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タコ太(ぺいぺい)さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1395
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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221.  MEG ザ・モンスターズ2 《ネタバレ》 
理屈抜きに楽しめる海洋スペクタクル作品の第二弾。前作のレビューと同様、敢えて「サメ映画」とは言いません。エンタメに完全に振り切ったジェイソン主演の荒唐無稽なSF海洋パニックスペクタクル作品ですね。  前半から中盤は、犯罪捜査あり、メグの飼育・調教話あり、超高性能のパワードスーツ開発話あり、幼い少女との心の交流話あり、レアメタルの不法採掘に係る陰謀話あり…etc.の超大盤振る舞い的テンコ盛り。ちょっと盛り過ぎじゃありませんかと進言したくなる状況の中、例によって「んな訳ネーだろ!」的なジェイソン君大活躍。いいんです、これで。ジェイソン作品はこうじゃなきゃ♪  そして残り3分の1ぐらいで「サメ映画」的展開に。前作同様、通説よりかデカ過ぎじゃね?みたいな巨大メグ軍団が深海より浮上。ついでに巨大タコと小型獰猛肉食恐竜まで同伴。これが追いかけて来るのに南洋の楽園的アイランドに逃げるジェイソン君たち。追う犯罪集団も絡んで島は大パニック。いいですね~、流石のジェイソン作品。やっぱ生身で闘わなきゃ!  何から何まで荒唐無稽。よくよく考えれば、てか考えなくても死亡フラグだらけなのにも関わらず、コメディ要素を振りかけることを厭わない作り手の姿勢。この辺りには「サメ映画」のDNAを感じないこともありません。  前作レビューにも書きましたが、これは「サメ映画」ではなく「サメの出るジェイソン映画」。そういう意味で、今回も結局最後は生身で闘う超絶アクションで魅せてくれたジェイソン君に+2点の7点献上します。第三弾も観たい!
[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-21 11:53:38)
222.  エスター 《ネタバレ》 
観よう観ようと思いつつも微妙な尺の作品なので、鑑賞作品(ホラー系)を選ぶ度に手頃な尺の作品を観てしまっていた私。それもこれも本作が「ホラー」であると認識していたからで、今回やっと意を決して?観てみれば一番の感想は「ホラーじゃないじゃん!」でした。確かにWikiとかでホラーの定義を参照すれば本作は紛れもないホラー映画なんでしょうけれど、あくまでも個人的カテゴライズでは「サイコサスペンス」なんです。もっとも、「ホラー」「サスペンス」「スリラー」の境界なんてものは元々無いに等しいような気もしますが。  などと意味のない拘りで書き始めてしまいましたが、「ホラーじゃないじゃん!」の趣旨は「恐くないじゃん!」でして、それは決して「つまらないじゃん!」ではありません。実に楽しく鑑賞出来ました。これだけの有名作ながらネタバレ記事を回避し続けて来たことも功を奏したようで、肝心要の種明かしは今回の鑑賞で初見でした。  斬新なアイディアとは言えないでしょう。しかし、それを巧みに包み隠しつつしっかり伏線は張る。そして見事にその演出を生かし切ったイザベルさんの怪演。称賛されて然るべき出来栄えだと思います。  子どもの持つコワさを見せつつ、実は本当にコワいのは大人というお話。登場する子どもたちは皆子ども然としています。子どものコワさは無邪気にも通じるある種の清らかさであって、大人の濁り切って垢まみれのコワさとは本質的に違うもの。エスターのコワさが子どものソレから大人のソレに転じる流れが素晴らしかった。  少々しつこいような演出や多くの皆さんが指摘しているラストシーンの良し悪し等々、気になるところは少なからずありますが、約2時間飽きることなく楽しませてくれた作品にほぼ8点の7点献上します。  ちなみに、少々変化球気味の原題よりもさりげない邦題の方が良いかと思います。原題は、せめて不定冠詞を付けて欲しいところです。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-13 11:24:27)(良:2票)
223.  ウェザリング 《ネタバレ》 
