Menu
 > レビュワー
 > ゆき さんの口コミ一覧。14ページ目
ゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 615
性別 男性
自己紹介  洋画は字幕版も吹き替え版も両方観た上で感想を書くようにしています。
 ネタバレが多い為、未見映画の情報集めには役立てないかも知れませんが……
 自分と好みが合う人がいたら、点数などを基準に映画選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
21
投稿日付順1234567891011121314151617181920
21
変更日付順1234567891011121314151617181920
21
>> カレンダー表示
>> 通常表示
261.  ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金 《ネタバレ》 
 「これでもまだ実話」のテロップには参りました。  笑ったら不謹慎なのでしょうが、ついつい頬が緩んでしまいましたね。   マイケル・ベイ監督作としては、非常に異質な内容である本作。  豪華な出演陣と、シニカルなストーリーのギャップにも、ちょっと戸惑うものがありましたが、何処か作り手が楽しんでいるというか 「こんな馬鹿げた事件があったんだよ。どう? 笑えない?」  と問い掛けているような雰囲気が漂っており、あまり深刻にならず、リラックスした状態で観賞する事が出来ました。   「悪人だけど、どこか憎めない」というタイプの主人公達だったのですが、やっている事は凶悪極まりない為、最後まで感情移入は出来ず。  書類にサインさせる為に、被害者を拷問している場面もキツかったのですが、個人的に一番落胆させられたのは、終盤の貸金庫の件。  その中身が、思い出の写真、そして子供時代の靴の型である事に怒って「金は無いのか」と怒り出す主人公の姿は、本当に見苦しいの一言でしたね。  ここで決定的に愛想が尽きたところで、映画が終局を迎える構成となっているのは上手かったです。   また、被害者の豊胸パックを取り出さなかったばかりに、それが決定的な証拠となってしまう辺りにも「そこかよ!」と思わずツッコミ。  指紋については気を遣っていただけに、その間抜けな見落としには、乾いた笑いを感じられましたね。   主人公達が筋トレに病的に固執している点や、理想的なボディと現実の経済事情とのギャップに耐え切れず犯行に至ったと思しき点など、色々と分析してみるのも楽しそう。  けれど、それよりは、もっと肩の力を抜いて、実話である事も意図的に忘れてみせて、のんびりと観賞するのが最適な映画であるように思えました。
[DVD(吹替)] 6点(2016-07-11 18:05:00)
262.  バレット(2012) 《ネタバレ》 
 「女子供は殺さない」「義理人情に篤い殺し屋」というキャラクターを主人公に据える前時代的な潔さが、もう天晴。  とにかく勧善懲悪が徹底していて、敵を次々に殺しまくり「死んでも誰も悲しまない悪党が死んだだけ」と堂々と語ってみせるのだから、これは凄い事です。  上記の台詞に関しては、正直ちょっと引いてしまったりもしたのですが(きっと、この映画の世界では本当にそうなんだろうな……)と、納得させられる力強さがありましたね。  往年の名匠ウォルター・ヒルだからこそ、出来た事なのかも知れません。   そして、とっくに承知の上なはずだったのですが、それでもシルヴェスター・スタローンの風格と肉体美には、改めて惚れ惚れ。  主演俳優を格好良く撮るという意味合いにおいては、文句無しで合格だったかと思う次第です。   その一方で残念なのは、スタローンにばかり比重が偏り過ぎて、相棒となる刑事の影が薄く、バディムービーとしての魅力には欠けるように思えてしまった点でしょうか。  何せ一番印象に残る活躍が、携帯電話で警察のデータベースから情報収集するという、刑事なら誰でも出来そうな事だったりするのだから、何とも寂しい限り。  ラスボスとなる殺し屋を撃ってスタローンを救ってみせる場面も、あるにはあるのですが、正直そこに関しては「元相棒の形見であるナイフを首に突き刺す」という形で、復讐のカタルシスと共に終わらせておいた方が良かったんじゃないか、と思えてしまいました。   途中、クリスチャン・スレーターがアッサリ殺される展開に関しても(まぁ、スレーターだしなぁ……)と、彼を好きなはずの自分ですら納得してしまうような予定調和の中にあるのに、相棒の刑事は心底から吃驚して「何故殺した?」と動揺していたりするものだから、ちょっと感情移入出来なかったです。   そんな本作の価値を大いに高めているのは、斧を武器とした武骨なラストバトルでしょうね。  相手役となるジェイソン・モモアも雰囲気たっぷりで、非常に重量感のあるアクションとなっています。  ぶつかり合う斧の刃先からではなく、互いの筋肉から火花が飛び散っているかのような迫力には、大いに興奮させられました。   スタローンが相棒の肩を撃って、彼の無実を証明してみせた後に、悠然と立ち去っていく後姿なんかも、これまた素敵。  色々細かな不満はあったりしても、その格好良過ぎる背中を見つめるだけで、もう満足させられちゃうのですよね。  何とも罪作りな背中でありました。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-24 07:31:06)
