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放浪紳士チャーリーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1446
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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1.  私を野球につれてって
製作年度から言えば、この作品は「踊る海賊」(1948)と「踊る大紐育」(1950)の狭間にあたる時期。「海賊」とこれを観れば、より洗練させ、よりダイナミックにヴァージョンアップさせたのが「踊る大紐育」(8点)って事が非常にわかりやすく理解できる、と思う。自分はF・アステアより断然ジーン・ケリー派なので、太平楽且つノーテンキ極まりないこの映画も愉しめました。来たる1950年代にキャリア黄金期を迎えるジーン・ケリー物語の、ある意味前奏曲映画ともいえる。ちゃんとお召し物を羽織って台詞を言う「水着の女王」エスター・ウィリアムズ嬢も私は初見参、お綺麗です。
[DVD(字幕)] 7点(2024-05-04 11:24:23)
2.  チャンピオン(1949) 《ネタバレ》 
成り上がる欲望に取り憑かれた、ギラギラしたミッジというアンチヒーローを演じた若き日のカーク・ダグラスにとにかく圧倒されました。初主演作にして最高の適役に出逢ってしまったせいで、結局アカデミー賞主演男優賞を取れず仕舞いだったのはホント惜しまれる。80年代にマイケルがのしてきた時期も、カークのイミテーションが出てきたようにしか見えなかった(笑)改めてモノクロ映画の深みあるカッティングショットにも随所で唸らされましたね。足が不自由なお兄さん役のアーサー・ケネディ、放っておかれる妻役、ヒッチコックの「見知らぬ乗客」ではてんで冴えなかったルース・ローマンもここではそれぞれ適役適演。
[DVD(字幕)] 8点(2024-05-03 08:37:28)
3.  マックィーンの絶対の危機(ピンチ)
この手の50年代の手造り問屋制家内工業感満載のB級SF映画大好きです!『蠅男の恐怖』とか『ボディスナッチャー/恐怖の街』『惑星アドベンチャー』とか。その諸作と比べても、これは明らかに低予算でお手軽にこしらえた一篇。マックィーンが出てなかったらおそらく日本公開はされてなかったと思われるレベル。突然空から降ってきた、謎の人喰いスライム?アメ―バ?(どっちでも良いけど)に、街中総出でわちゃわちゃ右往左往する登場人物の中、彼だけは既にスターのオーラを放っていたのは流石。
[DVD(字幕)] 6点(2024-01-09 08:36:57)
4.  老人と海(1958) 《ネタバレ》 
ヘミングウェイ原作の映画化って「キリマンジャロの雪」や「陽はまた昇る」「誰が為に~」といい、「豪華キャストを揃えて無難に映像化しました」的な作品がホント多いですよね・・・。これは当時新鋭だった、秀作「日本人の勲章」(9点)をこしらえたJ・スタージェス監督作、しかも登場人物が非常に少ない点で、何か野心的実験的な試みの作品になっているのかと思いきや・・・残念ながら、やはり他作品と同じ轍を踏んだ極めて「無難な」原作映画化作品に。大体↑のスタッフ一覧の監督欄、ノンクレジットとはいえ、ヘンリー・キングやフレッド・ジンネマンという大監督のお名前が連なっているのは一体何なんでしょう?撮影中、何かしらのトラブルがあって、降板やら色々ゴタゴタがあったんでしょうか?上映時間、製作規模から言えばこれは小品なのに。僕は逆にそっちの方が興味があります。スペンサー・トレイシーの老境に達した孤高の存在感にプラス1点。
[DVD(字幕)] 6点(2024-01-08 10:09:28)
5.  ティーン・ウルフ
