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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1884
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1.  ドント・ウォーリー・ダーリン 《ネタバレ》 
砂漠のど真ん中に造られた、とある新興住宅地。ここは世界的な大企業が極秘裏に進めるプロジェクトのために建設された、完璧な町だ。大きなスーパーマーケットや美容院、映画館も併設され、他のどの町に行かなくてもここだけで生活に必要なものは全て揃うようになっている。定期的に巡行するバスに乗れば、町の何処にでも運んでくれる。そう、ここは誰もが幸せに暮らせる楽園のような世界――。プロジェクトに関わる夫ジャックとともに、何不自由ない生活を満喫する専業主婦アリス。従業員以外は許可なく町を出ることは禁止というルールに疑問を抱くことなくこれまで暮らしてきたアリスは、毎朝夫を送り出し、ママ友たちと日々優雅な昼下がりを楽しんでいる。自由な時間を楽しみたいとまだ子供を作る気もないアリス。だが、迷子になった子供を捜すためにルールを破って町の外に出てしまった隣人主婦マーガレットの存在が彼女の気持ちをざわつかせる。マーガレットの子供はいまだ行方不明のままで、彼女はそれからこの町に批判的な言動を繰り返しすようになっていた。ある日、そんなマーガレットが自らの喉を切って自殺する瞬間を目撃してしまったアリスは、真実を探るために町の外へと逃げ出そうとするのだが……。冒頭から描かれる、この冗談みたいな理想郷のカラフルで洗練されているのにどこか歪な世界観が強烈。何処にもゴミ一つ落ちておらず、家の壁も汚れなど一切なし、部屋の中も全て掃除が行き届いている。でも、主婦たちは料理以外の家事は全くせず、プールサイドで優雅にお酒を飲んで趣味のバレエにいそしみ、することと言えば夫と所かまわずセックス。彼女たちはみな夫の言うことを全て鵜呑みにして、今の生活に何も疑問を抱かない。そんな世界に響き渡る、何処までも陽気な音楽……。ここまで気持ちの悪い世界を緻密に構築した、この監督の手腕は確かに凄い。時折挟まれる悪夢的イメージも鮮烈で、生卵を割ってみたら中身がまったくの空だったなど印象に残るシーンも多い。ただ、問題となるのはストーリー。ここまで大風呂敷を拡げまくったお話をどうオチつけるのかと思っていたら、まさかの○○オチ。これまで様々な映画や小説で何度も見てきたような既視感満載のその真相は、さすがに肩透かし感が半端なかったです。こーゆー言ってみればなんでもありのオチは、よほど巧くやらないと納得感が得られませんって!!また、全編に貫かれる、「全ての女性を家庭という牢獄に縛り付けようとする男社会の論理」への抵抗というフェミニズムなテーマも、最近はそんな映画が余りに多すぎてちょっと辟易。なんなら説教臭ささえ感じました。映像や世界観はすこぶる良かっただけに、残念!
[DVD(字幕)] 6点(2023-09-21 08:41:29)
2.  ドント・ルック・アップ 《ネタバレ》 
人類は、あと6ヶ月と14日後に滅亡する――。地方大学で教鞭をとる冴えない天文学者ランドール・ミンディ。ある日、教え子のケイトとともに天体観測をしていた彼は、未知の巨大な彗星を発見する。意気揚々と軌道計算を行った彼はその結果に愕然とするのだった。なんとこの彗星は確実に地球へと向かっているのだ。しかもこの大きさの星が衝突すれば、人類は滅亡をまぬかれない。すぐさま政府と連絡を取り、大統領と面会したミンディ教授はことの重大性を訴える。だが、次の中間選挙と閣僚のスキャンダル対応にしか興味がない大統領は真面目に聞こうとしない。朝のテレビ番組に出演したり、大手紙のインタビューを受けるも、日々の生活に追われる市民は彼の訴えなどへらへらと受け流すばかり。そればかりか、彼の愚直なまでの真剣さが逆に笑いの種となり、次第にネット上で人気を博すように。そこに若者に絶大な人気を誇るカリスマ歌手や彗星に内蔵する希少な鉱物を狙うIT企業のCEOなどが絡み、事態はますます複雑に。そんな中、ミンディ教授自身もテレビで知り合った美人キャスターと不倫の関係になってしまう。そうこうしているうちにも地球を壊滅させる彗星は着実に近づいてくる……。これまで難解な社会問題を分かりやすい目線で見つめてきたアダム・マッケイ監督が、地球滅亡までの狂騒の日々を豪華キャストを揃えて描くディザスター・ドラマ。いやー、久しぶりに来ましたね。こういう、笑えないのに笑えちゃうシニカルなネタ満載のブラック・コメディ。登場人物誰もが余りに愚かすぎてもはや笑うしかないような気分で笑っちゃったのは、キューブリックの『博士の異常な愛情』以来なんじゃないかしら。とにかくアホばっかり。アリアナ・グランデ演じる?頭の悪いカリスマ歌手が、「空を見上げて、みんなもうすぐ死ぬの。