101. バリスティック
完璧なまでのC級アクション映画に唖然としてしまった。自信たっぷりのアクションシーンにとってつけたようなキャラクターととってつけたようなストーリーが羅列する。あまりに内容の無いストーリー性に肝心のアクション映像も淡白に映る。ルーリー・リュー、アントニオ・バンデラスのビジュアルは良いがそれも作品の質に完全に打ち消されている。監督はタイ出身のカオスという人物、名前のままにこの映画自体混沌としている。 1点(2004-05-09 18:52:44) |
102. コンフェッション(2002)
ジョージ・クルーニーの初監督作品というよりは、チャーリー・カウフマンの脚本作品という期待を膨らませて観に行ったのだけれど、どうにもバランスの悪い愚鈍な展開に面白味を感じることはなかった。サスペンスなのか、コメディなのかあまりに中途半端だったと思う。逆に映像センスや個々のキャラクターの演出などには興味を引くものがあり、ジョージ・クルーニーの非凡な監督センスだけは見受けられる結果となった。 3点(2004-02-05 19:04:24) |
103. ボーン・アイデンティティー
クライマックスにもうひとつストーリーの起伏がなく平淡に終わってしまったことは、スパイもののサスペンス映画としては致命的な欠点であることは否めない。しかし、ヨーロッパの街並みを舞台にした映画世界にはスタイリッシュな雰囲気が漂い、観ていて飽きることはない。秀麗な映像センスが見受けられるだけに、ストーリーにもう少し凝って欲しかったと思う。「ラン・ローラ・ラン」のフランカ・ポテンテがヒロインに扮しとても魅力的な雰囲気を出している。 6点(2004-02-05 18:35:12) |
104. ターミネーター3
ジェームズ・キャメロンが監督をしないと分かった時点で期待はしていなかったが、正直、名作「ターミネーター」「ターミネーター2」の続編としては最悪の作品に終始してしまった。キャメロンの世界観であったロボットによる終末戦争を予感させるメタリックな空気感が皆無だったことは、監督が変わってしまったことで仕方ないにしても、結局終末戦争は回避できないという顛末では前作までの意味がなくなり、その価値を下げてしまうものだ。ストーリーの理屈は分かるが、今シリーズとして決して導いてはいけない結末だったと思う。エドワード・ファーロングが成長した姿がニック・スタールなる無名俳優なのもやはりビジュアル的に納得できない。「T2」と比べると老けたことは確かだが、歳を感じさせないシュワルツェネッガーの存在感に+1点。 1点(2004-02-04 19:48:53) |
105. チャーリーズ・エンジェル(2000)
何と言ってもこの映画の見所は3人のハリウッド女優のセクシーさに尽きる。ストーリーがどんなにくだらなくても、極上のセクシーさとハイテンションな演出によって、一級の娯楽映画に仕上がっていることは間違いない。個人的には、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のジョンが出ていたことが嬉しかった。 6点(2004-02-04 18:32:52) |
106. レッド・ドラゴン(2002)
「羊たちの沈黙」パート3というよりは、舞台が過去にさかのぼっていることもあり番外編というニュアンスが強い今作であるが、クオリティは極めて高かったと思う。何よりも今作における主役であるレイフ・ファインズの演技が物凄い。緻密に大胆に役作りをこなした彼の様は、まさにレクターを演じたアンソニー・ホプキンスに匹敵するものだと言って過言ではない。それにエドワード・ノートンの安定した巧さが加わることで、非常に濃厚な競演が楽しめる。前二作の戦慄のサスペンステイストから一転してレッド・ドラゴンの人物像を掘り下げた人間ドラマ的な要素が強いことも良かった。まさに大抜擢となったブレット・ラトナー監督は重圧を跳ね除ける良い仕事をしたと思う。 8点(2004-01-30 15:36:46)(良:2票) |
107. 戦場のピアニスト
正直なところ盛り上がりに欠ける映画であるが、この紛れもない過酷な運命の中における淡々とした空気感こそ、まさにこの当時のリアルであると思う。灰色の空気に覆われた街の荒涼感がこの映画のすべてを物語っているようだ。邦題に感動作品的な雰囲気を感じてしまっていたので、鑑賞時はやや肩透かしを食らった感があったのだけれど、このじわじわとくる説得力は今作が紛れもない秀作である証拠だと思う。 8点(2004-01-30 15:01:53) |
108. K-19
原子力潜水艦モノというのは娯楽映画として人気の高いものであるが、今作は明らかに原子力潜水艦モノではあるが、他の娯楽映画とは一線を画すテーマをもった映画である。そもそも戦争自体が紛れもない愚行なわけで、その愚行を食い止めるため愚かであろうとも身を挺して発端となりうる潜水艦事故を修復しようとする乗組員たちの行為に胸が詰まる。スターであるハリソン・フォードが物語的にはあまり活躍しない艦長を熱演していたことも効果的だったと思う。何よりもこの骨太な作品を説得力を備えた作り出した女流監督の力量に驚く。 8点(2004-01-28 16:17:19) |
109. ギャングスター・ナンバー1
