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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  シン・仮面ライダー 《ネタバレ》 
 庵野監督作品だもの、思ってた通り、昔のオタクがその懐古趣味に走った状態で、誰が見ても楽しめる『仮面ライダー』ではないのよね。とりあえず血みどろなので注意だわ。お子様連れて(PG12なので一応子供が見られないワケじゃないものね)家族でほのぼの、とはならない内容よ。   さてと。アタシは監督と同じような歳なので『ウルトラマン』同様『仮面ライダー』もリアルタイム世代なワケだけど当時全くハマらなかったのね。周囲は仮面ライダースナックを買ってはカードだけ取ってスナックは棄てるっていうよろしくないコトしてたけれどアタシは全然興味なくて不憫に思われたんだか友達から当たりカード1枚貰ってアルバム1冊入手したもののカードなんて全然持ってないままにブームは過ぎていったわ。  『仮面ライダー』自体見てはいたけれど暗いし野暮ったいしチープだし、なんか全然魅力的には思えなかったのよ。   で、今回の映画はその暗く野暮ったくチープな『仮面ライダー』のイメージをちゃんと再現してるカンジなのが逆にちょっと面白かったのね。ロボット刑事やキカイダーのような他の石森章太郎作品の要素も摂りこみつつダウナーでショボいの。その空気感は良かったわ。   でも映画として広く楽しませようって意識は薄いみたいでエピソード羅列の繰り返しパターン、ダラダラしててこれっていつ終わるのかしら?って感じで体感3時間以上って状態。アジトに行っては戦う、同じようなこと繰り返す(独りで乗りこんじゃピンチ、とりあえずひとまず逃げる)、間延びしたクライマックス。もうね、池松壮亮さん、浜辺美波さん、柄本佑さん、3人の演技の魅力でなんとか見られたようなモノで(怪人たちはみんなシンドいわ)。それぞれのドラマ自体はどうなのよ?みたいなレベルなのだけど、それを役者としてきっちり自分のモノにしてた感じがしたわ。少なくとも30分過ぎたら飽きた『シン・ウルトラマン』よりは多少マシだったかしらね。   でも庵野監督ってアクションこんなに撮れない人だったかしら? 暗かったりごちゃごちゃしたカット割で何やってるのか判らないとか、ちゃかちゃかと動くCGが見苦しいとか、『仮面ライダー』だったらそこはちゃんとしてないとダメなんじゃないかしら?   昭和な『仮面ライダー』の感覚が再現されてたのは個人的には楽しかったのだけど、でも狭い狭い映画なのよね。まるで同世代のマニア相手にノスタルジーに浸ってるような感じで、でもそれってアタシは正しいとは思わないの。シンのシリーズみんなそうだけど。ウルトラマンにしろ仮面ライダーにしろ、シリーズ重ねて進化していってるじゃない、どんどん新しい世代に受け継いでいってるワケじゃない。その歴史を蔑ろにして後ろ向きノスタルジーって先祖がえりしちゃうの、どうなのかしら?  そろそろその懐古主義を止めて未来を向いた映画を作れないかしら? 無理?
[映画館(邦画)] 6点(2023-04-29 15:49:51)(良:1票)
2.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
 初代マンのリアルタイム世代なのだけどウルトラシリーズは『帰ってきた~』途中でリタイア状態で(ランドセルにガムのシールべたべたに貼りまくってたのにスノーゴンの回を見てから恐くて見れなくなっちゃった)、以降殆ど縁のない状態ね(『80』の前半部分だけは楽しんだ記憶があるのだけど)。  初代は大好きで、だから今回の映画は庵野&樋口コンビの毎度のセンスで作品を壊しちゃうんじゃないかって不安と、トラウマの再現を見せられるんじゃないかって不安とがあったのだけれど、後者は無かったものの、前者はそれなりにやらかしてくれたカンジね。   最初の3分の1くらいは楽しんだの。例のバカくさい短いカットの積み重ねと(文字読み切れないわよ、っていうか読ます気もないでしょ?)ヘンなアングルの連続ながらも『シン・ゴジラ』よりもあくまで『ウルトラマン』寄りな世界で、『ウルトラマン』見てる、って実感できて。怪獣が出てきてウルトラマンが倒す、その当たり前なウルトラマンのカタチね。  だけど中盤以降、世界情勢がどうだこうだ武力としてのウルトラマンがどうだこうだと語り始めてからはグダグダ。未熟で愚かな人類を利用しようとする者、抹殺しようとする者、それに抗うウルトラマン、それを大量のセリフで語ってドラマはエピソードの羅列、お団子状態。ウルトラマンは神ではなくて自我を持った一宇宙人ですよ、と。ウルトラマンの個が見え過ぎちゃってて神秘性ひっぺがしちゃってるわ。  今回それを描くエピソードや映像が凡庸なオタク臭いシロモノに見えて、ちょっと退化してる?とも思えたし。ごく一部の人間のセリフばかりで実態見せない大状況とか(『大怪獣のあとしまつ』みもあるわ)オタク肯定とか使徒みたいなゼットンとか。全体的になんか音痴なカンジがするのよね。   それに役者さんをローアングルと大アップで撮りまくってるのだけど、映り方に対して無頓着な気がするのね。女優さんは綺麗に撮ろうよ・・・ってもう気になっちゃって仕方ないの。  更に更に長澤まさみさんに対する数々の描写が無神経過ぎてもう。自分のお尻叩く描写の繰り返しとか巨大化時のローアングルとか執拗に体のニオイ嗅がれるとか、昭和オヤジのイヤ~な嗜好をそのまま映像化してるみたいな感じで(そこに意味があるとしてエロティックやフェティッシュに描く必要は一切無いわよね? 擁護派はアレコレ理屈こねるけれど実際ツイッターには長澤まさみさんの太ももがどうのパンツがどうの体臭がどうのってツイートが溢れてるのが現実でしょ?そういう人には何も言わないワケ?ウンザリ。違和感抱いてる特オタさんたちもいっぱいいるのが救いだけれど。っていうか、コレ、仮にも『ウルトラマン』なのよ?)、この人達ってそういうのアップデートできないままに朽ちていくのかしら?って思ったわ。   やっぱりね、ウルトラマンは子供を楽しませて、子供に夢を見せてこそだと思うのね。懐古じじいのオモチャにしちゃダメだと思うわ。『仮面ライダー』も不安だわね・・・