でも、本当の愛は死なない」と切々と歌い上げるコンサートシーンなんて、バカバカしすぎて思わず爆笑。抜群に歌が巧い分、この内容のない歌がより心に響きますねぇ(笑)。何より大統領を演じたメリル・ストリープ!よく引き受けたなと思うほど、うざったい正義感を振りかざす嫌なおばはんをのびのびと演じていて?素晴らしかったです。金儲けにしか興味がない、いかにも偏屈なIT企業社長も良い味出してましたし。とはいえ肝心の内容の方はよく考えられている分、すこぶる怖い。保身や自己の利益にしか興味がないセレブ、SNSで身勝手な言動に熱狂する市民、暴動や略奪、乱交に走る人々……。ここまで人間は愚かではない!と言い切れないところが、この監督の巧いところ。いや、この監督って相当性格悪いですね(悪口)。それは最後の最後まで徹底していて、新たなエデンへと降り立った男女がみんな素っ裸のおじさんおばさんばかりというのも皮肉が効いていて最高でした。余りにシニカルなため、かなり人を選ぶと思いますが自分は最高に楽しめました。
[インターネット(字幕)] 9点(2022-11-18 08:34:27)
3.  ドアマン 《ネタバレ》 
要人警護中にテロリストに襲われ、幼い女の子を目の前で死なせてしまった元海兵隊員アリ。以来良心の呵責に悩まされ海兵隊も除隊した彼女は、生まれ育ったニューヨークへと戻ってくる。親戚の叔父に勧められ、アリはそのまま古い高級アパートでドアマンとして働くことに。そこは明日から大規模な改装工事が始まり、住民のほとんどが出払うことになっていた。残っていたのは足腰の弱い老夫婦と一日だけ部屋にとどまることを許された大学教授の家族のみ。アリは、不愛想な先輩ドアマンの元、無事に勤務初日を終えるのだった――。次の日、実は親戚だった大学教授家族からお誘いを受けたアリは彼らとディナーを楽しんでいた。だが、彼女はまだ知らなかった。同時刻、1階に住む老夫婦の部屋に屈強な強盗団が押し入っていたことを。彼らの狙いは、老人がかつて東ドイツから持ち出した高級な絵画を強奪すること。ところが何処をどう捜しても目的のものは見つからなかった。それも当然、足が弱くなった老夫婦は最近1階へと越してきたばかりだったのだ。絵画が隠されていると思しき部屋は、かつて彼らが暮らしていた10階の一室。偶然にもそこは今、アリたちがディナーを楽しんでいる大学教授の部屋だった……。率直な感想を述べさせてもらうと、まあまあ面白い。スケールのちっちゃな『ダイ・ハード』って感じでしたが、お話のテンポも良く、アクションのキレも良かったので最後までそこそこ楽しんで観ることが出来ました。古い時代の建物ということで、禁酒法時代に皆で隠れて飲む用の隠し部屋や隠し通路があるとかも面白い舞台設定。そんな閉ざされたビル内で繰り広げられる、元凄腕海兵隊ドアマンと強盗団の戦いは逆転に次ぐ逆転でけっこうハラハラドキドキ。主人公の姪っ子の女の子も可愛かったですし。ただ、脚本の細かいところに突っ込みどころがいっぱいあるのが惜しい。敵から隠れているのに、死んだ母親の話から思わず感情的になって机を叩いてしまい見つかってしまう少年はかなりアホですね。ドアマンと言いながら、主人公がほとんどその制服を着てないのも勿体ない。主人公、あの制服けっこう似合ってたのにね。アクションシーンもところどころ巧く繋がっていないようにも感じもしました。とは言え、何も考えずに暇つぶしで観る分にはそこそこ楽しめると思います。
[DVD(字幕)] 6点(2022-10-07 09:34:36)
4.  ドント・ブリーズ2 《ネタバレ》 
あの最恐の盲目ジジイが帰ってきた!!スポイトに入れた自らの〝あれ〟を片手に何処までも襲ってくるというそのぶっ飛んだ設定でスマッシュヒットを飛ばした前作から数年、その強烈なインパクトを残したジジイが今回はなんと主役となって帰ってまいりました。とは言え、その余りにもキャラ立ちしたジジイの印象が鮮烈に残っていて、肝心のストーリーの方はほとんどうろ覚え状態で今回鑑賞したんですけどね。冒頭から、娘と思しき幼い女の子と2人で支え合って暮らしているという牧歌的な?設定に、「あ、これはきっと設定だけを受け継いだいわゆるリブート作品なのね」と信じて疑わず。途中で調べてみたら、なんと完全なる前作の続きということでした。いや、ちょっと無理ありすぎやろ(笑)。この女の子があのスポイト作戦の結果だとしたらさすがに悪趣味すぎだけど、そうじゃなくて一安心。まあそれでもアカンけどね。ただ、前作の続編であろうがなかろうが、単純にB級ホラーとして普通に良く出来ていて自分は最後まで楽しめました。どっちが善でどっちが悪なのか、二転三転する脚本もけっこう練られているしね。結局最後、どっちも悪人やったんかーい!というオチも突き抜けてて大変グッド。なのに、最後はちょっとお涙ちょうだい系になるのもバカバカしすぎて思わず笑っちゃいました。もはやほとんど目が見えてるんじゃないかとも思えるジジイが、若造相手にガンガン暴れまくるアクションシーンも終始キレッキレで格好良かったですし。うん、なかなか面白かった!