263.  ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 《ネタバレ》 
 愛する肉親の死と向き合って、それを乗り越えていくまでを描いた成長譚。   主人公の少年にアスペルガー症候群の兆候があると判明した瞬間、それまでの彼の言動に納得させられた一方で(じゃあ母親が放任主義を取っているのは不自然じゃないか?)との疑念が湧いていたのですが、それを終盤にて吹き飛ばしてくれる脚本が見事でしたね。  「あのビルにいたのが、ママなら良かった」などの痛烈な台詞が盛り込まれていただけに、最後は母子が和解出来た事に、心底から安堵させられました。   ナイーブな少年を主役とした映画という事で、何処か既視感のある作風だなと思っていたのですが「リトル・ダンサー」と同じ監督さんだと知って納得。  エキセントリックな表現が散見される中、作品全体に不思議な上品さが漂っている辺りなんかも共通していましたね。   上述のように「本当は息子を見放していた訳ではなく、ずっと見守っていたのだ」と分かる母親の件は、凄く良かったのですが、その分、途中で離脱する形となった祖父の扱いには不満も残ります。  また、ラストシーンに関しても、主人公がブランコから飛ぶ姿で終わるのかと思いきや、父親に言われた通りに「ジャンプはしない」形で終わった点に関しても、どこか興醒めするものがありましたね。 (子役に実際に飛ばせたりしたら危ないので、作中で父親に「飛ぶ必要は無い」と言わせたのではないか?)  なんていう疑念が頭に浮かんで来てしまい、最後の最後で現実に引き戻されてしまった形。  勿論、観客である自分の疑い深さが悪いだけなのですが「飛ばなくていい理由」が「危険だから」というのは、如何にも寂しいのですよね。  それならば父親が飛んでみせる必要は無かったと思うし「飛んだ瞬間、鳥になった気がした」という台詞も不要。  飛ばずにブランコを漕ぐだけで父親と同じ気分を味わうというエンディングは、中途半端に思えてしまいます。  主人公がブランコに乗った時点で終わらせるなり、揺れるブランコの音と着地の音だけで飛んでみせた事を表現するなりしてもらった方が、好みだったかも。   作中で嘘をつく度に回数を数えてみせたり、父親の死を太陽の消失に喩えてみせたりする主人公の姿は、とても良かったですね。  純真で、それゆえに何処か大袈裟で、他者に理解される事を無意識に拒んでみせているかのような、少年らしい魅力が感じられました。  世の中には、主演の少女を観賞して愛でる為の映画も存在しますが、それと同じような楽しみ方も出来る映画かと思う次第です。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-23 12:10:41)(良:1票)
264.  フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白 《ネタバレ》 
 あらすじは承知の上で観賞したのですが、冷凍保存されるまでに二十分以上も掛かる構成には驚かされました。   主人公が軍人という事も相まって、どうしても「フィラデルフィア・エクスペリメント」を連想する内容となっているのですが、あちらの品とは異なり、元の世界で一緒だった女性への一途な純愛モノとして仕上げた事に、独自の魅力を感じられましたね。  途中、現代で出会った女性も交えた三角関係に発展する事を匂わせるミスリードもあったりしただけに、主人公が初志貫徹してくれたのが嬉しかったです。   ラストシーンまで辿り着けば、上述の「元いた世界」の尺が長い事にも納得がいくのですが、それでも「序盤と最後だけ別の映画みたい」という印象も拭えなかったりして、そこは少し残念。   その分、過去からやってきた主人公と、現代で出会った少年との交流部分に関しては、凄く良かったと思います。  ツリーハウスに主人公を匿ってくれて、食べ物や飲み物なんかを届けてくれる辺りも、幼少時の「秘密基地」感覚を刺激してくれて楽しかったし、幼くして父と別れた少年との間に、疑似的な親子のような絆が育まれていく様が、とても微笑ましかったのですよね。  好きな女の子に対してどう接するべきかと恋愛相談してくれる辺りも可愛かったし、何と言っても一緒に「飛行機の操縦ごっこ」をしてみせる場面が最高。  それが終盤の「実際に二人で飛行機に乗ってみせる」展開に繋がる流れには、そう来たかぁ……と感心させられました。   ラストシーンにて、愛する女性と再会して抱き合うだけで終わりではなく、駆け寄って来た少年を彼女に紹介してみせる姿も描かれていましたが、どんな風に話してみせたのかが気になるところです。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-22 03:32:28)(良:2票)
265.  ハンター(1980) 《ネタバレ》 