[映画館(邦画)] 5点(2022-05-20 14:21:12)(良:3票)
3.  JUNK HEAD 《ネタバレ》 
 「アニメ」大国日本だけど「アニメーション」全般となると色々と弱いのよね。CGアニメーションにしてもそうだし、ストップモーションアニメーションとなると、最早不毛の地みたいな感じ。日本の長編ストップモーションアニメーション映画って一体どこまで遡るのかしら? サンリオの『くるみ割り人形』(1979年)?  これはそんな日本の、そして世界のアニメーション界に革命をもたらすかもしれない作品ね。何しろライカやアードマンのようなストップモーションアニメーションの大手の作品、何百というスタッフの手と何十億という資金によって創られたモノと比べても、ちっとも遜色のない作品、しっかりと娯楽エンターテインメント作品になっているのだから。最初1人、長編化が決まってからも4人ほどで創られていながら。   グロいのは得意じゃないし、ここに描かれた世界はまるで悪夢のようね。夢に見そうよ。でも、その独特な個性を放ちまくる作品世界にすっかり魅了されたわ。広がる地下世界に棲む、起源を同じにしつつ色々と株わかれしたキモチ悪い生き物たちに触れてゆくうち、段々と親しみを抱いて、最後には愛着も湧いちゃうって、主人公が辿る道と観客が映画に抱く感覚の流れがシンクロしてるカンジね。   世界の造形が凄いの。完全にアタマの中のイメージの映像化をコントロールしきってるように思えるわ。大スケールな画から細部に至るまで独自のセンスで支配されてるの。  そして大切なのは、そこだけに集中してないってコト。パンフ読むと判るのだけど、作品世界はかなりコマゴマと設定されているのね。歴史がどうこう、その世界の成り立ちがどうこう、って。で、日本のアニメってそれを延々と説明しがちなのが大きな欠点だと思うのだけど(それに終始しちゃってるモノも多いわ)、コレはそこにあまり留まらずに物語をちゃんと転がしてゆくのね。物語が面白いの。説明やアクションのために物語が停滞する部分が無いコトはないのだけど、ちゃんと娯楽映画としてのバランス感覚を持ってるわ。   ティム・バートンやヘンリー・セリック、ニック・パーク、ウェス・アンダーソンといったストップモーションアニメーションにプンプンと匂い立つような独自の個性を発揮する作家たち、この堀貴秀という人は彼らに比肩し得る存在だと思うの。凄いモノ見たわ。
[映画館(邦画)] 9点(2021-04-14 22:33:17)(良:2票)
4.  シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 《ネタバレ》 
 『惑星大戦争』?『惑星大戦争』なの?と思ったそばから『さよならジュピター』で「やりやがったな」みたいな。   それはともかく、期待したほどではなく、でも危惧したほどでもなくて、まあこんなモンでしょう、みたいなカンジで。『Q』であそこまで違った道を進んだのだから、そこから続く今作はもっともっと違ったモノを見せてくれると思ったのだけど、『THE END~』のクライマックスの存在がやっぱり影を落としてるし、だけどアレほどにはポカーンって状態ではなくて、それなりの結末を見せてくれて。前作ほどには突き放してなくて、もっとずっと人に寄っていて。  でもまあ『まどマギ』みたいな『エヴァ』よね・・・   ゲンドウのクライマックスの自分語りがまー超ウザくってさ、だけどアレがある意味エヴァって事象に対する監督の言い訳というか紆余曲折した上での今の心境みたいなモノなのね、と思うと、んー、まあどうでもいいわ。はいはいそうですね、くらいなモンだわ。あそこ、長さの原因になってる感じだけど、もっと削って欲しかったくらい。ダレたわ。   気合いの入った、パワフルな絵創りは良かったわ。シネスコの画角いっぱいに横倒し状態で人物入れるのが頻出するのはちょっとやり過ぎな気もしたけど。   エヴァの時代っていうのがもう時代遅れで恥ずかしい世界になるギリギリのところでエヴァに完全にケリ付けて、俺らはここに残るのでお前ら若者達は先へ進め!みたいなカンジになってる気もしたのね。冒頭に書いた映画群とか『さらば宇宙戦艦ヤマト』とかの露骨な引用もオールドタイプの自認みたいなモノで。それを自覚してるあたりは潔いのかもしれないわ。だけどカヲルくんがあんなだから第4、第5のエヴァが現れる危険性もないことはないのかもしれないわね・・・  【追記】  気になったところ。男をしょうもないダメな生き物として描きつつ、最後にはそういう男を女に受容させるっていうのは男目線の甘えよね。何十年も生きて表現してきた上でなお男のだらしの無さを女に許容させるって、それはアニメ界に巣食う病みたいなモノかしら。パヤオも御大もそういうところあるでしょ。細田監督もそう。そろそろ業界全体でアップデートしたらどうかしら?