[DVD(字幕)] 7点(2022-10-07 08:21:29)
5.  トムとジェリー 《ネタバレ》 
トムとジェリーは子供の頃に何度も見てましたが、あれって10分程度の長さだから普通に楽しかったんだろうなと本作を観て思いました。さすがにこの内容で90分超えは厳しい!トムとジェリーのドタバタとさして面白くもないクロエ・グレース・モレッツのドラマパートがひたすら交互に繰り返されるので、全体的になんかちぐはぐな印象。2Dのアニメと実写もそんなにうまく融合しているとも思えず……。率直に言って、さっぱり面白くなかったです。
[DVD(字幕)] 4点(2022-06-28 01:39:49)
6.  ドリームランド 《ネタバレ》 
ここは、荒涼とした大地が何処までも続く未墾の地、テキサス。家族とともに貧しい生活を送る17歳の青年ユージンは、何処にでも居る平凡な男の子だ。今は保安官の義父と暮らしているが、本当の父は彼がまだ幼いころに酒に溺れた挙句、夢を求めてメキシコへと旅立ったきり消息不明のままだった。心配性の母や幼い妹とともにそれでもこの地で生きていた彼は、ある日、町で不穏な噂を耳にする。銀行強盗を繰り返し何人も人を殺したという凶悪な犯罪者が、この町まで逃亡しているかもしれないというのだ。不安を感じながらも家に帰った彼は、納屋で驚きの事態に直面する――。なんと、その逃亡犯の女が、大怪我を負って隠れていたのだ。アリソンと名乗る彼女は、ユージンにどうか誰にも言わず逃亡に手を貸してほしいという。多額の報酬と彼女の魅惑的な笑顔に惹かれたユージンは、そのまま誰にも内緒で彼女を匿うのだった。罪は犯したが人は殺していないというアリソンの言葉を信じ、駄目だと分かりながらも潜伏生活に手を貸すユージン。だが、警察の手が間近に迫ってきたと感じた彼は、彼女とともに父が夢見たメキシコへと向かう決意をするのだが……。1930年代、アメリカ南部の閉塞感漂う田舎町を舞台に、犯罪者の女と大人しい青年との決死の逃避行を描いたクライム・ドラマ。そんな17歳の青年を惑わす犯罪者を演じたのは、いまやすっかり演技派としてのイメージが定着した人気女優マーゴット・ロビー。危険な匂いをぷんぷん漂わせる彼女はまさに嵌まり役としか言いようがなく、彼女に翻弄される純朴な青年との破滅的な恋の行方は終始ハラハラドキドキの連続で最後まで目が離せません。うだるような熱気に包まれたテキサスの空気も相俟って、なかなか緊張感に満ちた犯罪劇に仕上がっていたと思います。ただ、監督がこれが長編デビュー作ということもあってか、意味不明な演出がところどころにあったのが非常に惜しい。例えば冒頭のナレーション。実はこの青年の妹の回想という形で物語が進むのですが、これが非常に分かり辛く、しかも家族構成も説明不足でいったい誰が語り手なのかイマイチ分からない。物語の掴みとしてはマイナスというしかありません。致命的なのは、彼ら二人がホテルのバスルームで初めて関係を持つシーン。アリソンが切々ともう後戻り出来ないことを語るのですが、彼女の姿は画面の外で一切その姿が映らないんです。「あぁきっとマーゴット・ロビーがヌードNGで仕方なくこんな演出にしたんだろうなぁ」と思ってたらその後、普通にヌードの彼女が出てきて、「え、じゃあなんでこんな変な演出にしちゃったの?」と思わず呆然。きっと撮り方次第でものすごく印象的な良いシーンになったであろうに、何とも勿体ない。良い部分もたくさんあったのですが、それと同じくらい残念なところも目立つ作品でありました。ま、この監督の次作に期待ってことで。
[DVD(字幕)] 6点(2022-01-05 03:12:46)
7.  21ブリッジ 《ネタバレ》 
ある夜、マンハッタン島で凶悪な強盗事件が発生。密売組織が隠していた大量のコカインを二人組の男が強奪しようとしたのだ。連絡を受けた警察がすぐに駆け付けたものの、自動小銃で武装した犯人と激しい銃撃戦となり、瞬く間に8人もの警察官が犠牲となるのだった――。捜査に乗り出したのは、正義感の強さからこれまで何人もの犯人を射殺して当局から目をつけられているデイビス刑事。明らかにプロの仕業だと判断した彼は、すぐさま前代未聞の処置を講ずるのだった。なんと夜明けまでの5時間、マンハッタン島を全面封鎖しようというのだ。島と外部を繋ぐ21の橋全てに検問所を設け、蟻一匹逃げ出せないような厳戒態勢を敷くデイビス刑事。執拗に犯人の行方を追う彼だったが、事件を予想だにしない展開を見せ始める。果たして事件の真相とは?急逝した実力派俳優チャドウィック・ボーズマンが制作・主演を務めたという本作を今回鑑賞してみました。たった一晩の出来事をほぼリアルタイムで追うことで、なかなか緊迫感に満ちた作品に仕上がっていたと思います。正義感に燃える熱血刑事と常に冷静沈着な女性麻薬捜査官というコンビも対照的で大変グッド。彼らともはや後がない犯人たちとの息詰まるような攻防は、多少ベタではあるけれどなかなか見応えありました。と、全体的には普通に良かったと思うのですが、僕としては何だか物足りないものを感じたのも事実。面白いっちゃ面白いんですけど、全てがあまりにも優等生的でこちらの想定したものを一切越えてこないんですよね、これ。事件の真相も途中で「あぁ、きっとこういうことで、この人がたぶん事件の黒幕なんだろうなぁ。でも、それだとベタすぎひん?」と思ったら、まさかのそのまんまでちょっと肩透かし。もう少しこの作品ならではと言った一捻りが欲しかったところですね。とはいえ、肩の凝らないサスペンス・アクションとしてはぼちぼち楽しめると思います。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-11-16 02:34:19)