 始まって十数分、粉塗れになる乱闘シーンで「あれ?」と思い、そこから更に三十分後の爆発シーンで、ようやくコメディ映画なのだと気が付きました。  かと思えば、クライマックスにおける電車上のアクションは中々の迫力であったりして「一粒で二度おいしい」タイプの作りとなっていますね。  これが遺作であるというスティーヴ・マックィーンが、色んな面を見せてくれたという意味においては、非常に嬉しい内容。   ただ、自分としては正直コメディ部分は退屈だったりもして、残念でした。  その分、終盤のアクションパートでは画面に釘付けになる事が出来たのですが(どうせなら両方を楽しんでみたかったな……)と、切なく感じてしまったのですよね。  好きな俳優さんの作品であるだけに、全面的に肯定出来ない事が、もどかしかったです。   ラストに関しては、ほのぼのとしたハッピーエンドで締められており、驚くと同時に癒されるものがありましたね。  西部劇、刑事ドラマ、脱獄物と、シリアスな作風の品に出演している印象が強いマックィーン。  そんな彼が、何とも優しい手付きで赤ちゃんを抱き上げて、父親として笑ってみせている。  その姿が、最高に似合っていて、最高に決まっているのだから、本当に凄い事だと思います。   映画の内容そのものよりも、最後の出演作までマックィーンは格好良くて、魅力的だったという、そちらの方に感動させられた一品でした。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-21 12:56:14)(良:1票)
266.  ファーナス/訣別の朝 《ネタバレ》 
 クリスチャン・ベールが髭を蓄えた姿に、最初は違和感も覚えたのですが、すぐに慣れる事が出来て、一安心。  これはこれでワイルドな魅力があって良いんじゃないかと思えましたね。   特にお気に入りなのは「弟を思いやって、密かに借金を肩代わりしてみせる場面」と「別れた恋人の妊娠を祝福してみせる場面」の二つ。  主人公の優しさ、人の良さ、利己的になれない善人ゆえのもどかしさなどを丁寧に演じられており、相変わらず素晴らしい役者さんだなと、再認識させられました。   映画の内容はというと、往年のアメリカン・ニューシネマを彷彿とさせる作りとなっており、全体的に陰鬱な雰囲気が漂っているのが特徴。  鹿狩りが印象的に描かれている点などは「ディア・ハンター」へのオマージュではないかとも思わされましたね。  脇を固める俳優陣も非常に豪華であり、彼らの演技合戦を眺めているだけでも楽しかったです。   ただ、冒頭にてウディ・ハレルソン演じる悪役が、北村龍平監督の「ミッドナイト・ミート・トレイン」を観賞中に喧嘩を始めるシーンの意味は、少し分かり難くて困惑しました。  後にキーパーソンとなるキャラクターを、事前に紹介しておく事が目的だったのでしょうか。  上映作品のチョイスに関しても引っ掛かるものがあり、ともすれば映画がつまらないせいで作中人物が退屈して暴れ出したのかと邪推出来たりもするのですが……  まぁ、監督さんがあの映画を好きだから選んだのだろうなと、好意的に解釈したいところです。   基本的なストーリーラインとしては、弟を殺された兄が復讐する形となっているのですが、どうもそれだけでないような印象も受けましたね。  それというのも、主人公の境遇が余りにも悲惨過ぎて、弟の死さえもがその「不幸な要素」の中の一つにしか思えなかったのです。  老後は病に侵される事が約束されているような製鉄所での仕事。  交通事故によって人を死なせてしまった罪悪感。  刑務所で暴力に晒される日々。  愛する女性との別れ。  父親の病死。  これらの事件が次々に起こり、主人公は鬱憤を溜め込んでいた訳なのだから、弟の死はそれを爆発させた引鉄に過ぎなかったのではないかな、と。   勿論「数々の不幸に対しても感情を露わにしなかった主人公が、弟の死に対してだけは本気で怒った」訳なのだから、それだけ弟を愛していたのだと解釈する事も可能だとは思います。  けれど、その場合はラストにて悪役に「お前の弟はタフだった」と言わせた事に、疑問符が残るのです。  本当に弟への愛情だけが動機であったのならば、そんな弟の凄さを認めてもらった事に対し、主人公のリアクションを描いて然るべきだと思うのですが、彼は超然とした態度のまま相手を殺してしまう。  そして、復讐を止めようとした保安官が、主人公の元カノを妊娠させた男であるとなると……  一連の行いには「保安官への当てつけ」という意図もあったんじゃないかと、そんな風に感じちゃいました。   単なる復讐譚としての映画であれば、ラストシーンの主人公は満足感や達成感を抱いていてもおかしくないのに、その顔に浮かぶのは、どちらかといえば「やってしまった」「これで終わった」という諦観の念。  長く、深く吐息をつく姿には、未来を捨て去った人間だけが得られる、一種の解放感のようなものが漂っていたようにも思えましたね   積み重なった悲劇が更なる悲劇に繋がるという、一種の悲惨美。  そして、全てを台無しにしてしまったからこそ得られる、後ろ向きなカタルシスを描いた映画であるように感じられました。
[DVD(字幕)] 6点(2016-06-19 04:21:51)
267.  俺たちステップ・ブラザース -義兄弟- 《ネタバレ》 