観ている間はそれなりに面白かったけれど、後には全く何も残らなかった映画。そういう意味では「ポリスアカデミー」とどっこいどっこい(←死語?)かも。地方都市じゃMy FAVORITE MOVIE NO.1「ファンダンゴ」(10点満点)とニ本立てだったのも分が悪かった。おそらく観客の大半は『「BTTF」に続いて全米興行成績1位2位独占!!』と派手に宣伝されていたこっちが目的だったはず。事実自分もそうだった。ルックスからして万人からの好感度抜群だった当時のマイケルが、スクリーンの中で縦横無尽に駆け回っていた事・・・、くらいしかホント記憶にない。ゴメンなさい。
[映画館(字幕)] 5点(2024-01-08 09:23:13)
6.  サンダーボルト(1974)
『日曜洋画劇場』で良く放映されていたというイメージがあります。イーストウッドの映画って、ホントこの枠で頻繁に放映されてましたよね。淀川さんが余程お好きだったのか、イーストウッドものはよっぽど視聴率を稼げていたのか。しかしこの映画に関しては、軽佻浮薄なJ・ブリッジスの方が役得で目立ってました。この脚本なら読めばそうなるはずで、敢えて若者に花を持たせた的イーストウッドの懐の深さにも感服。日曜日の夜、明日から始まる学校への憂鬱な気分を紛らわせてくれたこの番組そのものにも改めて感謝。両親に守られ育った少年時代の懐かしい日常は、遥か遠い昔の事となりました。
[地上波(吹替)] 7点(2024-01-06 20:48:09)
7.  不死身の保安官
「コメディウエスタン」なんてジャンル、あるのかどうかは定かではないですが(すぐ思いつくのは「テキサスの五人の仲間」とか?)面白かったですね~、これ。冒頭からして最早ウエスタンらしからぬ展開。ヒロインJ・マンスフィールドもデビュー作「女はそれを我慢できない」より更に活躍の余地を与えられ、伸び伸びとコメディセンスを披露してすこぶる好調。ただし唄は吹き替えっぽい。当時、演技派路線に徐々にシフトしはじめたマリリン・モンローの後釜に彼女を据えようと、20世紀FOX社としても彼女の売り出しに必死だったんでしょうね、きっと。『不死身の保安官』たるケネス・モア氏も、その英国的地味キャラが巧く生かされていました。ヒーローとは到底思えない、彼のアンバランスな体型が一番おかしかったです。2023年は紅白も観ず、この映画で年越しを迎えました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-01-06 08:13:54)(良:1票)
8.  無頼の谷
「砂塵」「大砂塵」「白昼の決闘」しかり、たとえ伝説の大スター、ディートリッヒ姐御が主演だとしても、全面的にヒロインがやたらしゃしゃり出てくるウエスタンに傑作なし!という持論はやはり覆りませんでした。監督がフリッツ・ラングという事で、一風変わった作品なのかなと期待したんですが。私が観たのは地上波の吹替版でしたが、↓評価が高い方のレビューを拝見すると、どうやら本編89分が更にカットされたバージョンだったと思われます。えっ、そんな面白いハナシだったっけ?みたいな。
[地上波(吹替)] 6点(2023-08-29 08:32:01)
9.  ミッドナイトクロス 《ネタバレ》 
公開当時「後味悪すぎ」と、批評等でやたらと連呼されていたので、一体観た後、どんな暗鬱な気分になるんだろうと覚悟して「月曜ロードショー」にて観た記憶があります。後味自体はやいやい云われてるほど悪くなかったけれど、すんでのところでヒロインを救えなかった、ヒーローたるトラボルタの体型が明らかに崩れ始めていた事のほうが、少々哀しかったかなあ・・・と。「グリース」の頃の、パッキパキダンサー体型だったら、敏捷に易々と立ち回って大団円のハッピーエンドだったろうに。次作「ステインアライブ」でスタローンに叱咤されダイエットに無事成功したのはまた別のハナシ。
[地上波(吹替)] 6点(2023-08-28 21:07:07)
10.  暗黒街の顔役(1932) 《ネタバレ》 
破滅型の主人公より、相方の優男ジョージ・ラフト氏の方が断然カッコいい!!彼がこの映画でコインを指先で投げる仕草が大いに受けて、当時のニッポン国の若者の間で大流行したとの事だが実物を観るに及んでさもありなんと思わせる。鑑賞後、自分も早速真似してはみましたが・・・なかなか難しいんだな、これが。キャストは皆適役適演だけど、妹役の女優だけが弱い。アバズレ風の濃ゆいメイクアップのせいかもしれないが、主人公が己の命を賭けても守り抜きたいと思わせる魅力が決定的に欠けている。後年の秀作群では、女性キャストの選択眼が非常に優れていたホークス監督なのに。
