21. ジャーヘッド
《ネタバレ》 戦闘のこと以外は一切思考を停止し、ひたすら任務を果たす。 訓練の段階から、徐々に一つの個体、マシンとして余計なことを考えさせない訓練がなされるのだなと改めて感じた。 まあそうじゃないと、普通の神経ではとても砂漠に百数十日もいられない。 何のための戦争なんて、だから描く必要なんてない。 ただ、マシンとして戦えばいい。 疑問を持ったら神経をやられてしまう。 ジェイク・ギレンホールは、この映画でもやはり抜群。 観てるのは苦しいが、完全に振り切った演技を堪能できた。 [インターネット(字幕)] 5点(2021-05-31 21:16:28) |
22. サウンド・オブ・サンダー
これは観る人を選ぶ映画かと。 2005年製作とはいえ、CGはかなりいけていない。 いや、むしろそれを狙ったのではないかと思うほどのレベル。 敬愛するレイ・ブラッドベリ原作でなかったら、映画館で怒っていただろうなと。 ただ、原作を読んだ人なら、よくまああの短編をここまで広げたものだとその点に感心できるかも。 原作に忠実に作れば、おそらく10分くらいのショートムービーにしかならないから、映画化はまず期待できない。 だから、あれこれくっつけて長編にして映画化してくれたことに感謝。 ブラッドベリ先生も寛大な心で許してくれるはず。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-29 21:31:56) |
23. ヒトラー 最期の12日間
狂気の男と、その男を崇拝する狂信者たち。 人類史上に刻まれる負の記憶は、そこに端を発している。 その異常性を淡々と描いていく手法も俳優も見事。 後戻りできない悲惨さは、世界共通なのだろう。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-05-23 18:12:55) |
24. 特捜部Q キジ殺し
《ネタバレ》 迷宮入りしそうな難事件ばかりを扱う特捜部、という特殊な設定のおかげで、常に過去と現在を行ったり来たりする面白さがあるシリーズ。 ただ本作は、殺害された双子にほぼ落ち度も特殊性もなく、謎を解いていく過程に驚きや悲しみが希薄だったのは残念。 まあ最初に4作目を観てしまったおかげで、その前の作品が少々物足りなく感じてしまうのは私自身の責任。 映画としては充分楽しめるし、特捜部Qの名物トリオが出揃う作品でもあるので、特捜部ファンにはたまらない一本かも。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-06 21:17:14) |
25. 特捜部Q カルテ番号64
何の予備知識もなく観てしまったのだが、なんだよこれ。 見応え相当あるじゃないか。 それにまんまと騙された。 北欧の映画って、こういう得体の知れない怖さを撮るの上手いよなあ。 で、これシリーズなの? 観ながら気づいちゃったよ。 しくじったなあ。一作目から観たかった。 という、おすすめ度満点の映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-05-05 18:48:40) |
26. ボーン・アイデンティティー
アクション映画としての娯楽度はかなり高め。 巻き込まれるヒロインも強すぎず弱すぎず、ちょうどいい塩梅。 トレッドストーンという暗号名の響きも魅力的。 やっぱりこのシリーズ面白いよね。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-04-24 23:22:42) |
27. 女は二度決断する
《ネタバレ》 もしあの夫婦が正しく裁かれていたら、残された母親は生きていけただろうか。 映画を観ている我々もカタルシスを得られた? いや、そんなはずはない。 テロのその後に救いなどあるはずがない。 どうしようもない、虚しさだけが残る。 それを痛感させられる映画。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-03-22 21:20:01)(良:1票) |
28. 蜘蛛の巣を払う女
《ネタバレ》 スウェーデン版の続きなのか、ハリウッド版の続きなのか、よくわからないまま鑑賞したのだが、どちらにしても配役が全く変わってるからそこら辺はあんまり気にならなかった。 作品としては、非常に面白い映画。アクションあり、サスペンスありの娯楽大作。 だがしかし、悪を裁く女ハッカーには少し荷が重すぎる依頼。 世界中の核を意のままに操れるソフトを盗めなんて、それはジェームス・ボンドとか、イーサン・ハントとか、ジェイソン・ボーンがやる任務だよ。敵があまりに大き過ぎて、リアリティの面でちょっと萎えちゃう展開。 リスベットの魅力は、強いんだけど脆さもあるっていう所だと思うのだが、今回は双子の妹がを見捨てた過去に囚われる話。 この部分は、強気に出切れないリスベットの弱さが垣間見られてとても好印象。 ただ、前作のような映画全体に漂う薄気味悪さが無くなってしまったのは、非常に残念。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-02-28 18:27:04) |
