301. 月光の女
ベティ・デイヴィス持ち味全開、身勝手な保身の為目を剥いてペラッペラ喋り倒す嫌らしさは通常の2割増しといったところ。ただ、意外性が無い想像通りの展開になるのはミスキャストとも思えます。お目当てハーバート・マーシャルの哀れな旦那さんに最近立て続けの「しっかりせんかい!」 悪女をたじろがせるゲイル・ソンダーガードの特筆もののド迫力に上には上があるものだと感心しきり。この演出演技は凄い。 短い尺ながら業の深さが浮き彫りとなる結末に至る見応え十二分、流石の巨匠作と呼べる秀作です。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-07-19 16:07:56) |
302. 犯罪王ディリンジャー(1945)
《ネタバレ》 実話ベース。社会の敵№1と言われたジョン・ディリンジャーの銀行強盗人生が描かれています。尺が短過ぎる事もあって冒頭ニュース映画そのままの、出来事がサラ~ッとなぞられているだけの奥行き無い展開で感慨湧かず。ただ、チンピラにやりたい放題されている当局の信じられない無脳っぷりに腸が煮えくり返る。 人の命がかかっているのに!しっかり仕事せんかい! 腐れ裏切り者のアシストを得なければ面目を保てない恥の上塗り模様に、結末の爽快感がカケラもないところであります。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-19 12:50:06) |
303. 僕の彼女はどこ?
《ネタバレ》 富豪フルトン爺さんの善意からの行為がブレイズデル一家にとってあぶく銭身につかずとなる物語。奥さんを筆頭に単純というか分かりやすい登場人物の中でMIPはおしゃまなロベルタ。爺さんとの掛け合いは絶品であちらこちらでリプレイタイム。ジェームズ・ディーンに似てると思ったのがその人だったというのに1000へぇ。冒頭ミュージカルシーンでの「うわぁ、あ痛たたた~」は杞憂だった監督の遊び心を感じました。辛気臭さのカケラもない小粋でお茶目でカラリとした味わい深い秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-07-19 03:38:51) |
304. 深夜復讐便
お目当てジュールズ・ダッシン監督らしさは少々薄いものの、一気に魅せる良作です。 金と両脚を盗られた父親の敵討ちに、リンゴを積んだトラックで36時間かけて仲買青果商フィグリアに向かうニック。 私の血圧計が振り切れた卑怯千万なフィグリアを演ずるリー・J・コッブが本作MIP。いいようにしてやられるニックに「しっかりせんかい!」見守り続けた結末が、監督は妥協したのだろうかと感ずるものでありました。 [DVD(字幕)] 7点(2022-07-17 12:19:29) |
305. アンネの日記(1959)
初めて知った8名による2年間に亘る隠れ家生活。精神的支柱たるオットー・フランクの沁み入る一言一言。見たことある・・・誰だったか・・・ジョセフ・シルドクラウト! ガッテンガッテン、見惚れる名優振りでした。 大空を自由に飛び交うカモメを窓から見るアンネが人間の本質は善であるとするのに悲劇の本質を見ました。 再見での冒頭シーンが何ともやるせない。 [DVD(字幕)] 7点(2022-07-16 02:52:18) |
306. 誰よりも狙われた男
《ネタバレ》 フィリップ・シーモア・ホフマン、何かこう張りに欠ける姿だと感じたのですが、遺作だったのですね。早逝が惜しまれます。 極々地味な作りですが、資金源を断つという任務の重要さがリアルに描かれており見応えがある良作です。 人を裏切って出し抜くのが生き甲斐のようなCIAの遣り口に私もホフマンと一緒に毒づいておりました。 レイチェル・マクアダムスの落ち着いた作品で一人浮いている感が惜しいところです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-07-11 16:49:59) |
307. イージー・ライダー
《ネタバレ》 子供時分、バイクを駆る3人のスチール写真のピーター・フォンダの格好良さに憧れたものでした。 この歳になっての初見。 原付にも乗らない身にとって荒野を疾走する姿は素敵だと見とれるものでした。 義務も責任も伴わない自由とそれを気に食わないからと問答無用で撲殺銃殺するどっちもどっちのギスギスした物語にグッタリ。 オールロケ、ロードムービーの先駆けたるところに+2点。 余談ながら、鑑賞後、正午過ぎ、テレビで知った問答無用の銃撃。余りにも酷い。 [DVD(字幕)] 7点(2022-07-09 01:36:22) |
308. 愛する時と死する時
《ネタバレ》 ダグラス・サーク監督作品と言うことで鑑賞。独ソ戦でのドイツ兵。休暇帰郷での幼なじみとのロマンス模様が丹念に描かれています。ジョン・ギャビンの線の細さが物足りませんが、リゼロッテ・プルファーの透明感ある存在が特筆もの。弾けるような笑顔が明日への希望を抱かせるのですが、邦題を思うと悲しい結末が浮かびます。 戦場での命の儚さを痛感するラストショットに消沈。意外だった戦争ものですが、監督が東部戦線で亡くなったご子息に捧げた作品なのだと思うと切ないです。 クレジットのクラウス・キンスキーをまだかまだかと待ち続け、待ってましたの登場シーン。ゲシュタポ中尉にしては大人しいもののギロリとした目力は流石の怪優ぶり。 見応えある秀作でした。 [DVD(字幕)] 8点(2022-07-06 02:13:17)(良:1票) |
309. 奥様は顔が二つ
グレタ・ガルボの弾ける笑顔でのダンスシーンはお宝映像。点数の全てを。本作が最後の出演というのが惜しいところです。 [DVD(字幕)] 7点(2022-07-04 16:26:15) |
310. パームビーチ・ストーリー
観終わってからでもオープニングが意味不明。列車内ドタバタ劇はゲス共の下劣さにゲンナリでクスリとも出来ず。エンディングにも白けるばかり。お目当てジョエル・マクリーはこんな役どころは向かないとガックリ。ヘンな味わいがあったハッケンサッカー3世に点数の全てを [DVD(字幕)] 4点(2022-07-04 16:17:54) |
