思いますけど冒頭のコロッサスの全景は良く造りこまれたセットで美術スタッフのセンスを感じます。その後はサインボードに流れる電光メッセージだけで驚異のコンピューター・システムを表現してしまうのですから、製作当時としては素晴らしいアイデアだったと思います。科学者とコンピューターの心理戦も良く練られた脚本だと思いますけど、ちょっとコンピューター君は性格悪すぎ・趣味悪すぎです(笑)。最後にコロッサスが全世界に発するメッセージも、確かに理屈はあっているけどとても普通の人間には耐えられないといった類の理論で、なんかヒトラーが唱えたナチスの人種理論に通じるところがあります。 さすが職人監督ジョセフ・サージェント、いい仕事してます。
[DVD(字幕)] 7点(2015-08-22 19:00:17)
8.  沈黙の戦艦 《ネタバレ》 
大して熱心に観てるわけじゃないですが、セガール映画の中から一本選ぶとしたらやはりこれだよね。“人類史上最強のコック”ケイシ―・ライバックはいまやセガールが演じるヒーローの代名詞みたいになってるし、「お前ちょっとやり過ぎだろ」と言いたくなるほどの最強ぶりです。セガールを語るときにつきまとうのは彼のハリウッドでの不思議なポジションなんですが、この映画でも実物の戦艦ミズーリでロケをするなんて並みのコネじゃ実現できるもんじゃありませんよ。今や戦艦という兵器が地球上に存在しなくなってしまった現在、こういう映画はもう撮れないというわけです。でも主砲の一門だけとは言っても、あんなに少人数で簡単に発砲出来るもんなんですかね、まして照準して命中させるなんてね。まあそこら辺は深く突っ込むのはヤボというもんでしょう。 乗っ取り側のトミー・リー・ジョーンズとゲイリー・ビューシィのキレっぷりというか怪演がまた盛り上げてくれます。とくにゲイリー・ビューシィの女装まで披露する狂いっぷり、ここまで変態な士官を登場させればミズーリを貸してくれた海軍もさすがにいい顔はしなかったでしょうね(笑)。 まあテンポも良いし、「TVで放映してたらついつい観ちゃう映画」ランキングがあったら上位入賞間違いなしでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-01 22:14:32)
9.  地平線から来た男 《ネタバレ》 
お気軽に笑えるウェスタンをお求めのあなたにこの一本! ウェスタンの職人監督バート・ケネディがお送りする、『夕陽に立つ保安官』に続いてジェームス・ガーナーとジャック・イーラムの名コンビのおとぼけウェスタン・コメディです。『夕陽』とかぶるキャストが多いのですが、お話は全く別です。 ガーナーのキャラは『マーべリック』のパロディになっていて、ルーレットを見ると発作的に有り金全部を単数字に賭けてしまうおバカギャンブラーです。銃の腕前はからっきしダメなジャック・イーラムが伝説のガンマンと人違いされて、マネージャーを買って出たガーナーがあの手この手を使って街の人々を騙そうとするのが傑作です。 B級ノワールの女王マリー・ウィンザーが顔を見せてくれるのもうれしいですね。 ラストにイーラムが叫ぶ「これから、マカロニ・ウェスタンに出るぞー」と言うセリフは、実はウェスタン史上で上位にランクされる名セリフなんだそうですよ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-09-06 20:39:15)(良:1票)
10.  小さな巨人 《ネタバレ》 
「お前はコウモリ人間かよ!」と突っ込みたくなる、先住民と白人の世界を行ったり来たりというか右往左往するダスティン・ホフマン。121歳になるまで生きたあげくに語る人生は、波乱万丈につきますけど色々な経験がどれも決して幸福に繋がったわけではないところが、いかにもニューシネマ的ですね。彼の半ばホラ噺としか思えないような生涯は、米国西部開拓史の闇を暗喩したナラティブ・ヒストリーとなっているのが特徴。先住民の虐殺も、『ソルジャー・ブルー』ほどではないにしても、かなり赤裸々に描いています。でもそれぞれのエピソードがかなりなコメディ調の演出で綴られているのが、なんか可笑しい。チーフ・ダン・ジョージが演じるシャイアン族長はもう素で演じているとしか思えないし、やはり最後の“死の予行演習”には荘厳さと可笑しみが混在していて、彼じゃなきゃ出来ない演技です。生き別れになった姉や妻と都合よく再会できるのは笑うしかないですけど、シャイアン族の妻であるサンシャインと子の死はさすがに悲痛でした。ワイルド・ビル・ヒコックやカスター将軍が狂言回しの様に使われていますが、個人的には詐欺師で危ないことばっかりやってて最後には海賊キッドみたいな姿になってしまうマーティン・バルサムが傑作でした。他のレヴュアーの方が指摘している通り、やはり本作は『フォレストガンプ』に多大な影響を与えているんじゃないかと確信します。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-11-18 22:35:37)