 主役の二人が十歳と九歳であったなら、微笑ましいファミリームービーだったのだろうなと思います。  それぞれの父と母が再婚する事になり、義兄弟となった幼い二人が喧嘩しながらも絆を育んでいくという形。  新しい母親が自分をどれだけ甘やかしてくれるか確かめたり、二段ベッドを作っても良いかと両親に提案したりするシーンなんて、きっと可愛らしかったでしょうね。   それを四十歳と三十九歳の中年男にやらせているというギャップが本作の面白さなのでしょうが、自分としては少々観ていてキツいものがありました。  どちらかというと、主役の二人よりも二人の両親の方に感情移入させられましたね。  この「真っ当な社会人である両親」と「社会不適合者の息子達」の二つの視線を作中に用意している辺りのバランスは、作り手の巧みさを感じます。   そんな訳で、善良な両親が離婚する事になる終盤の展開はショッキングだったし、そこから二人の息子も奮起して社会復帰を果たしてくれる流れだった事には、心底ホッとさせられましたね。  就職すれば嫌味な上司に敬語を使い、苦しい思いもしなければいけないという部分を、キチッと描いている事には感心。  その一方で「働く喜び」のようなプラス面がオミットされていたのは気になりましたが、それに関してはラストの「二人が会社を辞めて起業家として成功する」オチに繋がるのだから、仕方のないところでしょうか。   クライマックスにて、二人がコンビを組んで演奏してみせる場面にはテンションが上がりましたし、それによって周囲の人々が主人公達を認める事になる流れも、王道の魅力がありましたね。  特に好きなのは、ウィル・フェレル演じる兄と、アダム・スコット演じる実の弟が、互いに不器用なハグを交わすシーン。  今では不仲となってしまっていたけれど、幼少期には仲の良い兄弟であった事が回想シーンで描かれていただけに、笑いの中にも微かな感動を覚えたりもしました。   ただ、最後の最後で意地悪な子供達に復讐する主人公コンビに関しては「なんて大人げない……」と感じてしまい、今一つカタルシスを得る事が出来ず、残念。  それでも、両親も無事に復縁し、主人公達も再び「兄弟」に戻れたハッピーエンドという形だった事は、良かったなぁと思えました。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-06 19:13:09)(良:1票)
268.  星に想いを 《ネタバレ》 
 数学というテーマを扱ってはいるけれど、作りとしては王道なラブコメ映画ですね。  「相手のハートを射止める為に嘘をつく」→「嘘がバレそうになるけど何とか頑張って誤魔化す」→「相思相愛になる」→「でも嘘がバレる」→「相手が怒って喧嘩になる」→「仲直りしてハッピーエンド」というパターン。   そんな本作の個性としては、やはり作中にアインシュタインという大物を登場させている事に尽きるでしょう。  ウォルター・マッソーが飄々とした演技を披露しており、お茶目で憎めないお爺ちゃんっぷりを見せてくれています。  映画の中盤辺りで気が付いた事なのですが、ティム・ロビンス演じる主人公のエドよりも、むしろ彼の方に感情移入する場面が多いのですよね。  シンポジウムで演説する彼を見守る件、知能テストで答えをジェスチャーしてみせる件、そしてクライマックスで二人が結ばれるかどうかを望遠鏡で見守る件など、監督さんも意図的に彼を観客と同じ立場に置かれているのではないかな、と思えました。  最後にキスする二人を覗き見して、嬉しそうに微笑む姿は、正に観客の心情そのものかと。   ただ、それは裏を返せばエドに感情移入出来ないという事でもあり、映画はアインシュタインが主導する形となっていて、本来の主人公が状況に流されるままの人物としか思えなかった点は残念。  ヒロインのキャサリンが「天才の子供を産みたい」と考えている人物ゆえか、恋敵となるジェームズも知性以外の長所が窺えない人物として描かれており、ちょっと興醒めでしたね。  こういった場合、容姿も頭脳も完璧だけど性格に難ありとか、そういった設定の恋敵の方が「大切なのは互いのハートである」という結論に、自然に繋がったのではないかなと思う次第です。   ヒロインのキャサリンを演じるメグ・ライアンに関しては、流石の貫録というか、流石の可愛らしさ。  エドが一目惚れする展開にも、全く違和感が有りません。  そんな彼女と、星空の下で無事に結ばれるエンディングを目にすれば、多少の不満点などは吹き飛んでしまうのだから、これは凄い事だと思います。  やっぱり、こういった「安心して楽しめる映画」というのは必要なのだな、としみじみ感じました。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-05 20:01:20)(良:1票)
269.  ワン・デイ 23年のラブストーリー 《ネタバレ》 
 何シーズンにも亘って描かれるTVドラマを総集編として映画化したもの……という印象を受けました。  デクスターの母親や、エマの「小説家志望」設定など、尺が足りなくて描き切れなかったと思える要素が多く、もっと長めの上映時間が欲しかったところ。   毎年の七月十五日を舞台としたラブストーリーという発想は、とても面白いと思います。  けれど、それによって互いの感情が地続きになっていないというか「ある七月十五日に仲が進展したかと思ったら、次の七月十五日にはもう曖昧な関係に戻っている」という、数分毎に一種のリセットボタンが押されているかのような印象を受けてしまったのが残念でしたね。  「とうとう二人が結ばれた夜」「突然の彼女の死」などのイベントが発生しても、その前後が直接描かれていないのが、非常にもどかしい。  こういった斬新な設定は歓迎したいところなのですが、本作に関しては「普通の時間進行で観てみたかったな」と、ついつい思ってしまいました。   アン・ハサウェイは好きな女優さんなので、彼女と二人で旅行する1992年の場面なんかは、胸がときめくものがありましたね。  この映画を観た人達と「どの年の七月十五日が一番好き?」という話題で盛り上がれたりもしそうで、そう考えると、やはり素敵な設定なのかなとも思えてきます。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-05 15:51:55)
