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タコ太(ぺいぺい)さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1395
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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41.  M3GAN ミーガン 《ネタバレ》 
プロットそのものとしては少なからず既視感のある、ホラーと言うよりエンタメ色の強いSFサスペンスですね。  ミーガン誕生までの流れは、SF的には荒唐無稽と言いますかご都合主義が過ぎる気がします。いっそのことミーガンありきの設定でも良かったのかも。試作失敗だとか既製品の廉価版開発の遅れだとかのエピソード抜きで、会社に秘密で3人の技術者が極秘開発していた超高性能AI搭載ロボットがありまして、みたいに。それだと薄すぎるかなぁ?  でも、両親を失った幼女の悲しみ、救いを求める心、そして擬人化した「物」への依存というメンタル的な流れは丁寧に語られていると思いますし、何だかんだ言って(個人的には)「嫌な女」っぽく表現されていた叔母が、姪の心の移ろいによって本当に大切なものを見つけて行くあたりは、薄くはあるものの良質なヒューマンドラマであるとも思えます。  終盤までは「何だよ大人たちはどいつもこいつもクズじゃないか!悪ガキもざまーみろ。ミーガン頑張れ!」みたいに作品世界に入りつつ、終盤には「ミーガンはヤバイよ。頑張れブルース!」みたいになっている。結構感情移入してしまいました。  ネットワークを通じてスマートスピーカーに移り住んだミーガンの「心」は、既にケイディを守るというミッションを離れ完全に「人間憎し」へと変化しているのでしょうか?それとも更に進化し「感情」を手に入れているのでしょうか?続編が気になります。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-01 12:43:12)(良:2票)
42.  デストイレ ザ・ファイナル(OV) 《ネタバレ》 
前作のエンディングをリピートして始まる本作。続編というより前編・後編といった感じです。  新たに登場した「速攻型トイレ」という何が「速攻」なのか良く解らない敵が登場し、主人公と前作で蘇った神父が「神に誓って」「決して離れることのない」チームを組み戦います。お互いに共に戦うことを神に誓い宣言する訳ですが、共に戦うことは聖書にも書かれていることだと熱く語り合う二人。最早完全に理解を超えてしまいました。  更に、二人だけの力では悪魔トイレには勝てないと判断し、バチカンの教皇の力を借りようとする二人。都合良いことに教皇と神父は旧友という設定で、神父が電話で事情を話し、バチカンの協力の元で対トイレ部隊を育成するべく二人はバチカンに向かうことに。教皇はプライベートジェットを手配してくれ、「破邪便器守護符」も携えているとのことで危機感ゼロで空の旅を楽しむ二人。  しかし、そこに現れる呪いのトイレットペーパー。機内での戦いが始まり、更には悪魔の力で戦いの場は荒野へ。二人は「便記」の言葉に従いトイレの導きのままに荒野を進むのですが、謎の虫の大群、鳥の大群、蝶の大群、上空に浮かぶUFO、更には巨大なサメまで登場、まさにカオスです。  結局、神父は超能力まで発揮し、主人公は機内でまさかの機関銃乱射、どう見ても機内のトイレとは思えない広いトイレでの戦いに二人は勝利。かと思いきや「便器男」なる者の声がスマートスピーカーから流れ、飛行機は爆破されてお終い。  何なんでしょうか、これ?完全に破綻してしまいました。思えば第2作で諦めるべきでした。本作で少しは期待していたサメの登場も、一瞬のことで主人公と戦うこともありませんでした。  邦題では「ファイナル」とされていますが原題の副題は「ブラウンスネーク」、毒蛇ですね。タイトルすらも謎のままに第5弾製作中だとか。第1作を見た限りでは、回を重ねれば少しは楽しめるのではとの期待もないことはなく、結果本作まで観続けてしまいましたが、期待は空回りに終わりました。まぁ想定内ですが。もう鑑賞することはないでしょう。さようなら。
[インターネット(字幕)] 1点(2024-02-01 11:50:27)
43.  デストイレIII 呪いの悪魔便器(OV) 《ネタバレ》 