311. 風と共に散る
作品のレイアウトとして配置された浅い人物像による四角関係に盛り上がれないまま終了。四人のうちでアホ兄妹(ゴメン)が話を引っ張っており、引き立ててもらってるにもかかわらず外観しか華がないロック・ハドソン&ローレン・バコールが残念です。お久しぶりなロバート・キースのお姿に+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2022-07-02 21:47:06) |
312. マレフィセント2
いい仕事していると感心した映像の美しさに話がついていけてないようで。語られているところの共存が奥行きがないもので退屈でした。上品さと邪悪さがいい塩梅だった王妃がアンジーを食ってしまう存在感。ミシェル・ファイファーだったとは10000へぇ。どうりで綺麗なはずです。3はあるのでしょうか? もう打ち止めで良いと思いました。 [DVD(字幕)] 5点(2022-06-29 16:09:32) |
313. 幻の女(1944)
撮影の知識に疎い私ですが、モノクロ画面は見惚れてため息が出た美しさ。昨日観た風雲のチャイナはカラーだとさぞや綺麗だったでしょうが、本作はモノクロでなくてはいけないなと思うところです。中盤で犯人が分かるまではのめり込みましたが、以降はトーンダウンしていったのが残念。並の脚本でも映像と演出で秀作になった印象深い一品です。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-27 16:48:06) |
314. 風雲のチャイナ
《ネタバレ》 1920年代、内戦に於ける中国が舞台。アメリカ人宣教師とフィアンセが上海で結婚式を挙げる当日はぐれてしまい、助けてくれた中国軍将軍との愛憎模様が描かれています。将軍の人物像が甘ちゃん以外はキャプラらしからぬユーモアも甘さも無い苦いお話な珍品で、アメリカ人宣教師の独り善がり、思い上がりを指摘しているのに100へぇです。バーバラ・スタンウィックはまずまずといったところ。将軍のメイクが11時5分のような眉毛と思いっきりつり上がった細い目に苦笑ですが、演じるニルス・アスターというスウェーデン人がとってもオトコマエなのに1000へぇで、お茶をあおる姿が甘いというか切ないというかリプレイタイムとなりました。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-06-27 04:00:43) |
315. 偽りの花園
《ネタバレ》 金銭欲が隔てる悪人組と善人組が織りなす一族愛憎劇。ベティ・デイヴィス、ハーバート・マーシャルの終盤頂上決戦が圧巻。心臓を抉るような口撃で発作に追い込み薬瓶が割れる。片や「このまま死ねばいいわ、早く逝って」片や「ああ、もうダメかもしれない」鬼気迫る演技(リプレイタイム)に両手握り拳。悪人組の泣きっ面が見れなかった結末がちょっと悔しい(-1点)ながらも見応え満点の秀作です。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-26 16:35:43) |
316. 性本能と原爆戦
原爆が投下されたのですがその描写は無く、家族4人の長であるレイ・ミランドの本性と生存本能が描かれています。このお父さんのサバイバル術はとても理路整然とした且つ銃にものを言わせてどんな事でもやってのける血圧が上がる姿でした。 キューバ危機最中の作品で、こういう浅ましい事は止めましょうというレイ・ミランド監督の警鐘なのでしょうか? 原爆の雑な扱われかたに白けた作品。 [DVD(字幕)] 5点(2022-06-24 02:07:17) |
317. 殺人者(1946)
事件の真相に向けての展開に手に汗握ったのですが、終盤がワケワカメで余韻の無い結末が残念。若きバート・ランカスター&エヴァ・ガードナーは硬い演技だったものの、ハッとする美しさは後の大スターの片鱗がうかがえるものでした。クレジットは彼等に続いて3番目のエドモンド・オブライエンが実質主役。手堅い演技ながら華に欠ける姿に3番目も止む無しかといったところです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-21 09:39:56) |
318. 愛しのシバよ帰れ
「変えられるものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、そして両者を識別する知恵を与えたまえ」(ラインホールド・ニーバー) 夫婦の生き様が描かれています。夫はアルコールに依存、妻は亡くした子をシバに重ね合わせ繰り言三昧自堕落な毎日、共に後ろ向きな日々。 間借り人となった太陽の如き明るい女学生マリーに二人の心が揺れ動く。 なかなか見応えある展開でしたが、画面映え皆無なシャーリー・ブース(この年のオスカーは余程の不作だったのか?)とスターのオーラに溢れるバート・ランカスターが親子に見えて興に乗れません。 オレ様具合が苦手なバート・ランカスターですが、本作の好演には拍手。 もどかしさ一杯の惜しい作品でした。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-06-20 16:16:46) |
319. ボーン・イエスタデイ(1950)
1993年版が本作を忠実にリメイクしていることが分かります。演者の比較になるのですが、軍配はリメイク版に。とりわけジュディ・ホリディがオスカー受賞というのに「これで? 何で?」が無限大。 [DVD(字幕)] 5点(2022-06-16 00:49:02) |
320. 魔人ドラキュラ
ドラキュラ伯爵像を確立させたベラ・ルゴシ。能楽のような立ち居振る舞いで端正な顔立ちながら見開かれた目はまさに人外。唯一無二のキャラクターを得ながらトッド・ブラウニングらしからぬおとなしい演出が何とも惜しいところです。 [DVD(字幕)] 7点(2022-06-14 01:26:23) |