270.  エベレスト 3D 《ネタバレ》 
 「実話もの」であるのだから、最後は何だかんだで主人公は助かるのだろうな……と考えながら観賞していたもので、まさかの展開には本当に驚かされました。  全滅では無かった事が「救い」を感じさせてくれますが、やはりコレはハッピーエンドとは言い難いでしょうね。  雪原に倒れ込んだままの死体の描写や、凍傷の表現なども衝撃的で、中々頭から離れない。  観賞後は、非常に重苦しい気分を味わう事となりました。   中盤にて登頂に成功したシーンで盛り上げて、その後に遭難してしまうという展開の緩急などは、映画としての巧みさもを感じさせてくれます。  その一方で「実話だから仕方ない」とばかりに、ベックのキャンプ地への生還に明確な理由付けが窺えない辺りは、気になってしまいましたね。   実話を題材にしていたとしても、映画として観る以上「何故、彼は助かったのか?」という根拠を求めてしまう訳で、それが明かされないまま結末を迎えた事は、どうにも消化不良に思えてなりませんでした。  物語ではなく、再現映像による一種のドキュメンタリーとして観賞するのが正しい品なのかも知れません。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-05 01:11:31)
271.  ブロークンシティ 《ネタバレ》 
 マーク・ウォールバーグとラッセル・クロウの共演という事で、楽しみにしていた本作。   始まってすぐに 「あれ? これってもしかしてラッセル・クロウは悪役?」  と気付いてしまうような構成だったのは残念でしたが、それを補って余りある魅力的な演技を見せてくれたと思います。  悪役としての貫録もたっぷりだったし、逮捕後の見苦しい捨て台詞も最高。  むしろ主人公よりもオイシイ役だったかも知れません。   「アルコール中毒」「恋人との不仲」に関しては、中盤以降あまり必要性が感じられず、残念でしたね。  むしろコレらの設定がある事によって 「どうせなら逮捕されて刑務所で酒断ちし、彼女とも別れた方がスッキリするんじゃないか」  と思えてしまい、主人公の最後の選択における「自己犠牲」的な意味合いが薄まっているようにも感じられました。    そんな中で癒しとなっているのは、主人公の助手であるケイティの存在。  大物俳優が多い作品の中で、彼女は初めて見る顔だったという事もあってか、とても新鮮な印象を受けましたね。  可愛らしい彼女と、出所後の主人公が無事に再会出来た事を願いたいものです。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-04 16:26:09)(良:1票)
272.  リリィ、はちみつ色の秘密 《ネタバレ》 
 冒頭の展開から「ハックルベリー・フィンの冒険」の女性版のように、二人でアチコチを旅するお話なのかな? という印象を受けていたのですが、ロードムービーではありませんでしたね。  舞台となるのは、主人公が辿り着いた先の、もう一つの家。  自殺、母親殺し、差別など、色々と重苦しいテーマを扱っているのですが、全体的に落ち付いた雰囲気と優しさを備えた、良質な作品だったと思います。   こういった「家出モノ」映画においては、最後は何だかんだで我が家に戻るパターンが多いように思える中で、本作の主人公が「養蜂場に残る」事を選択したのは、大いに納得。  「私には三人の母親がいる」と語るラストのモノローグも、心に響くものがありました。   その一方で、旅立ちのキッカケとなったロザリンの存在意義が、中盤以降は薄まっているように感じられた事。そして主人公の父親が哀れに思えてしまい、どうにも後味が悪くなってしまった事は、残念でしたね。   勿論、後者に対しては、娘に体罰まで加えている以上は自業自得であり、同情などすべきではないとも思うのですが「妻に続いて娘にまで見捨てられてしまった」となると、流石に可哀想。  身勝手で不器用ながらも、本人なりに娘を愛しており「誕生日おめでとう」と呟くシーンなども描かれていただけに、スッキリしないものがありました。  こういった場合に、悪役となる側にも同情すべき点を残しておくバランスは好ましく思っているのですが、どうも今回はそれがマイナスに作用してしまったように感じられます。   主人公が「シュープリームス」について語る小ネタ(話し相手は「ドリームガールズ」に出演したジェニファー・ハドソン)にはクスッとさせられましたし、黒人青年との仄かな恋心が描かれる場面なんかは、とても良かったですね。  作中で人種差別問題が繰り返し提起されていただけに、主人公が偏見を越えて彼に愛情を示してくれた事には、癒されるものがありました。  蜂蜜を男の指から舐め取ってみせるダコタ・ファニングという、ドキッとさせられる絵面が飛び出す辺りなんかも、程好いアクセントになっていたかと思う次第です。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-02 14:06:36)
273.  ラブ & ドラッグ 《ネタバレ》 
