941. 偽りの忠誠 ナチスが愛した女
齢87歳にして矍鑠としているクリストファー・プラマー。往時より軍服姿が誰よりも板についている彼は本作でも威厳に満ちた佇まいを見せる。 印象深いのはエディ・マーサンが演じたハインリヒ・ヒムラーで見事な役作りだった。 漂う残忍さはナチスそのもので、傲慢な皇帝を黙らせる冷徹さだった。 物語としては大尉とメイド、皇帝とメイドの交流に現実味を感じなく、肝心のサスペンス色も弱い。都合よくまとめられた結末もまったく物足りない。 [DVD(字幕)] 6点(2017-11-02 13:37:24) |
942. スコルピオ
子供時分にどうしても観たかった念願がようやく叶い、更にポール・スコフィールド出演に期待がパンパンに膨れ上がる。彼の重厚な声に惚れ惚れするも中途半端な役どころでフェードアウトしてしまうのが歯痒い。アラン・ドロンは浮ついているし、バート・ランカスターは痛々しい。空回り感が残念な作品。 [DVD(字幕)] 6点(2017-10-23 09:53:17) |
943. ハムレット(1990)
《ネタバレ》 初見、原作未読。苦手なメル・ギブソンの嫌味のない熱演に好感が持てました。僅かな出番で物語を引き締めるポール・スコフィールドの凄味に魅入ります。結末は人を呪わば穴二つの上に叔父と母まで死んでしまう重苦しいものでした。諸悪の根源である叔父の淡白さが残念でした。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-10-21 23:16:58) |
944. エド・ウッド
才能が無い事にこれっぽっちもへこまなく常にポジティブな姿勢にリラックスさせられる。落ちぶれたベラ・ルゴシに、82歳でオスカー受賞のクリストファー・プラマーが「70歳からいい役が回ってくるようになった」と言った事が思い浮かんだ。うら寂しさを見せつけたマーティン・ランドーの熱演に点数の全てを。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-08-20 01:29:35) |
945. 王様のためのホログラム
ホログラムの商談が二の次三の次なのは大いに不満。心身共に疲弊してゆくアランがユセフやザーラとの出会いを通じて活力が甦る模様は、「プロの仕事人」とは別の顔「困ったなぁ、トホホ」のトム・ハンクスのオーラが全開。「大丈夫、まだ時間はある、必ず時間はある」という彼の言葉を心に留めておこう。砂上の楼閣を形にしたようなサウジアラビアの建築物が印象的。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-08-16 13:30:09) |
946. 王になろうとした男
雄大な地を舞台に繰り広げられるバディムービー。見果てぬ夢を追う男のロマンと未開の者達を食い物にしようとする文明人の身勝手さを感じました。カナハン演ずる瑞々しいマイケル・ケインに目を奪われっ放しでした。眼鏡と髭のせいなのか「これは本当にクリストファー・プラマーなのか?」釈然としなかったことにモヤモヤが残ります。 [DVD(字幕)] 6点(2017-07-08 21:57:28) |
947. 外套と短剣
《ネタバレ》 ローダー博士の誘拐、ボルダ教授の娘の奪還シーンは示されず、ジェスパーとジーナのロマンスに重きをおかれていて盛りあがりに欠ける作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2017-05-30 01:13:41) |
948. 恐怖省
敵味方の見極めが困難な疑心暗鬼の状態に陥る映像の中で映える端整なレイ・ミランド。監督特有の雰囲気の味わいが、ストーリーを把握しきれないもどかしさに優る。 [DVD(字幕)] 6点(2017-05-12 12:56:18) |
949. サブウェイ123 激突
《ネタバレ》 オリジナル未見。犯行目的が曖昧な元証券マンらしからぬ残忍性溢れる犯人と始終モッサリしたガーバーの対峙に魅せられず。派手な現金移送シーンで「何故ヘリを使わんのだ」という市長に「ごもっとも、でもアンタがそれを言うのか」と苦笑させられる。空回り感が強い作品。 [DVD(字幕)] 6点(2017-05-03 09:52:21) |
950. 大いなる陰謀
《ネタバレ》 ここまであからさまな共和党批判作が大物俳優の出演を得て作られた事に面食らう。議員と新聞記者、教授と学生がピーチクパーチク喋っている間に愛国心ある黒人とメキシコ人の志願兵がアフガンの2400mの雪山で戦死する。「正義」と「善」の違いを考えさせられた作品。 [DVD(字幕)] 6点(2017-03-20 00:03:56) |
951. ゼロ・ダーク・サーティ