8.  透明人間(2020) 《ネタバレ》 
透明人間があんなことやらこんなことをやっちゃって、えらいこっちゃになっちゃうお話。だと思って観始めたら、これがもう暗いうえに展開がまどろっこしくて僕はさっぱり楽しめませんでした。だいたい透明人間が本格的に暴れはじめるのが映画も一時間を過ぎたあたりからって遅すぎるっしょ!それに透明人間って設定も充分活かされていたかというと特にそんなこともなく、お約束のエロ要素もヒロインが知らん間に妊娠させられていたと後から知らされるだけって…。いや、そこをちゃんと見せてくださいよ(笑)。対するヒロインの方も、「あの人は透明人間の研究をしてたから、きっと透明になって襲ってくるはず」って初めから知ってんのかーい。絶対、「私の回りで最近何かおかしな出来事が多発してるけどもしかしてこれって……、あー、あんなところに透明な何かがーー!」と途中で気づいた方がよっぽどサスペンスフルで面白くなったと思うんですけど!!まあ透明人間になる方法はこれまでだいたい薬でしたけど、今回は全身にカメラを取り付けたボディスーツだというのは新しかったですかね。このスーツのフォルムがけっこうスタイリッシュでそこは良かったかな。なのに、こいつが活躍するのが映画の半分過ぎたぐらいからってやぱ勿体なさすぎですわ。というわけで自分が求めていたものとはだいぶ違った内容で、僕はさっぱり楽しめませんでした。
[DVD(字幕)] 4点(2021-06-04 23:47:25)
9.  ドクター・スリープ 《ネタバレ》 
スタンリー・キューブリックが創造した、あのホラー映画の古典的名作『シャイニング』の約四十年後を描いた続編。と、いうことでけっこう期待して今回鑑賞してみたのですが、正直、だいぶがっかりな出来なんですけど。僕はこれをあの完璧な名作の続編とは到底認めたくありません!まどるっこしいだけでさして面白くもないストーリー、前作の素晴らしい名場面におんぶで抱っこで全くセンスを感じさせない凡庸なシーンの数々、揃いも揃って魅力に欠ける登場人物たち…。数え上げればきりがないくらい、ダメ要素のてんこ盛り。致命的なのは、ホラー映画なのに最後まで一ミリたりとも怖くなかったこと。これを観るくらいなら、スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』の中のシャイニングパートを観た方が遥かに有意義な時間を過ごせます。こんなお粗末なもので続編を名乗るなんて、かつての名作への冒涜であるとすら思っちゃいましたわ。と、前作を愛するあまり、思わず感情的になっちゃったかもですけど、それが僕の率直な感想です。
[DVD(字幕)] 3点(2020-08-20 02:00:25)
10.  トリプル・フロンティア 《ネタバレ》 
ここは常に凶悪な犯罪が多発する危険な地、ブラジル。そこでは麻薬取引や殺人が日常茶飯事と化していた。そんな常に危険と隣り合わせの地で日々、犯罪と向き合ってきたアメリカ軍特殊部隊員サンティアゴは、いつまで経っても出口が見えない任務に嫌気が差していた。そんなある日、彼は内通者の女からとっておきの情報を聞く。なんとこの地に長年君臨する麻薬王ロレアの秘密のアジトを発見したというのだ。しかもそこには彼だけでなく、麻薬取引で得た大量の米ドル紙幣も隠されているという。「毎週日曜に教会に行くというロレアの隙を突けば、彼の命を奪うだけでなく、その大金も我が物に出来るはずだ」――。そう直感したサンティアゴは、秘密裏に計画を練り始める。今や退役しアメリカで暮らす元同僚たちと連絡を取り、着実に計画を進めていくサンティアゴ。自らの人生に一発逆転を図るため、彼と仲間たちは密かにブラジルのジャングルへと向かう。危険は承知のうえだった。だが、完璧だったはずの計画は少しずつ綻びを見せはじめ……。鬱蒼と茂るブラジルのジャングルを舞台に、金に目がくらんだ男どものひりひりするような現金強奪作戦を描いたクライム・アクション。主演を務めるのは、人気俳優ベン・アフレックとオスカー・アイザック。何の予備知識もなく今回鑑賞してみたのですが、いやー、これがなかなか見応えのある犯罪ドラマの逸品に仕上がっておりました。麻薬王の現金を奪うため、危険をかえりみずに南米のジャングルへと分け入っていく男どもって、やぱ熱いですわ。最初はとんとん拍子で計画が巧くいき、調子に乗った彼らは計画よりもかなり多い額の現金を車に詰め込むのですが、ここら辺の緊迫感の煽り方はお見事。警備の人間が帰ってくるまであと10分、目の前には何億もの金、そりゃぎりぎりまで車に詰め込んじゃう気持ちは凄く分かります。こういう役をやらせるとベン・アフレックは巧いですね~。彼が生活に困っているという前半の描写がここで効いてきます。そして後半、この強欲のせいで重量オーバーとなったヘリが墜落。彼らは大量の重たい現金を前に途方に暮れることになります。現地でロバを調達し、なんとしても現金を持ってこの地を脱出しようとする彼ら。追手は迫り、責任のなすり合いから仲間割れが勃発、徐々に彼らは自滅への道を歩むことになる…。ここら辺のドラマの描き方も非常に丁寧。山腹で夜の冷気に凍えた彼らが、「どうせ持っていけないんだ」と何百万もの金で焚火をするシーンはなんとも皮肉が利いています。金に振り回される男どもの悲哀を充分堪能できました。8点!