ヒロインを襲う不気味な影。その正体は?というのが本作のキモな訳ですが、クライマックスのプールのシーンまで自然に引っ張るのには脚本的にも演出的にも難しかったと思います。  結局、襲われている状況は彼女の妄想ということでしょう。かと言って自傷行為を伴った錯乱状態ではなく、負ったはずの顔の傷も実は存在しないということのようです。  丁寧に仕上げられたショートフィルムだと思います。ヒロインの熱演にも好感。ただ、ハッピーエンドで終わるのは良いのですが、あたかも憑き物が落ちたかのように一気に解決してしまうところがあっけないと言うか、短編故の宿命と言うか。S.キングばりの救いようのないエンディングは求めませんが、ちょっとあっけなかったような気がしないでもなく、迷いつつ高めの7点献上させていただきます。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-04 16:24:30)
224.  ラヴレース 《ネタバレ》 
物語の舞台となっている70年代初頭の空気感が丁寧に描かれていますね。2013年の作品とは思えない出来栄えです。件の作品「ディープ・スロート」をリアルタイムで観た訳ではありませんが、後年になってボカシダラケの同作をつまみ食い的に見た記憶が蘇りました。  同作はアイディア一発のコメディ作品。本国での大ヒットで本邦でもかなり名を馳せたものですが、では名作か?と問われれば、変化球的ポルノ映画の先駆者というところに留まるのではないかと。正直、申し訳ないような気がしますが、主演のリンダ・ラヴ・レースについての記憶は容姿も含め全くありません。  なので、観る前は、ライトなコメディ調ポルノに出演して好き勝手に演じていた(そもそも演じていない?)女優の人生?そりゃ誰にだって波乱万丈の人生はあり得るだろうけれど、あのハチャメチャなコメディ調ポルノに出てたぐらいだから…などと思っていました。  しかし、それだけに観終わった後は重かった。ズシンと来る重みがありました。しかも54歳という私よりもずっと若くして事故死していたとは。正直、全く知りませんでした。  世間知らずのままに男にいい様に利用され、なまじ有名になったことで逃げ出すことも出来ずに消耗しきってしまった彼女。夫を始めとする様々な魔手から逃れた後、持ち前の反骨心を発揮して反ポルノの旗手的な生き方に転じた彼女。夫と子どもとの生活はそれまでの彼女の人生に空いてしまった空洞をどのくらい埋めることが出来たのでしょうか?  考えさせられることの多い佳作でした。もう少し彼女の人柄を知るためのエピソードが描かれても良かったのでは?との思いが残り、8点寄りの7点献上です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-04-23 14:28:36)
225.  ドント・ウォーリー・ダーリン 《ネタバレ》 
色鮮やかな映像、レトロで垂涎モノのクルマ、そしてキュートなヒロイン。幻想部分も含め、視覚的には申し分のない出来栄えですね。  その中で繰り広げられる華やかさの中に不穏な空気が常に漂う物語。中盤から何となく仕掛けが見えてしまう些か使い古された感のある物語ではありますが、大きく破綻することもなく練り上げられていて、個人的には好物分野(サイコサスペンスとか不条理系スリラー)に近い味わいのある作品とも受け取ることが出来、大いに魅力を感じました。  ただ、それならばかなりの高評価?と自らに問いかけてみるものの何か釈然としない。女性に係る社会問題的要素が見え隠れするもののメインテーマとして明確に主張されていないからなのか。ヒロインの行動や言動が尺が長い割には拙速だったり唐突だったりしているからなのか。理路整然と纏め上げるのではなく、もっと不条理な世界観に向かって欲しいと期待してしまったからなのか…。  確かに魅力的、惹き付けられる作品でしたが、総じてみればある意味古典的と言えないこともないSF作品(ジャンルに足したいところですが足すとネタバレになっちゃいますね)なのかなとも思え、個人的にはあと一歩驚愕の展開が欲しかった非常に惜しい作品でした。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-04-01 12:08:47)
226.  マスターズ・オブ・ホラー(2018) 《ネタバレ》 