 ほほう、バイアグラ販売員の映画なのか……と思っていた序盤から一転、所謂「難病モノ」な内容にシフトする構成には驚かされました。   こういったテーマを描く際、女性側は「余命僅かな不治の病」というパターンが多いのですが、本作においては「病気と闘いながら生きていかなければならない」という形だったのが新鮮でしたね。  彼女を愛するならば、一時の悲劇で済ます訳にはいかない。  パーキンソン病という障害を背負った彼女と、長い「余命」を共に生きて行かなければならない。  徐々に変貌していく彼女を、本当に愛し続けていく事が出来るだろうか?  と問い掛けてくるかのような内容には、大いに考えさせられるものがありました。   ただ、そういった深いテーマが盛り込まれた映画のはずなのに、作風としては非常にライトなノリなのですよね。  このギャップというか、落差をプラスと捉えられるか否かによって、この映画の評価が変わってきそう。  自分としては、それなりに面白かったのですが、今一つハマりきれないものもあったりして、少し残念です。   理由としては、主役二人に対して「病気に負けず頑張って生きて欲しい」と思えるような印象が乏しかった事も挙げられるでしょうか。  主人公の男性は、道徳的に善人とは言い難い軟派男だったりするし、ヒロインも第一印象が余り良くなかったもので、どうしても距離を取って眺める形になってしまった気がします。   とはいえ、二人とも悪人という訳ではないのだし、ハッピーエンドだった事にはホッとさせられましたね。  アン・ハサウェイは好きな女優さんなので、彼女のヌードが飛び出すシーンには、恥ずかしながら興奮したりなんかも。   作中、あまり彼女の病状が進展しない内に「綺麗なまま」映画が終わってしまった件に関しては 「いやいや、そこから先が大変なんでしょう?」  と、納得出来ない気持ちもあるんですが…… 「主人公の強い決意を描いた以上、二人はずっと一緒なのだから、ここから先はあえて描く必要は無いのだ」  という作り手からのメッセージなのだと解釈したいところですね。   元ネタである自伝「涙と笑いの奮闘記 全米セールスNo.1に輝いた"バイアグラ"セールスマン」の作者は、この本はラブストーリーではないと語っているみたいですが、映画の方は立派にラブストーリーとして成立していたと思います。
[DVD(吹替)] 6点(2016-06-01 18:02:52)(良:2票)
274.  ラスト・ターゲット(2010) 《ネタバレ》 
 まさかの恋愛映画でしたね。  冒頭、主人公が恋人と思しき女性を射殺するシーンが描かれており、色恋沙汰を排したハードボイルドな作風かと思いながら観賞していただけに、意外な印象を受けました。   作中に映し出される風景は美しく、それらを眺めているだけで癒されましたし、観賞中「大人」の雰囲気に浸る事が出来る映画というのは、決して嫌いではないです。  ただ、上述のように予想以上に恋愛要素が色濃くて、戸惑う面も大きかったですね。   何と言っても、冒頭のプロフェッショナルとしての主人公の姿と、イタリアの町を訪れてからの主人公の姿が、どうにも一致していない印象を受けてしまいました。  途中、ヒロインの事を疑って殺そうとする展開になるも、結局は悩んでいる内に「彼女は無実だった」と気が付くオチになったりして、何だか肩透かし。  じゃあ最初のスピーディーな射殺っぷりは何だったのか、とついつい思ってしまいます。  冒頭の彼女は恋人ではなく、自分が勝手に勘違いしていただけかも知れませんが「何で今回は対応が違うの?」と思ってしまい、最後までその違和感が拭えませんでした。  それだけ彼女の事を愛していたんだろう、と納得さえ出来たら楽しめたと思われるだけに、非常に残念。  せめて、もっと年数を経過させて、冒頭のシーンを遠い過去の出来事として描いてくれたのならば、印象も違ったかも知れません。   主人公が黙々と腕立て伏せを行ったり、銃を組み立てたりする場面などは、とても良かったですね。  クライマックスの、小銃に仕掛けを施しておいた事が分かるシーン。  そして、無事に助かったかと思われた主人公が、実は撃たれていたと分かるシーンなども、衝撃的でした。   熟成された苦味と同時に、どこか煮え切っていない甘味のようなものを残している。  そんな一品だったと思います
[DVD(吹替)] 6点(2016-05-29 18:01:59)(良:1票)
275.  マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 《ネタバレ》 
 優しいファンタジーという言葉が似合う一品ですね。  作中で人の死が描かれているのに、ちっとも残酷じゃないし、不愉快じゃない。  結局、最後までマゴリアムおじさんの詳しい正体は謎のままであり、その事に対し引っ掛かりを感じてもおかしくなかったのですが、本作では特に気になりませんでしたね。  不思議な存在であるのなら、不思議のままで良いか、と思わせてくれました。   マゴリアムおじさんの飄々とした生き様や、モリーの女性的な魅力にも惹かれましたが、一番のお気に入りはヘンリーとエリック少年の関係性。  年齢という垣根を越えて友達になれた二人の姿は微笑ましかったし、何と言ってもエリックが背広姿になって「買収」に訪れたシーンが好きなんですよね。  (そう来たか!)という驚きもあったし(小さな子供といえども、本気で店を守りたい一心で行動しているんだな……)と思えました。  