29. ニンフォマニアック Vol.2
《ネタバレ》 まあ一言で言うと、よくわかんない。 聖人ぶって身の上話を聞いたところで、結局やりたいが先に立つ偽善者ってことで、そんな男は絶対許さないんだろうね。 やりたい放題やっちゃうけど、自分がしたい時にしか許さない。 とかなんとか書こうと思っても、やっぱりよくわかんなかったなあ。 それにしても、シャルロット・ゲンスブールってすさまじい女優だなあと。 キャリアもあるのに、そんなの関係なしで必要ならどんな演技もこなす。 イザベル・ユペールもそうだけど、フランスの女優って演技に対する価値観が人生の最上位にあるんだろうね。 [DVD(字幕)] 7点(2021-02-13 22:13:00) |
30. バーティカル・リミット
《ネタバレ》 封切られた当時は面白かったと記憶してたのに、観直してみるとそうでもないっていう映画の典型かもしれない。 ヒロインが魅力的でないっていうのが私には致命的。 もうただただビル・パクストンのクズっぷりと、スコット・グレンのカッコ良さを堪能する映画。 ビル・パクストンって、かわいそうなくらいこういうダメな役がハマる貴重な俳優だったんだよなあ。 [DVD(字幕)] 6点(2021-02-11 23:16:45) |
31. バイオハザードII アポカリプス
《ネタバレ》 バイオハザードのゲームをしていなければ、四つ足の怪物とか、無敵のフランケンシュタインが一体何なのかほぼわからない。 映画を楽しむためには、やはりそこはきちんと説明するべき。 ただ、ゲーム経験者にはたまらない配役。 シエンナ・ギロリーのジル・バレンタインは、ゲームの映画化史上最高のクオリティではないかと。 そこに加点。 とにかく加点。 って、ここまで書いてきて見返して見たら、完全にアクション映画のレビューになってるな。 まあこのシリーズに対する私の認識はまさにそうなんだけど。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-01-10 09:58:19) |
32. バイオハザードIII
《ネタバレ》 ロメロゾンビへの敬意に満ちた三作目。 シチュエーションも、ゾンビのしつけも、ヘリでの脱出もほぼ「死霊のえじき」を踏襲。 異なるのは、バイオハザードはアクション映画であり、終末観とは無縁な状態で純粋にアクションを楽しめること。 私の中では、バイオシリーズで一番カッコいいミラ・ジョボビッチを堪能できる。 ナイフ捌きにもしびれるし、何より衣装が素晴らしい。ミラの長身を存分に活かしたコートスタイルは、ナイフホルスターとの相性も抜群。 いや、監督わかってるなあ。 難点は、ラストの博士が弱すぎること。 そして博士とともにアリスが死ぬ気でいること。 君が死んだら、血清ができないのでは? まあスカッとしたらそれで満足なんだけど。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-12-12 22:58:43) |
33. バイオハザード: ザ・ファイナル
《ネタバレ》 映画館にも観に行った。 最後はやはり見届けたくて。 自らがクローンであると知ったアリスは、やっぱりなんだかかわいそうだった。 でも、人類のために自らも死に追いやる決断をし、実行する。 あのシーンは美しかった。 クローンだと知った途端にオリジナルを殺すアイザック博士とは、品格が違うのだ。 だからこそ、あのまま終わって欲しかったというのが、正直な感想。 争いの虚しさを教えたラオウが一人昇天したように、アリスにも人類救済の礎になって欲しかった。 そこらへんの美学が、この監督には欠けている気がするなあ。 でもまあ、このシリーズを最初から映画館で観てきた者として、最後を見届けられた喜びはあるし、ドキドキハラハラさせてもらった。 またしばらくしたら、1から観直すか。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-11-28 21:01:43) |
34. バイオハザードV リトリビューション
《ネタバレ》 ステージをクリアして次へ進むってのは、確かにゲーム感覚。 アリスが死ぬわけないから、ある意味安心して観られる。 家庭的なアリスを挟んだのは、ドーン・オブ・ザ・デッドへのオマージュ?って思ったけど、でも、あれロメロじゃないよね。 常に陰惨な雰囲気のあるバイオシリーズの中では、かなり新鮮な展開。嫌いじゃなかったな。 でも、クローンの娘を助けることにこだわっちゃあ、アリスじゃなくてリプリーになっちゃうんだけど。 終始軽いノリで、緊迫感が一番あったのは実は家庭的アリスが襲われるシーン。 そう考えると、ゾンビ映画の醍醐味って、日常生活が破壊される恐怖をジワジワと感じるってことに尽きるのかなあ。 バイオシリーズは、ゾンビありきだから、その点は他のゾンビ映画に比べると不利。 だから、思い切ってアクションに振った監督の手腕はやはり評価したい。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-11-28 20:43:25) |