[映画館(邦画)] 6点(2021-04-05 14:35:38)(良:2票)
5.  新解釈・三國志 《ネタバレ》 
 新解釈と言いつつ、基本は『三国志演義』ね。で、キャラや設定のデザイン関係は『真・三國無双』シリーズ頼り。桃園の誓いから赤壁の戦いまでを描いてみせました、って点でもなんかフツーっていうか。『レッドクリフ』フツーに持ってきたよね?みたいな感じもあるし。   要はキャラが面白い、会話が面白い、ってところがキモなんだけど、そこがつまり毎度の福田雄一ワールドなワケで、そこにウンザリしちゃう人間にはなんの価値もない映画よね。アタシ的には嫌悪感を抱くほどでもなく、笑える時は笑える、って程度なんで、まあこんなモンでしょう、みたいな。ただし佐藤二朗のねちっこい芸風は全く笑えないのだけど。今回はそこがそんなでもなかったのでまだマシ(何しろ董卓なので出番は最初の方だけだし)、でも代わりにムロがねちっこかったわね。   安いアクションシーンとか、肝心のところを省略しまくりとか、そういう部分をツッコんでも仕方ない、って程度の映画。でもただのネタ集状態で、殆どのキャラに流れが存在しないので退屈しちゃった。ドラマにも物語にもなっていなくて、どのキャラもオチてないの。その生にケリが着いてないのね。上っ面だけを羅列した状態のモノに、映画的感動なんて求めるだけ無意味なんでしょうけどさ。   最大の問題は渡辺直美の扱いかしらね。今時酷いルッキズム。っていうか正確にはルッキズムを笑おうとしつつ、そこに堕しちゃってるカンジなのよね。広瀬すずをオチみたいに出した事でおかしくなっちゃった。彼女をブス扱いする事で今の時代の価値観も絶対視してないのよ、ってスタンスのハズが、当時(というかこの映画の世界)の価値観を笑うだけのシロモノになっちゃってるのよね。渡辺直美のままに美しく散らせる事が必要だったのよ。彼女には彼女だけの美しさがあるのだから。  そこら辺の福田雄一のセンスとそれを許してしまう出演者の意識、そこに問題があると思うので減点ね。
[映画館(邦画)] 4点(2020-12-20 14:28:20)(良:2票)
6.  事故物件 恐い間取り 《ネタバレ》 
 ただでさえ新型コロナで見る本数減ってるんだから、本来ならスルーしちゃう、あ~んまり興味ないタイプの映画なのだけど、メールで友達(大阪人、今は埼玉住まい、お寺の跡取り)がコロナで映画なんか見に行けないから代わりに見てきてくれ~、って。当然貯めたポイント使ってタダ見だわね。   冒頭、とてもホラーとは思えない青春映画ノリで始まって、そこはなんか雰囲気良かったわ。なのでこのままの調子で続いてくれないかしら?って思ったのだけど、そうはいかない、怖がらせてナンボな映画だものね。  ところがいざ本題に入ると、これが全然怖くないの。出てくるのがCGCGしたモヤモヤしたモノと、無名の俳優さんが幽霊メイクして頑張って怖いカオ演技してまーす、って状態で、いや、なんか具体的な、即物的な映像過ぎちゃってむしろ笑えてしまうんですが?みたいな。あんなハッキリクッキリした幽霊を見せられたらお化け屋敷みたいな作り物感が出ちゃうわよねぇ。  で、ボスキャラみたいなのが大体CGなのだけど、『ハリー・ポッター』のディメンターだわね、アレ。クライマックスでコミカルな(いや、映画上では一応シリアスな)バトルになるのだけど、弱いのよ、『来る』のぼぎわんさんの百万分の1程度の弱さ。っていうかアイツ、果たして題材に合った存在だったかしら?   だけどアタシがこの映画で最も不満に思ったのは、事故物件に現れる幽霊が、ただのバケモノとして扱われていた点ね。殺人事件の加害者も被害者もバケモノ。自殺や無理心中した人もバケモノ。その背景にあった、人として生きていた部分というのは死に至る映像以外は描かれず、そこにあったハズの悲劇は全くのスルー。多くのゾンビ映画のゾンビと同じような扱いね。だけど幽霊を扱う以上、アタシとしてはそこに目を向けて欲しかったな。   余計なコトかもしれないけれど、舞台の大半が大阪で、大阪のテレビ局の姿が描かれて、あのノリは独特よねぇ、って。たまに関西に行ってホテルで見るテレビ番組のあの空気は東京の人間にはちょっとついてゆけないカンジがあって。府民性、みたいなモノ? 維新はそういうところにつけ込んだのかしらねぇ?とか映画見ながら考えちゃった。   で、映画見終って友達に感想メールしたら、これから見に行くからあんまりネタバレしないで、って。なんやそれ。
[映画館(邦画)] 4点(2020-08-30 11:25:54)(良:1票)
7.  屍人荘の殺人 《ネタバレ》 
 浜辺美波が可愛い以外の感想が出てこないわ。原作知らないけど、つまんない映画。   ここからはネタバレ注意ね。   まず、予告編やCMから受ける情報と実際の映画とは大きな違いが2つあって、もはや詐欺みたいなモノね。  1つは3人の探偵&助手がペンションで起こる殺人事件に立ち向かうって印象だけど、実際には1人は早々に退場しちゃうわ。なんていうの、『エグゼクティブ・デシジョン』のセガールっていうか『ディープブルー』のサミュエルみたいなモンね。  もう1つはゾンビものだってこと。ゾンビが跋扈する世界での閉ざされた空間での殺人ミステリーなのよね。ゾンビと何かをブレンドしてみたのはいけれど大して面白くない、って『アナと世界の終わり』みたいね。   で、ゾンビ化してしまうのは誰かが野外フェス会場でウィルスを注射しまくるテロによるものなのだけれど、そこは具体的な説明をしないのよね。犯人の目的とか動機とか一切描写ナシ。解決すらしてないの。つまりゾンビが存在する理由付けのためだけの設定なの。