現実なのか異世界なのかハッキリとしない謎めいた映画館。無人の客席。突如映し出される自らの姿と将来。設定と仕掛けは斬新とまでは言えないまでも大いに魅力的です。  五人五様の作風はそれぞれに特徴的で魅力的。テーマを異にしたショートストーリーは、深みこそ感じないものの楽しめました。特にどれが気に入ったということもなければ特にどれがダメということもなく、上手い具合にセレクト出来たな、という感じです。  強いて言えば、謎の映写技師としてミッキー・ロークさんが登場しますが、ストーリーテラーでもなければ死神や悪魔的存在と言う訳でもない。何人かは殺してしまっているようにも見えますが、少しばかり存在感強過ぎの感が無きにしも非ず。もっと不気味で得体の知れない存在として登場した方が良かったのでは?ガタイが良過ぎる人を選んでしまったような。  とは言え、映画でも小説でもこの種のアンソロジーは好物なので甘めの7点献上です。  ちなみに、邦題は監督への賛辞的な意味でしょうか?原題の方が良いかと。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-31 10:27:50)
227.  ブラック・フォン 《ネタバレ》 
サイコホラーとしては随分とライトな作品。誘拐され監禁されているとは言え、陽の光が入る広々とした地下室、緊縛されていることもなく出入口は施錠されてもいない。犯人が時折り訪れて暴力を振るうということもない。つまり、差し迫る恐怖という状況は演出されていません。なので恐さは殆ど感じられません。  そしてオカルト或いは超常現象的なことが大上段から振り下ろされています。具体的には、ひとつには妹の持つ母譲りの予知能力。父親は否定(と言うより嫌悪?または恐れている?)しているし先生も刑事も最初は全否定しているものの、結局は素直に受け入れている。事件の解決に向けた決定打ですね。  もうひとつは、よりいっそう重要な要素である黒電話から聴こえる亡霊の声。これはフィニーの特殊能力とも受け取れますが、フィニーの脱出劇はこれなしには実現しなかった訳で、妹の予知夢に基づく警察の急襲によって恐らくは救出出来たのでしょうけれど、犯人が死んでいなければスムーズだったとは限らない訳で、ふたつの超常現象・特殊能力があって初めて無事一件落着と言って良いのでしょう。  超常現象や超能力ありきの物語はある意味何でもありの世界ですから、そういう意味でも結構ライトな安心して鑑賞出来るサイコホラーと言えるでしょう。と同時に、そのあたりの変化球がお嫌いという方には「んな訳ねーだろ!」的な受け入れ難い展開とも言えるでしょう。私は肯定派なので評価は高めです。  ただ、ちょっとだけ気になったのはエンディング。フィニー兄妹の成長物語、そして父親も含めた家族の物語としてのハッピーエンドと素直に受け取れば良いのかも知れませんが、何と言ってもフィニーは殺人を犯した訳ですし、果たして正しい成長を遂げたのか?周囲から恐れられる存在となってしまった彼の将来に闇はないのか?全く触れられなかった犯人像と絡め、必ずしも清々しい余韻だけを残した作品ではないのでは?特に未読ですが原作はジョー・ヒルさんということもあるし…と思ってしまった次第です。  もしも続編を作ったならば、その中でフィニーは仮面を被り…?! なんてのは妄想かな?
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-24 12:19:11)
228.  エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 《ネタバレ》 
マルチバースを股にかけた戦いを基本設定として、順風満帆だったはずの人生からギリギリまで追い詰められてしまった一人の女性が、苦難の末に新たな人生に踏み出すまでの物語、といった感じでしょうか?かなりスピーディな転換とコテコテの下ネタ入りコメディ性は、観る人を相当に選ぶ作品なのではないかと。  個人的には馬鹿馬鹿しさを大いに楽しむことが出来ましたし、出演者たちの確かな演技と緻密で色鮮やかな演出は流石アカデミー受賞作と思いました。  ただ、それでは本作が歴史に名を刻む名作として語り継がれるだろうかということになると相当疑問。SF作品としての目新しさは特にありませんし、マルチバースと言いつつも中心となる世界が一つあって同じ人格が異なる世界を行き来するというあたりはどっちかって言うとパラレルワールド的な解釈とも感じますし、見方を変えれば物理学的な世界観というよりもスピリチュアルな雰囲気を感じます。  ヒロインの心の解放と言うかヒューマンストーリーとして受け止めたとしても特に新鮮とも思えず、本作だからこその感動にも出逢えないような。そう考えると下ネタ絡みのコメディ性を楽しむだけの軽めの作品にも思えてしまうところです。  とは言え、総じて言えばこのオリジナリティ、斬新さは滅多に出逢えるものでもなく、監督さんの次作には期待が高まります。そこまで含んでの7点献上です。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-24 11:13:43)(良:1票)
229.  アミューズメント・パーク 《ネタバレ》 