シリーズ3作目となる本作、過去作同様、低予算ぶりに変わりはありません。繰り返される特殊効果、同じトイレの使いまわし、新兵器「トイレーダー」は電流計か何かでしょうか?ディスプレイは勿論ハメ込みです。  前作での戦い以降、世界中で活躍したと言いながら、地図と国名を出すだけという超省略。もとより現地ロケなど期待はしていませんが、もう少し工夫して演出出来なかったものか。それって本作前半のメインストーリーでしょうに。そして、便器爆破の特殊効果と同じぐらい、全編通じて行われる尺の引き延ばし。同じセリフを連呼するカットの何と多いことか。  疲れました。ファイナルと銘打った次作。どうなることやら…。  それにしてもラストのビーチシーン。急に小太りのオジサン2人がビーチでフリスビーに興じるところを延々と見せられても、疑うまでもなく発報しそうな「トイレーダー」に向けて「サッサと発報しなさい!」と言いたくなるばかり。意外にも神父さん役の方が動きが軽快で驚きましたが…。
[インターネット(字幕)] 1点(2024-01-30 15:33:46)
44.  デストイレII 復讐の悪魔便器(OV) 《ネタバレ》 
いきなり何故か「第1歩兵師団」についてのそこそこ尺を取った説明から始まるシリーズ第二弾。参りました。幾度となく放り出したくなりながらも漸く観終えた感じです。  元々少なからずコメディ感のある作品ですが(ツボにハマれば大笑いする方もいるでしょう)、第二弾はコメディ色を強めたものと思われます。なので、主人公が前作以降はF1ドライバー(どう見てもF1の車両ではありませんし、あの体型ではコクピットに入れるのか疑問ですが)として世界を席巻しているというトンデモない設定もありなのでしょう。そもそも前作のラストでは絶命したのではないかと思ってたぐらいですし。  いずれにしても超低予算(ほぼノー予算)の家庭用ビデオ作品であることは変わりありません。画質や音響・特殊効果等々は勿論のこと、何か所か登場するトイレは同じトイレを使ってたり(しかも演出上ではなく元々汚れてるのをそのまま使ってたり)、ロケ地の風景として使用している映像が使い回しし過ぎて?ノイズだらけだったり…。  肝心の物語も相当に破綻してます。便器に飲まれた主人公が悪魔に取り憑かれて生還したけれど、神父に倒され光となって昇天しながらも結局生還し直して悪魔に勝つという流れなんですが、全て結果ありきなので経過はダラダラと同じ場面と同じセリフの繰り返し的。必要なのは観る者の理解力ではなく忍耐力という展開です。  「キリストワイパー」なる道具でトイレ掃除すると悪魔祓いになるとか、神父の言動や行動は教会関係から怒られそうです。「トイレこそ我が運命」って叫ばれても困ります。  あと2作。挽回してくれるのでしょうか?
[インターネット(字幕)] 1点(2024-01-30 11:27:59)
45.  デストイレ(OV) 《ネタバレ》 
正直なところ、本作を知った当初、鑑賞意欲はほぼ湧きませんでした。手頃な尺の作品とは言え、おどろおどろしく描かれたポスター(便器の蓋には漢字で「死」)と、原題・邦題ともに「デストイレ」というストレートなネーミング。何となく想像つきます。観終わって後悔している自らの姿も。ところがその後3作も続編が作られ、最終作はサメまで登場すると聞き俄然興味が湧いた次第です。果たして、便器が人を襲うというネタでどうやって4作も作ったのかと。  結果、やはり若干の後悔が…。あまりにチープ。冒頭のカットからして思いっ切りホームビデオ。出演する俳優さん(監督さんも出演ですね)も俳優さんらしからぬ雰囲気。特殊効果に至っては…。そもそもがビデオ作品とは言え、あまりにチープな画面には引いてしまいます。  ストーリーとしては決して最悪とは言いません。便器に悪魔が取り憑いて人を襲う。最も無防備な状況とも言えるであろう排便時に突如便器から襲われる。これは恐いです。古来、本邦の怪談話には便所の恐怖が語られるものが数多くありますし、近年でも都市伝説にトイレの恐怖は大いに登場します。洋物のトイレ怪談はあまり記憶にないのですが、人間誰しもトイレには安息と恐怖の両極端を感じるのではないでしょうか?  作りようによっては良質なホラーになり得るかなとも思えるところですが、本作は大いにコケてしまいましたね。続編で軌道修正なるか?怖いもの見たさで観てみたいと思います。  蛇足① 便器内に浮かぶ被害者の一部。どうみても目玉にしか見えませんが、サバイバルナイフの位置から考えて○ン玉に思えるのですが…謎です。 蛇足② 作品中に使用されているオナラの音は全て本物です。ってアンタは一体何を言いたいの?何をしたいの?? 蛇足③ 登場する「ピストル」は作品的には「ホンモノ」なのでしょうか?壊れたモデルガン(プラモデル)を黒いビニールテープでぐるぐる巻きにしているようにしか見えません。