ならば人の手によってゾンビが生まれました、なんて説明も要らないんじゃない? ハンパね。  コメディタッチでワリと寒めなお笑い描写が頻出するのだけれど、根は陰惨だったり悲劇的だったりして、それをお笑いが緩和するというよりもアンバランスな印象を与えてるわ。ラストシーンからエンドロールへ至る部分なんか、お客さんみんな呆然ってカンジよ。なんかそこに救いがあるのかと思ったら、そんな終わり方?みたいな。  ミステリーとしてはそれ成立するの?ってレベルで(何しろゾンビものなので)、なるほど!みたいな推理が見られるワケでもなくて。ハンパに金田一耕助モノのパロディ入れたりするのも意味不明ね。   極端に短いカットの連続やここが見せ場ですよ的なスローモーションも煩わしいばかりで、なんだかしょーもないモノを見せられてる、って口あんぐり。   それでも浜辺美波は可愛かったわ。それだけ。
[映画館(邦画)] 3点(2019-12-24 21:31:05)
8.  新聞記者 《ネタバレ》 
 新聞を読まなくなって10年近く経つわ。ヤクザみたいな勧誘員が洗剤持って売り付けにくる、紙ゴミがたっぷり挟まってくる、中身もゴミみたいな紙の塊にどれだけの価値があるのかしら? アレって必要なモノ?   コレは嘘つき64歳児、安倍晋三の内閣を元にした映画。語られる幾つものエピソードは実際の内閣のやらかしを引用してるのね。こんなん、大手メジャーが作れるワケもない、コレがメジャーな劇場で公開されたのが奇跡のようにも思えるあたりが今って時代ね。   ただ、この映画を見て「今の日本の内閣はクズよね!」って怒りを燃やしちゃうんだけど、ちょっと待った、この映画はあくまでフィクション。現行内閣の姿を模しているだけ。  現実はマスコミはもっとずっとクズだし(NHKとか読売新聞とか産経新聞とか、ただの政府の犬でしかないわ、ってでも受信料はBS込みで払ってるわよ、それは法で定められた義務だから)、この映画に出てくるような気骨ある人たちなんて今のマスコミには居ないわよ・・・ってところはともかくとして、映画はしょせん作り物。そこに真実がある訳じゃない。  何が本当なのか、何がこの国に起きているのか、それは自分の判断に頼るしかないわ。この映画で語られる「自分を信じ、疑え」こそは今の日本人に必要なスキルなのだと思うの。  この国の政府とマスコミはクズだけど、盲信するのも罪ならば、ただ黙って状況を受け入れているのもまた罪。国は国民が創るものなのだから。  映画はその自らの虚構性までをも利用して、現政権のいかがわしさを超越して、国家権力、マスコミが情報をコントロールし、世論を作り、個人の権利、生命を脅かすようなことがあってはならない、国民はそこをキチンと見ていないと国はどんどん悪い道を進む、と普遍的な警鐘を鳴らしているのね。   『サニー 永遠の仲間たち』や『怪しい彼女』でカワイイのにヘン、って独特な個性を見せていたシム・ウンギョン、正直なところ日本語はたどたどしくてツラめ。だけど力強い演技で存在感を示してるわ。日本で彼女に対抗できる目力の持ち主女優ったら杉咲花くらいかしら?   ラストの議事堂前の桃李とウンギョンのシーンは多くを語ってなくて、あれ、多分絶望的なカンジなのでしょうけど、アタシ的にはあえてあそこには希望が描かれてると捉えたいところね。この映画そのものがそれを信じたいと思っているように。  【追記】ツイッターの「♯新聞記者みた」タグに必死にクソリプ送りつけてるクズ達のせいで、逆にどんどんこの映画の意味が出てきちゃうっていう。日本大好きとか(自称)普通の日本人とか美しい日本を取り戻すとか言ってる連中のやってる事、逆効果。
[映画館(邦画)] 8点(2019-07-07 21:48:52)(良:2票)
9.  十二人の死にたい子どもたち 《ネタバレ》 
 堤幸彦監督の映画、バカバカしいハイテンションっぷりで大体どれも嫌いなんだけど、残念ながら?この映画はかなり堪能してしまったわ。   この映画で重要なのは自殺志願者は12人なハズなのに何故か13人目の死体があって、一体それは誰でどうしてそこにあるの?ってミステリー部分、ではなくて。  大切なのは12人それぞれ、どうして死にたいの?という点。そこに思いっきりキモチを向けて見ていたので1つ1つが沁みたわ。  もちろん、中にはそんな理由で死にたいの?っていうのもあって。後追いとか、当てつけとか、操り人形みたいな立場からの離脱とか。でも、それをバカバカしいって片付けられる? 実際にそういう理由で死んでゆく人達が存在しているのもまた事実なのだから。  それぞれの痛みに向き合って、まるで感情のアトラクションムービーの如く翻弄されて。   死にたい理由を見てゆくと、例外もあるけれど、多くが「大人がダメであるがゆえの若者の絶望」に繋がっているのね。親が原因で死のうとするコ達が何人もいて。そこからは子供に対する親の無責任、大人の無責任が見えてくるのね。若者を死なせてしまう社会、世界。それが正しい訳はなくて。そこに想いを向けてこその映画ね。   『人魚の眠る家』と同様にドローンを嬉々として使ってまーす、って状態を始めとして、堤演出は必ずしも正解とは言えないし、ドラマの浅いキャラ、もっと詳細に描いて欲しかったドラマもいっぱいあって、それは不満ではあるのだけど、でもまとまり方としてはこんなカンジでいいのかな。もっとドロドロ重厚で長尺で、なんてモノが必要だとも思えないし。   杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、黒島結奈、高杉真宙の若手ながら経験豊富な5人が映画を支えて、個性的な7人(+1人)が彩るカタチで、若い人達だけで見応えのある作品世界を創造していると思ったわ。  個人的にはゴスロリ少女な古川琴音に魅かれたわ。彼女に対して「あなたは何故死にたいの?」って思ったところから映画にキモチが入っていったようなカンジで。一方、橋本環奈嬢はもう少し撮り様があったんじゃない? 「1000年に一人の美少女」の撮り方としてはあまりに雑ね。   大切にしないといけないコトを茶化すことなく描いたという点で今回は安心したわ。
