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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1635
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1.  ピンクカット 太く愛して深く愛して 《ネタバレ》 
長編映画デビューしたばっかの森田芳光監督が、2作だけ撮ったというロマンポルノの後の方…ですかね(しかも『の・ようなもの』と『家族ゲーム』の間に撮ったって!)。とは言えこの『ピンクカット』てのは、要はエロ理髪店!みたいなコトでして、根本的にはおふざけコメディ・ポルノの方…って系統のロマンポルノでもありますかね。でも、最初は確かにごくチャランポランな感じなのですが、最後まで観ると全く中身が無いってヤツでも決してなくって、若者の生き辛さを(軽めに)体現する寺島まゆみちゃん&伊藤克信くんがいつしか共鳴して恋に落ちて⇒そのままハッピーエンドに雪崩れ込む…みたいな流れは十分に青春ものラブストーリーとして観るコトの出来るモノではありますかね(+監督のユニークな個性も大いに感じられる)。個人的には、尻上りに段々楽しくなっていった…という感覚で観終われて好かったです。  もう一つ、今作は中々どーして女優さんの質が相当に高いと思ったのですね(選り取り見取り)。監督の一作目の方も今回観たのですが、どっちにしろハタチ前後のかなり若い女優さんばっか使ってんな(しかもそのうち一人とはどーにかなっちゃったとかナンとか…この野郎……)という印象なのです、が今作だとまず主役の寺島まゆみさんが相当に可愛い(ルックスのみならず仕草や表情のつくり方が愛嬌全開で超・可愛い)ですし、このコは元々知ってたのですが山口千枝さん(エロ床屋の店員)も似た様なガーリーな感じで可愛い(寺島さんとは打って変わってちょっとやさぐれた翳のある感じがまた可愛い)ですし、渡辺良子さんも(コッチも店員⇒トルコ嬢)この方は『くいこみ海女 乱れ貝』て作品で既に拝見してましたがスーパースタイル好い+ウルトラ美乳で極・眼福でしたし、更にもう一人、今作がロマンポルノデビューって「ポルノ界の百恵ちゃん」こと井上麻衣さんも、噂に違わぬ美貌(確かに似てる)+喋り方なんかも絶妙にマロくってまた素晴らしかったと思うのですね。ポルノシーンの内容自体はライトな方かとは思いますが、ソコも含めて好く纏まってるし楽しいし程好くエッチいし…で結論的には完全なる良作かと。機会が在れば。
[DVD(邦画)] 6点(2023-11-05 00:21:24)
2.  ヒミズ 《ネタバレ》 
偽物とゆーか、嘘とゆーか、端的には世の「欺瞞」をまずは暴き切りたかった映画…という風に見受けられました。美しいモノ・ポジティブな言葉だとか、そーいったモノはとにかく大仰で「嘘臭く」見える様に撮られている、と(特に前半の二階堂ふみの諸々などが)。だから一方で当然、その対極に在る人の世のネガティブなモノとゆーのは、コッチはごく真なる感情の籠もった「殺気を帯びた」所作・言葉として観る我々に突き刺さる…ハズなのですケドも、個人的にはど~も、前半は少なからずそーいう感覚も有ったのですケド、後半は正直そーでもなかったかな…とゆーのが正直なトコロで、コレも端的にはこんな映画なのにあまり「観ていて辛くなかった」のですよね。。。演出のアイデアとしては率直に(前述のソレは)かなり優れたモノにも感じられたのですが(未読なのですが、コレは原作準拠なのでしょーか?)偉そーな言い方を許して頂けるのであれば今一歩、完全なる成功には至らなかったのかな、と=真なるモノに為るハズのソレも、また虚構になってしまっている、と。  しかしまた一方で、とある個々の場面における俳優陣の演技のクオリティとゆーのは、中々に凄まじいモノだったと思いますね。主演2人の(しかも10代の)仕事も実に素晴らしかったと思いますが、また脇役の「悪い」人達のソレがモ~凄まじかったな…と。個人的には、中でもでんでん氏ですよね(マジで、人間離れした寒々しさを感じ取ったのですね)。その意味でも、一見の価値は確実に在る映画だな…とは思うトコロです⇒ココはやはり、一点足しておきます。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-07-25 19:38:06)