[DVD(字幕)] 8点(2023-08-24 22:02:20)
11.  評決 《ネタバレ》 
ラストシーンの秀逸さゆえ、他の凡百の法廷映画とは一線を画す作品になっていますね。欲を言えば、敵役J・メイスンとガップリ四つに組んだ丁々発止的攻防が、法廷内でもっと大掛かりに繰り広げられるのかと思いきや、意外にあっさり片が付いてしまったのが少々惜しまれる。メイスン自身、彼らしい演技のしどころがなく困っているようなもったいない役どころ。うーん・・・、でも「ハスラー2」なんかより、こっちでアカデミー賞獲得した方が、ニューマン自身も絶対嬉しかっただろうに・・・。「熱いトタン屋根」「ハスラー」「暴力脱獄」あたりの、ギラついてた若かりし頃はともかく、銀髪のオッサンになってもこんなカッコいいオーラを放ってたスターって、なかなかいるもんじゃない。
[DVD(字幕)] 8点(2023-08-13 21:51:01)
12.  深夜の告白(1944) 《ネタバレ》 
この上もなく美しい悪女に手玉に取られ、骨抜きにされてみたい隠れM男の願望を、見事映像化して下さったビリー・ワイルダー監督の傑作。ウディ・アレンがこの作品を、史上最高の映画と高く評価しているのは有名な話ですが、彼がこしらえた幾つかのサスペンス作品のヒロイン像がこの映画のバーバラ・スタンウィックと、どこか重なる部分があるのもその話を聞けば納得できます。この両名監督のフィルモグラフィーを見るにつけ、やっぱりコメディとサスペンスっていうのは表裏一体なんだなあと。アカデミー主演女優賞に延べ計4回ノミネートされ惜敗したスタンウィック女史ですが、受賞するならこの作品しかなかったと思います。でも当時の社会通念だと、こういう役での受賞はやっぱり厳しかったんかなあ・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2023-08-05 08:13:21)(良:1票)
13.  スター・トレック3/ミスター・スポックを探せ!
一見さんお断り映画、自分の中じゃナンバーワン。地方の映画館じゃ「インディジョーンズ・魔宮の伝説」(8点)との二本立て。両方とも人気シリーズの続編、前作は未見状態での鑑賞。どちらもタイトルだけは馴染みがあったので高一の夏休みにワクワクしながら映画館へ。鑑賞後のインディとの温度差というか、落差がホント物凄かったです。テンポもかったるくて眠気倍増。忘れられない二本立て興行時代の懐かしき思ひ出。
[映画館(字幕)] 2点(2023-08-05 08:00:34)
14.  オクラホマ・キッド
延々と続く荒原追跡シーンが、フィルムを1.5倍くらいコマ送りさせたような動きで面白かったです。これは公開当時は受けたでしょう。「敏捷短躯」という単語をそのまま身体全体で表現してるような、ジェームズ・ギャグニー氏の魅力全開な、サクサクとハナシが進む肩の凝らない娯楽ウエスタン。準主役悪役時代のボガート氏は例によって例のごとし。よくこれでハードボイルドヒーローに昇格できたもんだと改めてしみじみ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-09-12 14:25:57)(良:2票)
15.  将軍 SHOGUN<TVM>(1980)
先日急逝された島田陽子さん、この頃ホントお綺麗でした。この作品に出演して『国際派女優』なんて持ち上げられた事が、結果的に彼女の女優人生において吉だったのかどうか、もちろんご当人にしか解らない事。でもこの作品以降、出演料が高騰して起用しずらくなったのか、他の理由があったのか知る由もないが、映画でもドラマでもお見掛けする機会がグッと減ったのは事実。初代犬神家野々宮珠世、大河「黄金の日々」での細川ガラシャ役で、まるでお人形さんみたいなこの方の美貌に子供心に憧憬を抱いていた自分としては、何だか色々もったいなかったなあと、つい思ってしまうわけで。このテレビ映画、確かリアルタイムで観ました。