[映画館(邦画)] 7点(2019-02-06 19:55:58)(良:1票)
10.  志乃ちゃんは自分の名前が言えない 《ネタバレ》 
志乃ちゃんのつらさ、孤独が痛いくらいに伝わってきて、見ていてとてもシンドくて。   そんな志乃ちゃんに出来た大切な友達、加代ちゃんとのハーモニー、2人だけの時間はとても幸せに満ちていて。   そして、そのハーモニーを破壊してしまう大きな不協和音の存在、現実ってそういうもの、っていう映画のメッセージ、それは判っていても吞み込むのは難しいわ。それを受け入れられない志乃ちゃんそのままに、こちらも無理になってしまってね。   決してダメな映画ではなくて、心に刺さる、よくできた青春映画。  それぞれが抱いた痛みに寄り添う、真摯な映画。   でも、それは別に期待してなかった、そういうのは見たくなかった、っていうか、今更映画にそんなこと諭されるつもりはないし、みたいな感じになってしまって。  途中がキラキラしてただけに、その落差を見て、それでもああ良かった、って言うのは、ちょっと無理かなぁ。  ああ、そんな映画なのね・・・って落胆しちゃった、ってのが正直なところ。   つーかさ、トシを重ねたオカマなんぞに必要な映画じゃねーんでしょうけどもさ、じゃあ、コレ見て若いコが何を学ぶのかしら? 現実なんてそんなモンだから覚悟しろ、って? 現実はそんなモンだけども、それでも前に進む価値があるとか、そういう話?  映画が誰に対して存在しているのか、その意味がどうも今ひとつ見えて来ないのよねー。   そこに『タイムズ・スクエア』のニッキーとパーミーの姿を、『リズと青い鳥』のみぞれと希美の姿を見つつ、もっと突き離されちゃった感があって、残るのは切なさばかりなり。
[映画館(邦画)] 6点(2018-09-06 21:11:30)
11.  ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 《ネタバレ》 
 原作未読、つーか微妙に読んでない事もないのですが「そんなもんは読んでるウチに入らん」って言われちゃうレベルで。  で、あまり知識が無い状態で見た映画は、なんかフツーって感じ。これだけ有名な原作で、あれだけアクの強い絵柄のマンガなのに、だらーっと普通に映画化しちゃいました、って印象。  会話シーンを引きの画で長回しって、わりと三池作品に見られる傾向なのですが、この映画でも多用されていて、それがテンポを殺し、演技の間の悪さを露わにし、映画の印象をボヤかしてしまっています。もっと時間をかけて凝った撮り方と編集ができなかったんでしょうかねぇ。印象的な画に欠ける映画で。  これもまた「記号としての学校のチャイム」が鳴っちゃう映画で、なんかセンスが古めなんですよね。三池監督だとこのくらいなのかな、って思ってしまって。   演技にしても普通な感じで、なんていうかもっと「ジョジョ演技」みたいな独自な演技法があっても良かったんじゃないかなぁ。物語とキャラさえ原作に寄せればそれでオッケー、っていうのはあまりにフツーなマンガ原作の邦画ですよねぇ。もちろんヘンな事して悪い方に転がる危険性を避けているんでしょうけれど、タイトルが冒険って言ってるんだから映画も冒険しなくちゃ。   でも、テンポは悪かったけれど退屈はしませんでした。それぞれ全く特徴の異なるスタンドのぶつかり合いが多彩で(神木くんの、さんざん引っ張ってみせた上でのあのスタンドはツッコミどころでしたが)、次から次へと更に強い敵が現れる勝負の物語は王道の少年マンガの世界で。続編ありきな作りなせいか、せっかくの妖しげな小松菜奈はちっとも物語に絡まない、なんのために出てきたのか不明な存在でしたが。  全体的にはコスプレ映画って感じの中、岡田将生はキレイな顔をしているので、なんかタカラジェンヌっぽかったです。   まあ、絶対に続編が見たいか、とか原作が読みたくなったか、とか言うと、それは無いかなぁ。
[映画館(邦画)] 5点(2017-08-08 22:04:25)
12.  忍びの国 《ネタバレ》 
 無門がほぼ全編サイコ野郎なので見ていてイライラするばかり。   育った環境のせいでサイコ野郎になりました、里全体がサイコ集団です、っていう背景があるのは判ります。そして、そこから脱却して人間性を獲得するのが主題なのも判ります。でも、それが流れとなって具体的なカタチのドラマになっているのは平兵衛であり、大膳であり、無門はラストでお国を亡くす時点までずっとサイコ野郎ですから、主人公は果たして無門だったと言えるのかどうかも疑問な状態。延々と感情移入を拒むアンチヒーローとして描かれた無門、それでいいのかなぁ?って。  お国もまたドラマにはなっていないんですよね。かつて無門に拉致された、けれどキツい性格という設定描写から先へとは殆ど進まないまま最期を迎える状態で、ドラマの無い者同士で最後に悲劇を演じられたところで感動できません。   金が全てに優先され、人間としての感情が欠如した存在、それを現代の人間に象徴するのはいいとして、その醜い姿をわざわざ現代人にオーバーラップさせるあたりは一体何様のつもりなのよ?って感じで。送り手側が高みに身を置いて世間を見下しているつもりになってる作品って嫌い。本当は別にそんなに偉くはないでしょ? 人のこたぁ言えない生き方しかしてないでしょ?   アクションシーンでの笑えるというよりはバカバカしい長回しや、突然のカメラ目線のウケ狙いなどは真面目にやる気があるのかないのか。お笑い人殺し合戦っぷりがテーマとの齟齬をきたしています。   救いは平兵衛を演じた鈴木亮平と大膳を演じた伊勢谷友介。脚本的には言動に不安定さがあるものの(登場人物全員そうなのですが)、その熱さ、力に満ちた感じが魅力的でした。対して主役のクセにサイコな大野くんは損な役回りというか。っていうか彼のキャラがこの役に合っていたのかどうか。サイコながらも抗えない魅力を醸すとか、そういうのは全く無かったですからねぇ。   痛快時代劇かと思いきや、ひたすらストレスを抱き続ける作品でした。