11.  地上最大の脱出作戦 《ネタバレ》 
ブレイク・エドワーズとヘンリー・マンシーニの黄金コンビで戦争映画を撮ったらこんな感じになりましたってところでしょうか、まあ予想通りのドタバタ・コメディですけどね。この映画の真の主役はキャッシュ大尉のディック・ショーンとオポ大尉のセルジオ・ファントーニであることは間違いなく、ジェームズ・コバーンはいわば狂言回しみたいな役柄です。ディック・ショーンはそのクドい演技が満腹感を誘いますけど観てるほうもだんだんマヒしてきて愉しくなってきますが、彼はこの後メル・ブルックスの『プロデューサーズ』で世紀の怪演を見せてくれる人です。セルジオ・ファントーニもハリウッド映画では良く見かけるステロタイプなイタリア軍将校ですけど、実はこの人は前年製作の『脱走特急』でもイタリア将校それも階級も同じ大尉役なんですね。当然ですが軍服は同じで違うところは眼帯をしていてシリアスなキャラだったってとこですかね。ギャグ自体は典型的なエドワーズ節ってところですが、米伊両軍の兵士が街中で大乱闘したり空包を撃ち合って戦争ごっこしたりするところなんかはかなり笑えます。劇中ずっと銀行に忍び込むためにトンネルを掘り続けるコンビもバカバカしくていいですねえ。 まあ誰もが感じることでしょうけど、邦題のセンスのなさはかなりのレベルです。この映画は制作・配給がユナイトなのでこれも名付け親はあの水野晴郎 なのかな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-21 21:50:41)
12.  チャーリー(1992) 《ネタバレ》 
伝記映画としては、チャップリンが自伝のために作家に人生を回想する、最後はオスカー受賞式のところで閉める、など非常にかっちりしたオーソドックスな撮り方がリチャード・アッテンボローらしいところです。正直なところ『ガンジー』の時の様な主人公に対する思い入れは感じられず、平凡な映画と言う印象は否めませんでした。でもこの映画の意義は、ロバート・ダウニー・Jrにチャールズ・チャップリンを演じる機会を与えてくれたことに尽きるんじゃないでしょうか。もう上手い、としか言いようがない素晴らしいパフォーマンスです、さすがに老年期のチャップリンについてはちょっと苦しいところがありましたが。 私生活の乱れで俳優キャリアの低迷時期が長かったのは残念ですが、この人は現在のハリウッドでも屈指の演技力を備えたアクターだと思うんですけど。まだまだ若いし、ダニエル・デイ=ルイスを超えられる可能性すら秘めた人だと思うんですけどね。
[ビデオ(字幕)] 6点(2013-12-26 22:16:30)
13.  チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
おかげさまで商売繁盛につき、晴れて第二号店が堂々のオープン! でもお店の女の子たちと悪逆チーママの店内抗争が勃発! というわけで、さすがにお客を喜ばすネタは万弁なく網羅されています。この手のアトラクション映画に辻褄が合わないところとご都合主義は付き物で、そこを吹き飛ばしちゃう様なテンションをどれだけ保てるかがカギというわけで、その点はまずは合格点でしょう。“チーママ”D・ムーアはもうセルフパロディみたいなキャラですが、もうちょっと暴れて欲しかったところです。何気に旦那のB・ウィリスまでちゃっかり顔を出しているのにね。ボスレーにB・マックを起用してくるところなぞ、もうキャスティング上のトラブルを逆手に取った自虐ネタみたいなもんです、さすがハリウッドはたくましい! だいぶ時間が経ったけど、第三号店はあるかな~。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-28 23:11:39)
14.  チャイニーズ・ブッキーを殺した男 《ネタバレ》 