前評判もやたら凄くって、お茶の間で家族揃って観た記憶があります。世間的にもちょっとした「ショーグンブーム」、劇場公開版は「これは東洋の風と共に去りぬだ!」と、大々的に宣伝されてました。劇場公開短縮バージョンももちろん初放映時に観たけれど、細部の違いまでは分からず。小学校高学年でも理解し易い、いわゆる波乱万丈ストーリー、颯爽とした青い眼の異人さんリチャード・チェンバレン、対する世界のミフネも貫録的に場を浚う存在感。やけに音楽が印象に残ると思ってたら、モーリス・ジャールが担当してたんですね。レビューしてたら45年ぶりに再見したくなってきたなぁ・・・。思ひ出補正含めこの点数。
[地上波(邦画)] 7点(2022-09-09 08:49:14)
16.  トコリの橋 《ネタバレ》 
う~ん・・・なんかもったいないなぁ・・・。こんな後味悪い作品をこしらえるなら、いっその事、東京が舞台のグレース・ケリーと淡路恵子を巡って、東洋人大好きホールデンとF・マーチ、ミッキー・ルーニーが火花を散らす軍隊コメディにしちゃえば良かったのに・・・っていうのは冗談ですが。あまりにグレースがお美しいので、途中退場がもったいなさすぎ、つい愚痴が出てしまう。おかしなニッポン人描写は、当時としてかなり抑えられている方。それほど国辱的な描写はなかったような。ただ、軍艦を港に出迎える女性たちは、振袖キモノ姿かパンパン風かどっちかのいでたち。極端すぎてくすぐったくなる。衣装担当イーディス・ヘッド女史に、グレースのお衣装だけでなく、わがニッポン女性の衣装デザインも監修一任させれば良かったのにね。戦争映画としては、盛んにタイトル『トコリの橋』が、いかに戦況作戦的に重要で複雑な造りの橋なのか何度も説明されてはいるけど、遠景のみの描写に留まる為、観てるこっちは一向にピンと来ない。だもんだから、盛り上がるはずのクライマックスの空中戦(技術的には良く出来ていると思う)にもそれほどノレない。常に「危険外」に居るF・マーチ提督の、含蓄あるようなないような、もっともらしい発言もこの悲壮なラストに至ってはなんだか癇に障ってくる。いろんな意味も含め、ちょっと困った映画。グレースは『裏窓』より、もっとここではキレイに撮られているかも。キッスも情熱的。そこだけはホント一見の価値あり。
[DVD(字幕)] 6点(2022-08-31 09:00:23)
17.  戦略空軍命令 《ネタバレ》 
『甦る熱球』(8点)『グレン・ミラー物語』(9点)に続く、J・スチュアート&J・アリスンコンビ三部作の最終作。ずっと観たかった作品ではありますが、果たして観てよかったかどうかとなると・・・・、正直う~ん・・・と、返答に困ってしまう、そんな映画でしたね。出来としては前二作よりぐっと落ちる。良かった点、何点か。このお二人のツーショット、やっぱり画になります。前二作とは異なり最初っから仲睦まじい夫婦役。コンビ三作目ともなると同じような展開だと観客も飽きますからね。にしても、どこか既視感を感じたのは否めない。イーディス・ヘッド女史の衣装は毎度のごとくセンス抜群で古き良き50年代の雰囲気を漂わせてくれます。悪かった点、まず全編通じてドラマが殆ど起こらなくて退屈。戦闘爆撃機マニアならともかく、内部の紹介にやたら時間を費やされても困ってしまう。無事に横田基地に辿り着けるのかどうかがクライマックスだけれど、手に汗握るほどの緊迫感はナシ。空軍のPR映画としての役割を担っていたに違いないが、それにしても付随するドラマに起伏がなさすぎ。第二次大戦中、実際に空軍大佐だったJ・スチュアートをこの役に持ってきたのもPRとしては意義があったと思われるが、映画の出来とはまた別のハナシ。やけに勇壮に流れまくるV・ヤングの音楽も、空々しく聞こえて仕方なかった。数多くの話題作を残したアンソニー・マン監督とJ・スチュアートとのコンビ作としても、これが結局オーラスになってしまったが、有終の美を飾る作品にならなかった事は残念無念。
[DVD(字幕)] 6点(2022-08-24 18:26:34)
18.  女の香り 《ネタバレ》 