[映画館(邦画)] 3点(2017-07-04 21:21:09)(良:1票)
13.  ジェイソン・ボーン 《ネタバレ》 
 1作目を見逃すと当然2、3作目も見れなくて、そんなこんなでシリーズを最初にスクリーンで見たのが『レガシー』っていう。1~3はBSだかCSだかで一挙放送したのをゴロゴロダラ~っと見た程度。で、シリーズ通しての印象は1作1作の物語のカサがあまり無いって事と動かし過ぎのカメラワークがウザいって事。今回も印象はあまり変わらず。マンネリ度が更に増したけれど「それで終わりかよ!」って感じは少し軽減したかな?   とにかくあのカメラワークはもう要らないんじゃないかと。ひたすら見辛いだけです。前世紀末に流行ったのをいまだに引っ張ってる状態で、それこそがこのシリーズのアイデンティティだと言われるかもしれませんが、カメラが意思を持って存在をアピールしちゃうとね、それは一体誰の視線、もしくは誰の持ってるカメラよ?って事になっちゃう。いや、臨場感を出すために観客の視線を作ってあげてるんですよ、って事なんでしょうけれど、大きなスクリーンと対峙してるこちらにとっちゃ、そりゃ余計なお世話。せっかくのスタッフとキャストの仕事がガチャガチャな状態でしか記録されてませんっていうの、勿体なくないかなぁ?   それから念押しするような映像がクドくて。冒頭のギリシャのデモシーン、後半のカーチェイスシーンは不要なショットがかなりありますし、父親が殺害される回想シーンを何故あそこまで繰り返す必要があるのやら。これもまた親切心から?の余計なお世話ね。   物語はジェイソン・ボーンのごくパーソナルな話ですよ、っていうのが明らかになると共に底が見えて中盤以降は退屈気味。   せめてアクションやサスペンスに独自性があればいいのですが、なんかもうシリーズだけでなく、このジャンルの見せ場の繰り返しですね、っていう。その上、クライマックスの大事なところでモタモタと弱みを見せちゃうあたりはかなりガッカリ。続編をなんとなく意識したのか、微妙にボヤかしたエピローグも含めて、この程度の続編作っちゃったのねぇ、って印象。  もっとスゴい状態に成長したジェイソン・ボーンを見せて欲しかったのですが、むしろ退行してなかった?
[映画館(字幕)] 5点(2016-10-10 14:39:59)(笑:1票) (良:1票)
14.  少女(2016) 《ネタバレ》 
 繊細で残酷な映画。全編をヒリヒリとした空気が漂い、心を締め付けてきますが、その切ない痛み、居心地の悪さがむしろ不思議な快感と感動を呼びます。   二人の少女が負った傷は他者の悪意の象徴。様々な悪意の中で傷付き、壊れ、死が囁きかけてくる、徐々に悪化してゆくそこから逆に得るもの。  幾つもの(痛い)エピソード、映像がパズルのように散りばめられ、組み合わさって1つのカタチを織りなしてゆく、それが心地良さを生んで。二人の少女、冒頭とラスト、共通する2つの映像(夕陽を駆ける二人、それぞれが防波堤を歩く、足が「治る」瞬間、二人の繋がりが遮られる刹那、水の中に沈んでゆく)、幾つもの対を成すものによって構成されて、その対比の組み合わせが大きなうねりを創り上げています。  因果応報を示す繋がりはファンタジー的ですが、ゆえに1つの作品の中に閉じ込められた、閉塞された世界が完成されています。  その世界を創造するロケーションも効果絶大、二人の身近にある海が生と死の境界を示していて。   闇を抱えて生と死の狭間を彷徨う女子高生を演じる本田翼と山本美月がとても良いです。   実はシンプルな友情物語、ヨルはまた来るのでしょう。
[映画館(吹替)] 9点(2016-10-09 21:51:48)
15.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 
 昔から庶民の視点で描かれた怪獣映画が好きで、政治家や役人や自衛官や専門家が右往左往するようなのは好きじゃないのですが、コレがそうだからと言って悪く言うつもりはありません。  ゴジラがむしろアチラのモンスター風になっちゃった、ってのも、CGが期待したほどではなくて舟だの車だの列車だのが重量感もなくパタパタ舞ってるなんてのも、まあ些細な事。人物シーンのライティングはもう少しどうにかなんなかったのか?とは思いますが。   私がひっかかって仕方ないのはゴジラを「戦後日本の亡霊」として登場させた部分で。   空回りする会議と会話を繰り広げるばかりで決断力と実行力が欠ける連中には途中で退場願って、異端であろうが傍流であろうがゴジラの暴走を止めるという共通の目的を果たすためにプロフェッショナルがその仕事を果たす、って点は良いと思います。ですが、それがいつまでも変わらない「戦後」に対する呪詛を基にしているようで、それは前向きと言えるのかどうか。  