[インターネット(字幕)] 2点(2024-01-25 01:04:41)
46.  この世に私の居場所なんてない 《ネタバレ》 
何をやってもダメなヒロイン。てか、何をやってもダメと思っている超マイナス思考のヒロインと言った方が妥当かも。  そんな彼女の家に空き巣が入り、ラップトップと祖母の形見の銀食器が盗まれてしまう。警察は親切に(当たり前の)捜査をしてくれるが、彼女の求める捜査とは違う。彼女はもっと自分のことを見て欲しい。彼女だけのために親身になって集中して捜査して欲しい。  この件に留まらず、彼女が周囲に求めるものは結構我儘で自分勝手かも。だから、何かにつけて彼女は満足出来ないでいるような。楽しみに読んでいる小説のネタバレをされてしまう件を除いて(これはホント可哀そう)、概ね受け取り方次第じゃないかなと思えてしまう。  とは言え、振り返ってみれば、かく言う私とて他人のことは言えないようにも思え、ヒロインを全否定は出来ないように思えたりもする。現代社会で自分のスタイルを確立して独りで生きるのは、極めてハードルの高い所業。それでも独りで生きようとするヒロインがどこかしら愛おしくなりました。メラニー・リンスキーが時折り魅せるキュートな素顔が良いです。  相棒として彼女に付き合うトニーがまた良いですね。単なる自分勝手なオタクではなくて、キチンと人と接することの出来るある意味常識人。イライジャ・ウッドの好演が光るところです。  ただ、結局ルースは何を学んだのでしょう?生きることの幸せを掴めたのでしょうか?そしてラストシーンのトニーは幻想なのでしょうか?重傷を負い息絶えたかのように思えましたが…。  コメディタッチのサスペンスは大いに楽しめました。が、観終わった後、何かスッキリしないと言うか後味の悪さが残ってしまいました。現代社会に生きる人間にとってのモヤっとしたテーマこそが本作の味なのかも知れませんが。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-01-24 23:50:48)
47.  炎のデス・ポリス 《ネタバレ》 
何も考えず単にアクション作品として楽しむ分には、見応えもありますし決して退屈などしないスピーディな展開です。シンプルに面白かったです。  ただし、ストーリーとしては薄いと言うか特に目新しさもなく、具体的には思い付きませんが焼き直し感があります。設定や演出にも粗が目立ちますね。銃器の扱いが矢鱈雑だったり、警察署の設備が規模や立地の割に妙に豪華だったり、何より登場人物、特にメインのヴァレリーとボブのキャラ設定が今ひとつ徹底されていない感じ。  結局あの青い鞄は何だったのか?救急車乗っ取ってまで丸腰でボブを追うヴァレリーの無軌道な行動の破天荒ぶりは何なのか?途中まではどうなることやらと多少はハラハラドキドキ感がありましたが、能天気なエンディングに拍子抜けした感じでした。  肩肘張らないポップコーンムービーということで5点献上です。  それにしても原題と邦題の温度差がスゴイですね。思いっきり盛った感のある邦題の方が、鑑賞意欲を呼び起こしてくれるかも。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-01-22 10:48:35)
48.  search サーチ 《ネタバレ》 
正直なところ、冒頭のPC画面のみによる語り出しには抵抗を感じました。日頃からスマホよりPC中心にネットライフに勤しんでいる自分ではありますが、他人が操作するPC画面では字幕を見る余裕もなく展開してしまい追い付くのがやっと。もし映画館で観ていたら酔ってしまったかも。そういう意味では、熟練の映画ファンの方であっても、PCはイマイチ馴染めないという場合にはオープニングで「NO!」かも知れませんね。  ただし、本作独自のその手法に慣れてしまえば寧ろそのスピード感が心地良く、いつの間にやら作品世界に没入していました。一種のPOVとでも言いましょうか、アイディア一発勝負のこの演出方法は、二番煎じ三番煎じとなると上手く行かないような気がしますが、こと本作においては大成功と言って良いかと思います。  