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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1635
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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341.  風の電話 《ネタバレ》 
故郷へ向かう主人公の旅のうえに、幾つかのエピソードを散りばめてはいるものの、物語にせよ演出にせよ作為的・フィクション的なものをあまり感じないというか、殆どドキュメンタリにも見える、という感じ(率直に「映画」を観た、という感覚がなくて)。その意味では、ある面で「志の高い」作品なのだとも思える。かなり間をゆったりと取った作品だが、ひとつひとつのシーンには結構観入ってしまいました。  ※正直、あの震災というのは、映画の題材としては自分の中でまだ消化しきれない、と感じています。  主演のモトーラ世理奈さんという人は、非常に独特な雰囲気のある方で、本作に関しては間違い無くハマリ役だったと思う。こーいう言い方はやや語弊があるかも知れないが、元気とか活力というものを(この映画の中では「適切」に)己の顔から消し去っていた、という感じで。先に『タイトル、拒絶』を観ていたのですがそっちでもなんか暗い役だったので、次はもっとキャピキャピした彼女の演技を観てみたいですね。
[DVD(邦画)] 6点(2021-03-21 02:41:25)
342.  私がモテてどうすんだ 《ネタバレ》 
太ってる→痩せてモテる→また太っちゃう→頑張ってまた痩せる→どーなっちゃうの??  一番メインの筋書きはこんなよーな感じの青春ラブコメ(コメディ寄り)だが、見た目重視の恋愛の浅はかさを乗り越えて主人公の本質的な魅力に気づいてゆく、といった部分は青春恋愛ものとしては割と中身のある話だとも思うし、それ自体とても爽やかでもある。ただ、結局恋愛ものとしては(なんと)決着をつけないぜ!という結末も含めて、最後まで観るとやっぱしあんまり中身の無い(=あくまで原作の要素の一部だけを掬い取った)映画なのだと感じるし、そーなると今作の一番の見どころというものは結局、綺羅星の如く揃えたイケメン男子のめくるめくBL場面、ということなのかと思う。その意味では、私は恐らくこの映画の客ではなかったのであろう。  主演の女子は本業ダンサーなのですね。初っ端のダンスシーンのパフォーマンスがかなり高水準だったので、後半もミュージカル展開がバリバリ入ってくるかと期待したのですが、実際はそーいうワケでもありませんでした。というか、全体的に比較的リーズナブルな質感の映画で、演技・演出含めて総じてややB級寄り、といった感じかもしれません。特に、90分というそこそこコンパクトな映画なのに展開運び・各シーンの間合いが(急ごうともせずに)かなりゆったりで、むしろ少し間延びしているよーな気も…というのはあまり感心しません(主人公がそのオタク属性を炸裂させるハイテンションなシーンなんかが、全体のローテンションぶりと比べてちょっと浮いちゃってるよーな気がしちゃって、とでも言うか)。
[DVD(邦画)] 5点(2021-03-19 21:57:00)
343.  前田建設ファンタジー営業部 《ネタバレ》 
私もいちおう「ものづくり」が生業な人間ですが(私のつくってるモノというのは、彼らとは違って「目に見える」モノだとも言い切れないのですケド)、今作に描かれる「ものづくり」というのは、つくり手側からすればかなり理想的な状況ですよね。とあるモノをつくりたい!というのも結局つくり手側から出てきているのですし、(技術的制約というのはあれども)自分がつくりたいものをつくりたいようにつくっている、とも言えるかと。現実のものづくりでは、これは全くそーいうワケにはいかないものだと思います。色々と「大人(=発注者側)の事情」というのがあるのであって、つくり手はまず彼らとある部分で「戦う」必要がある、その戦いのストレスに耐えるコト自体が、ものづくりという仕事の少なくない部分を占めている、なんてことも結構ザラだと思います。  だからこの映画を観ると、やはりまず率直に「羨ましい!」と思ったのですね。と同時に、こんな今どきこんなド直球に「ものづくり」というのを実に魅力ある仕事として描いてくれたこの映画には、なにか「感謝」というか、とても嬉しい気持ちというのを覚えました。私が言うのもなんですが、若い人とか就活生とかにそーいった観点で観てもらえたら、と思われる作品です。個人的にはとてもオススメ。