鑑賞前に「時計じかけのオレンジ」のマルコム・マクダウェルのクレジットを見て、てっきり若きギャングスターを演じているのが彼だとばかり思い込んでしまった。冷静に考えれば、「時計じかけ~」はもう30年以上前の作品なわけで、そんなことはありえるわけがないのだが、若きギャングスターを演じたポール・ベタニーの風貌は「時計じかけ~」のアレックスそのものに見えたのは私だけだろうか。特にベタニーがステーキを食べるシーンがあるが、その口の動きはまさにアレックスのそれだった。まあとにかく、これほど似ていればギャングスターの役だけ現在と30年後の俳優が違うことも納得できるわけで…。あ、そうか、何よりも先にマルコム・マクダウェルのキャスティングが決まっていたわけか。作品自体の評としては、若きギャングスターの惨殺シーンがくどい感はあったが、全体的なセンスの良さと、老いたギャングスターの苦悩に満ちたラストシーンで巧くまとめ上げている。 7点(2004-01-28 15:54:38)(良:1票) |
110. ギャング・オブ・ニューヨーク
巨匠マーチン・スコセッシの多大な力の入れようはひしひしと感じたが、それが映画の完全な盛り上がりへとつながったかは微妙なところである。俳優陣の演技も熱演そのものの秀逸さだったと思うが、いまひとつ登場人物の心情に入れ込めない。映画世界の豪華さに圧倒される部分はあるが、冷静に観ると肝心のドラマ性に力がなかったように感じる。主要キャラ3人の人間像がいささか軽薄だったことが致命的だった。 5点(2004-01-21 23:35:27) |
111. トゥームレイダー
ストーリー&内容的にはアクション映画ということを考慮しても陳腐と言わざるを得ないものだったけど、主演を張ったアンジェリーナ・ジョリーの魅力で何とかカバーしていた。個人的にあの唇とスタイルはかなりフェチなのでそれだけでも観た価値はあったと思う。 5点(2004-01-18 02:53:53) |
112. ゴースト・ドッグ
黒人の殺し屋に武士道を語らせるという設定は実に鮮烈でインパクトの強いものだったけど、そのインパクトを生かせるだけの盛り上がりが映画自体に欠けたように感じた。ジム・ジャームッシュの作風的にエンターテイメント性に足らない部分は仕方ないのかもしれないが、設定自体は相当にエンターテイメント性に溢れるものだけに、ローテンションに終始してしまったことは残念だ。 6点(2004-01-13 15:37:50) |
113. スコア
ロバート・デ・ニーロ、エドワード・ノートンにマーロン・ブランド。この組み合わせで期待しないわけにもいかず劇場まで足を運んだが、映画としては盛り上がりと完成度に欠けるという感じを拭えない。ひとりひとりの演技は当然ながら巧いが、ストーリーがあまりにチープなため演技が浮いた印象を受ける。この程度の脚本でなぜこのキャストが実現したか不思議である。 5点(2003-12-24 01:19:34) |
114. スパイ・ゲーム(2001)
大雑把なアクション大作とは一線を画した、心理戦に優れたストーリー展開が非常に興味深く見応えも大きかった。ロバート・レッドフォードが挑むゲーム盤上の闘いのような手触りは、タイトルにふさわしく新感覚の緊迫感が楽しめる。映像的にも趣向が凝らされ集中が途切れない。完全に「殴られ役」に徹したブラッド・ピットの頑張りも評価したい。 8点(2003-12-24 01:07:21) |
115. スモーク(1995)
淡々と描かれるオムニバス的な群像劇が味わい深い。ハーヴェイ・カイテル、ウィリアム・ハートらの抑えた演技が印象に残る。特に最期のエピソードでハーヴェイ・カイテルが語るシーンには派手さはないが、非常に濃厚な感慨深さを感じる。 7点(2003-12-17 13:58:57) |
116. ザ・セル
カメラ、CGの進歩により今作のようにビジュアル的には極めて際立つ作品が昨今相当多い。映像的な見た目は非常にインパクトが高いので、プロモーションの段階ではかなり面白そうに見える。しかし実際の内容が伴わない。まあそれが映画の難しさであり面白さなのだけれど、結局は映画の出来栄えというものは脚本しだいだという普遍性を感じる。 3点(2003-12-16 21:10:27) |
117. スターリングラード(2001)
銃口の先の緊迫感。今作ほどその緊張感に包まれる映画はなかなかない。戦争という愚行の上でさらに繰り広げられる愚行。それでも彼らは生きる限り、愛するもののためにその標準に目を合わせ見えざる敵と対峙し続けなければならない。圧巻のリアリティと迫力による冒頭の戦場シーンから一気に一人のスナイパーの英雄伝、強力な敵との張り詰める対決へと昇華させる説得力に溢れたエンターテイメント性に圧倒される。傑作の名にふさわしい重厚なアクション映画だ。 9点(2003-12-16 20:06:32) |
118. バーティカル・リミット
予告編で期待したとおり映像的には迫力があったが、あまりに希薄で酷いストーリーにマイった。映像的な印象で映画を選ぶことはよくあるが、こういう映画を観ると、やはり映画で一番大切なのはストーリーだということを逆に認識させられる。酷すぎるストーリーに不快感と嫌悪感満載だった。 1点(2003-12-10 17:25:28) |
119. パーフェクト ストーム
災害パニック映画は大好きな私であるが、今作の完成度の高さは数ある災害映画の中でも随一でなかったかと思う。神の意志さえ感じそうな荒れ狂う高波のCGは圧倒的なクオリティの高さだった。何よりも私が感心したのは、今作のラストである。このラストこそ、最も災害を真摯に描いた結果だと思うのだ。 8点(2003-12-05 16:15:11) |
120. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
物語の超目的が「最期に海を見る」ということなのだが、主人公たちが壮絶な紆余曲折を経てたどり着くラストシーンの海が極めて美しく、感慨深い。ノリとテンポのよい中盤の展開も非常に巧く秀逸であるが、すべてが集約されるラストシーンには「あー、やられた」という感じだった。 9点(2003-12-03 12:52:19) |