[インターネット(字幕)] 8点(2020-07-24 01:07:14)
11.  トラジディ・ガールズ 《ネタバレ》 
「トラジティ・ガールズ(惨劇少女たち)」がサイコーだと思ったら、いいね!してね――。サディとマッケイラはいつも一緒に居る大の仲良し女子高生コンビ。目立ちたがり屋で楽しいことが大好きな二人には、最近ちょっぴり不満なことがあった。それは、二人で始めたブログのフォロアーがほとんど居ないこと。「プロムまでに10万人に増やしたい!」。そう決意した彼女たちは、とっておきの方法を思いつく。最近世間を騒がせている連続殺人鬼をこっそりと捕まえ、なんと自らの手で人を殺しちゃおうというのだ。そして連続殺人鬼の正体を探る自分たちの動画を作って、世間の注目を集める。完全に自作自演のヤバい方法だが、目立つことが大好きな彼女たちは無事に?殺人鬼を捕まえることに成功する。そして彼の犯行と見せかけ、人を殺しまくるのだった。見事に推理を的中させ、被害者の第一発見者となった彼女たち「トラジティ・ガールズ」はどんどんとフォロワー数が増えてゆくのだったが……。シリアルキラー女子高生コンビの血と汗に塗れた青春の日々をキュート&グログロに描いた青春ホラー。目立つことならなんでもあり、危険な殺人鬼を監禁するわ、次々と人を殺しまくるわという、完全にイッちゃってるそんな二人なのですが、これが見事に振り切れててなかなか面白かったっすね。罪悪感のかけらもなしに、気に入らない同級生を殺してバラバラにしちゃうとこなんてかなり血みどろでグロいのですが、それを一切感じさせないとこがまた凄い。もうひたすらポップで陽気。こういうぶっ飛んだ青春ものは昔から好みなので僕は普通に楽しめましたが、まあ人によっては眉をひそめちゃうかも。主役を演じた女優二人もそれぞれビッチ感満載で大変グッド。後半、片方に良い感じの男子が出来て友情にヒビが入るというのも面白い。人を殺しまくっといて何を今さら青春しとんねん(笑)。ただ残念だったのは、ストーリーの見せ方が幾分か雑なところ。肝心のこの二人のブログがどんなものか具体的に見せてくれないので、二人がネット上で有名人になってゆく過程にいまいち説得力がないんです。それに殺人鬼を監禁するくだりもストーリー的にうまく活かしきれていない。ここらへん、凄く勿体ないです。とはいえ、全編に散りばめられたホラー映画のパロディもなかなか通好みだったし(最後のプロムはもう完全に『キャリー』で思わず笑った!)、ちょっぴり百合っぽい主役二人も充分魅力的だったし、ぶっ飛んだ青春ドラマとして僕はけっこう楽しめました。少しおまけして7点!