高齢者への仕打ちが酷過ぎるとして?公開(そもそもが一般公開用ではありませんが)されていなかった幻の作品とのことですが、確かに70年代前半であれば差別的・暴力的として公開を躊躇ったということも頷けます。依頼者であるルーテル教会の意向とも異なっていたのでしょう。ただ、ロメロ監督の表現が過激と言うよりも「まさに社会はそうだった」からこそ躊躇ってしまったのでは?とも思えます。  その状況が今どうなっているかと言えば、制度上は様々に充実して来て高齢者が生きやすい状況になっていると言えないこともないでしょうけれど、今後は果たしてどうなることやら。そういう意味では、現況への批判と啓発・教育を目的に作られた作品が未来への警鐘を鳴らす作品へと化けてしまった感があります。  冒頭、傷付いた老人が止めるのも聞かず元気でお洒落をした老人(同一人物)が意気揚々と外出して行きます。そしてボロボロになって帰宅した老人は再び出掛けようとする老人を止める立場へと変わるという、いわばタイムループ的な構造の作品。エキストラを多用しての撮影はたった3日だったとのことですが、その凝縮された作業によってロメロ節とでも言いましょうか監督の言わんとしていることは十分に伝わって来ます。  本編鑑賞の前後を問わず、予告編(特に奥さんの語り)は必見かなと。7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-02-12 11:19:51)
230.  ビフォア・アイ・フォール 《ネタバレ》 
形式的にはSFサスペンス的タイムループものですが、戸惑いながら青春の中にある女子高生の心の成長を描いたヒューマンドラマですね。タイトルからして些か宗教的、道徳的な香りがしないでもないのですが、タイムループを繰り返す度に成長していくヒロインの姿が等身大に描かれていて、青春ドラマとして好感が持てました。ヒロイン・サマンサ役のゾーイ・ドゥイッチが素晴らしい。何人もの役をこなしてる感じがします。  パーティシーンなんか見ていると、これって高校生?アメリカの高校生はこんなに乱れ切ってるのか?なんて思ってしまいそうですが、ま、こういう子たちもいるってことなのでしょうね。子どもから抜け切れない少年少女の残酷なぐらいのストレートな暴走。そんな姿を見せることでこの物語が成立しているとも言えるでしょうし。  ちなみに、ここで描かれるタイムループは、原理原則的な説明は一切なく、極めてシンプルにシチュエーションとしての設定というか物語の構成上のアイテム。なのでそこはツッコミどころではないと思います。強いて個人的考察を披露させていただくならば、始めの一日でリンジ―の運転するクルマが起こす事故はジュリエットを轢き殺してしまった衝撃で起きたもの。乗車していた4人も即死し、そのことが引き金になってタイムループが始まってしまう。ループを止めるにはジュリエットの死への決意を止めなければならない。しかし、彼女の人生に対する絶望感と死への決意は堅い。現状のサマンサにはどうにも出来ない。親友たちの心を動かし状況を変える必要がある。そしてサマンサの成長なしには親友たちの心を動かしようもない。だからループを繰り返し、その都度サマンサは成長していく。といったところでしょうか?  サマンサの命と引き換えない限りタイムループが止まらなかったのだろうか?サマンサが死んでしまった後に残るものは、家族や親友たちやジュリエットやケントの深い悲しみと喪失感ばかりではないのか?極論としては、高校生活が一瞬であっという間に忘れ去ってしまうように、ジュリエットの死もすぐさま忘れ去られてしまうのではないか?だとすれば、サマンサの死によるあまりに大きな喪失感の方が防ぐべきではないのか?  もしかしたら、最初の事故でサマンサは死んでしまい、その後に描かれるタイムループは死後の世界、サマンサの魂が地獄に堕ちる前に最後の試練が与えられ、結果それを乗り越えたサマンサは天に召されるという「実は死んでます系」なのかも知れません。その場合若干既視感のある設定になってしまいますが、その方がより好感の持てる着地点かも知れません。  等々、観終わった後の疑問は多々ありますが、一人の少女の心の成長、本当の愛への目覚めを描いたドラマとしてシンプルに観る限り、丁寧に作られた青春ドラマとして楽しめました。こうやって反芻出来る作品は好みです。迷いますが8点に近い7点を献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-01-18 11:08:23)
231.  1922 《ネタバレ》 