終戦直前から現代に至るまでの(原爆投下から東日本大震災による被害と、福島第一原発のメルトダウンによる被害と)この国家を襲った災厄に対して、それでも「頑張ろう日本」と言いたい映画、でも安保やら核やら、終戦から今の日本に変わらぬ重圧を与え続けている「戦後」に恨み節のひとつもヒネリたい、みたいな映画で。  両監督と同世代なので判らないではないんですよ、団塊に蹂躙された後の世界を生きてきた世代な訳ですし(笑) だけど、映画に漂う旧『日本沈没』と旧『日本のいちばん長い日』の影響が、まるでそこに留まる事に対する自虐的な言い訳のようにも思えて。  ナショナリズムをシニカルに捉えつつ(でも実際にそこに陥っているような感想がネット上に大量に見られるという)、それが自嘲、自虐の域から出ていない、その先の示すべき道を語ってくれていない気がするんですよね。まるで「仕方ないけど頑張ろう」みたいな。   怪獣映画における不可侵領域である皇居に言及しない今作には、もちろんそうする事の意味があるのでしょうが(東京駅と皇居はさほど遠くないのであの作戦をあの場所で展開するというのは国家的にかなり問題な訳で、即ちこの作品世界に皇居は存在しない)東京の中心に鎮座する事となるゴジラにそれが象徴されちゃってるとすれば、それはそれで、ねぇ。   個人的にポイントが高い点はご贔屓、市川実日子嬢がひたすらヘンなキャラだった石原さとみ嬢よりよっぽど良い扱いだったところ。彼女目的に見に行ったと言っても過言じゃないです。
[映画館(邦画)] 5点(2016-08-02 17:21:29)(良:3票)
16.  進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド 《ネタバレ》 
 日頃映画に対して大口叩き気味なこの人達の腕をもってしても『サンダ対ガイラ』の出来損ないみたいなモン作るのが精一杯なんですかねぇ。   あらすじと回想とで前作の映像を使いまくり、エンドロールまで引くと正味77分くらいしかない続編、なのにダレます。キャラやドラマがつまらないのは前作同様(っていうか同時に撮られた、元々は1本に収まるようなシロモノですが)。  長谷川博己のキャラなんかは笑わせたいのかなんなのか。『天空の蜂』でも思ったのですが、シャンパングラス手にするとオシャレみたいなビンボ臭いアタマで作ったビジュアル見せられると本当にいたたまれなくなってしまって。  水原希子の言動には流れがなく唐突で何考えてるんだか、って状態ですし、三浦春馬は単にギャーギャー叫んでるばかり。   それでもまだマシだと思ったのは、物語が意外にも凡庸でありきたりなところに落ち着いた点でしょうか。これでヘンにぶっ飛んで行って観客置き去りなオチを付けたとしたら目も当てられなかったわけですが、フツーになった事で「ああ、フツーですね」って。「大きな壁の内と外、って新井素子かよ!」みたいな使い古されたテーマを特に新しい視点で描く訳でもなくフツーに持ってきました、ってところでここら辺が限界点です、みたいなのが垣間見えて。せめてものバランス感覚、ってところでしょうかね。  ただ、エンドロール後の部分は要らなかったと思います。更にありきたりなアレによって作品世界をもの凄く狭く退屈なモノにしてしまっています。   前編のダレまくるドラマ部分と後編の水増し感。セコい商売してないで一本で公開しようよ。
[映画館(邦画)] 4点(2015-09-20 22:28:44)(良:2票)
17.  進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 《ネタバレ》 
 不安定な足元の世界でキャラ達がもつれるように動いてゆきます。明確な前進のベクトルの無い、運命に囚われた世界。  だけど映画自体が足もつれまくっちゃってるような状態で。   特撮に期待しましたが周囲がヨイショし過ぎたせいか「結局こんなモンか」って。革新的な映像!とか視覚的興奮!とか、そういうトコには行ってなくて。「大きい巨人キタわ~!・・・って『学校の怪談2』のラスボスに似てね?」みたいな。小型サイズの巨人は普通の日本人の方々が演じていらっしゃいます、ってのがよーく見えてちょっといたたまれなくなっちゃいますし。立体機動はハニメーションみたい、つーか『キャシャーン』あたりからちっとも変ってない感じ。   でもね、そんなでも結構面白く見られました、巨人シーンと立体機動シーンは。  問題はドラマ部分で、これがもう面白くもなんともなくて。なんでしょ、ドラマがちゃんとドラマとして昇華されていかない感覚、キャラにちっとも心が動いていかないもどかしい感じ、様々なエピソードや表現が上滑りしまくってる印象、脚本とか演出とか編集とか音楽とか、もうちゃんとまとめようって気が無いのかいな、っていう分裂症気味なシーンの連続なんですよね。カットごと、いや1つのカット内でも画面上のキャラごとにテンションやリズムがバラバラなの。流れが無くて混沌としていて。それは狙った混沌とは違う混沌が生じてるんでないかと。   樋口監督は役者さんを上手く撮る人ではないので、そこを改善できないかなぁ。唐突なスローモーションに頼ってもそれが印象的になるって訳ではないですしねぇ。とりあえず目線、なのかなぁ。もっと印象的な目があれば。  っていうか、それは巨人も同じで。平成ガメラも敵怪獣には目線が存在してないんですよね。ギャオスも成体レギオンもイリスも黒目が無いの(群体レギオンにはあったような気がしてきた・・・確認すんの面倒クサイ)。巨人は黒目があるのですが、その目で見られる恐怖ってのが薄かったなぁ、と。『大魔神』の恐ろしい目、アレが欲しかったなぁ。  人の目を見て話しましょう、って、過去作から見てもそこら辺がウィークポイントになってるのかな。   ただ、IMAXで見るだけのサイズ感はある映画だと思います。邦画には稀有ですから、その点だけは、はい。