ナイトクラブのオーナーであるコズモの視点で描かれたちょっと変なテイストのフィルム・ノワールです。終始コズモの行動だけを追っているので、“殺し”をやってからは画面で何が起こっているのかすこぶる判りにくい。このコズモという男もなかなかユニークなキャラで、裏街道とショウビジネスの裏も表も知り尽くしている上に自分でストリップショーの台本を書き演出もして司会までする。演じるベン・ギャザラの渋さは特筆もので、彼の生涯一の演技かもしれません。 実はコズモはカサベテス自身の投影で、ストリップショーは彼が毎回苦労して撮っている映画の暗喩になっているのではないでしょうか。借金を返してやっとクラブを我がものに出来たと思ったら、すぐさまバクチにボロ負けして負債を作っちゃうところなぞ、映画を撮るのに借金を重ねたカサベテスそのものです。コズモに“殺し”を強要するギャングたちは、さしずめカサベテスを苦しめたメジャーのお偉方やプロデューサーたちということなのかな。すると“チャイニーズ・ブッキー”に擬えられた殺してしまいたいほど憎い奴とは誰なんでしょうね(『愛の奇跡』で編集権をめぐって大げんかになったスタンリー・クレーマーだったりして)。なんて考えてみると、本作は実はカサベテスの『81/2』だったのかもしれませんね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-04-28 00:01:08)
15.  チップス先生さようなら(1969) 《ネタバレ》 
高校生のときにジェームズ・ヒルトンの原作を読み涙を流した記憶があります。この作品では、原作より時代をずらしていますね。原作では戦争は第一次世界大戦で、史実でもパブリック・スクール出の上流階級の青年たちが大量に戦死しています。原作では教え子たちを戦場で失ったチップス先生の悲しみが読者の心を揺さぶるのですが、この映画ではそのあたりがちょっと希薄でした。チップス先生が長生きするというのも原作とは違いますが、P・オトゥールの名演でこれはこれで良いかなと思います。一応ミュージカルと分類されていますが、ちょっと中途半端なミュージカル化だなと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-07 22:44:10)
16.  地球へ2千万マイル 《ネタバレ》 
ハリーハウゼン御大が生み出したモンスターの中でも最も怪獣・特撮ファンから愛されているのが、この映画の主役・金星竜イーマだろうと思います。たしか自分が子供のころには“イミール”という表記だった記憶もあります。頭部を除く上半身は生物学的には人類というか猿人に近い構造を持ちながら異様に長い尻尾を持ち、半魚人よりもさらに魚類に近い顔つきのまるで神話世界の創造物といった感じです。まさにハリーハウゼンのイマジネーションが産み出した傑作造形なわけですが、これが金星に生息する生物で押し通しちゃうところはご愛敬です。変な卵から孵化したと思ったらどんどん成長して巨大化してゆくイーマ君、初期のころは怪異な容貌ながらも実は温厚そうな性質なのに地球の生き物と人間から虐められてどんどん性格が悪くなる感じが上手く表現されています。やはりラストのゾウとイーマ君のガチンコ勝負は、これがコマ撮り撮影とは信じられないまさにハリーハウゼンの匠の成せる技と言えるでしょう。ただ、ちょっとゾウのサイズが大きすぎるように感じるところもありましたが。 と褒めてきましたが、イーマ君以外の特撮とドラマ部分はもうメロメロです。ハリーハウゼン特撮は生物以外の円盤やロケットなどもすべてコマ撮りで表現するのが特徴ですが、これが生物の様には上手く表現できないのが欠点なのです。本作でも冒頭の金星探査船墜落のシークエンスでは、ちょっと粗が目立ちすぎでした。そして、これはハリーハウゼンには責任ないのですが、ストーリーがあまりに酷い。いくらアメリカが超大国だった時代といっても、世界に内密に宇宙船を建造して金星探検だなんて、そんなことあり得るか!強いドルにモノを言わせてイタリアでロケというのは判りますが、あまりにイタリア人をバカにした設定は酷いと思いますよ。イーマ君が地球で誕生してしまったのは一人の悪ガキのせいということになりますが、せめてガメラ・シリーズみたいに最後までストーリーに絡ませて汚名挽回させても良かったんじゃない?また50年代ハリウッド怪獣映画の約束の主人公(大抵は科学者か軍人)がひたすらヒロインのナンパに励むというパターンを本作も踏襲していますが、それすらも中途半端な取ってつけたようなストーリーテリングとは、処置なしです。監督しているのが『妖怪巨大女』のネイザン・ジュランだから、まあしょうがないか(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-04-06 22:58:15)
17.  チャーリーズ・エンジェル(2000)
ああ、ティム・カリー…。わたくし、この映画を三回観るまでティム・カリーが出ていることに気付かなかったんですよ。あのフランケン・フルター博士が25年でこんなお姿になってしまうとは、時の流れは残酷なものです。でも、あのルーシー・リューが施してくれる“踏みつけボディケア”は一度でいいから自分も体験してみたい、気絶してもいいから…。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-10-06 23:12:01)