[DVD(字幕)] 7点(2020-04-10 00:02:13)
12.  トイ・ストーリー4 《ネタバレ》 
大人気CGアニメの約9年ぶりとなるシリーズ最新作。あのほぼ完璧なラストを迎えた前作からどうやって新たな物語を紡ぐのだろうと思ったら、まさかのゴミから創られた新キャラ、フォーキー登場。物語はこのフォーキーを助けるためにお馴染みのおもちゃたちが悪戦苦闘する形で進んでゆきます。確かに頑張ってるのは分かるのだけど、やはりどうしても付きまとうこの蛇足感…。なんかこの先割れフォークのフォーキーを必死で救おうとするアンディに僕はいまいち共感できませんでした。持ち主の女の子のためと言いながら、ここでフォーキーに媚売っといて後々女の子の気を惹くための足掛かりにしようって計算じゃないの?なんて穿った見方をしてみたり……。それに、妙に恋愛要素をぶっこんでくるとこにも違和感が拭い切れません。いやいやトイストーリーにそんなんいりませんから!最後、ウッディとボーがキスするんじゃないかとひやひやしちゃいましたわ。あと、おもちゃたち、自分勝手に行動しすぎ!車のアクセルを勝手に踏み込むなんて危なすぎます!これで交通事故でも起こったらどう責任取るつもりなんですか。あのキャンピング・カーも好き勝手にぶっ壊してましたけど、これであの両親とレンタカー会社が料金や補償を巡って揉めたり、両親にネットで悪口書かれたりして業績が悪化でもしたらと思うと不憫でなりません。ここらへんもう少し考えて欲しかったです。とはいえ、ハイクオリティなCG映像はもう安定のピクサー印なのでその点に関しては普通に楽しめました。特にあのアンティークショップの不気味な雰囲気は、けっこうお気に入り。完全に『シャイニング』のパロディになってて(おばあさんの入浴シーンもあったし!笑)、これ子供が見たら泣くんちゃうかってくらい怖いんです。なんだか一作目の悪戯っ子シドの改造おもちゃたちを髣髴とさせて、ここら辺のダークな世界観は個人的に好きでした。結論。前シリーズのスピンオフくらいの感じで観たら、ぼちぼち楽しめるんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2020-04-04 00:19:42)
13.  ドゥームズデイ 《ネタバレ》 
2035年、スコットランドはもはや世界から見捨てられた地と化していた。2008年に大発生した殺人ウィルスによって当時の住人は大多数が死滅。感染拡大を恐れたイギリス政府は、巨大な壁を建設し、スコットランドを完全に隔離してしまったのだ。取り残された人々は生きるために略奪や暴行、果ては食人行為にまで及んだが、それもやがて消えてしまった――。幼いころにその地から救い出されたシンクレアは、今や特殊部隊の精鋭として日々凶悪な犯罪と対峙していた。そんな折、彼女に極秘任務が下る。なんと、壁から遠く離れたロンドンで新たな感染者が確認されたというのだ。しかも時を同じくして、隔離地区内で生存者と思われる人間の姿も確認される。どうやらこの地に取り残された、免疫学の権威であるケイン博士がワクチンを開発したらしい。「人類の危機を救うため、今から壁の向こうに行きワクチンを取ってきてくれ」。やむなくその任務を受け入れたシンクレアは、仲間たちとともにすぐさま死の世界へと侵入する。期限は、48時間。だが、そこには感染者よりも恐ろしい存在が待ち受けていたのだった…。殺人ウィルスによって荒廃した近未来を舞台に、世界から見捨てられ暴徒と化した無法者たちを相手に戦う美しきヒロインを描いたダーク・アクション。もっとゾンビ的なやつと戦う内容かと思いきや、意外にもこれってパンクな無法者の食人族集団と戦うお話だったのですね。モヒカンやらタトゥーやらピアスやら、イカレタ敵の皆さんはもう完全に『マッドマックス』のそれ。他にも装甲車で侵入するシーンは『エイリアン2』だし、隔離地区内での戦闘はありがちなゾンビもの、そもそも主人公のスタイリッシュ・ヒロインという造形は完全に『アンダーワールド』。そして、中盤からはまさかの『ロード・オブ・ザ・リング』もどきの中世騎士ものになるというぶっ飛び展開。クライマックスは、もはや何が何だか分からない『マッドマックス』ばりのカーチェイス。いや、さすがに盛り込み過ぎっしょ!これだけ盛沢山な内容を一つに纏めようと言うのだから、さすがに脚本がしっちゃかめっちゃかになるのは自明の理。もう突っ込みどころのオンパレードです。主人公のカメラ付き義眼なんて凄くいいアイデアなのに、まったく活用されておりません。そもそも冒頭から生き別れたお母さんのメモをあないに強調しておきながら、まさかのお母さん最後まで登場せず(笑)。とはいえ、存分にお金を掛けたであろう美術に関してはかなり頑張っており、細かか小道具やちょい役のモブの衣装に至るまで監督の拘りが感じられてそこは大変グッド。やり過ぎグロ描写満載のアクション・シーンもけっこうスタイリッシュだったし、何も考えずにただボーっと観る分にはそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。
[DVD(字幕)] 6点(2020-03-21 22:31:10)
14.  トゥ・ヘル 《ネタバレ》 