[映画館(邦画)] 4点(2015-08-03 06:07:18)
18.  新宿スワン 《ネタバレ》 
 演出は特に語るべきものも無く。強いて言えば「安っぽいタランティーノ」?   問題は脚本ですね。マンガ原作をまとまりの無さの免罪符にしてる、原作がマンガだから脚本もこの程度で仕方ない的な仕上がり。エピソードが羅列されるばかりで流れが無いのでダラダラした印象。  それでも男側のエピソードにはまだ起承転結があるけれど、女側はただ状況があって結末がある(あるいはそれも無い)だけ。まるでドラマが形成されておらず、セリフにあった「女を道具にしている」状態を映画自体が実践しているという皮肉。  栄子の腕にリストカットの痕が無数にあるというのは栄子の設定を語っているだけで、具体的な要因となる描写も無く自殺へと至ったところで、そこにドラマは生まれません。「元々死にやすそうだった娘が死んで悲しい」と龍彦のキャラを立たせるためだけに存在しています。  それに比べればアゲハは幾分マシな扱いを受けているようですが、道具的なポジションという意味では実は栄子と一緒。栄子の反省もなくエピソードを重ねているだけに見えます。  まあ、いかにも「オッサンが作った映画」ではあります。   見せ場と言えば格闘シーンなのですが、どれも同じような撮り方で、肝心なクライマックスも盛り上がりに欠ける感じ。   そんな映画での見どころと言えば、山田孝之と伊勢谷友介の顔。二人のキレのあるオトコの顔がこの安っぽい映画にシャープな印象を与えています。綾野剛も普段のカッコつけた役よりもこっちの方が似合ってる感じでヘラヘラとバカっぽい役がハマっておりますが、山田孝之と対峙してしまうと、ちょっと格の違いが出ちゃうなぁ。   風景的な新宿らしさは出てたと思うので、東京観光をした気分にはなれるんじゃないかと。その内側で生きる者のドラマはともかくとして。
[映画館(邦画)] 5点(2015-05-31 20:18:23)
19.  ジヌよさらば かむろば村へ 《ネタバレ》 
 松田龍平という人が苦手で、いつも極端にリアクションの薄い普通じゃない人にしか思えなくて、この映画でも人間的に最初からヘンな人で全く感情移入できず、他のもっと平凡な感じが出せる俳優さんの方が良かったんじゃないかなあ?なんて思いながら見ていたのですが、でも面白かったです。   不条理4コマでお馴染みのいがらしみきおの持つタッチは実写になるとどうしても激しくスポイルされてしまいますが、それでも現実からズレた不条理な感じは映画にもよく表れていて。   やっぱり阿部サダヲなんですよね。この映画の高速回転エンジンとして映画を引っ張っていて。彼のキャラがあればこそ、田舎のドロドロとした、暴力的な話も笑いへと昇華されて。  後半になって陰謀話へと集約されていくと、映画のフットワークが重くなってしまう感がありましたが、それもサダヲの出番が減ってしまう事に起因しているのでしょうね。  前半の田舎の暮らしについての話の方が楽しかったので、その点はちょっと残念。   それから、片桐はいりがカッコいい映画でもあります。   あと、松たか子の存在感は生々しくてオッサンの視点から見たらヤバいレベルでした。はい。
[映画館(邦画)] 6点(2015-05-21 21:48:58)
20.  ジョーカー・ゲーム(2015) 《ネタバレ》 
 予告編を見た限りでは、もっとシリアスな映画だと思っていたのですが、タイトルバックがバカ臭さ丸出しだったので(カッコつけまくった映像もバカっぽかったのですが、そもそも日本映画なのに英語で役者名やスタッフ名を出す映画は大抵バカ臭い映画ですね)、これは「そういう映画」なんだと早々に頭を切り替える必要がありました。  でも結局最後までそのバカ臭さを受け入れる事ができず。   スパイものとして致命的なのは主人公がヘボいんです。情に弱いスパイだと語られておりますが、それ以前に公私の区別が付けられず、任務をマトモに遂行する能力が無いお馬鹿さん。で、脚本がそのお馬鹿っぷりに合わせるようにヌルく作られているので、大変に腑抜けた映画で。  クライマックスなんて「偶然」や「運」に助けられまくる状態で、そんなモノに一体なんのサスペンスが生まれるっていうんでしょ? 馬鹿がテキトーにやっても補正かかって生き延びられる世界ではサスペンスなんてものは無効ですからねぇ。   で、そんな弛緩した世界で音楽だけが大仰にサスペンスを盛り上げようと必死なものだから可笑しくて。画面と音楽とがまるで調和してないの。   基本的には大変にヌルい娯楽映画でした。後々カルトな人気が出そうなニオイを漂わせつつも、そこにちっとも手が届かなかったのはバカ臭いなりの尖った個性を持たせる事ができなかったからでしょうか。アクションにしろ衣装にしろガジェットにしろ「この時代設定にこの題材ならばこの程度」という枠の中でしか物を作れなかったような感じが漂っています。どこかしら突き抜けていれば、まだ面白くなったと思うのですが。   それにしても政治的に危ない題材がポロポロと出てくるあたりは誰かを刺激したいのか、それとも無自覚にやっているのか。大戦当時を舞台にしたフィクションだけれども、今に直結している事柄が色々あって「娯楽映画だから」って逃げられるレベルのモノかなぁ?って。「完全に日本国内のみで完結させる映画」として作ってるのかしら?
[映画館(邦画)] 4点(2015-02-01 22:18:39)
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