3.  百花 《ネタバレ》 
原作未読ですが、ソレでもたぶんかなり「削ぎ落されてる」という感じを受けてまして、内容自体はかなりシンプルな作品だ…という感想になっているトコロですね。結果的に、そのごくシンプルな「親子観」と、その作中での帰結、といった辺りに(コレもシンプルに)納得・共感が出来たという個人的な事情からのこの評価となっては居るのですが、ソレでも、その内容そのモノ以外の部分…とゆーのも、まずまずのクオリティで揃っていたのではねーかなと思ってますね。コレも個人的なコトかも知れませんが、特に原田美枝子さんの過去のパートの諸々=80~90年代の日本の街や一般家庭の情景、だとか、或いは現代のパートでも古びた・でも小綺麗にしている団地の一室の空間とか、あとはごく田舎の花火大会の様子だとか、そーいう色々のノスタルジィに『トロイメライ』が混り合ってくるこの感じには、正直ワタシちょっと「弱い」のかと。  そしてもう一つは何と言っても原田美枝子さんの演技の仕事ですね。重ねて、ごく繊細・曖昧な内容(ともすれば「薄い」と言えるかも知れない)を擁する作品ですが、だからこそ逆に、彼女のこの奥行きのある演技はむしろ効果的だったのではねーかと思いました。個人的に、この人の映画は今後も観る、と決めている方ではありますが、今回もそーして正解だったと思いますね。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-06-13 18:16:36)
4.  ひらいて 《ネタバレ》 
いや~シビれましたね~コレぞ文芸映画ですね!(原作の方も間髪入れずにAmazonでポチってしまいました)  否、所々では(痺れたのではなくて)むしろゾッとした…と言った方が好いと思います。まずはモ~主演の山田杏奈ちゃんからしてとにかく最初っからナンだかミョ~に怖い…のですよ。ある面では確実にサイコパスとゆーか、分かり易く言うとひたすらに自己中心的とゆーか、でも最後まで観ると私にとってより一層の恐怖の対象だったのは残り二人の方だったのですね(=今作で恐れ戦かされるのは実は杏奈ちゃんの方…だという)。  芋生悠ちゃんはコレも冒頭から病気という「業」を背負っていて、ソレがある種の「納得いく理由」となっている…とも思うのです、が一方の作間龍斗にはソレが当初は見当たらない…が故に、彼の方は一体どんな「闇」を抱えているのか(=ナニがどーなったらこんな人間に為り得るのか)という点がごく終盤まで非常に心地悪い不安として在り続けたコト。そして何より、そんな彼と彼女二人があまりにも人として「かけ離れた場所に居る」為に、杏奈ちゃんの方が(=杏奈ちゃんですらも)彼と彼女の世界には決して入り込めないのだ…という絶望的で絶対的な実感を共有してしまったコト、そのものの恐怖とでも言いますでしょーかね。  いや、杏奈ちゃんが(例えば端的に)ガキだから…とかいう単純なコトではないとだって確実にそー思われるのです。彼女は彼女で比較的ごく完成された人格を備えた方の、子どもとは決して言えない・見做せない様な女性だとも感じるのですね。だからその「差」とゆーのは(まず年月やそこらでは)埋まり得ないのではないか、ソレは恋愛においては正に死刑宣告の様なモンだとも思うのですよね(ソレこそ白鳥に恋する豚の様なコトであって)。コレもむしろ杏奈ちゃんの方こそが人間らしい(=人間臭い)人間だと見えていた私にとっては、彼と彼女二人とゆーのはむしろモ~「人間」に見えなかった…恐らくはソレこそが私の感じた「恐怖」の真なる源泉だったのではないか、と思います(思えば悠ちゃんの方だって、杏奈ちゃんと同じ様にやっぱ終始ナ~ンか怖いのですよね…少なくとも私にとっては)。  最初にも述べましたが、肝心な場面のキメ台詞の(決して気取らずも)実に文学的な趣きが超絶に心地好かったコトも含めて、少なくとも中盤以降はマジでシビれっ放し!でしたですね。大いにオススメしたい良作です。
[DVD(邦画)] 8点(2023-02-14 23:59:40)
5.  白夫人の妖恋 《ネタバレ》 
日本三大怪談の一つ『牡丹燈籠』は三遊亭圓朝作の落語作品だが、コレの原作は中国の怪奇小説『牡丹燈記』というヤツなのだそーで。んで、この映画の元ネタもまた中国の小説『白蛇伝』なのだケド、映画を観て第一に感じたのが「コレ『牡丹燈記』にソックリやな…」というコトなのでして、調べたらやはり『牡丹燈記』は『白蛇伝』の原作の一つだ、というコトらしーのです。ただ『白蛇伝』自体は(『牡丹燈記』とは違って)様々なバージョン違いが存在するというヤツらしく、ソレこそ怪談調のモノから純愛ものっポイのまで(時代や地域に応じて)色んなタイプがある…とのコトだそーです。その意味では、日本で観れる『白蛇伝』原作の映画も実は幾つか存在するよーですが、観比べたら意外にたぶんジャンルは様々…だったりするのかも知れませんね。  この映画は、どちらかとゆーと悲恋ものの系統とゆーか、製作者側が一番感情移入させたがっているのは恐らく山口淑子の白蛇サマだと思うのですね。しかし、コレも恐らく元ネタ(=種々の実際の『白蛇伝』)の要素をワリと真面目+素直にまんま取り込んでいるとゆーか、現代の一般的映画作品のシナリオと比べると率直に少~し所ドコロで一貫性を欠く様なきらいが在るとも思われるのですよね。観てゆくと結構お話の焦点が絞り切れない様な展開運びをしてゆくし、またキャラクターの観点からもやや取り留めが無い感じも覚えるのですね。白蛇サマがラスト付近では完全にメンヘラストーカー的な愛の亡者と化してゆく一方で、その彼女(+その手下の八千草薫演じる青ヘビの精)も中盤ではフツーにかなりキレキレな悪事もやらかしていくのですし、円谷英二を招聘した特撮映画だから…というダケなのかも知れませんがクライマックスの特撮シーンでの振舞いはモ~完全にバケモノのソレでありますし。結論を言うと少なくとも私にとっては絶対に恋愛対象には為り得ない…というキャラなのですよね(まあゆーて「異類婚姻譚」なんて皆そう…だとも思いますケド)。もう一点、前述どおり原作由来の要素を(注釈とか無しに)まんま放り込んでいる箇所が思いの外多い…ので、そーいった中華的概念(仙人とか道士とか)にある程度通じていないとそもそもワリと何が何だか分からない(≒用語がまずピンと来ない)という恐れも大いに在ったりもするかと。  しかし、また今作はかなり気合の入った作品でもあるらしく、映画として諸々のつくり込みの質は(コレも率直に)かなり高かったりします。オールスタジオ撮影のそのセットの豪華さ・煌びやかさは最初から最後まで実に素晴らしいですし、前述の特撮シーンも中々悪くないと思いました。何より、主要キャストの見映えの好さ+キャラにマッチしてる感じも相当にグッド・ジョブだったかと思います(山口淑子の美しくも凄み・思い詰めた感じを兼ね備える様子も好かったですし、八千草薫もこの上無く可憐で優れた緩衝材になっていましたし、んで池部良もシンプルに超・イケメンで私から見てもごく眼福でしたし)。中々評価自体の難しい映画なヤツかとも思いますが、個人的には観て損とまでは言わなくても好いかな…と思いました(暇潰しには十分…位なクオリティは余裕で備えているかと)。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-02-05 21:37:10)
6.  人妻集団暴行致死事件 《ネタバレ》 
同監督の『女教師』からまずは古尾谷雅人、他にもチョコチョコと引き続きの出演者も居り、内容的にもかなり近いモノがあるとゆーか(だから)一種の続編と言っても好いかと思う。前半、だいぶ尺を取ってその若者たちの不毛な生き様を丹念に描いてゆくことで、彼らが(確かにチンピラに近い様な不良ではあれ)別にそこまで「悪人」て人物ではないコトを印象付け、ソレと後半の「凶行」を対比させることである種の社会的なやるせなさ・やり切れなさ(不条理)を描き出すコトが主眼という、まま高度な社会性を擁するロマンポルノだとは感じるのだね。  とは言え、コレは少なからず現在と当時との意識の差とゆーか、彼らは確かに悪人とまでは言えないかも知れないけれど、特にその「女性観」とゆーのには個人的にはも~許容できない様な自分勝手さ・ぞんざいさ(=コレはも~今時なら女性蔑視と言って好い様な)もまた見て取れるのだね。その意味では、あくまで私は(最後まで観ても)残念ながら彼らには共感・感情移入は出来なかったし、だから(室田日出男が非業の死を遂げる中ですら)どこか暢気に終わってゆくラストにはかなり高度に違和感すらが在ったのですよ。結論的には、私は今作はあまりポジティブな感情を持って観終わることは出来なかったですね。  一点、肝心の人妻(室田日出男の嫁さん)役の黒沢のり子という女優さんは、室田日出男と同レベルで今作には非常にハマっていましたね。少し蒙昧でおどおどとして、かつ別に高度に美人というワケでもないのだけどどこか妙に色気が在るとゆーか、色々と非常にとにかく「生々しい」のですよ。その意味では、彼女の濡れ場なんかだって(ポルノ的にも)ある意味「オツな」クオリティを備えていた、とも感じますですね。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-04-18 18:11:35)
7.  ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~ 《ネタバレ》 
あら、面白い。公開時はなんとなくスルーしてしまいましたが、ちょっと惜しいコトをしましたかね。。  まあゆーて、スポーツ方面の実話題材としても非常に優秀なエピソードだとは思いますが、大まかな流れ自体はワリとベタな感じではあるし、盛上げ方・演出自体もままベタな質感の方を採用してるという感じでもあります。それに実話とは言え、多少は脚色も含まれているのでしょう。でも何より、これホントに確実に実話ですからね。てゆーか、これ私ナマで観てましたからね(調べると火曜日だったらしいのですが、何故観れてたのでしょーかね)。原田が2本目に飛び過ぎ!てくらいメッチャ飛んだのもよーく覚えてますよ。そのリアルな感動が甦った…という意味では、私もこの映画の「世代」の一人なのでしょう。素直に1点足しておきます。  そしてその実話由来のリアルな感情、という意味では、主役の田中圭クンや若い男のコ女のコ、あと傍若無人なコーチ・古田新太さんも決して悪くはなかったですが、何と言っても今作のMVPは原田雅彦役の濱津隆之さんでしょう。とにかく見た目が・それに声や喋り方も正に生き写しとゆーか、この人が出て来る度に映画と記憶の中のリアルが見事にリンクしてゆくのですよね(ああ、確かにコレはあの話なんだ、と)。地味に、彼が居なかったら成立しなかった映画…かも知れませんね。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2022-04-04 20:52:26)
8.  火花(2017) 《ネタバレ》 
『劇場』を観たので、こっちも。両方とも原作未読だが、なんか似た様な話ですね。かつ、これも薄いなあと。  ごく終盤まで、人間としては多少ユーモラスだけどあんまり売れてないという芸人がグダグダグダグダしてるだけ、という風に感じられる。何故、彼らがどう苦悩し、いかに闘ったのかをもっと掘り下げて描かないのか。「これからの全ての漫才に俺たちは関わっている」いい言葉だ。原作者も唯これが言いたかったのだろう。しかし、ある程度芸人として成功した原作者が単なる落伍者たるあの2人にそれを言わせたら、意味が変わってくるでしょ、と思う。要は、この言葉だけが浮いている(少なくとも、この映画では)。  菅田将暉の演技は素晴らしかった。ラスト漫才、初めて神谷にキレるシーン、どっちもやはり薄っぺらくはあるが、込められた熱は十分に届いた。流石である。
[インターネット(邦画)] 4点(2020-07-18 16:35:21)
9.  ひとよ 《ネタバレ》 
全く見たことの無い話だ、という訳では決して無いし、結末も予想の範囲から大きく外れるというものでもない。多少の物珍しさが在るとしたら、罪を犯した母親というのが(良くある優しい賢母とゆーよりは)いくぶんおバカでだいぶファンキーな性格だという点くらいか。内容は決して悪くないと思うが、終盤の立ち回りの派手さと、その後、佐々木蔵之介が結局どうなったのかを描かない点には、正直に言うと少しだけ不満がある。  ただ、まず本作、大勢集めた豪華俳優陣が揃いも揃って実に素晴らしい出来だったというのが非常に印象に残る。最初「このドモリは無いだろ」と思った鈴木亮平も肝心のブチ切れるシーンは凄く良かったし(そこで効かせるためのドモリだ)、一番迷ってる佐藤健も、どこか腹黒さを含ませる筒井真理子も、唐突に元極道な佐々木蔵之介も、この人たちの中では割とマトモでホッとできる韓英恵も、母親役の田中裕子もモチロン、MEGUMIもかなり本格的な演技が率直に見事だし、チョイ役の千鳥大吾と斉藤洋介でさえ、いずれも奥行きの有る非常に味わい深い演技だった。  中でも私が一番印象に残ったのは松岡茉優。本作、決してシリアスなだけではなく、確かに随所に笑えるシーンも挿し込んであまり暗くなり過ぎずに(とは言え本質的にはごくマジメに)仕上がっているが、この質感の醸成に、松岡茉優の優しさ・明るさ・コミカルさの部分が非常に効いていた様に思われる(無論、シリアス面も決して悪くなかったし)。  笑えるシーン、と言う意味では、万引きされるためだけにワザワザ「復刻」したデラべっぴんがかなりツボだった(私、ギリギリ「世代」と言えなくもない年回りなのですよね)。
[インターネット(邦画)] 8点(2020-07-03 22:12:13)(良:1票)
10.  秒速5センチメートル
中学生までに恋をしない人など、存在しないだろう。だがその年頃で、芽生えた感情の行き着く涯てと、其処に辿り着く術を悟っている(否、その齢で何か一つでも世界の理を悟っている)などと云う人は、決して多くは無い筈だ。その純粋な感情は、世界に触れた後ではもう取り戻すことは出来ない。どうすれば好いのか解らなかった想いは、其れ故に無限の可能性を以て誰の人生の中にも永く残り続ける、唯そういう事なのだろう、と。  本作は物語と言うよりも、詩であり、音であり、歌であり、画であるかと思う。特に画に関しては、何処の細部までも緻密に、あらゆる一枚までも慎重に考え抜かれ、作者の魂が注ぎ込まれた様な、どこか厳かな仕上りを為している。そして、それらの諸々は総て一つの歌の下に統合されるべく組立てられている(本作は、63分の只の一つの歌なのだ)。画の卓越した美しさによって見開いた感性で、歌に連れて流れ込む「感傷と郷愁」の感情を感じ取る。その意味では、その齎す感覚は少し独特だと言える作品に思う。
[DVD(邦画)] 9点(2020-04-15 23:26:35)
11.  ヒメアノ~ル 《ネタバレ》 
濱田岳と佐津川愛美の恋愛話は、人間臭くもあり、また健気で微笑ましくもある。そこにムロツヨシも加わったコメディの側面は、中々の芝居上手が3人寄っただけあって十二分に観れる出来になっている。一方、森田剛の猟奇犯罪話も、決してその猟奇性の面で深さとかエゲツなさを高度に感じるという訳でも無いが、虚ろで乾いた絶望はまずまず感じ取れるし、それを醸し出す森田の演技も決して悪くはなかった。  ただそもそも、この作品はどういうことを狙ったものなのか、が私にはイマイチ分からない。ふたつの話は明確に対置され、だから何かと何かが比べられている筈なのだが、その何かが何なのかがどうも掴み切れない。濱田岳が体現するある種の「幸福」と、森田剛の「絶望」が対比されているのだ、と言うのは簡単だが、前述どおりその幸せはささやかなもので、そこから落っことしても絶望は大した深さに至らず浅く止まる。これを狙っているのだとしたら、率直に本作はコンセプト面で失敗していると思う。  とは言え、深く考えずに二つの話をどちらも美味しく頂こうと思って観るなら、最初に述べた様にどっちの話も十二分に面白く観れるので、その意味では本作は完全に有用な映画だと言える(もちろん、ヴァイオレンスなサイコ・スリラーを娯楽として消費できることの素養は必要であるが)。  あと一点、佐津川愛美は可愛かったですね~こんなに可愛かったですかね?むしろちょっと有村架純にも見えましたよ。その上、そこそこエロいこともやってくれて、加えて相変わらず演技も実に上手だし、私は有村架純より全然好きですね。
[DVD(邦画)] 6点(2020-04-14 21:43:05)(良:1票)
12.  美人が婚活してみたら 《ネタバレ》 
そこそこ美人だけど種々の側面で「人間力」の高くない少し残念な主人公は、美人だけど婚活してるという点でのリアリティがあり、まあまあ良いキャラのつくり込みに思う。しかし、彼女を使ってコミカルに話を運ぶかと思いきや、中盤以降はどんどん暗い展開に落ち込んでいき、何と言うか可哀そうな人がもっと可哀そうになっただけの話にも思える。そもそもこれって、婚活なんて所詮恋愛の紛い物ですよ、てことですよね。(例えそういう側面があるとしても)真剣にやってる人も多い昨今において、非常に挑発的な映画だとも思う。こーいう映画を鼻歌で誤魔化して終わらせると言うのは、流石にちょっとセンスが頂けない。
[インターネット(邦画)] 5点(2020-02-22 12:56:33)
13.  百円の恋 《ネタバレ》 
この評価は、全体的な演技に加え、まずはボクシングシーンの質も高く役を作り込み、何よりこれほどまでに「ブスに映ること」を全く厭わない安藤サクラのみを以てのものであることを明言しておく(ボコボコに殴られ、血塗れでキャンバスに叩きつけられた瞬間のスローモーションには痛く感動した)。  話自体は典型的な「負け組がちょっと頑張っちゃった」系なのだが、とにかく人間的に魅力の有る人物が全く出て来ない上に、寧ろ低能で小狡いクズ(正真正銘の外道もチラホラ)がワンサカ登場するという極端に不快指数の高い展開には正に虫唾が走る(あと100円ショップの店内音楽が強烈に不愉快)。安藤サクラ以外のボクシングは至極普通の出来(サクラさんも試合の動き(対人の動きというか)はほぼ出来ていない。新井浩文のはそれ以下だが)。シナリオは別にそんなに面白い訳ではなく、正直実は全く好きではない映画だが、これぞ観るべきな「女優の魂」がここには在る。必見。
[DVD(邦画)] 8点(2020-02-04 19:36:59)
14.  his 《ネタバレ》 
本作に登場する二人は、見た目や口調その他の「外見」は男性だが男性愛者、という性的マイノリティである。この二人を主人公にして、LGBTをテーマとする種々のトピックス(社会啓発的な内容を多々含む)をかなり広範に取り扱ってゆくが、トピックスも多いぶん全体的な描かれ方はだいぶオーソドックスで分り易い「初学者向け」な風にも感じられるし、また率直に演出が少しクサいor大仰だと感じる場面が部分的にあったのも確かである。しかしそれは、このテーマに対する製作者のマジメさ・真剣さを表しているように思う。少なくとも、映画のコンテンツの一つとしてこのテーマを「消費」するような作品では確実になかった。  幾つかの社会的な、またはプライベートな困難を乗り越えて、物語は比較的穏やかに進行してゆきつつも、やがてそれは一人娘の親権を争う離婚調停へと収束してゆく。この場面は相当にシリアスであると同時に、一作品の枠を超えて非常に考えさせられる内容であった。つまりはそれが、性的マイノリティのカップルが母親と同じように社会で子どもを育てられるのかという答えの出ない問いに帰着してゆくからだ。例え社会的認識が確実に向上しつつある現在であっても、これも確実に差別意識も残存している中で、子どもが本当に幸せに為れるかどうかという冷徹な現実は理想論とはかけ離れた次元に存在すると思うし、作中でもそのことは(いくぶん差別意識への批判を交えつつも)明確に描かれていた様に思う。最終的な彼の決断は、恐らく自身の「唯一の子」となるだろう娘との生活を手放すという極めて重いもので、そこには、感動するとか泣けるとかそういう感覚を超えた(共感したくても出来ないという様な)筆舌にし難い感情を覚えた。  愚直な映画であると思う。クソマジメだし、重いし、それを飾らずそのままぶつけてくるかの様な作品だと感じる。でも、そこに感じる青臭い真摯さは個人的にとても好きだし、素直に観て良かったと思う。  そして、本作のテーマ面の出来からすれば些末なことではあるが、まず離婚調停での葛藤を最大化している緻密な人間関係の設定は、色々とかなり良く出来ていたと思う。演技面でも、宮沢氷魚と藤原季節の主演二人は自然な演技で違和感もなかったし、また、実は葛藤という意味では、主演二人よりも種々の場面でより複雑な演技を要求されているようにも思われる母親役の松本若菜も、二人以上に素晴らしかった。
[映画館(字幕)] 8点(2020-01-26 04:26:41)(良:1票)
15.  緋牡丹博徒 仁義通します 《ネタバレ》 
今作も、ヤクザでハードな(ドンパチに頼らない)ちょっと目新しい展開だが、役者が非常に良いので(特に待田京介と松方弘樹)かなり面白く観れた。ラストはおなじみ、寡勢で突撃がもはや様式美。
[インターネット(邦画)] 7点(2019-11-28 22:11:35)
16.  緋牡丹博徒 お命戴きます 《ネタバレ》 
クオリティ自体はまずまずだが、同じ話で同じ役者でなんと7作目なので、ややマンネリで少々飽きが来るのは致し方のない所か。でもまあ路線変更されても困るし、心地良い類いのマンネリだとも言えると思う。個人的には十分に満足。
[インターネット(邦画)] 6点(2019-11-28 21:45:03)
17.  緋牡丹博徒 お竜参上 《ネタバレ》 
哀愁を帯びた静かな演出が印象的。シナリオもややハードボイルドな味付けで、前作までとは違った良さが出ている(特に菅原文太との絡みとか)。ただラストは、今作はお竜が無双過ぎる感じ。
[インターネット(邦画)] 6点(2019-11-28 21:42:53)
18.  緋牡丹博徒 鉄火場列伝 《ネタバレ》 
尺がやや伸びたが、見せ場はそれ以上に増えている。お竜の演技にも大分凄みが出てきた。役者は揃って中々良いが、準主役に昇格した待田京介が非常に良い出来だった。
[インターネット(邦画)] 7点(2019-11-28 21:42:06)
19.  緋牡丹博徒 二代目襲名 《ネタバレ》 
3作目まで徐々に良くなってきているシリーズだが、4作目は更に全体的に向上している感じ(二代目襲名や鉄道工事など、シナリオにちゃんとしたアクセントがあり、細かい見せ場も多い)。殺陣なども少し良くなっているし、懸案のラストも少しだけマシに。  お竜は魅力健在で、今作ではロングヘアーを披露している。実は方言女子の元祖に近いのではと勝手に思っている。高倉健も素晴らしい出来で、義理人情の風情の中に渡世人のヤバさを見事に醸し出している。
[インターネット(邦画)] 8点(2019-11-28 21:40:38)
20.  緋牡丹博徒 花札勝負 《ネタバレ》 
基本的に主人公が任侠というだけで、構成はまるで『水戸黄門』なのは3作目まで全て同じ。細かい演出は前2作よりやや良いかも知れない(ドングリの背比べかもだが)。ただ、また3人vs30人でアッサリ勝てちゃうラストは個人的には気に入らない。
[インターネット(邦画)] 6点(2019-11-28 21:38:37)
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