241. 海街diary
四人姉妹を主役にした映画といえば真っ先に思いつくのが若草物語、そして邦画では細雪だろう。どちらも有名な小説を原作として何度も映画化された。この海街diaryもまた性格や生き方が違っても四人姉妹の仲がいいのも共通だ。原作が名作小説というわけではないので(偏見?)味わい深さでは今一歩だが、母親が異なる妹を姉妹として受け入れる姉たちととけ込んでいく妹の描写はとても良い。静かさのなかにほのぼのとした暖かさを感じる良い映画だ。 [DVD(邦画)] 7点(2018-08-27 13:16:40) |
242. 8年越しの花嫁 奇跡の実話
YouTubeの実話特別映像に感動、土屋太鳳の演技に脱帽、そして尚志さんの辛抱強さに感服。 [DVD(邦画)] 7点(2018-08-13 09:50:08) |
243. 追憶(2017)
「犯人が挙がった。犯人は・・・」と刑事ものサスペンスとして見ればあまりにも唐突な展開だが、この映画はそういったサスペンスものではない。子どもの頃大変な事件を起こし、大きな秘密を抱えた3人の少年の人間ドラマなのだ。それぞれが刑事、被害者、容疑者として25年ぶりに再会するところは、「ミスティックリバー」とよくにている。重々しさでは負けるかもしれないが、暗くて後味の悪かったミスティックリバーに比べわかりやすく、それぞれの人物もよく表現できていると思う。身勝手な母親と別居中の妻を抱える刑事の篤が主人公だろうが、家族を大事にするガラス屋の悟や過去の事実と正面から取り組んだ土建屋の啓太の方が共感を覚えた。ところで気になるのは残された被害者の娘、あっちゃん夫婦がよりを戻して引き取るのだろうか。 [DVD(邦画)] 7点(2018-01-29 14:56:10) |
244. 赤ひげ
船越英一郎主演のNHKドラマが始まったので、再度黒沢監督の映画「赤ひげ」を見直した。さすがに赤ひげ三船敏郎は堂々とした貫禄で文句のつけようがないが、ならず者相手に腕をへし折るとは少々行き過ぎかも・・・。加山雄三もこの頃は若大将としてのイメージが強く、演技力はまだまだという感じが強かった。ところがどうしてどうしてこの映画では、三船に決してひけを取っていない。香川京子、山崎努、杉村春子など他の出演陣も超豪華だし、二木てるみはさすがと思う。 [映画館(邦画)] 7点(2017-11-28 08:57:36) |
245. 劇場版 フランダースの犬
米国映画だったらハッピーエンドとなるのだが、原作(子供の頃の絵本の記憶)どうりのいやそれ以上の映画だった。まさに少年少女世界名作劇場の良品だと思う。素朴な木炭画と本格的な油絵を一緒に審査するのはどうかと思うが・・・ [DVD(邦画)] 7点(2017-05-09 12:39:26) |
246. ゴールデンスランバー(2009)
原作との違いや後半の都合のいい流れなど突っ込みどころは多々あるが、これはこれで大変おもしろかった。冒頭のシーンが最後になってなるほどとわかるのが何と言っても良い。永島敏行がいきなり銃をぶっ放したのにはびっくり、日本じゃないのかと疑ったけど。 [DVD(邦画)] 7点(2017-04-16 11:28:13)(良:1票) |
247. 細雪(1959)
3度映画化された細雪の2番目の映画、大映のトップスターをそろえたこの映画もまた良い。他の2本に比べて上映時間が短い。雪子のお見合いと妙子の自由恋愛に焦点を当てコンパクトにまとまっているとも言えるが、細部が端折られた感もないではない。 [DVD(邦画)] 7点(2015-12-11 19:06:22) |
248. 社長紳士録
当初は次作「続社長紳士録」で社長シリーズ終了だったため、締めくくる意味でも、長年の恋人どうし小林桂樹司葉子がめでたく結婚する運びとなる。また森繁久彌の方も常務から社長へと出世し、鹿児島の日本澱粉との取引をめぐってのいきさつもなかなかおもしろい。いつもの社長のお供も新婚旅行中の小林桂樹に代わって三木のり平となるが・・・。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-11-25 10:46:19) |
249. 二階の他人
1時間を切る短い映画ながらこぢんまりとまとまっている。この時代は夫婦にとってマイホームを持つことは夢だった。方々から借金してようやく建てたマイホームだが、ローン返済などやりくりするには2階を他人に貸すほかはなかった。その辺の事情や下宿人たちとの対応がユーモラスに描かれおもしろかった。 [DVD(邦画)] 7点(2015-08-30 07:50:06) |
250. 愛の讃歌
若い男女は中山仁と倍賞千恵子、春子が純情ひたむきなのに対し竜太は本当に夢があったのか、ただ口うるさい父親から離れたかっただけなのか疑わしい。たこ社長も登場してくるので寅さんシリーズを連想するが、私はむしろ倍賞のヒット曲にもなった「下町の太陽」を思い出した。クリスチャンの医師有島一郎もへそ曲がりの伴淳三郎もすごく良い味を出しているし、船長の千秋実や郵便配達の小沢昭一など周囲のものの支えやおもしろさで山田洋次監督らしい映画になっている。 [DVD(邦画)] 7点(2015-08-28 07:59:05) |
251. 長崎の歌は忘れじ