ロバート・アルドリッチって不思議な監督ですよね。『飛べ!フェニックス』『特攻大作戦』あたりの、男臭いアクション映画が本流かと思いきや、『何がジェーンに~』や『ふるえて眠れ』みたいな、女性のグロテスクな部分を暴き出す作品があったり。私は後者の作品群から入っていったので、この怪作にも全く違和感はなかったです。ハリウッドの内幕を描いたにしては、素材的に少々甘く辛辣さにも欠けるけれど、粘着質で押しの強い演出のおかげで最後までグイグイ引っ張られながら鑑賞できました。一人二役を演じるヒロインキム・ノヴァクはもともと芝居があまり上手くない女優さん。全盛期はミステリアスな雰囲気と美貌だけで乗り切った感があるけど、この時期になると、その魅力自体かなり減退傾向気味。我の強い部分だけが残ってしまった印象。脂ぎったP・フィンチ、E・ボーグナイン、G・ケネディと、アルドリッチ組常連の男優陣も皆それぞれに暑っ苦しい。実在の人物を模したと思しき毒舌コラムニストを絡めた、新スターお披露目パーティシーンが一番面白かった。やたらゴテゴテギラギラした衣装やセットも、60年代後半映画特有の俗悪趣味全開。怪作ではあるけれど、ある種突き抜けたキッチュな部分があり、どこか憎めなくて低評価を与えたくないと思わせるヘンテコな吸引力がある作品でした。
[DVD(字幕)] 7点(2022-08-20 12:35:21)
19.  チャイナタウン
ハードボイルドと称する小説や映画、世間的に名作と言われる作品でもことごとく合わず、苦手なジャンルでしたがこの作品は面白かった。何よりまず、レビュワーの皆さんもご指摘されている通りロバート・タウンの脚本が優れているからだと思います。本筋からなぜか途中サイドストーリーへ、どんどん脇道に逸れるのがこのジャンルの常套だけど、この映画は逸れながらも最後まで興味を削がれることがない。謎の仕掛け方が巧いんですよね、きっと。美しい盛りのダナウェイ、演り過ぎ感のない時期のニコルソン、ここでは怪優の面目躍如たるところを見せる長身馬面ヒューストン監督の三つ巴競演。乾ききった当時の退廃的な雰囲気を漂わす撮影の妙味もあり忘れがたい印象を残す、映画として第一級の出来。『マルタの鷹』『三つ数えろ』ですら受け付けなかった、自分のようなハードボイルドアレルギーの方も是非!
[DVD(字幕)] 8点(2022-08-13 09:35:24)
20.  華麗なる週末 《ネタバレ》 
先に原作を読んで、その映画化を鑑賞するっていうのは自分はよくある事だけど、映画を観た後でこれって原作だとどういう事になってるんだろう?と、久しぶりに原作も読んでみたくなった映画。後に『黄昏』で、ニューイングランド州の湖水風景を堪能させてくれたマーク・ライデル監督、ここでもミシシッピー州の緑したたる沼地の風景や道路脇の草花の何気ない描写が、登場人物の心の動きとリンクして良く捉えられている。そういう意味では、風水物を「いとをかし」と愛でる、ニッポン人好みの演出家なのかな、と。よくわからなかったのが、マックィ―ン扮するブーンとその相棒ネッド君は、普段一体どんな生活しているのかっていう事。「ボス」と畏れて呼ぶ少年の祖父がいるからには、二人ともその雇人らしいが、車を洗車している以外仕事している様子が一切描かれない。ネッド君は馬房担当?なのかな、後半での活躍から見ると。旅する途中で、その辺りが明らかになっていく展開なのかと思ってたら、あっけなく目的地の娼家にご到着しちゃうし。同行11歳少年も、もともと物質的にも家庭的にも恵まれた伸び伸び育った環境だから「華麗なる週末」を終えてのキモチの変化がイマイチ読みづらい。何かひとつでも「枷」を与えてあげた方が良かったかも。メインテーマは『スタンド・バイ・ミー』に連なる少年から大人の男への成長儀礼なんだろうけど、それにしては設定自体少々弱いような。原作『自動車泥棒』を読めば、そのモヤモヤがスッキリするんかなあ・・・。でも映画全体に漂う懐古的な雰囲気は好きだし、マックィーンがこういう役を演じても、やっぱり惚れ惚れするほどカッコいいんでこの点数。
[DVD(字幕)] 7点(2022-08-09 23:37:04)
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