全編通じての重苦しさ、不快さ、決して感情移入致しかねる登場人物の心理と行動。如何にもキング作品の実写版といった風情です。  1922年当時のアメリカ、ネブラスカ州の家族観や社会的背景等々について、ほぼ無知と言ってもいいであろう自分としては、妻に突き放された男の苦悩や悲哀、怒りといった感情は理解出来ず、恐らくは日頃から「かかあ天下」的な家庭であったと思われるジェームズ家における夫婦関係や親子関係も推察し難いものがあります。  端的に言えば感情移入不能。え?それで離婚?それで殺す?息子巻き込むの?刃物で殺すの?井戸の埋め戻しってバレバレじゃない?全てにおいて感情移入出来ませんでした。(個人的には牛を巻き込んだことが地獄行き確定の最悪の罪)  ところが、観続けていくと何やら心境に変化が。キング作品の常と言いましょうか、滅茶苦茶胸糞悪いのですが何故か思いを馳せてしまう。いつの間にか主人公に対して悲哀の念を感じてしまいました。ある種の同情なのか、感情移入とは異なる疑似体験的な心理なのか。理由はどうあれ罪は罪。単に犯罪者である主人公なのにどこか哀れに思えてしまう。  人生の選択は誰にでも常に付き纏うものだと思いますが、たった一度の選択のミス(極めて重大なミスではありますが)が彼の人生のみならず息子や息子の恋人、そしてその家族へとその影響が連鎖し、不幸の構図が出来上がって行く。恐ろしいことです。  ラストシーン。彼は自死したのか?それとも既にほぼ崩壊していた精神が感滅的に崩れ去ってしまったのか?いずれにしても、その先に待っているのは地獄ということですね。  重たかったなぁ。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-01-14 14:33:49)
232.  オペレーション・フォーチュン 《ネタバレ》 
無敵のジェイソン。今回はほぼ危機に陥ることもなく、仲間を失うこともなく、完璧な強さを魅せてくれます。いいですね、この展開。個人的には、こういった展開を痛快アクションものに求めています。  そういう意味ではドストライク作品。アクションは迫力十分、コミカルな演出も多用されていて笑いも十分、キャスティングも文句なしで一人ひとりがイイ味出してます。  ただし、物語的には極めて凡庸。捻りなし。サプライズなし。お約束感と予定調和のオンパレードといった感じ。アクション主体のエンタメ作品ではあるものの、少しは唸らせられる展開が欲しかったというのが正直な不満点です。  なので、ドストライクではありますが7点献上が限度かな。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-01-09 17:20:33)
233.  ブラッド・レッド・スカイ 《ネタバレ》 
旅客機と言う閉鎖空間。凶悪で狂暴なハイジャック犯。早々にあぶり出され始末されてしまう航空警察。逃げ場もなければ闘うことも出来ない乗員・乗客。我が子を案ずる病弱な母親までもが躊躇うことなく射殺されてしまう。しかし、その母親には秘められた特殊な能力が備わっていた。彼女は不死身だったのだ。何故ならヴァンパイアだから。  いいですね。シチュエーションが大変魅力的。乗客の中にセガールさんやブルースさんのような超人的戦闘マシンがいて犯人たちを壊滅させる物語でもなく、機内で感染爆発が起きて絶望的な状況に陥るものの特異体質の乗客が感染することなく危機を救う物語でもなく、ギリギリ自己制御可能なヴァンパイアと機知に富んだ幼い息子が活躍する物語というのは新鮮でした。  しかも、犯行グループ抹殺のみならず、乗員・乗客で最終的に助かるのは善意のイスラム教徒と幼い子どもだけという絶望的なエンディングにもビックリ。あたかもハッピーエンドの如く迎えるエンディングながら、考えてみれば墜落事故に匹敵するとんでもない悲劇。踏み込んだ特殊部隊までもが全員犠牲になってしまうとは。  我が子の為ならどんなにでも狂暴になる母親ナディアのヴァンパイアっぷり、知性に溢れた愛息エリアスの冷静な判断力、テロリストに仕立て上げられ重傷を負いつつも勇敢に振舞うイスラム系男性のファリード。出演する人物も魅力的です。アメリカとドイツとの合作とはなっていますが、ハリウッド製のパニック・ホラーとはひと味もふた味も違う魅力を感じた佳作でした。  強いて言うなら、ヴァンパイアに咬まれた者がヴァンパイアに変わる様がかなりゾンビ映画的なあたりは、ヴァンパイアものがお好きな方には違和感があるかも知れませんね。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-12-25 11:22:08)
234.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