数年前に火事で妻と娘を失い、以来酒浸りの日々を送っている冴えないトラック運転手、ジョー。ある日、彼はたまたま立ち寄ったコンビニのトイレで謎の男に首を絞められている女性ジュリーを発見する。咄嗟に男を殴り倒し、彼女を救いだしたジョー。だが、感謝の言葉が聞けると思いきや、ジュリーから出てきたのは驚くべき言葉だった。「余計なことしないで!首を絞めるように頼んだのは私だから」――。なんと彼女は、バイク事故で瀕死の重傷を負った一人娘を助けるために自ら首を絞めてもらったのだと言う。詳しく訊いてみると、実はジュリーは、幼いころの臨死体験が原因で死の淵に立たされると死後の世界に入ることが出来るらしい。半信半疑で一緒に病院へと向かったジョーは、そこで彼女の娘が無事に意識を取り戻したことを知る。行く当てのなかったジョーは、そのまま彼女たち親子と一緒に暮らすことに。だが、ジョーはまだ知らなかった。実はちょっとした手違いから、生き返った娘の身体にはジョーの失った妻の魂が宿ってしまったことを……。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演で送る、そんなオカルト・テイストのエロティック・サスペンス・スリラー。ぶっちゃけて言うと、最近のニコケイ・ブランドの映画の中でも一、二を争うくらいの恐ろしく程度の低い作品でしたね、これ。とにかく何もかもが適当すぎ!具体的に述べさせてもらうと、まず基本となる臨死体験のルールが曖昧過ぎて物語としての枠がふわふわし過ぎです。なんで首を絞められたら娘の命を救えるのか理屈が分からない。百歩譲ってそこを良しとしても、何故蘇生した娘の身体に間違ってニコケイの死んだ妻の魂が宿るのか、ほんと意味不明!!挙句、この母親とニコケイが速攻で一線を越えちゃうのはまあ分かるとしても、その後、何故か娘ともがんがんエッチやりまくるってどんなアホ展開?!そこら辺の親子丼ものAVの方がまだ説得力ありますって!最後もよー分からんまま、ニコケイが燃えて終わりってなんじゃそりゃ(笑)。こんなお粗末なもんで観客から金を取ろうなんて、もはや詐欺行為に等しいっすよ!娘とのエッチがバレて情けない顔で言い訳する白ブリーフ姿のニコケイに、母親が言った「早くズボン穿きなさい!」ってのが、この映画の中で唯一共感できるセリフでした(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2020-03-09 00:50:13)
15.  ドント・ウォーリー 《ネタバレ》 
彼の名は、ジョン・キャラハン。毒の効いたユーモアで人気を博した風刺漫画家だ。だが、その人生は決して順風満帆とは言えないものだった。実の母親に捨てられたというトラウマから酒に溺れ、二十歳を過ぎたころには立派なアル中に。前日の酒が残った状態で朝目覚めると、その酒が切れないうちに新たな酒を求めるという典型的な負のサイクルに陥っていた。そして迎えた運命のその日――。いつものように友人と酒場をはしごし、前後不覚になるまで酔っ払った彼は、更なる酒を求めて次の酒場を目指していた。しかも、酔っ払って歩くことさえままならない酩酊状態の友人が運転する車で。当然のように車はかなりの事故を起こし、ジョンは意識不明の状態で病院へと担ぎ込まれることに。下された診断は致命的な脊髄損傷。一生車椅子生活を余儀なくされるというものだった。障碍者となりながらも、それでも酒を止められないジョン。絶望のあまり自暴自棄へと陥った彼の人生に、果たして光は差すのか――。実話を基に、そんな過酷な境遇に居るとある一人の男の人生を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。監督は、丁寧な心理描写には定評のあるベテラン、ガス・ヴァン・サント。障碍者でありながらアル中のどうしようもないクズ男を演じるのは今最も勢いのある実力派俳優、ホアキン・フェニックス。他にもジャック・ブラックやルーニー・マーラと言った人気俳優が脇を固めております。この監督らしいほんわかとした雰囲気は相変わらず健在で、半身不随とは言っても完全に自業自得のこのダメ男の人生を、良い時も悪い時も含めて丸ごと掬い取る監督の目線はとても優しい。「そう、人生って上がったり下がったりの繰り返しなのよね」という当たり前のことに改めて気づかされました。時系列をバラバラにし、敢えていつの時代の話なのかを曖昧にするこの独特の構成が巧く効いています。これはジョン・キャラハンと言う男の平凡だけどかけがえのない人生のポートレートと言っていいのかも知れませんね。その時々に現れる美しい恋人?の存在も彼の人生を豊かに彩っています。ルーニー・マーラって改めて思いますけど、ほんとにキレイですよね~。「人生いろいろあるけどこの先ちょっとは良いこともあるだろうし、まだまだ頑張ろう」と改めて思わせてくれる、人間賛歌の良品でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2020-02-05 13:07:01)(良:1票)
16.  ドリーム 《ネタバレ》 
ソ連との宇宙開発競争が激化し始めたころの1960年代、アメリカ。まだ黒人への差別感情が色濃く残るこの時代のアメリカ社会において、NASA職員でありながら黒人で女性というだけで不当な扱いを受けていた3人の女性たちがさまざまな困難を乗り越えていく姿をドラマティックに描くエンタメ・サクセス・ストーリー。まあキレイごとっちゃあキレイごとなんですけど、アカデミー賞にノミネートされただけあってなかなかよく出来てますわ、これ。虐げられた主人公が自らの才能とひたむきな努力だけを武器にのし上がってゆくドラマは、超ベタなんですけどやぱテンション上がりますね~。そこに昨今の人種差別やジェンダー問題をスパイスとしてさらりと織り込む手腕も鮮やか。特に主人公の一人が毎回もよおすたびに何百メートルも離れたビルにしかない非白人専用トイレへと往復させられるシーンは、コミカルさとシリアスさが同居する見事な出来栄えでした。美味しい役どころをいただいたケビン・コスナーも全然嫌みがなくていい。うん、なかなか面白かった。7点!