35. バイオハザードIV アフターライフ
《ネタバレ》 このシリーズ、何度も観てるんだけど、それも3まで。 4作目以降は1度しか観てないってことで、何となく観たくなって鑑賞。 バイオハザードシリーズは、アクション映画と割り切って観ると意外に手に汗握る。 ミラ・ジョボビッチのアクションは相変わらず見応えあるし、アリ・ラーターもハマり役。 アックスマンを2人でやっつけるシーンは、スローモーション多様でカッコいい。 地下室の監禁室はなんだか羊たちの沈黙を思い出した。 次回はお待ちかねのジル登場を匂わせてのエンディング。 いや、これ公開された時は次回作が楽しみで仕方なかったなあ。 でも、ミラのアクションはやっぱり3作目が一番カッコいい。 少しくたびれ気味のアリスに時代の流れを感じる一作。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-11-28 15:22:00) |
36. ハウス・ジャック・ビルト
《ネタバレ》 なんて不快な映画を作るんだ、フォントリアー。 彼の不快な映画は何本か観たけど、これは群を抜いている。 だが、観ているうちに不思議な感覚が生じてくる。 フルメタルジャケット弾の辺りでは、ジャック自身も完全におかしくなっているのだが、彼の犯行がバレて、警官隊が冷凍庫のドアを焼き切って入って来ようとする。 そこまでの犯行でジャックにも映画にもうんざりしていた筈なのに、心の中では彼の作品を最後まで見届けたいという思いが兆していて、警官隊を邪魔者のように感じる自分に気づいて少し怖くなった。 製作の意図は理解できなかったが、強烈な力のある映画。 ただ、観るのに覚悟は必要。 [DVD(字幕)] 8点(2020-08-16 12:36:55) |
37. ハイヒールを履いた女
このキャストでなければ多分観ていない映画。 シャーロット・ランプリングには、強い女性でいて欲しかった私にはちょっと切ない映画。 もう少しサスペンス色が欲しかったかな。 彼女の神々しいまでの美脚に加点。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-06-13 01:14:56) |
38. ニンフォマニアック Vol.1
《ネタバレ》 フォントリアー監督ってことで、ほぼ怖いもの観たさで鑑賞。 圧巻は、勘違い野郎の妻が乗り込んで来るシーンかな。 熱量の違いが大き過ぎて、ほぼコントみたいになってるのはエグかった。相変わらずこういう所は容赦なく映像にするのね。 この監督の映画で映像を美しいと思ったことはなかったけど、森の緑の眩しさが印象に残った。 冒頭の漆黒の闇や、容赦ないセックスシーンで少なからず心が乾いていたのか、一枚一枚の葉っぱまでが際立って美しく感じた。 しかし本国版は全くのボカシ無しなのかな。 もしそうならちょっとゲンナリ。あんなに男性器ばかり見せられても。 2作目を観てみないことには、ちょっと判断しにくい映画。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-08 15:53:14) |
39. グッバイ、レーニン!
《ネタバレ》 父が亡命した時から、息子の母親への愛情は微塵も揺らいでいない。 母親を驚かせないために、必死で東西ドイツの統一を隠そうとする息子。 一方母親自身も子供たちに嘘をついていた。 ビザを申請すれば子供たちを失ってしまうかもしれず、父を追って亡命することができなかった。 そのことを今でも悔いていると。 ここで果たしたララの役割は大きい。 東西統一を知らずに死んだってどうってことない。 息子の自分への愛の深さを知らずに死ぬ方がよっぽど悲しい。 東西ドイツ統一のニセニュースを見ながら、母親の視線は息子に向けられている。 その表情の何と幸せに満ちていることか。 母親は自分の選択が間違っていなかったと、この時初めて納得できたのだろう。 母親に事実を打ち明けたことを最後まで黙っていたララ。 アレックスのためにフェイクニュースを作り続けた友人。 出てくる人がみんな優しくて、ラストシーンは泣けて仕方なかった。 いい映画だなあ。観て良かった。 [インターネット(字幕)] 10点(2020-04-24 14:26:55)(良:2票) |
40. ジーパーズ・クリーパーズ
二度目。 一度めは十数年前。 なんだこの得体の知れなさは!これは史上最恐のホラー映画になるのでは⁈ とドキドキしながら観て、途中からがっかりした印象があった。 久しぶりだけど今回もがっかりするんだろうなあと期待しつつ観たものの、それほどの下降線にはならず。 なぜ? 意外に面白かったんだけど。 クリーチャーの造形はバランスの悪さが目立つけど、姉ちゃんが時間が経つにつれていい女に見えてきたからなのか。 当時はまだ売れてなかったジャスティン・ロングが、今はけっこう好きな俳優になってるからなのか。 しかし、ジーパーズ・クリーパーズは語呂良すぎだな。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-04-05 15:15:12) |