遅れ馳せながら鑑賞。皆さんのレビューは一通り拝読しました。必然的に重複してしまう部分がありますがご容赦ください。  子どもと女性を狙撃するという、主人公の在り方そのものを観客に理解させるかのようなシーンを冒頭に持って来て、その後に主人公がどのような家庭教育の元に「番犬」として人格形成されて来たかを盛り込む。その時点では作品世界に入れませんでした。そもそも、個人的にはハンティングと称して野生動物を射殺すること自体の価値観を全くもって理解出来ないので。なので作品世界には乗り遅れ気味に鑑賞開始した感じです。  ひとことで言えば(ひとことになっていないかも知れませんが)戦争映画としての盛り上がり方を備えつつも、その戦争の意味や背景、そこで闘う者のアイデンティティ等の深掘りに徹することなく平板に仕上げられた作品(良い意味で)、だと思います。  「アメリカ万歳!」に走ることもなく「戦争反対!」に走ることもない。只管無音で無言のエンドロールが作品としての在り方を象徴していますね。「オープンエンドの作品」と言っても良いように思えます。物語が終わった後の数分間の沈黙の中、それぞれ考えを深めて欲しいと言わんばかりに。ある意味、クリント・イーストウッド作品に共通した重みを感じた数分間でした。  正義とは何でしょうか?平和とは何でしょうか?命とは何でしょうか?そして英雄と狂気の境界はどこにあるのでしょうか?主人公が残していったものは何だったのでしょう?  欧州や中東での戦禍が激しく繰り広げられ、遠く離れた我が国のニュースにも毎日欠かさずその現況が繰り返し報じられる中、平和ボケした戦後生まれの自分が今ひとつ我が身のこととして真剣に受け止めることが出来ないのは恥じるべきことなのでしょうか?答えは見つかりません。  主人公の最期の日、妻に向けられたリボルバーの銃口が恐ろしかったです。結局彼は回復することなく、自らの精神に蓋をして、生まれて以来培ってきたものを塗りこめていただけだったように思えてなりません。  戦争映画としては、アクション中心でもなくヒューマニズム中心でもなく、いささか中途半端に受け止められてしまいかねないかも知れませんが、戦地から遠く離れた平和ボケの私の脳内にまで一石を投じ、何かを考えさせてくれた異色の戦争映画でした。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-12-24 14:28:43)
235.  WE GO ON 死霊の証明 《ネタバレ》 
「死」ばかりではなく「火」や「水」、「高所」など、生きていく中で隣り合わせになっている様々なものに恐怖を感じでいるマイルズ。何よりも「死」を恐れているのだから死ぬことによって恐怖から逃れることも出来ない。そんな彼が「死後の世界の証拠」を求めるのは無理もない話。そのくせ「死後の世界」に懐疑的でもあるからこその恐怖心なのだから、自ら公募しておきながらその結果に「本物」など期待出来ないでもいる。まさに病んでいますね。でも、精神科への受診は望まない。自らを追い込んでいる悪循環の世界。  ところが、皮肉なことに「死後の世界の証拠」どころかネルソンという死霊そのものからコンタクトされてしまう。それどころか取り憑かれてしまう。この辺りは既視感のある展開かも知れませんね。シチュエーションは違っても、心霊現象を見に行って想像以上の恐怖に遭遇し結果連れ帰ってしまいましたみたいな。心霊モノ十言うか怪談噺の王道と言って良いかも。  そして、これもまた怪談噺の王道かも知れませんが、本作は取り憑いたネルソンが要求してくるのですね。元カノのアリスを見つけ出して欲しいと。実はアリスはネルソンに愛想を尽かして殺していたのですね。そりゃネルソンは成仏できません。そうとも知らずにアリスをあっさり見つけたマイルズは、アリスに返り討ち的に撃たれてしまう。それがある意味功を奏してネルソンの憑依は解け、マイルズは「死」への恐怖を克服するというお話です。ラストシーンからすると、いろいろなものへの恐怖心という呪縛は完全に解けることはなく…というオチですが。  前半と後半では随分とテイストが違うかも。ホラーテイストは後半からが本番。その合間にマイルズの家庭環境や父親の死の真相とか人間ドラマ的な要素も入り、アクティブな母親のシャーロットが良い感じに絡んで来ます。必要以上にオドロオドロしくならず、グロシーンは控え目、オカルト感も抑えめで、良く纏まったホラーだと思います。映画祭で観客賞を受賞したというのも頷けます。  熱烈なホラーファンには物足りないかも知れませんが、個人的にはなかなか楽しめた思わぬ佳作に7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-11-21 11:09:35)