[DVD(字幕)] 7点(2019-07-31 23:44:23)
17.  トレイン・ミッション 《ネタバレ》 
リーアム・ニーソン主演、ジャウマ・コレット・セラ監督コンビによる安定のエンタメ作品。今回の舞台は通勤電車内、謎の女からある人物を捜し出せという依頼を突如として受けたリストラ・サラリーマンが悪戦苦闘するというお話。娯楽に徹したその制作姿勢には好感が持てるし、明日には忘れてしまいそうなベタな(誉めてます!笑)脚本も分かりやすくてよし。さすがにこの真相は無理があり過ぎる気がしなくないけど、まあ気楽に観る分にはぼちぼち楽しめます。
[DVD(字幕)] 6点(2019-04-04 00:28:05)
18.  20センチュリー・ウーマン 《ネタバレ》 
1979年、カリフォルニア。女手一つで子供を育てるシングルマザーと思春期を迎えたばかりの一人息子、貧しいながらも必死で生きているそんな親子と微妙な距離感で絡んでくる様々な人々――。大恐慌時代から続く大変な時代を生き抜いた母親ドロシアは気が強い性格のため揉め事も多く心休まる時間がない。大人しい性格の一人息子ジェイミーは、ベトナム戦争の泥沼化や社会の閉塞感から自分の価値観の揺らぎに戸惑いパンクやニューウェーブに救いを求めている。彼の幼馴染である17歳の少女ジュリーは、厳しい両親への反発から家を飛び出し愛のないセックスを繰り返しつつもジェイミーとは友情を守りたいがためプラトニックな関係を続けている。他に親子の二階の部屋を間借りしている、子宮頸がんの疑いを申告された若き女性写真家や寡黙な陶芸家の男。そんな彼らの特に珍しくもないひと夏の物語を通して、20世紀に生きた様々な女性たちを俯瞰的に描くという野心に満ちた人間ドラマ。僕が昔から注目している若手女優エル・ファニングが出ているということで今回鑑賞してみたのですが、これがなかなか、とても完成度の高い秀作でした。本当にどこにでもあるようなありふれたお話なのですが、この監督のポップで瑞々しい映像センス、そして個々のエピソードへのきめ細やかな目配りによって、何処にもない珠玉の物語へと昇華させている。素晴らしい才能と言っていいんじゃないでしょうか。それぞれの世代を代表する三人の女優たちの自然体で魅力あふれる演技も、そんな物語に生き生きとした躍動感を与えることに成功しています。20世紀という言わば男たちが築き上げた時代を女性の視点から捉え直す、ポップでラディカルな物語、ぜひ多くの人々に観てもらいたい魅力あふれる良品でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2018-10-13 00:32:27)
19.  ドッグ・イート・ドッグ 《ネタバレ》 
刑務所に出たり入ったりを繰り返しているどうしようもない負け犬犯罪者、トロイ。どん底を這いずり回るような今の生活を変えるために、彼は一獲千金を夢見て危険な仕事へと手を染めることに。組織から大金を借りたまま返さないメキシコマフィアの子供を誘拐して、身代金代わりに借金返済を迫ろうというのだ。だが、イカれたヤク中のマッド・ドッグを仲間に引き入れてしまったことから計画は大きく崩れ始めるのだった…。まあよくあるクライム・ドラマなのですが、ニコラス・ケイジとウィレム・デフォーという二大個性派俳優がかなり嵌まり役でB級ながらまあぼちぼち観ていられる作品に仕上がっていたんじゃないでしょうか。いやー、この二人はやぱイカれた犯罪者役がよく似合う。特に、冒頭のピンクの部屋でドラッグをがっつりきめたデフォーのイカレっぷりは気持ち悪くて最高でした。ただ後半からだいぶお話がグダグダになりますので、そこらへんは温かい目で見てあげてくださいね(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2018-09-19 23:47:59)
20.  ドント・ブリーズ 《ネタバレ》 
それは楽な仕事になるはずだった――。泥棒して得た金でその日暮らしの生活を送るケチなコソ泥三人組。ある日、彼らの一人が飛びっきりの情報を仕入れてくる。町の郊外にひっそりと建つ一軒家に盲目の退役軍人が一人で暮らしていて、交通事故で死んだ娘の賠償金をたっぷり貯め込んでいるというのだ。根が小心者のアレックスは良心の呵責から反対するものの、密かに心惹かれる仲間の女の子ロッキーの頼みもあって、「これで最後だから」と盗みに入ることを決断する。そして、迎えた計画の夜。楽々とその爺さんの家へと侵入した三人組。だが、彼らは予想外の事態に直面することに。なんとそのじじいが無茶苦茶強かったのだ!!あっという間に仲間の一人を殺されたロッキーとアレックスは、閉鎖された家の中で逆に追い詰められていく。そして彼らはすぐに知ることになる。地下室の奥で密かに実行されていた、じじいの狂気の計画のことを…。アイデア勝負のそんなB級ホラーなんですが、これがけっこう技ありな演出が冴えていてなかなか面白かったですね~。目が見えない分、研ぎ澄まされたそれ以外の感覚で家の中を駆けずり回るじじいと軽佻浮薄な今どきの若者たちの壮絶なかくれんぼは、見ていて楽しかったです。主人公たちが同情の余地のないちんけなコソ泥なら、本来は被害者であるはずのじじいもこれまたイカれたサイコ野郎なので、こいつらがどんな痛い目に遭おうとさして心が痛まないというのが本作のミソですね。てか、このじじいがキャラ立ちまくりでもうこの時点で映画として勝ち。じじいが自らのアレを入れたフロイトを喉奥にちょんばーされたとこはもう爆笑しちゃいましたわ。まあ目が見えない分研ぎ澄まされた感覚を持つというじじいが、侵入者の隣を歩いているのに気づかないという詰めの甘さはご愛敬(笑)。ゲームはまだまだ始まったばかりと言わんばかりのラストも良かったです。うん、僕はぼちぼち楽しめました。7点!
[DVD(字幕)] 7点(2018-01-24 20:57:38)
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