コレクションの帽子を売ろうとするエリックに対し 「帽子は売っちゃダメだ」  と即答するヘンリーの姿も良かったです。  幼い友達が、どれだけ帽子を大切に思っているかを理解しているからこその発言と感じられて、心が温まる思い。   最後もハッピーエンドで綺麗に纏めており、非常に好ましい映画なのですが 「マゴリアムおじさん死後の店を、どう立て直すか?」  という問題を、簡単に解決し過ぎたような印象も受けましたね。  一見すると不可能に思える事でも、心の持ち様一つで容易く成し遂げられるという前向きなメッセージが込められていたのかも知れませんが、ちょっと疑問符が残りました。   他にも、拾い切れていないと感じる要素が幾つかあったりして、不満もあるのですが、総じて魅力に感じる部分の方が多かったですね。  店を主題とした映画を観賞した後に「この店、行ってみたいな」と感じた以上は、あまり難しく考えず「この映画を観て良かった」と素直に認めたいところです。
[DVD(吹替)] 6点(2016-05-28 20:14:51)
276.  プリティ・イン・ニューヨーク 《ネタバレ》 
 どう考えてもミラ・ジョヴォヴィッチ演じるナディーンの方が「いい女」じゃないか、と思えてしまうのが難点でしょうね。  作中で主人公が元カノに未練たっぷりで、長時間に亘って煮え切らない態度を取っている為、こちらとしては、どうしても感情移入が出来ない訳です。  勿論、最終的に彼はナディーンの方を選ぶ結末となる訳ですが、もっと序盤から彼女に対して真摯に向き合って欲しかったな、と思う次第。   性格面において、元カノさんが典型的な「嫌な女」として描かれているのも、少々可哀想。  でも、別れの場面にて彼女だけを一方的に悪役としない演出だった事は、良かったと思います。  やはり自分は、こういう形で「振られ役」を貶め過ぎないラブコメの方が好み。   話の筋としては、予想の範疇を逸脱する事無く、手堅く王道に則って纏められているという印象を受けました。  サプライズな面白さは欠けている代わりに、安心して楽しめるというタイプ。  そんな中で、主人公がナディーンに「鏡」をプレゼントした理由なんかは、ロマンティックで素敵でしたね。  ケチャップの瓶を用いた例え話や「一緒に映画観ない?」と誘い掛ける留守電の声なんかも印象的。  こういった小さな美点とも言うべき箇所が、作中のアチコチに散りばめられており、何だか憎めない映画でした。
[DVD(吹替)] 6点(2016-05-28 17:43:51)
277.  卒業白書 《ネタバレ》 
 映画の冒頭にて、観客であるこちらが恥ずかしくなるようなピンク色の夢を見ている主人公。  もっと生真面目なタイプの青春映画かとばかり思っていたので、完全に意表を突かれましたね。  けれど、そんな風に戸惑っていたのも束の間。  すぐに感性のチャンネルを切り替える事が出来た為、充分に楽しむ事が出来ました。   作風としては、後の「アメリカン・パイ」や「ホーム・アローン」にも通じるものがあるんじゃないかな、と思います。  特に後者に関しては、それが顕著で(高校生版のホーム・アローンだな……)と、心の中で呟いてしまったくらい。   様々な媒体でパロられている、シャツに下着姿という格好で踊るトム・クルーズの姿。  元ネタの映画では、こういった意味合いのシーンだったのか、と感心させられたりもしましたね。  両親が旅行に出掛け、自分一人となった家の中で、ガンガンに音楽を流しながら踊り狂う主人公。  凄く気持ちが分かるというか、自分も思わず真似したくなるようなシーンでした。   他にも、童貞を捨てようと意を決してコール・ガールを自宅に呼んだら、現れたのがガタイの良いオカマのお姉さんだったという件。  そして、父親の愛車を湖の中に沈ませてしまう件など、視覚的にも印象深い場面が、沢山ありましたね。  滅茶苦茶になっていた家の中を、両親が帰ってくる寸前にギリギリで元に戻せた(実は戻せていない)辺りなんかも、凄く良かったと思います。   そういった「両親の不在中に好き勝手やる話」としては、とても好みだった本作。  けれど、ヒロインとの恋愛模様に関しては今一つピンと来なくて、残念でした。  謎の多い女性で、それが独特の色気にも繋がっていたのですが、どうも好奇心よりも警戒心の方を刺激されてしまったみたい。  結果オーライで大学面接まで成功に終わるというのも、ちょっと「上手く行き過ぎ」感がありました。  個人的好みとしては、両親の帰宅と同時に完結でも良かったかも。   上述のように、細かい不満を感じた瞬間もあるのですが、総じて楽しめる時間の方が長かったように思えます。  結局、主人公は儲けたお金を全て失ってしまったけれど、精神的な成長と、素敵な彼女を得られたのだ……というハッピーエンドなのも、決して嫌いじゃないですね。   やがて歳月を経て振り返った際には、そういった諸々もひっくるめて「好きな映画」と言えるようになっていそうな、そんな一品でした。
[DVD(吹替)] 6点(2016-05-21 12:24:53)(良:1票)
278.  バス停留所 《ネタバレ》 