236.  インデペンデンス・デイ: リサージェンス 《ネタバレ》 
類似作は多々あるものの、これぞ本家エメリッヒさんによる続編。期待通りの前作のテイスト踏襲、SF大作と言うと語弊があるでしょう。空想偽科学人情大活劇とでも言いましょうか。  決して否定的な意見ではありません。実際純粋なサイエンスフィクションとして観ない限り実に面白いです。荒唐無稽の極み、命の重さは脇に置いておいて、兎に角派手にやらかして観客が大盛り上がりすることを大前提に置いた作品。あくまでも作り物なんだから、あのビル破壊して何千人とか、あの橋破壊して何百人とか、大真面目に人の死に様を想像したりしたらダメなのです。確かに街は破壊され、戦闘機は撃墜され…ているように見えますけれど作り物なのです。誰も死んじゃいない。  こういうものはフィクション中のフィクション。フィクションの極み。人間ドラマだって中心人物たちを美化していればいいのです。ヒーローとヒロインさえ生き残っていればハッピーエンドなのです。そういったことを軸にしてどこまで面白く肉付けしているのか。本作のような作品は、そこが評価ポイントだと思っています。流石にやり過ぎ感は否めませんが、本作は一本筋が通ったSFスペクタクルとして大いに楽しませてくれました。  とか言いながら、こちらのサイトではレビューを書いていませんが、前作はアメリカ万歳があまりに鼻についてあまり評価出来ませんでした。20年経つと我ながら寛容になったと言うか丸くなったと言うか。今だからこそ楽しめたのかも知れませんね。レビューは書いた時点での正直な感想を書けば良いとは思いつつ、やや自粛して7点献上です。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-11-16 15:54:08)
237.  カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇 《ネタバレ》 
原作であるラヴクラフトの「宇宙からの色」は未読ですので、この作品のみに基づいた感想です。とは言え、如何にも古典的なSFホラーを思わせてくれるテイストの作品でした。  SFホラーとしての物語は幻想的で魅力的。実体のあるエイリアンは登場せず(光も実体と言うことであれば登場しますが)、何らかの影響を受けてしまった人間が変異していく様は、造形的には先行する他のSFホラーでの既視感はあるものの、ユニークでグロテスク。直接的な襲撃シーンは少ないものの、大いに恐怖心を煽られます。侵略?の目的が最後まで語られないことも、この場合は不気味で謎めいていて物語の魅力を惹き立てているように思えます。  ガードナー一家を始めとする登場人物は皆少なからずクセが強く、一家の家族関係も必ずしも円滑ではありません。都会暮らしで身に付けた身勝手さとでも言いましょうか、一人ひとりに特に魅力が感じられず、危機が訪れた際にも感情移入出来ませんでした。  とりわけニコラスさん演じるところのお父さんは、隕石が落ちる前から変人の片鱗を見せていて、隕石落下後は待ってましたと言いたくなるようなキレっぷりを披露してくれます。毎度毎度思うところですが、この人のキレっぷりは弾けまくっていて清々しいくらいです。彼以外にここまでキレてくれる役者さんは思いつかないぐらいです。しかし、感情移入は出来ません。  そして迎えるバッドエンド。結局は何一つ解決しないまま物語は終わります。ダムに沈んだ呪われた森は、静かに湖底で地球外生命体を育み続けるのでしょうか?いや、あの光には生物に接触することが必要なのでしょうから、再びどこかの森に現れるのでしょうか?  また、独り生き残った学者は「水は飲まない」と言いつつダム湖に吸殻を捨てていますが、何かを象徴しているのでしょうか?そこは読み取れませんでした。  冒頭の森についての解説やオカルト儀式など、必要性に疑問がないこともないカットもありますが、全編通じた不気味で不穏な雰囲気は好ましく、7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-11-10 12:11:26)
238.  ルーム・フォー・レント 《ネタバレ》 
夫に先立たれ、生活苦から自宅の一室を貸し出して収入を得ることになった独り暮らしの高齢女性が、宿泊客との交流を通して次第に心の平安を得ていく…という物語なら良かったものの、これはそんなハートウォーミングな物語とは全く異なるホラーストーリー。  最初の一組目の展開はまずまず。イラつく夫と心優しい妻。ジョイスの言動や振る舞いが気に入らず翌日には引き払う夫。妻のサラはジョイスに感情移入し一気に親密な関係に。ここまではハートウォーミング的展開を期待させられないこともないのですが、次なる宿泊者のボブを文字通りゲットした後は、激しく方向を変えて急展開。ジョイス、あなたそんな人だったの?やることなすことキモイ。いや、誤解のないように。ジョイスが高齢だからじゃないですよ。若き美女だったら許されるというような行為じゃ全然ありません。(個人的には好みのタイプだったらウェルカムかも知れませんが…)只管キモイ。  いいんです。お化粧したり、可愛い衣服を身に纏ったり。それはジョイスの自由です。でも荷物漁ったり歯ブラシ使ったりバスルームに呼び込んだり…ダメです!  近所の悪ガキにセクハラまがいに苛められるのは、もしかしたら理由があるのでしょう。以前から若い男に目がなかったのかも知れません。いや若くなくても男に異常に執着するタイプだったのかも。それも性的に。図書館で借りる本、彼女の愛読書が明確に物語ります。  そして激しく自己承認欲求が強く、かつ衝動的になってしまうタイプなのでしょう。そう考えると、夫の葬儀での茫然自失ぶりの理由は何だったのでしょう。夫の借金の原因は?夫の遺灰を投げ捨てる際の激高ぶり。相当不仲だったのかも知れませんし、その原因が夫にあったとは限りません。もしかしたら、何らかの手段で夫も彼女が殺したのかも、とさえ思ってしまいます。  隣人を殺し、恋する人を殺し、偶然得た多額の現金で旅をするジョイス。旅を終えた彼女は戻るのか?それとも新たな獲物を求めて彷徨うのか?恐ろしい物語でした。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-22 15:47:42)
239.  毒(2023) 《ネタバレ》 
コメディタッチで語られるエピソードではありますが、毒蛇が実際に居たのか居なかったのか分らない中で主人公も医師も必死になって男を助けようとする姿と、居るはずの蛇が居ないことを確かめた後の二人の反応の描き方から、人間の思い込みやそれに基づく行動などをシニカルに描いている作品と受け止めました。  勿論ハリーは、ウッズや医師を騙そうとしていたわけではなく本当に毒蛇の恐怖に震えていたのでしょうし、二人もそれは理解していたことでしょう。それだけに、帰って行く医師とそれを見送るウッズの態度や言動が尚更可笑しく感じられます。怒るに怒れず、さりとて笑い飛ばすことも出来ず。  単純に面白可笑しいショートコントと観ても良いのかも知れませんが、いろいろと考えさせてくれる人間観察ドラマの佳作として7点献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-22 14:14:44)
240.  ティル・デス 《ネタバレ》 
外界から孤立し暖房もなく、夫の死体と繋がれ自由に行動することもままならない状況にある一人の女性。夫が自殺に使ったリボルバーには弾は残っておらず、電話もスマホも壊され、室内には刃物も工具も何もない。クルマのガソリンまで抜かれている。この絶望的な状況にあって、更に逆恨みの末に彼女の命を奪いに来る残忍な凶悪犯が迫る。  シチュエーションスリラーとしてのお膳立ては徹底しています。絶望の演出に新しさを感じました。そして、その後の展開も二転三転して目が離せない。ラストまで一気に見せてくれる良質なスリラー作品だと思います。  決定的な危機の場面にあって、思いのほかヒロインが自由に行動していたり、殺人者に見つかりそうで見つからなかったり、相手が仲間割れして命拾いしたりと、結構ご都合主義的な展開もありますが、ヒロインありきのフィクションなのですから許容可能レベルの予定調和として受け入れられます。  それにしても、湖畔の豪華な別荘で徹底的に妻を絶望に追いやった上で死を与えるという状況を用意するとは。夫は一体どれだけ妻を憎んでいたのか?極めて偏執的。逆恨みの凶悪犯より凶悪のようにも思えます。悪事が露見しキャリアも何も全てを失うことが決定的になったからと言って、妻が部下と不倫していたからと言って、単純に無理心中を図るのではなくここまで苦しめようとするには何かしらもうひと味必要かも知れません。新進気鋭の監督さんということで、更なる緻密さを次作に期待したいと思います。  ちなみに、個人的にはこのヒロインはもう少しか弱さや優しさを感じさせる雰囲気の女優さんの方が良かったかなと思ったりして。ミーガン・フォックスさんだと最初っから強そうに思え、悪党との真向勝負が自然に思えてしまうので。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-14 23:19:04)
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