長崎の原爆を扱った映画だが、生々しい映像や悲惨さはなくメロドラマ風。爆風で崩壊した浦上天主堂(現在は建て替えられている)を見ることができるのは良いが、閃光で盲目になったにしては顔や身体に傷ひとつないのも不自然、原爆はこの程度のものかと誤解される方が恐ろしい。映画の内容はまずまずだが感動映画というほどでもない。反戦というよりは日米の和解に力点を置いた映画で、琴や陶芸など日本の文化が見られる。 [DVD(邦画)] 7点(2015-08-21 07:48:20) |
252. 裸の太陽
私の子どもの頃は汽車と言えば蒸気機関車の時代、真っ黒な煙を出しながら走る姿は勇壮だが、トンネルに入る前に窓を閉めないとすす煙が入ってきて往生したものだ。その機関車を動かす機関士の助手はスコップでボイラーに石炭を投げ入れるのが仕事、いわゆる「かまたき」という重労働であり、その辺を知るだけでもためになる。男女2人分の海水着を400円で買うシーンがおもしろかった。プールの管理人らしき花澤徳衛には髭はなかったと思うが・・・。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-07-28 09:23:40) |
253. 巨人と玩具
巨人とは何か、玩具とは何か。パンチの効いた社会風刺映画の力作。着火が悪くて何度もカチカチとするライターの火花とキャラメル製造や写真のフラッシュとが重なる。時代の先を見通した発想が光る。宇宙服だってびっくり、この頃は初めて人工衛星が飛んだ頃だったはず。そういえば私の子どもの頃にも空から広告ビラをまいたりというようなこともあったな。 [DVD(邦画)] 7点(2015-07-26 07:25:26) |
254. 帰らざる日々
「帰らざる日々」というタイトル名が良いし「Bye Bye Bye ・・・」と繰り返される主題歌もとても印象的、青春映画の中でも名作に近い。高校生にしては老けすぎに見えたが、6年後の今と回想シーンだから仕方ないか。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-07-21 14:53:01) |
255. 星になった少年 Shining Boy and Little Randy
いくら家族ぐるみで動物を飼育しているからって象使いになるのは大変だし、ましてや一人でタイの象学校に留学するなんてびっくり仰天。主演の柳楽君だってタイ語を覚えたうえでの象の訓練も大変だったろう。映画としてはやや甘く感動はいまいちだが、実話ものとしてはそれなりの価値があるというものだ。それに得体の知れない薄気味悪いものをおいしいからさあ食えと出されても誰だって躊躇するだろう。 [DVD(邦画)] 7点(2015-06-21 10:41:29) |
256. 讃歌
原作は春琴抄だが、作者が春琴の家で働いていた女中にインタビューするというおもしろい形で作られている。わがままな娘とひたすら尽くす男という点は痴人の愛とも似通っている。いわゆるSとMと言ってしまえば通俗的になるが、それを耽美な世界として表現しているのが谷崎文学。渡辺督子の裸体は非常に美しい。 [映画館(邦画)] 7点(2015-05-15 11:00:51) |
257. 男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花
相思相愛の男女であっても結ばれるとは限らない。寅さんとリリー、誰が見てもぴったりと思える仲なのにちょっとした食い違いですれ違う。その心理のあやがうまく描かれた映画だと思う。だがたとえ夫婦にならなくても、寅さんとリリーはしっかりした絆で結ばれている。男女間の友情というものだろうか。この映画の終盤はすがすがしく後味良い。 [DVD(邦画)] 7点(2015-05-06 19:19:01) |
258. 平成狸合戦ぽんぽこ
人をだます動物といえば狐か狸、ずるがしこいイメージの狐に対して狸の方はちょっと間が抜けているというか化かし方にも愛嬌が感じられるものだ。そういう狸の世界を日本各地に残る言い伝えや昔話、童謡、宮沢賢治の詩を加え、余すとこなく描いている。大変おもしろいといえばおもしろいのだが、滅び行く動物に哀悼を表しつつもこの映画の結末には違和感を感じた。 [DVD(邦画)] 7点(2015-04-04 08:35:03) |
259. 櫂
作家宮尾登美子の出世作であり自伝小説の映画化。女義太夫巴吉の娘綾子が宮尾自身なのだが、大正から昭和初期にかけての男尊女卑社会が赤裸々に描かれている。どんなに酷い仕打ちに遭おうとも妻は夫に従うものとされていたことがよくわかる。 [DVD(邦画)] 7点(2015-03-28 18:10:36) |
260. セロ弾きのゴーシュ(1982)
子どもの頃読んだ宮沢賢治の童話に驚くほど忠実、いやそれ以上かもしれない。間宮芳生の音楽と相まってすばらしいものとなった。演奏会の曲目は原作では第六交響曲としか書いてないらしいが、やはりベートーヴェンの「田園」以外には考えられないだろう。毎晩の訪れる動物たちによってゴーシュが成長していくのもよくわかる。素朴だけどそれがやはり賢治の世界だろう。 [DVD(邦画)] 7点(2015-03-23 20:42:31) |