《ネタバレ》 無辜の人をテロで闇討ちにする輩に対する拷問(新大統領が復活させたがっている水責めもありました)は仕方ないと思います。マヤが同僚を爆殺された後私怨に走ったのも仕方ないと思います。ラストで独り涙する彼女が将来、両親を目の前で殺された子供達の報復に怯えて生きてゆかなければならないのも仕方ないと思います。力だけが正しい憎悪の連鎖が終わらないのも仕方ないと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2017-01-29 15:10:22)(良:1票) |
952. 恋におちたシェイクスピア
物語の着想は良いものの、ロミオとジュリエットの悲恋と実生活のイチャイチャぶりの落差に白けてしまう。情けない役どころをキッチリこなすコリン・ファース、出ずっぱりのジェフリー・ラッシュ、僅かの登場シーンに存在感を示し美味しいところを持っていったジュディ・デンチ。豪華脇役陣にそこそこ楽しませてもらった。 [DVD(字幕)] 6点(2017-01-14 23:47:42) |
953. 羊たちの沈黙
初見。静かな狂人アンソニー・ホプキンスと聡明で勇敢なジョディ・フォスターの対峙に見惚れるものの、その他の展開が無理筋が多く興醒めしてしまう。チルトンの最期が想像させられるラストショットが怖い。このように本作では見せない演出が博士の残虐さを際立たせる。 [DVD(字幕)] 6点(2017-01-03 00:19:18) |
954. リピーテッド
《ネタバレ》 今作のコリン・ファースは誠実なのか不誠実なのか、あれこれ想像しながらの鑑賞。気怠い展開に催してきた眠気を体重の乗った左張り手が覚ましてくれました。そこからラストまで不誠実を堪能できました。鑑賞後にあれやこれやの疑問が。①壁に貼られている二人の結婚写真 ②先の事件でホテルから発見現場までの目撃者がないのか ③警察の捜査 ④あの場所にあったアイロン ⑤眠ると無くなる記憶はうたた寝や昼寝や徹夜の場合は。 毎朝「僕は夫のベン・・・」と説明する幸せに思えない生活を続ける彼女への愛情と犯行発覚の恐れが綯い交ぜになった歪んだ人格者を好演した彼に惹かれた思いが、無理があり深みのない展開に醒めてしまった作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2016-11-25 14:08:28) |
955. マネーモンスター
大がかりで華やかさに溢れた演出でもってテンポよく進んでゆく起承転結を楽しめました。「汗水垂らしてコツコツと働く」は死語なのだろうかと考えさせられました。 [DVD(字幕)] 6点(2016-11-14 00:04:21) |
956. ラストキング・オブ・スコットランド
《ネタバレ》 未熟で浅はかな「アミンの白いサル」ニコラス医師に味わわされた相当な後味の悪さは、架空の人物だという事に少しだけ和らいだ。 [DVD(字幕)] 6点(2016-08-14 20:18:09) |
957. テキサスの五人の仲間
《ネタバレ》 観ていて虫唾が走る情けないヘンリー・フォンダが招いた窮地をジョアン・ウッドワードはどのように脱するのか見入ってしまう。逆転勝利はめでたいながらも都合が良過ぎる気がしていたら、「五人の仲間」の意味が解って醒めてしまう。特に健気だと思っていた子供を思うと後味の悪さが募る。 [DVD(字幕)] 6点(2016-08-01 12:48:49) |
958. サイダーハウス・ルール
《ネタバレ》 マイケル・ケイン演じるラーチ医師が出色の存在。孤児達を守る慈愛に満ちた父親。法を犯しても堕胎を行う信念の医師。実子のように接するホーマー可愛さのあまりに卒業証書偽造や徴兵逃れのレントゲン写真すり替えを行うあまりにも身勝手な親馬鹿。ホーマーが巣立った後の喪失感が滲むエーテル中毒。彼の辿ってきた人生を見てみたかった。ホーマーはラーチの後を継いで孤児院に戻ったが、2年ばかりのサイダーハウスでの体験は彼にとって貴重なものとは思えないところが減点。 [DVD(字幕)] 6点(2016-06-12 18:44:27) |
959. 007/スペクター
哀切感に満ちた主題歌に圧倒されるも、プロフェルドとボンドの因縁、プロフェルドの企み等、お話のレベルが曲と不釣り合い。残念。 [DVD(字幕)] 6点(2016-04-26 01:19:27) |
960. ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
《ネタバレ》 シリーズ初見。レベッカ・ファーガソンに釘付けで、トム・クルーズが脇役に見えた。大義名分を振りかざす組織がいとも簡単に、命懸けで働く部下を裏切る話は切ない。敵ボスの生け捕られ方と英国首相からの暗号解除させ方に、盛り上がった思いに水を差されてしまった。 [DVD(字幕)] 6点(2016-04-24 19:21:36) |