[DVD(邦画)] 7点(2021-03-17 23:09:28)(良:1票)
344.  グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~ 《ネタバレ》 
中々に古風、というかコテコテに古臭い感じのコメディで、登場人物は基本的にゲタゲタと笑い飛ばせる様なレトロ喜劇的キャラクターばかりです。中でも際立っていたのが小池栄子で、大泉洋を差し置いてこれは完全に彼女の映画だと言ってよいでしょう(元ネタの舞台版から彼女だけは引っ張ってきた、ということらしく)。よく見ると(よく見なくても)とても美人ですし、それでいて実にコメディ向きの容貌だしで正にこの主役にピッタリ適任です。大きくて特徴的な目が秀逸なのですよね。もちろん美しく色気も湛えていますケド、ギロッと光らせれば何ともずる賢そうで、この目を駆使したコメディ演技は文句無しに出色でした。大泉洋も彼は彼で流石の百戦錬磨で、随所でクスリと笑えるコメディとしての仕上がりはまずまずだと言ってよいと思います。  ただ、如何せんコメディ以外の全体を通しての話の内容が少し弱すぎます。タイトルである『(女たちとの)グッド・バイ』というトコロのメインの筋も途中でどーでもよくなってしまいますし、そこから大泉洋と栄子ちゃんが結局はくっついちゃう、というのもちと陳腐に過ぎるでしょう。要所要所を切り抜いた舞台劇から、自由度の高い映画に話を拡張したことで、見所・勘所が散漫になった、という風に感じました。  もう一つ、話が若干チープだからかも知れませんが、なんか演出・画面の出来も安っぽいのですよね。ラストの大泉洋と栄子ちゃんが再会するクライマックスなシーン、何故にここを手持ちカメラで撮るのでしょうか。一番肝心なシーンなんだから、もっと丁寧にカット割って勝負してほしかった、と思いますね。
[DVD(邦画)] 5点(2021-03-17 00:12:20)
345.  映画 賭ケグルイ 《ネタバレ》 
ギャンブルが題材の作品として致命的に不出来だと思うのが、借金がどーたらゆってはいるものの、負けたら命取られるかの様な敗北の「重さ」がまるで感じられないという点である。生徒会から大金配られて(身銭ですらない)、チャチで緊張感の無いゲームでそれを取り合いっこして、何が凄いんだか分からない連中がさも「私スゴイのよ」オーラを出しまくってテンションMAXの珍妙な芝居を繰り広げる様から感じられるのは、ただひたすらに背伸びしたお子様の幼稚さ&この上ない上滑り感である(ガキの遊びにしか見えないのよね)。絶対に負けられない勝負なら、例えコイントスですら手に汗握る極上のギャンブルに為り得る。それに比べれば、賭博のゲームがそれ自体として面白く工夫されている必要など全く無いのである(てか本作のギャンブルゲームの仕掛けはかなり稚拙で、別によく出来ているとは微塵も思わないけど)。  唯一、絶対に負けられない感を多少なりとも出していたのが福原遥で、この人のイカレ芝居には背景がある分だけそこそこは興味深く観ることが出来た。女優として新境地を切り開いてる感も全開で、そこは中々に感慨深い。
[インターネット(邦画)] 4点(2021-03-15 00:42:14)
346.  リベンジgirl 《ネタバレ》 
良い部分が無くはないのだが、悪い部分の目立ち方がいくぶん勝っちゃってる、という作品に思う。以下列挙する。  〇シンプルなタイトル通りのシンプルな「人間の成長」物語。(最後まで観ると)結果的にはそんなに感情移入が難しいという訳でもない手堅さ。 〇最終的に「嘘をつかない誠実な政治家」を目指す(よーに主人公が変化する)というのにも、共感はしてゆき易いかと。 〇桐谷美玲のクールな見た目は役柄に合っているし非常にフレッシュで十分に魅力的。後半の演技もまずまず悪くもない。 〇相手役の鈴木伸之も爽やかイケメンで、女性側の評判も負けじと取れそうな感じ。  ×残念人間が成長していく物語とは言え、序盤の痛さ加減が酷すぎて正直観ていられない。ここで脱落する人も少なからずいるだろう。 ×異常に陳腐かつテキトーな展開運びでリアリティつーのが欠片も無い。到底映画レベルとは言えないチープさ(凡作ドラマか少女漫画レベル)。 ×特にオーラス。せっかく美玲ちゃん頑張って演説は何とか乗り切ったのに、何故しょーもない恋愛ばなしの方にオトしてしまうのか。愕然。 ×展開がチープすぎて、斉藤由貴なんかの力の入った演技は少し浮いている(シリアスな雰囲気にまとめられていない)。役者泣かせ。