18.  血まみれギャングママ 《ネタバレ》 
1930年代に暴れ回ったバーカー母子ギャング団の実話の映画化で、ベイカー・ボーイズならぬ“ファビュラス・バーカー・ファミリー”といったところでしょうか。 鬼より怖いママを演じるのがなんとシェリー・ウィンタース!、ギャング御用達のドラムマガジンつきのトミー・ガンをぶっ放すお姿は、実にさまになっています。それにしても、二度のオスカー受賞した名女優がロジャー・コーマンの映画に主演するなんて、まさに珍事と言えましょう。コーマン映画にオスカー受賞者が出演したのは、たぶんこれだけだったんじゃないでしょうか。70年代の彼女は、2年後に『ポセイドン・アドベンチャー』に出てあの聖女ベル・ローゼンを演じましたが、その後は『テンタクルズ』なんかにも出る様になってすっかりやさぐれちゃった感があります。彼女の四人の息子の中には、まだ無名だったデ・ニーロがいますが、さすがデ・ニーロだけあって存在感ある演技を見せてくれます。 ストーリー自体は史実をかなり脚色してますが、あまり上手い脚本とは言えませんね。ウィンタースの熱演は認めますけどそれが空回り気味で、あまりに無慈悲で冷酷な彼女の行動には感情移入の仕様がありません。近親相姦まで犯すようなな母と息子たちの異常な関係がこの映画の肝であるはずなのですが、そこら辺の突っ込みは表面的で単にエピソードを繋げるだけのストーリー・テリングだったのは残念です。 実は史実ではケイト・バーガーが犯行現場での目撃証言や息子たちと共犯である証拠は皆無なんだそうです。一説によれば、犯行に無関係に近い存在のケイトを一緒に殺してしまったので、FBIのフーヴァー長官が“ケイト・バーカー神話”を隠蔽のためにでっちあげたらしいです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-10 20:57:49)
19.  地球最後の日 《ネタバレ》 
今回再見して強く感じたのは、恐ろしく宗教色が強いなあ、ということ。良く見ると、製作総指揮がセシル・B・デミルじゃありませんか、そりゃ聖書じみたお話しになるのは当然ですね。地球から運び出す文献をマイクロフィルムに写すのはいいんだけど、まず新約聖書から始めると言うのは笑ってしまいました。誰が観たって“ノアの箱舟”をSFに仕立てただけとしか言いようがなく、肝心の地球崩壊のスペクタクルよりも脱出ロケットに誰を乗せるかを“選ぶ”ことの方がメインになってしまうのはちょっとねえ… だいたい、あんなでかいロケットに40人しか人間が乗れないなんておかしいじゃないか、動物なんか積むんだったらその分人を乗せろよ。そして何よりこの映画の凄いところは、脱出プロジェクトには政府も国連も関わってなく、たった三人の大富豪が資金を出しているだけということ、つまり完全な民間プロジェクトなんですよ。そりゃ、誰を乗せるかなんて俺たちの自由だ、と言えるわけです。でもその40人が、若いのはしょうがないとしても、白人だけで有色人種はひとりもいないというのはあんまりです。 そう考えると、同じ滅亡ものでも『妖星ゴラス』の“地球の方を移動させて全人類を救う”という大乗的な思想は偉大だなと思います。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2012-02-16 23:33:11)
20.  地球最後の男 オメガマン 《ネタバレ》 
公開当時は「チャールトン・ヘストン主演のSF超大作!」という感じで宣伝していた記憶があります。40年後に初めて観たわけですが、安―い音楽といいはっきり言ってこれB級だったのですね。監督は誰かと思えばTV映画の職人ボリス・セイガルではありませんか、たしかに全体に漂うチープさはTVムービーなのかなと思えてきました。リチャード・マシスンの原作は三回映画化されたわけですが、ヴィンセント・プライスが主演した一作目は隠れた名作だそうです。本作に関しては、そもそも“オメガマン”って誰のことでどういう意味?この答えは最後までありませんでした。そして異様に鼻につく宗教色で、ラストシーンのヘストンを見て「こいつはキリストだったのか!」と愕然とさせられました。どう考えても、原作の哀切な持ち味を台無しにしてしまったクソ脚本ですよ。まあこれでヘストンがこの映画に出たわけが判りましたけどね。
[CS・衛星(吹替)] 3点(2010-05-12 22:28:24)
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