もっとも、PCやスマホの技術が今も尚日進月歩の現代においては、近い将来には極めて懐古的な作風になってしまうことも確かでしょう。旬のうちに楽しむのが正解かと思われます。  そして肝心のストーリーですが、個人的にはヴィックの行動に十分意外性を感じて驚けましたし、マーゴットの安否についてのサプライズ的展開もさり気なく挿し込まれていて良かったと思います。ミステリー、サスペンスとして見応えを感じました。スケープゴート的に登場する娘の叔父やネットフレンドへの疑惑も上手く盛り込まれていたと思います。尺の短さ故に深味という意味では物足りなさがないこともありませんが、逆に展開が早くて大いに惹き込まれました。  まさに、観た後素直に「面白かった!」と言えた佳作に8点献上します。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-21 11:03:28)
49.  ビフォア・アイ・フォール 《ネタバレ》 
形式的にはSFサスペンス的タイムループものですが、戸惑いながら青春の中にある女子高生の心の成長を描いたヒューマンドラマですね。タイトルからして些か宗教的、道徳的な香りがしないでもないのですが、タイムループを繰り返す度に成長していくヒロインの姿が等身大に描かれていて、青春ドラマとして好感が持てました。ヒロイン・サマンサ役のゾーイ・ドゥイッチが素晴らしい。何人もの役をこなしてる感じがします。  パーティシーンなんか見ていると、これって高校生?アメリカの高校生はこんなに乱れ切ってるのか?なんて思ってしまいそうですが、ま、こういう子たちもいるってことなのでしょうね。子どもから抜け切れない少年少女の残酷なぐらいのストレートな暴走。そんな姿を見せることでこの物語が成立しているとも言えるでしょうし。  ちなみに、ここで描かれるタイムループは、原理原則的な説明は一切なく、極めてシンプルにシチュエーションとしての設定というか物語の構成上のアイテム。なのでそこはツッコミどころではないと思います。強いて個人的考察を披露させていただくならば、始めの一日でリンジ―の運転するクルマが起こす事故はジュリエットを轢き殺してしまった衝撃で起きたもの。乗車していた4人も即死し、そのことが引き金になってタイムループが始まってしまう。ループを止めるにはジュリエットの死への決意を止めなければならない。しかし、彼女の人生に対する絶望感と死への決意は堅い。現状のサマンサにはどうにも出来ない。親友たちの心を動かし状況を変える必要がある。そしてサマンサの成長なしには親友たちの心を動かしようもない。だからループを繰り返し、その都度サマンサは成長していく。といったところでしょうか?  サマンサの命と引き換えない限りタイムループが止まらなかったのだろうか?サマンサが死んでしまった後に残るものは、家族や親友たちやジュリエットやケントの深い悲しみと喪失感ばかりではないのか?極論としては、高校生活が一瞬であっという間に忘れ去ってしまうように、ジュリエットの死もすぐさま忘れ去られてしまうのではないか?だとすれば、サマンサの死によるあまりに大きな喪失感の方が防ぐべきではないのか?  もしかしたら、最初の事故でサマンサは死んでしまい、その後に描かれるタイムループは死後の世界、サマンサの魂が地獄に堕ちる前に最後の試練が与えられ、結果それを乗り越えたサマンサは天に召されるという「実は死んでます系」なのかも知れません。その場合若干既視感のある設定になってしまいますが、その方がより好感の持てる着地点かも知れません。  等々、観終わった後の疑問は多々ありますが、一人の少女の心の成長、本当の愛への目覚めを描いたドラマとしてシンプルに観る限り、丁寧に作られた青春ドラマとして楽しめました。こうやって反芻出来る作品は好みです。迷いますが8点に近い7点を献上します。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-01-18 11:08:23)
50.  孤独なふりした世界で 《ネタバレ》 
人口1600人の街で図書館に勤め住人との交流もあったであろうデル。しかし彼は孤独だった。そして、ある日突然の住人死滅。彼は真に孤独になった。しかし、それは彼が心のどこかで求めていた孤独だった。けれども、その孤独は彼の心の隙間を決して埋めてくれるものではなかった。  おそらくは善意であれ悪意であれ差別的な出来事もあったのでしょう。母親との生活も満たされたものではなかったようです。住人死滅以前の孤独は彼が作り上げた孤独。住人死滅後の孤独は望む望まざるを問わずに降りかかった孤独。真に孤独な状態は彼の真意ではなかったのだと思います。  それでも貫いた孤独。如何に善行を積もうと「するべきこと」を全うしようと、彼の心は決して満たされてはいなかった。彼は認めないまでも、住民死滅後の孤独も彼が作り上げた孤独の延長に過ぎなかったのかも。  そこに突然訪れたグレース。一見して彼とは全く相入れないキャラクター。彼も彼女の存在を認めようとしなかった。何故なら彼は孤独であるべきだから。しかし、同情にかこつけて彼は彼女を受け入れる。彼は本当の意味での人との交流をずっと求めていたから。  終盤のサプライズは蛇足のようでいて蛇足ではないでしょう。外の世界の不純さとデルの世界の純粋さの対比。二人に未来はないのかも知れませんが、創られた理想郷よりも人としてありのままに生きて行くことが出来る荒廃した世界の方が、二人に幸福を約束してくれるのでしょう。  思いがけない佳作に出逢えました。限りなく9点に近い8点を献上します。  邦題は原題の優れた意訳とも思えますが、個人的には直訳で良かったのではないかと思います。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-15 17:16:50)
51.  コンティニュー 《ネタバレ》 
最近流行の(と言いたくなるぐらい散見されますね)タイムループもの。シチュエーション的にはタイムループの定番スタイルを採っていて、ゲーム仕立てに演出することで主人公が死にまくる(時として結構グロく)にも関わらず悲壮感は皆無。基本的にコメディと言って良いかも知れません。主人公が作品中で80年代アーケードゲームに興じるなんてのは結構好きな演出です。  物語の核となる秘密のマシンについては、その理論が科学的根拠に基づいているようで結構アバウト。なので、本格的なSFタイムループものとして受け止めてはいかんのだと思います。あくまでもエンタメ作品。ありえねー!と叫びたくなるような主人公の活躍ぶりも、これでいいのだ!と理解するべきかと。  テーマ性を前面に押し出した本格SF作品ではなく、あくまでも殆ど悪ふざけに近いノリのコミカルアクション作品として観る限り、非常に楽しい時間を過ごせました。  主人公の愛息役の子役が何とも可愛らしく良い表情でした。でも、個人的にはナオミ・ワッツ様の変わらぬ美しさに出逢えたことが一番の満足点。それもあって甘めの8点献上です。  ちなみに、ラストはあれで良いかと思います。ハッピーエンドもバッドエンドも説明的で野暮になっちゃうでしょう。説明が破綻してしまうでしょうし。(そこに至るまでに相当破綻してはいますが)
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-15 11:19:05)
52.  1922 《ネタバレ》 
全編通じての重苦しさ、不快さ、決して感情移入致しかねる登場人物の心理と行動。如何にもキング作品の実写版といった風情です。  1922年当時のアメリカ、ネブラスカ州の家族観や社会的背景等々について、ほぼ無知と言ってもいいであろう自分としては、妻に突き放された男の苦悩や悲哀、怒りといった感情は理解出来ず、恐らくは日頃から「かかあ天下」的な家庭であったと思われるジェームズ家における夫婦関係や親子関係も推察し難いものがあります。  端的に言えば感情移入不能。え?それで離婚?それで殺す?息子巻き込むの?刃物で殺すの?井戸の埋め戻しってバレバレじゃない?全てにおいて感情移入出来ませんでした。(個人的には牛を巻き込んだことが地獄行き確定の最悪の罪)  ところが、観続けていくと何やら心境に変化が。キング作品の常と言いましょうか、滅茶苦茶胸糞悪いのですが何故か思いを馳せてしまう。いつの間にか主人公に対して悲哀の念を感じてしまいました。ある種の同情なのか、感情移入とは異なる疑似体験的な心理なのか。理由はどうあれ罪は罪。単に犯罪者である主人公なのにどこか哀れに思えてしまう。  人生の選択は誰にでも常に付き纏うものだと思いますが、たった一度の選択のミス(極めて重大なミスではありますが)が彼の人生のみならず息子や息子の恋人、そしてその家族へとその影響が連鎖し、不幸の構図が出来上がって行く。恐ろしいことです。  ラストシーン。彼は自死したのか?それとも既にほぼ崩壊していた精神が感滅的に崩れ去ってしまったのか?いずれにしても、その先に待っているのは地獄ということですね。  重たかったなぁ。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-01-14 14:33:49)
53.  ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 《ネタバレ》 
既に「1」のレビューアーさんが書いていらっしゃいますが、私も幾つかのヒッチコック作品のエッセンスを感じました。勿論、模倣ではなくオマージュとして。  ヒロインを広場恐怖症とすることで古びたアパートメントを極上の閉鎖空間に仕上げ、あたかも舞台劇の如く空間としては限定しながらも奥行と深さを感じさせてくれる演出。色彩感覚を混乱させるようなインテリアの数々と、より一層その効果を高めるカメラアングルや照明。そして何より、総ての出演者が確実に役を演じ切っていることによって惹き込まれる作品世界。ひさびさに上質なスリラーを楽しませていただけました。  強いて残念な点を挙げさせていただくとすれば、物語の展開としては非常にオーソドックスであること。必要以上に奇を衒うことのない展開は寧ろ好ましくもあるのですが、意外性という点では特筆すべきものはないかなと。伏線の数々もある程度想定可能なものが多かったのではないかと。そして、種明かしの核とも言える真犯人であった少年の犯行動機にしても、少々強引と言うか、連続殺人犯の卵とも言うべき人間の心理としては直球過ぎるような。  とは言え十分に見応えのあるスリラー作品であることは間違いなく、迷いつつも8点献上とします。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-13 18:02:33)
54.  ハリガン氏の電話 《ネタバレ》 
いかにもスティーブン・キング原作と納得の作品。一人の少年の成長を描いたヒューマンドラマとして登場人物の人間模様を描きつつ、ファンタジー、或いはホラー風味もしっかりと効かせた展開、良いですね。  憎しみのあまりその対象の死を望むと実現してしまう。これは単なる偶然か?それとも今は亡きハリガン氏の超自然的な力によるものなのか?明確な種明かしのない結末は如何にもキング作品。そのことに焦点を当て過ぎるとオカルトホラーになりかねない。ギリギリのところで踏み留まって、ある意味曖昧にしておく。このあたりの匙加減が絶妙です。  原作未読ですが、おそらく読めば本作の魅力が増すことは間違いないかと。個人的には、キング作品は原作の方が優る場合が殆どと思っています。が、本作の場合は映画化しても作品の魅力は損なわれていないと感じます。8点献上。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-01-12 18:40:29)
55.  ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 《ネタバレ》 
端的に言えば、ワクワクドキドキ出来るアクション巨編。そこに最新鋭の技術を駆使してビジュアル化した恐竜たちが闊歩する。それに尽きますね。  初作から楽しんで来たファンにとっては、サム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラムの御三方の健在ぶりは涙モノ。当時のままのキャラ設定にも満足。  強いて不満足点を言わせていただけば、多くの皆様のご指摘にもある通りストーリーそのもの。そこを重視する方にとっては本作の致命的なマイナス点かも知れませんが。DNAとか遺伝子とかのコントロールによる暴走劇は決して目新しくなく、バイクと恐竜の追走劇は見応えのある出来栄えではあるものの、インディジョーンズのパロディの感が拭えません。思えば、全編通じてシリーズそのものも含んだ何かしらの作品のパロディ(オマージュと言った方が適切かも)を感じるカットが多出します。個人的にはその辺りも作品も魅力として受け止めましたが。  否定的に観てしまうと、本作の設定として恐竜が蘇った世界であることの必然性はあるのか?と思えないこともないでしょう。実際イナゴの位置付けは恐竜を超えたものになってしまっていますし。もっと恐竜たちの存在感を演出して欲しかった、というのが正直なところです。  とは言え、決して否定はしません。楽しかったです。思い出に残る秀作とはお世辞にも言えませんし、後日談を作り放題のような伏線回収等なしのエンディングではありますが、他の如何なる恐竜映画も決して超えることが出来ない金字塔を打ち建てたシリーズの最後を飾るに相応しい豪華なエンタメ大作でした。  ちなみに、原題も邦題も副題はハズレですね。せめて邦題は原題を無視してでも工夫して欲しかったところです。(原題の意訳かと思いますので邦題の評価は付けませんが)
[インターネット(字幕)] 6点(2024-01-12 11:12:31)(良:1票)
56.  オペレーション・フォーチュン 《ネタバレ》 
無敵のジェイソン。今回はほぼ危機に陥ることもなく、仲間を失うこともなく、完璧な強さを魅せてくれます。いいですね、この展開。個人的には、こういった展開を痛快アクションものに求めています。  そういう意味ではドストライク作品。アクションは迫力十分、コミカルな演出も多用されていて笑いも十分、キャスティングも文句なしで一人ひとりがイイ味出してます。  ただし、物語的には極めて凡庸。捻りなし。サプライズなし。お約束感と予定調和のオンパレードといった感じ。アクション主体のエンタメ作品ではあるものの、少しは唸らせられる展開が欲しかったというのが正直な不満点です。  なので、ドストライクではありますが7点献上が限度かな。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-01-09 17:20:33)
57.  プリズナーズ・オブ・ゴーストランド 《ネタバレ》 
この世界観は決して嫌いではなく、第一印象としては寧ろ好きな分野と言うか好感を持って受け止めました。シチュエーション的に、あるいはビジュアル的に好きなパートはいくつもありました。しかしながらその反面、受け入れ難い描写も多々あり、監督を始めとする日本人スタッフが作り上げた作品とは思いたくない部分もありました。  つまり、個人的には極めてツギハギ感のある作品という印象で、あたかも狙っているかの如く、B級時々Z級感を醸し出すべく用意した具材をゴチャ混ぜにして繋いだという感じでした。そして、その中心を成す線上で、敢えて日本文化や歴史観を蔑んでいると言うか貶めているとでも言いましょうか。  意欲的なファンタジーホラーあるいはファンタジーサスペンスと言うべきかも知れませんが、個人的にはシニカルでダークなコメディとして理解しています。もっとハッキリとした方向性を見せて欲しかった。ニコラスさんをもっと魅力的で感情移入出来るようなキャラに仕立てて欲しかった、といった感想です。残念。
[インターネット(字幕)] 4点(2023-12-28 10:22:15)
58.  ZOOMBIE ズーンビ ネクスト・レベル 《ネタバレ》 
まさかの「ズーンビ」続編。と言っても、本作の後にはスピンオフ的作品の「シーワールドZ」もあり、更にはネット上では「3」の製作決定との情報もあったりして、アサイラムのヒットシリーズ?になりつつあります。と言うか、しつつあります。  本作は「2」ですが、時系列的には「ズーンビ」の前日譚ですね。ここで使用された新薬が発端となり「ズーンビ」や「シーワールドZ」に繋がっていくという具合です。  前作同様の、と言うかアサイラム作品のお約束どおりCG(時として着ぐるみ)は超チープで笑えるレベル。この見栄えに引いてしまう方には鑑賞出来ない作品という点では前作同様です。が、観始めて最初っから感じたのは前作より進化しているということ。何が?と言われると言葉に詰まってしまうのですが、出演者の演技に始まり相変わらずグダグダのシナリオや演出等々、確かにB級あるいはZ級作品であることに変わりないにしても、前作を超えた何かしらの見応えがある出来になっています。  ただし、あくまでもこの手の作品をワーワーと文句言いつつも爆笑出来る方、端的に言い換えればこの手の作品が「好き」な方にしかお勧めは出来ません。私は正直なところ「好き」なので大いに楽しめました。馬鹿馬鹿しいながらも大真面目に作っている(であろう)ところに惹かれます。  なので5点献上!と言いたいところですが、やはり狂暴化して暴走しているにせよ野生動物への乱射と虐殺はビジュアル的にはNG感の方が勝ってしまい、マイナス1点の4点を献上します。
[インターネット(字幕)] 4点(2023-12-26 11:55:46)
59.  ブラッド・レッド・スカイ 《ネタバレ》 
旅客機と言う閉鎖空間。凶悪で狂暴なハイジャック犯。早々にあぶり出され始末されてしまう航空警察。逃げ場もなければ闘うことも出来ない乗員・乗客。我が子を案ずる病弱な母親までもが躊躇うことなく射殺されてしまう。しかし、その母親には秘められた特殊な能力が備わっていた。彼女は不死身だったのだ。何故ならヴァンパイアだから。  いいですね。シチュエーションが大変魅力的。乗客の中にセガールさんやブルースさんのような超人的戦闘マシンがいて犯人たちを壊滅させる物語でもなく、機内で感染爆発が起きて絶望的な状況に陥るものの特異体質の乗客が感染することなく危機を救う物語でもなく、ギリギリ自己制御可能なヴァンパイアと機知に富んだ幼い息子が活躍する物語というのは新鮮でした。  しかも、犯行グループ抹殺のみならず、乗員・乗客で最終的に助かるのは善意のイスラム教徒と幼い子どもだけという絶望的なエンディングにもビックリ。あたかもハッピーエンドの如く迎えるエンディングながら、考えてみれば墜落事故に匹敵するとんでもない悲劇。踏み込んだ特殊部隊までもが全員犠牲になってしまうとは。  我が子の為ならどんなにでも狂暴になる母親ナディアのヴァンパイアっぷり、知性に溢れた愛息エリアスの冷静な判断力、テロリストに仕立て上げられ重傷を負いつつも勇敢に振舞うイスラム系男性のファリード。出演する人物も魅力的です。アメリカとドイツとの合作とはなっていますが、ハリウッド製のパニック・ホラーとはひと味もふた味も違う魅力を感じた佳作でした。  強いて言うなら、ヴァンパイアに咬まれた者がヴァンパイアに変わる様がかなりゾンビ映画的なあたりは、ヴァンパイアものがお好きな方には違和感があるかも知れませんね。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-12-25 11:22:08)
60.  アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 
遅れ馳せながら鑑賞。皆さんのレビューは一通り拝読しました。必然的に重複してしまう部分がありますがご容赦ください。  子どもと女性を狙撃するという、主人公の在り方そのものを観客に理解させるかのようなシーンを冒頭に持って来て、その後に主人公がどのような家庭教育の元に「番犬」として人格形成されて来たかを盛り込む。その時点では作品世界に入れませんでした。そもそも、個人的にはハンティングと称して野生動物を射殺すること自体の価値観を全くもって理解出来ないので。なので作品世界には乗り遅れ気味に鑑賞開始した感じです。  ひとことで言えば(ひとことになっていないかも知れませんが)戦争映画としての盛り上がり方を備えつつも、その戦争の意味や背景、そこで闘う者のアイデンティティ等の深掘りに徹することなく平板に仕上げられた作品(良い意味で)、だと思います。  「アメリカ万歳!」に走ることもなく「戦争反対!」に走ることもない。只管無音で無言のエンドロールが作品としての在り方を象徴していますね。「オープンエンドの作品」と言っても良いように思えます。物語が終わった後の数分間の沈黙の中、それぞれ考えを深めて欲しいと言わんばかりに。ある意味、クリント・イーストウッド作品に共通した重みを感じた数分間でした。  正義とは何でしょうか?平和とは何でしょうか?命とは何でしょうか?そして英雄と狂気の境界はどこにあるのでしょうか?主人公が残していったものは何だったのでしょう?  欧州や中東での戦禍が激しく繰り広げられ、遠く離れた我が国のニュースにも毎日欠かさずその現況が繰り返し報じられる中、平和ボケした戦後生まれの自分が今ひとつ我が身のこととして真剣に受け止めることが出来ないのは恥じるべきことなのでしょうか?答えは見つかりません。  主人公の最期の日、妻に向けられたリボルバーの銃口が恐ろしかったです。結局彼は回復することなく、自らの精神に蓋をして、生まれて以来培ってきたものを塗りこめていただけだったように思えてなりません。  戦争映画としては、アクション中心でもなくヒューマニズム中心でもなく、いささか中途半端に受け止められてしまいかねないかも知れませんが、戦地から遠く離れた平和ボケの私の脳内にまで一石を投じ、何かを考えさせてくれた異色の戦争映画でした。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-12-24 14:28:43)
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