[インターネット(邦画)] 4点(2021-03-03 22:51:17)
347.  時をかける少女(1983) 《ネタバレ》 
「尾道三部作」の中でもコメディ色の薄さは特徴的ですし、言っちゃあロマンチックだとかノスタルジックだとか、その他の要素も率直に薄めだと思います(あくまでSF色を纏ったちょっと不思議なお話、くらいなもんで)。だとするとそのワリにやや長く感じるな、というのも正直な感想としてあります(別に尺自体がメチャクチャ長いというワケでもないのですけど)。ある種の雰囲気映画なのかも、と思いますが、演技の稚拙さからくるジュブナイル感も含めて、そこにはやはり監督独特のノスタルジックさをほのかには感じ取れますし、個人的にはそこそこ心地好くなれた気はしています。とは言え、これも個人的には後続のアニメ版の方が絶対的に好みではありますが。  原田知世もよく見ると昨今のそこら辺のアイドルなぞ問題にならないくらいに可愛いのですが、髪型がイマイチ好みじゃないのですよね。表情も暗め一辺倒で、演技のバリエーションも少ない(笑うシーンが特に少ない)のは気になります。オーラス(エンディング)が一番可愛かった!というのは、逆に彼女の使い方が宜しくなかった、というコトにも思えます。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-01-22 22:10:23)
348.  初恋(2019) 《ネタバレ》 
ヤクザ・ヴァイオレンスなのだが、出てくるヤクザ(な人達)が腕っぷしはともかく頭が足りなすぎて、結果コメディになっているという怪作。そもそも染谷将太も大森南朋もヤクザにもマル暴の刑事にも見えないし、この2人がチャンとしてれば20分で終わる映画である。  ただ、物語の勢いも役者のハイテンションなノリもかなりスプラッタなヴァイオレンス描写も、序盤~中盤は正直言って非常に素晴らしく、企みが全て破綻してホームセンターに全員突撃!くらいまでは(特にコメディ的に)とても面白かった。残念なのはこのホームセンター以降、率直にやや息切れしてしまったように感じられる点である。これがもしハリウッド作品だったら、もっとアクションを派手にしていくことで後半も乗り切れたのかもしれないなあ、とも思う。  演技面では、前述の染谷将太の間抜けっぷりがまず絶品。和製ハーレイ・クインなベッキーも一見の価値アリな怪演。新人の小西桜子ちゃんはラリッてる描写以外は大した演技も無かった気がするが(ラストはそーでもないかも)、ヤクザに買われて薬漬けで客取ってる「闇」な部分が全く感じられないのは個人的にはイマイチ(狙ってのことかも知れないが)。
[映画館(邦画)] 6点(2021-01-12 22:15:01)(良:1票)
349.  愛を乞うひと 《ネタバレ》 
母娘対面の場面、原田美枝子(娘)が呟くたった一言、私これより凄い演技を邦画では観たことがない気がしますね。モチロン序盤からの凄惨な描写にせよ、それを背景として踏まえつつのラストではありますが、見所はココに尽きるかと。  音楽もイイですね。物侘しい弦楽は思い焦がれるも得られなかった母の愛に対するノスタルジイを強く想起させます。エンドロールの曲も好きですね(クレジット観たら千住明なのですね、納得のクオリティです)。
[インターネット(邦画)] 9点(2021-01-09 14:46:56)
350.  ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 
確かに、ともすればアレなオチだと思います。ただ、一生彼女を背負い続けることが出来るのか、という現実に直面したときに、誰しもが十分に強くなれるという訳ではないのも事実でしょう(少なくとも私自身は、同じ状況でその決断は出来ないと思います)。その意味では私はこのラスト、自分の無力さに涙する主人公にはその面からは大いに共感できましたし、それを許容したジョゼの優しさ・強さにも深く感じ入りました。人間というものの描き方として、私はここはかなり好きですね。そしてこの恋愛は、決してふたりにとって無意味なものであった訳ではないのです。その直後にジョゼの変化・成長を感じさせるシーンを持ってきてそれでジ・エンド、という流れも巧みであり、また適切だったと思います。そこは、アレなオチを演出・演技のテクニックで巧く乗り切った、という感じだといつ観ても思いますね。  色々と変わりダネな映画だと思いますが、この映画で一番変わっているのはやはりヒロインでしょうか。見た目や喋り方、性格も含めて、パッと見はどーにも魅力的には見えないのですが、じーっと観ていると次第に魅力が滲み出てくるというか、そこら辺の表現も奥ゆかしく、また巧みだったと思います。その大部分を担っていた池脇千鶴は、やはり凄い女優だと思いますね。
[DVD(邦画)] 8点(2021-01-03 13:50:06)(良:1票)
351.  わたしに××しなさい! 《ネタバレ》 
これもまた根本の部分は非常にベタなヤツではあるのだけど、話のまとまりが中々良好で、主人公のWeb小説家という属性、やや過剰に思える登場人物の多さなどもわりかし上手く使い切りつつ手軽に面白く観切れる作品に仕上がっていると思う。率直に、この手のではかなり楽しめる方ではないだろうか(本来のターゲット層が観たとしても)。  ただ、中盤以降は(アイデアもあって決してつまらなくはないのだけど)マジメにメインストーリーを運んでいく方にリソースが傾注されており、前半にあったオジサンがニヤニヤできるよーな場面がちょっと足りない、という気もする(ティナちゃんも深刻そーな表情が目立つというか)。ゆーてこちとらそんなにピュアな大人に育っているワケでは毛頭ないのですから、所詮ガキの恋愛沙汰なんぞどーでもよいのですよね(だからもっとティナちゃんに色々やらせちまえよ、とも思ったり)。ラストのキスシーンなんかも、散々勿体ぶった挙句としてはこれちょっとフレンチすぎるでしょ(主演2人仲悪かったんですかね?)。  しかし私のよーに玉城ティナ目当てで観た人にとっては、十二分にお値段以上な映画です(私なんか特にメガネ女子大好きだったりするもので)。このキラキラ具合は正に国宝級ですね。
[インターネット(邦画)] 6点(2020-12-31 23:59:30)
352.  ジョゼと虎と魚たち(2020/日本) 《ネタバレ》 
実写版というのは色々とかなり「変わりダネ」な恋愛映画だったと思うが、このアニメ版は話としては全く異なる内容で、逆に色々と王道を征く映画である(つまりは少しばかり在り来り)。特に中盤、祖母との別れ~想定外の事故が発生する辺りの流れはかなり「見たことある」感が強いし(ババアが突然死んじゃうのは実写版でもそーだけど)、言ってしまえばオーラスなんかももはや見飽きた感すらある様な、というか。私実写版大好きなので、そこはもう少し空気感とかをそっちに寄せて欲しかったかな~とも思う。  ただ、今作では王道青春恋愛ものと並ぶもうひとつの王道、「夢を諦めない」という第二のテーマの方もシンプルながらとても好い出来だったのですよね。手作りの絵本のシーンが実に好かったですね~今年の映画では一番ボロ泣きしてしまいましたよ(この場面は「画」自体の質・芸術性というのもかなり手が込んでいてこれも好かった様に思います)。前述どおり、全体としてだいぶん「子供も観ることを意識した」という質感になってはいるものの、だからこその爽やかさは十二分につくり込めていると思いますし、誰にでも気軽にオススメできる作品になっているとも思います。ジョゼちゃんもシンプルにカワイイですし(実写版ではこれもクセのある魅力、という感じだったですケド)。
[映画館(邦画)] 7点(2020-12-31 02:02:16)
353.  犬神の悪霊 《ネタバレ》 
いや完成度という意味では、決して褒められたモンじゃない作品なのは確かですよ。ただ、この行き当りばったり感というかチグハグ感というか支離滅裂かげんというものについて、これが何故にこーなったのかを考えるのはホラー愛好者としては中々に面白いことであったりもするのですよね。あと単純に、こんなホラー世界中探しても今作くらいしかないでしょうし、今後こんなのがつくられる可能性も限りなく低いでしょう。その意味では、あくまで珍品としての鑑賞価値というものは今後も衰えることもないものか、とも思ったり。  まず本作、質感としては(現代劇ながら)50~60年代の「怪談」系の邦画ホラー映画の影響を色濃く残すというか、ショック描写その他にしても諸々矢鱈とおどろおどろしいです(正直あまり怖くありません)。同時に妙にややっこしい(その一方でイマイチ繋がりの悪い)展開運びも、我が国古来の怪談ばなしをどこか想起させるというか。落語や講談の世界に残る「怪談」というのを幾つか聴いてみても思いますが、この国のソレの根底にあるのはただ「怨念」なのであって、その怨みつらみに重みを与えるべく、とでもいうか、その手の怪談というのは思いのほか筋が複雑なのですよね(有名な部分というのはごくダイジェスト的に切り抜かれたものだったり、という)。  ド初っ端からウランがどーたらゆってたりちょっと風変わりな作品にも見えますが、根本的な部分は色々と実に古典的で日本的な作品だと思うのですよ。その今作がある種「失敗」している最大の要因は、コッチが恐らく70年代の洋画オカルトホラー(『エクソシスト』とか『オーメン』とか)の影響なのでしょうが、より迫力・凄みのある描写をしこたま入れてやろうという強い目的意識と、それをこの日本的怪談ばなしとどう整合させるかというノウハウの欠如、ということなのでしょうね(その部分について、割かし気合の入った製作だということも完全に裏目に出ていますね)。本作のショック描写というものは所謂ホラーのソレではなく(少なくとも後にJホラーという形で価値あるものとして結実したソレではなく)、なにか別のジャンル(アクションとかカンフーとか任侠ヴァイオレンスとか)のものになってしまっているのですよ(何故か爆発シーンも多かったりとか、ラストのアレとかもそーですし)。結果、スゴくチグハグで統一感の無い作品になってしまっている、ということですね(もちろん、現代のホラーに観られる「人を怖がらせるために必要なノウハウとしての統一感」が無い、という意味です)。  以上、駄文はご容赦願いたいですが、結論です。重ねて本作、珍品枠あるいはホラーのお勉強として観る分には大変参考になる作品かと思います。エロシーンも(中盤までは)結構多いので、普通に観るにも全く無価値、というワケではないですし。
[DVD(邦画)] 5点(2020-12-31 01:44:00)
354.  天外者 《ネタバレ》 
色々と事情がありそうなのも分かるのだけど、いくら何でもダイジェスト的に過ぎるのではないか、というのが率直なトコロ。それは本作の主人公が五代友厚という、観る人にとってどーいう人だかが頭に入っているとは決して言えない人物だ、という点を踏まえてである。正直言って、五代さんがどーいう人で実際にどーいう功績があったのかなどサッパリ伝わらなかったし、ひとつの伝記ものを観てその人の人生を追体験した、という様な感覚も全くもって得られなかった(多少「観切った」感があったのは遊女のはるとの一連のエピソードくらいなもんで)。少なくとももう少し要点を絞るか、割り切ってもっとナレーションに語らせちゃうとか工夫が必要だったのではないか。それか五代友厚の功績を顕彰するのが目的なら、それこそテレビドラマでも全然好かった様にも思う(45分×4,5回くらいで)。  ただ、肝心の三浦春馬は実に素晴らしい出来だった。何というか、眩かった。実に惜しい。
[映画館(邦画)] 4点(2020-12-29 18:12:21)
355.  ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! 《ネタバレ》 
12軒のパブをハシゴするという部分と、途中から展開されるSFスリラー的な話と、主な筋が2本あるのだが、正直どちらもややよく分からないオチを迎えるというか、ラストまで観ての達成感があまり無い。じゃあ途中笑いに笑えたかというと、これもそーでもない(個人的にこの監督とはあまりコメディセンスのフィーリングが合わないってのも大いにあるケド)。面白かったのは率直にブランクとの格闘シーン(喧嘩において「質量は正義」と言わんばかりにデブのアンディが無双してるサマはある意味爽快だった)。  私も酒飲みとしては、酒絡みの無茶を昔取った杵柄でもう一度、という部分には大いにノスタルジィを感じるので、その部分に何か痛快なラストが観れたらそれだけでも良かったのになあ、という思いが強い(SFとかどーでもいいから)。UKパイントは568mlなので、12杯で約7リットル、生中14杯分である。昔なら一晩くれれば余裕だが、今では絶対に無理だ。
[DVD(字幕)] 4点(2020-12-27 05:40:18)
356.  静かな雨 《ネタバレ》 
『四月の永い夢』と少し似た様なテーマかも知れない。より正確に言うなれば『静かな「永い」雨(と月)』とでも言うか。  ただ主人公の生活は、孤独な研究生活にせよ一転してこよみと共に生きる「進まない時の中」にせよ、思いがけず平穏でありつつも(それは主人公あるいはこよみの障碍がある中でも、という意味で)しかしその裏に確実に絶望を宿すという点では、あくまで静かな(しかし決して止まぬ)雨、なのだろうと思う。大事なのは、そこに差し込む月の光、つまりほんのささやかであっても、それでもそこに確かな「希望」というものがあるということなのだろう。でもそれはあまりに頼りなく、か細い幸福。それを噛締める様な2人を描き出すラストは、グッドエンドと言えるのか、それともそうではないのか。観ている私も哀しいのか、それとも違うのか、不思議な感覚とでも言うか。  比較的「言葉」の力を活用して肝心なトコロを描く監督だと思っていたが(流石「詩人」と)、今作では「音楽で語る」方向に少しシフトしていた様にも思われる(それだけ音楽の出来が好かったということだとも)。これまた非常に繊細で、かつ万人受けする(みんながしっくり来る)様な作品でもないかと思われるが、あくまで個人的にはとても好き。
[インターネット(邦画)] 8点(2020-12-26 01:46:18)
357.  私をくいとめて 《ネタバレ》 
ヒョ~のんちゃんスッゲー可愛かったぜイヤッッホォォォオオォオウ!!!今作でも不思議系女子(31歳だけど)にドハマリしていますが、なんつーかメディアで見るときより3割増で可愛く見えるのですよね(これが何らかの「腕前」というものなのでしょーか)。「おひとり様」で楽しそーに飲んだり食ったり遊んだりしてるのを観てるだけで満足、とは言え、今作では演技のバリエーションもかなり多彩で、のんちゃんファンなら死んでも観るべき作品になっていると言えるでしょう。  頭ン中に『寄生獣』のミギーみたいな奴が居る、という時点でコメディ方面に更に寄った作風なのかと思っていましたが、前半はその傾向もありつつも中盤以降は「おひとり様」の不安や焦り、孤独に馴れ切ったがための人間関係への更なる億劫さ、なども多く物語に取り込まれ、笑いの要素自体は少し減ってゆく様にも思います。それでも、メインの恋愛ばなしはごく微笑ましいゴールに辿り着きますし、コミカル・ロマンチック・ちょっぴりビター・ハートフル、と思ったよりも色々な味を楽しめる作品として捉えるべきでしょう。ただ、その「おひとり様」の生態という部分については(当然「A」という飛び道具を使っていることもあり)深く共感できる様なリアリティを醸しているというよりは、本質の部分はよりライトでシンプルな描き方になっている様にも思います(その部分の出来としては、私は『勝手にふるえてろ』の方が好みです)。  のんちゃん以外の役者さんの仕事も中々好かったですね。林遣都は若さ・瑞々しさよりは誠実さや思慮深さをより強く感じさせる魅力的な若者でしたし、臼田あさ美さんはコミカル芝居に関してはのんちゃんをも凌ぐというか、なんか絶品といってよい出来でした(NHKで鍛えて貰った甲斐がありましたね)。片桐はいりの(意外にも)キレのある存在感も好みです。
[映画館(邦画)] 7点(2020-12-20 12:16:58)(良:1票)
358.  わたしは光をにぎっている 《ネタバレ》 
松本穂香があまりにもトロ臭くて、会話の間合いのタルさには若干(いやかなり)イラっとしながら観ていたのですけど、一方で映画自体の緩やかな「間」の取り方はとても心地好いのですよね(穂香ちゃんの間はそれに合わせているとも言えるかと)。そこに、失われつつある日本の生活空間や、あるいは自然の美しさだとかを乗せてゆく画づくりもまた、非常に味わい深かったです(特に好きなのは終盤の、湖を舞台にした幾つかのシーンとかですね)。  お話の方は本当にささやかなもんで、個人的には正直、空気感&映像の面白さに比べれば観るべき点はさほど無いかも、と思います。ラスト、穂香ちゃんは結局また銭湯で働いてるよーですが、あくまでワタシ的には「イヤイヤ、そーいうことじゃないジャン!」と思ったりもしますですね。  ただもう一つ、重ねてやはり、失われつつある日本の情景を映し出した作品、という部分にも観る価値・残す価値が大いにあるでしょう。単純に情景としても美しく、懐かしく、また興味深くもありますが、そういうモノに対する愛というものが画面から滲み出てくる様なというか、とても優しい映画だと思いますね。個人的にはかなり好きな部類の作品です。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-20 10:41:52)(良:1票)
359.  鬼談百景 《ネタバレ》 
10品も入ってるお得なホラー・オムニバス。ただ、思ったよりお化けをハッキリ「見せてゆく」系統の作品が多く、その見せ方も良かったり悪かったりで、粒揃いと言えるレベル、というワケでもなかったかと。どちらかと言うと前半の方が面白いし、怖さも上回る気がする(ただ、一番気に入ったのはラス前の『どろぼう』ですケドね)。   ①追い越し:暢気でコミカルな大部分に比べ、肝心の「追い越し」の場面は中々気味の悪い緊迫感がスウッと盛り上がる。チープなラストの描写もそれなりには不気味だし、掴みとしてはOKだろう。  ②影男:話の内容は在って無いよーなもんだが、音が単純に結構怖いし、10分近くずーっと緊迫感ある状態が続くので、小品ながら「ホラー観た」感がある。こーいう意味不明なのも短編だとそこそこ悪くないすね。  ③尾けてくる:中々奥ゆかしいお化けだし、完全に暗くならないうち、所謂「逢魔が時」に出てくるのも、何故だろうどこか好感が持てるというか。諸々やり過ぎないというのが却って怖い、という良品。  ④一緒に見ていた:こっちは割かしアグレッシブなお化け。瞑目させた、と思ったらギロッと目を見開く、というのが中々秀逸でしたね。他はホラー描写としては比較的月並だけど、別に悪くはない。  ⑤赤い女:今作、悪霊は見た目の面は抜群だが、惜しむらく(多分)予算が無い所為で襲い方は非常に力技かつチープ、で、結局ちょっとコメディ風に仕上げるしかなかった、という感じかと。結果、見た目のワリにあんまし怖くないという。  ⑥空きチャンネル:例えば、スマホだのPCだのからお化けが出てくる、というのはちょっと風情が無いと思ったりするが、ラジオくらいレトロだと今や、まあまあこのお化けセンスが好いな、とも思える。とは言えこの話、クオリティ自体は諸々平凡。  ⑦どこの子:件の赤い少女が柱の影から覗いてる最初のシーンのその笑顔には中々悍ましい怖さがあったが、その他の描写はつくりもの感満載で色々とイマイチ。特にラストの特殊メイクとか、意味分からん。  ⑧続きをしよう:妖怪ばなしの類だろうが、確かに狐につままれてるかの様な不思議な雰囲気がある。ただ、子供が結構派手に流血してるサマは単純に痛々しい。音も「グシャァッ!」とか心地悪いし。  ⑨どろぼう:イイですね~こーいうのが結局一番気味悪いっすよね。陰口を叩く田舎な感じも嫌らしいし、あの奥さんの表情も実に不気味でした。本オムニバスでは一番好きですね。  ⑩密閉:ラストはエライ突拍子も無いモンスター系。正直驚かし系なだけで全く怖くないし、意味も分からん。ただ、ラストで「地獄に堕ちろ…」と呟く女の子がほのかにイイ風味を醸してたかと。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-12-18 17:45:45)(良:1票)
360.  ばるぼら 《ネタバレ》 
正直、もうちょっと内容があるのかと思ったが、いわゆる芸術家のミューズたるひとりのファム・ファタールを描く話としては、それ以上の内容というものはつくり込まれていない(原作未読だが、あらすじを読む限りでも原作はもう少し内容がありそうだけど)。  率直に言ってどちらかというと雰囲気映画の類いかも知れない。その意味では、少し「レトロ」で(むしろちょっと古臭いと言えるのかも)この上なく頽廃的、と言う他無い全体の空気は、それでもそれなりに心地好くは在ったし、主演2人自体も雰囲気はまずまずだった(ゴローちゃんはやっぱ見映えはしますね)。暇潰しには十分使える程度の出来かと。
[映画館(邦画)] 6点(2020-12-17 21:29:40)
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