 マリリン・モンローが「演技派」への転身を図った第一作目という事で、彼女を語る上では外せないタイトルだと思います。   そんなモンロー当人の演技だけに着目すれば(頑張っているなぁ……)と、微笑ましい気持ちになったりもするのですが、映画全体から受けた印象となると、中々に厳しいものがありましたね。  まず、この映画の中心はモンロー演じるチェリー(=シェリー)ではなくて、ドン・マレー演じるボーな訳ですが、彼がどうにも感情移入を拒むような主人公像なのです。  根は悪い人間ではないのでしょうが、余りにも傍迷惑だし、現代の目線からすると思い込みの激しいストーカーにしか見えないのが困りもの。   そんな彼が殴られて、打ちのめされて、ようやく改心し、最後にはモンローと結ばれるというハッピーエンド構成なのですが、その「彼が反省して生まれ変わる」までが長過ぎるように感じてしまいました。  確認してみたところ、全95分の内、雪の中での殴り合いに突入するまでに70分以上が経過している計算なんですね。  個人的には、このイベントをもっと早い段階に持って来た方が良かったんじゃないかな、と。  まるで尺が足りないかのように、終盤にて「主人公が改心する」→「ヒロインと結ばれる」という出来事が立て続けに起きた印象を受けてしまい、今一つ納得出来ないものがありました。   上述のように「前振り」部分が長過ぎたんじゃないかと思えてしまう作品なのですが、終わり方は爽やかで好み。  子供っぽい主人公の面倒を見続けてくれた、親代わりのような年長の親友が「わしは邪魔だ。お前には彼女がいる」と身を引いて、バスに乗り込む二人を送り出す場面は、グッと来るものがありましたね。  相手を思いやる気持ちに欠けていた主人公が、ヒロインが凍えてしまうと気遣って、自らの上着を脱いで羽織らせてやると、ヒロインもそれに応えて、一度は勝手に彼に持ち出されてしまった緑のスカーフを、今度は愛情込めて彼の首に巻いてみせるシーンなども、負けず劣らず良かったです。   面白かったかどうかと問われたら、頷きがたいものがあるけれど「良い映画だった?」と問われたら、迷った末に頷いてしまう。  そんな映画でした。
[DVD(字幕)] 6点(2016-05-18 01:47:53)
279.  コンフェッション(2002)
 ジョージ・クルーニー初監督作品との事でしたが、その力量に驚かされた一方で、どうも既視感を覚えてしまう作風。  気になって調べてみたら、脚本がチャーリー・カウフマンだったのですね。  あぁ、何かに似ていると思ったら「アダプテーション」かと、大いに納得した次第。  悩めるクリエイターが体験した悪夢のような出来事、という点が共通しているように思えましたね。   とても実話とは思えない破天荒なストーリーだったのですが、それが作中で主人公の悩みにもなっており「こんな話、誰も信じてくれない」と嘆く形になっているのが面白かったです。  リアリティの無い展開になればなるほど、主人公の心境が理解しやすくなるという構造。   豪華な出演陣は画面に彩を添えてくれていますし、コーヒーカップの摩り替えなど、印象的な場面もありました。  ドリュー・バリモア演じるヒロインの、性に開放的な小悪魔のようでありながら、何処か母性を感じさせる女性像も好み。  観賞中は、上述の「既視感」が頭の中でチラついてしまい、あまり映画の世界に没頭する事は出来なかった状態にも拘らず、そういった長所をキチンと感じ取れたのだから、良い映画だったと思います。   一連のお話が真実が虚構かを考えるのは野暮な気もしますが、一つ気になったのは、主人公の妹の名前が「フィービー」である事。  これって、かの著名な小説「ライ麦畑でつかまえて」に登場する主人公の妹と同じ名前なんですよね。  つまり、このお話も創作ですよというメッセージにも思えたのですが、真相や如何に。
[DVD(吹替)] 6点(2016-05-13 12:21:34)
280.  ジャイアント・ベビー 《ネタバレ》 
 子供達が小さくなってしまう映画の続編として「今度は大きくなる!」という内容を持ってきたのは面白いし、その子が幼児である為に、大人達がひたすら翻弄される事になるというのも、ユーモアが利いていて良かったと思います。   ただ、自分としては前作の家族ドラマの延長のようなものを期待していたので、長女のエイミーの扱いや、魅力的だった隣家の人々に出番が無かった事に関しては、ちょっと残念でしたね。  最後の最後まで「彼らが応援に駆け付けてくれるのでは?」なんて勝手な期待を抱いてしまい、それが肩透かしな結果になってしまったのは、やや消化不良な感じです。   その一方で嬉しかったのは、小さな子供だった長男のニックが立派なティーンエイジャーに成長している事。  部屋でギターをかき鳴らしている姿なんて、もう見ただけで頬が緩んでしまいます。  今作ではベビーシッターの少女との恋模様まで描かれており、幼かった頃の姿を知る身としては、とても微笑ましい気持ちにさせられました。   正直、赤ん坊が車の中や家の中に収まるくらいのサイズの頃は、あまり楽しめなかったりもしたのですが、ラスベガスにジャイアントベビーが襲来する終盤に突入してからは、観ているこちらも大いに満足。  怪獣映画めいた非現実感と、巨大な存在を退治するするのではなく保護しなければいけないという斬新な感覚が混ざり合い、不思議な気持ちに浸る事が出来ましたね。    作中にて語られた「(赤ん坊にとって)パパは遊び相手、ママはママ」という台詞が、妙に心に残る映画でもありました。
[DVD(吹替)] 6点(2016-05-08 05:01:59)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS