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コメント数 2394
性別 男性
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21.  はだしのゲン(1983)
実写版は三國連太郎演じる平和主義者のゲンの父親が主役の上、原爆投下で物語を終わらせてしまう様な腑抜けた反戦映画でしたけど、アニメ版のこちらは原作に忠実な展開。国民総決起の元、平和主義を貫くなんてのは綺麗事でしかなく、この物語の本質は原爆投下後にこそある。街を消滅させ、平和主義者も軍国主義者も大人も子供も区別無く焼き尽くし、辛うじて生き残った者を「お化け」に変え、一見無事だった者をも体内から徐々に殺していく核兵器。稚拙な作画で描かれたものだとしても、この容赦ない描写には戦慄するしかありません(たぶん地上波では放送できない筈)。しかしゲンは、地獄となった街で必死に生きる。決してへこたれないゲンのお陰で、希望の持てる爽やかなラストになってました、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-12-08 00:01:03)(良:1票)
22.  しとやかな獣
基本は団地の一室のみで展開される二幕一場ものの舞台劇(しかも若尾文子が主役じゃない!)。しかし川島雄三は、ありとあらゆる位置からの構図を駆使し、極めて映画的に仕上げてます。上下左右、縦横斜め、窓越しドア越し襖越し、考え得る限りの構図が登場。ビシッと決まる構図の為にはカットの繋がりさえ無視する徹底振り。人物の出入りや立ち位置も絶妙で、狭い団地の一室に無限の広がりを与えてます。その登場人物も全員が腹に一物を持った非情な金の亡者ばかり。「貧しさ」は人を獣に変え、急激に押し寄せる「豊かさ」がそれを正当化する。話は一応「悪の栄えた例なし」という結末を迎えますが、ラスト・カットでは、高度経済成長が無数の「しとやかな獣」を育んでることを雄弁に物語ってました、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-15 00:01:21)(良:2票)
23.  樹の海
緩やかに繋がった四つの「ちょっと良い話」からなる、映画版「人間交差点」って感じ。それぞれ面白い物語でしたが、私が一番良かったのは塩見三省と津田寛治の話。年代も職業も違う全く接点の無かった二人の男が、自殺した見も知らぬ女をきっかけに出会い、たった一夜で絆を深めていく。互いの人生を語り、そして見知らぬ女の死を悼んでる内に、ごった返してた居酒屋も徐々に空き始め、追い立てられる様に店を後にする二人。私がこの席にいたとしても劇中の津田寛治同様、無理矢理にでももう一軒つき合って貰ったと思います。演者では池内博之の一人芝居が良かった。不自然な状況を説得力を持って自然に演じていたと思います。そして全体的にハイ・クォリティに作られてたのも好感度高いですね、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-10-04 00:03:36)
24.  父と暮せば
やっぱり映画的ダイナミズムを感じられないことが大きなマイナス・ポイント。舞台的な二人芝居とCGシーンの馴染みが悪く、チグハグな印象も受けます。そして問題のラスト・カット。これは余計だったんじゃないでしょうか(そんなことはないんでしょうけど、一瞬、私は二人とも死んでたのかと思いました)。と、映画としては不満もありますが、それでもこの二人芝居は見応え充分。原田芳雄の豪快で飄々とした演技と、31歳(!)の宮沢りえの初々しさ。特に原田の一人芝居「原爆一寸法師」の部分だけで、この映画を観る価値は十二分にあると断言できます。ということで、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-10-04 00:02:25)
25.  ゆれる
人は自分の目で見、自分の耳で聞いたことさえストレートに認識することが出来ず、脳内で一度処理された情報を追認することしか出来ない。だから人は見たいものを見て、聞きたい音を聞き、信じたいことを信じる。それが一己の人間性を形作っていく。事実や真実とされる事柄も、所詮は相対的な不確定情報でしかない。法廷でも面会室でも、兄は正直に自分の真実を話し、そのことが弟を徹底的に揺さぶっていく。妬み、羨望、歯痒さ、負い目。血を分けた兄弟であるが故の葛藤は、代が変わっても受け継がれ、そして弟は信じたいことを信じるに至る。自らの人間性の否定に比べれば、これまでの生活を捨てることなど造作もないこと。人はかくも弱き生き物なり…。若干32歳の西川美和は、既に師匠の是枝裕和を超えた。脚本もさることながら、絶妙のカッティング・センスが素晴らしい。唯一の難を言えば、ラストに弟のモノローグはいりませんでしたね、7点献上。
[映画館(邦画)] 7点(2006-09-05 00:04:53)(良:1票)
26.  恋の門
おたく文化を扱った松尾スズキ監督作品ということで、もっと間口の狭い(悪く言えば「スベってる」)映画を想像したんですけど、確かに特殊な世界ではあるものの、誰でも楽しめるラヴ・コメディに仕上がってると思います(「電車男」より全然面白い)。とにかく酒井若菜が凄い。喜怒哀楽がコロコロと変わる恋乃を、全く嫌味の無いオーバーアクトで見事に表現してる(このドライなキャラは非常に現実的)。コスプレしてる時のテンションなんか本物ですヨ。対する松田龍平君も下手な台詞回しが門のキャラにはマッチ(浅野忠信の真似っぽいけど…)。「宇宙戦艦ヤマト」の放映から既に30年以上、「機動戦士ガンダム」からも27年が経過してる訳で、最早「おたく文化」はおたくだけのものではなく、「日本文化」なんですかね、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-07-22 00:03:55)
27.  女経
大映の看板監督と看板女優が、「女心と金」というテーマで三つの物語を描いた贅沢なオムニバス。「耳を噛みたがる女」は、手練手管で男を騙してきた極貧家庭出身のホステスが出会う初恋。若尾文子の小悪魔的魅力を堪能できますが、相手役の川口浩は全然吊り合ってない。「物を高く売りつける女」は、海辺の家に暮らす妖しくも美しい未亡人の正体。「この商売はちょっとやそっと可愛くても駄目なんだよ。アタシくらい美人じゃないとね」と言う山本富士子に納得。怪談風の序盤と後半の落差も激しく、私はこの第二話が一番好きです。「恋を忘れていた女」は、旅館のやり手女将に隠されていた女心と優しさを描く。京マチ子が大人の女の強さと弱さと優しさを余裕で演じてます。それぞれ話も面白かったですけど、それよりも三人の美人女優の魅力を最大限に引き出して観客に提供することが本作の目的だと思う。その意味で満足度は非常に高いです、7点献上。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-07-22 00:01:03)
28.  ALWAYS 三丁目の夕日
(ちょい長め) 確かにエピソードがバラけてしまいオムニバス風になってしまってますけど、春夏秋冬それぞれに泣き所が用意してあって、これは見た目以上に巧みな構成だったと思います(これこそ「泣きのエンターテインメント」)。そして何よりも圧倒的なヴィジュアルの力。良く見れば意外と安っぽいCGなんですけど(これは多分DVD鑑賞の為。劇場ではそれほど目立たなかった筈)、映画である以上、見せないよりは見せてくれた方が絶対良いに決まってる。また、小雪や堀北真希さえも、ちゃんと昭和33年の人間に見える所こそ、最近の邦画としてはCGより凄い点かもしれない。デジタル技術を駆使して再現された当時の東京は、リアルでもファンタジーでもなく「記憶の中にある東京」。だからこそ多くの人が共感できたのでしょう(それに、現在の「ニーズ」にピタリと合致した)。そして私は、ハリウッド大作に影響されて「娯楽」と「特撮」にアレルギーを持つことなく育った日本の映画監督が、ようやく日本独自の「大作」を撮り始める時代になったことが感慨深いです。誰も見向きもしない様な作品を「芸術」と称して持て囃し、娯楽映画の作り手を育成してこなかったことによって誰も見向きもしなくなった「産業」が、いよいよ本格的に盛り返してきそうな予感を本作は抱かせてくれました、7点献上。
[DVD(邦画)] 7点(2006-06-28 00:04:26)(良:5票)
29.  嫌われ松子の一生
あの原作をよくここまで巧みにまとめたと思う。本作で褒めるべきはポップな演出ではなく、脚本力と構成力です。その構成も、色々な関係者の回想シーンの中で更に松子が回想するという不自然さはありますが、怒涛の演出で押し切ってしまい、こちらが違和感を募らせない内に現在のシーンに戻ってくる力技。このテンションを続けるには少し時間が長すぎた様な気もしますが、鑑賞後の満足度は高いです。気になったのは映像のクォリティ。たぶん本作はDVDの方がクリアな映像で鑑賞できるでしょう。ところで中島哲也と中谷美紀の不仲ですけど、これは、あくまでも「記号」としての松子を求めた監督に対し、女優が人間・松子を「演じたがった」所から生じたんじゃないですかね。映画からはそんな印象でした、7点献上。
[映画館(邦画)] 7点(2006-06-09 00:03:29)
30.  LIMIT OF LOVE 海猿
序盤は「タイタニック」、中盤は「ポセイドン・アドベンチャー」、終盤は「炎のメモリアル」という、一粒で三度美味しい海難事故映画。前作と本作の間にあるらしいTVドラマは一話たりとも見てません。従って主人公カップル以外の人間関係は判りませんでしたけど、問題なく楽しむことが出来ました。そして何より、これだけスケール感のある映画を、映像的に説得力を持って作ってあることに驚きました(その代わり、今回はエンド・ロール後の「サプライズ」は無し)。確かにベタな話だし、ハリウッド映画の真似でしかないのは判りますけど、我が国ではつい最近まで、ベタな話をマトモに脚本化することも、ハリウッドを「単純に」真似することも出来なかったのを考えれば、充分満足できるレベルの「娯楽大作」に仕上がってると思います(少なくとも、昨年の福井晴敏三部作なんか問題にならない完成度)。という訳で、予想を裏切る出来の良さについつい1点おまけして、7点献上。
[試写会(邦画)] 7点(2006-04-25 00:06:45)
31.  黒い十人の女
これは面白かった。そうそうたる女優人の泥仕合も、「影」を基調としたモノクロ映像も見応えがありますけど、私には船越英二のキャラクターが最高。根はとてつもなく優しい善人の、飄々としたC調男。絶倫でも、征服欲がある訳でもなく、どっちかと言えば「情けない男」の部類に入る筈なのに、妻の他に9人もの愛人と「同時に」関係を持ってしまう。その女達もピンキリ。若いギャル(死語?)もいれば疲れたおばさんもいる。美女もいればブスもいる。彼には分け隔てが無く(しかも下心も無いみたい)、来る者を絶対拒まない上、自分からは別れない。こうなると女達にとっては「好き嫌い」でなく、「勝ち負け」の問題になってくる。やがて船越英二は蟻地獄に囚われてしまう。でもこの蟻地獄なら、私もハマってみたいです、7点献上。
[地上波(邦画)] 7点(2006-04-25 00:02:44)
32.  アザー・ファイナル
お互い聞いたことも無い国同士の対戦でも、「代表試合」の盛り上がりは世界共通。本作では試合そのものよりも、ブータン、モントセラト両国民のサッカーに対する素朴な愛情、そしてサッカーを通じた友好に胸が熱くなること請け合い。小国同士でFIFA公認の国際Aマッチを開く苦労も垣間見れて興味深いです。また、淡々としたドキュメンタリー・タッチではなく、ちゃんとボールを使って「演出」してあるのも良かった。ところで、体格差ではモントセラト有利に見えましたけど、状況が彼らにはかなり不利だった様なので、出来ればホーム&アウェイで対戦して欲しかったですね。そうすれば我々も、この素晴らしいゲームがもう一試合見れた訳です。ワールドカップ年である今年も、最下位決定戦は開催されるんでしょうか? 7点献上。
[地上波(字幕)] 7点(2006-03-13 00:34:56)
33.  シムソンズ
トリノ・オリンピック便乗企画的、カーリング版「がんばっていきまっしょい」。中途半端な「下妻物語」風演出で始まり、中盤からは全くオーソドックスなスポーツ青春映画として展開していきます。しかし、私は「がんばって~」よりもこっちの方がかなり気に入りました。特に、加藤ローサ演じるヒロインの底抜けに前向きな姿勢が良い(星井七瀬の「普通っぽさ」も素晴らしい)。常に悩みっぱなしという最近の映画の主人公達に、爪の垢を煎じて飲ませたい。また、オーソドックスな物語を「オーソドックスに」演出してあるのも良い。それによって、彼女達の素直さがそのままスクリーンから伝わってきます。やっぱ最近はテレビ畑の監督の方が「演出」を心得てると思う。試合シーンは、私も一投一投に息を呑んでしまいました、7点献上。
[映画館(邦画)] 7点(2006-02-18 00:05:37)(良:1票)
34.  スウィングガールズ
矢口史靖キャラクター映画の集大成って感じですが、「ウォーターボーイズ」の二番煎じでは終わらせず、明らかに「ウォーター~」より出来が良く(製作費が多かったお陰かな?)、女の子の人数分だけ「ひみつの花園」より楽しめる。何より、無理矢理で薄っぺらい話を最後まで引っ張っていく勢いとエネルギーに溢れてます。「作為」という言葉は、とかく悪い意味で使われがちですが、ストーリーも演出もこれだけ作為的な映画が嫌味にならないのは、偏に矢口監督の才能(若手の中で対極にいるのが山下敦弘だと思いますけど、彼の作品の方が胡散臭く独りよがりな作為を感じます)。「大会で優勝する」等の陳腐な設定を廃し、純粋に「人前で演奏することの喜び」に焦点を絞った展開も爽やかでした。ということで、7点献上。
[地上波(字幕)] 7点(2005-12-07 00:04:38)
35.  ふくろう
見た目は、一幕一場ものの非常にシンプルな舞台劇。中盤までの繰り返しが少しクドいのと、どうしても映画的ダイナミズムに欠けてしまうのがマイナスですけど、それでも充分面白い。タイトル・バックのゾンビ演出がとにかくキャッチー(いきなり何が始まるのかと思った)。大竹しのぶとの二人芝居を強いられた伊藤歩には酷な感じもしましたが、超ベテラン監督はそんな彼女にも抜かり無く見せ場を用意していた。それが、物語上は全く必要ない彼女のオール・ヌード。もちろん観客へのサービスですけど、これは同時に伊藤歩本人へのサービスでもある。23歳の裸体の輝きが、大女優の名演技に匹敵する程の存在感を彼女に与え、映画にもバランスを与えた。これぞ名演出! この方、まだ終わってなかったんですね、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-12-07 00:03:50)(良:1票)
36.  Laundry ランドリー
知的障害者が周囲の人間を癒していくファンタジック・ストーリーってのはハリウッドの十八番ですけど、日本製のこの手のジャンルとしては珍しく、ハリウッドの作劇に匹敵する完成度だと思いました。最小限で的確な人物配置と丁寧な演出。ファンタジーとリアリティの程好いブレンド(本作ではセックスを排除したことが奏功してます)。ラスト・シーンは、タイトル通り心洗われる爽やかさです。確かに窪塚洋介の演技は代わり映えしませんが、適役と言えば適役。また、がたいがでかく、キリッとした美人の小雪がミスキャストっぽい感じもしましたが、明らかに窪塚より外見的に大人で、しっかりしてそうに見えることがこのヒロインの必須条件。そう考えれば彼女もこの上ない適役でした(何よりスクリーン映えしますしね)、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-12-07 00:01:54)
37.  ジョゼと虎と魚たち(2003)
妻夫木聡の前で池脇千鶴が微乳を露出し、二人が互いの舌を貪り合う様子を逃げずに描写することで、彼らはフィクショナルなキャラクターから生きた人間になった。そしてジョゼがスツール(?)からドスンと床に下りる様に、フワフワしたファンタジーとして始まった物語を、しっかり現実に着地させて映画は終わる。また、本作で犬堂一心は「人に観せる」ことを念頭に置いて演出していた様にも感じられ(これまでと比べれば予算にも多少の余裕があったのかも?)、非常に好感が持てました。私はこれを、監督自身が少し大人になったのだと受け取りました。同じ脚本でもこれまでの演出では、こうまで「広い支持」を集められなかっただろうと思います。本作は、日本に於ける「普通の」障害者映画としても価値がありますよ、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-10 00:16:32)(良:1票)
38.  ビルマの竪琴(1985)
水島の旅は正に地獄巡りであり、それ自体が並の僧侶をも超えた厳しい修行。彼が「供養」を決心するのも自然の成り行きです。個人的には、その過程はもう少し丁寧に描写した方が良かったと思いましたが、東南アジア系に見える中井貴一やインテリに見える石坂浩二は適役だったと思います。私が一番感動したのは、イギリス兵の納骨堂で隊長が日本の骨壷を見つけたシーンと、水島の奏でる「仰げば尊し」。オリジナルは未見なので何とも言えませんが、本人がわざわざリメイクしたということは、市川崑自身は旧作より新作の方が優れてると考えていたのではないでしょうか(まさかオリジナルより劣ったもので満足するとも思えませんし…)。日本的ファンタジー映画としては完成度の高い作品だと思いますよ、7点献上。
[地上波(字幕)] 7点(2005-09-24 00:06:18)
39.  戦争と人間 第一部 運命の序曲
東宝に「日本誕生」、大映に「日蓮と蒙古大襲来」、新東宝にさえ「明治天皇と日露大戦争」という、邦画界の現状からは考えられない程の金を使い、オールスターが一堂に会した超々大作がある。日活を代表する大作が、ロマンポルノ移行期に製作された本三部作という訳ですが、以後、日活は衰退の道を歩み始めました。で、この第一部ですが、軍閥に取り入って満州に於ける利権に食い込もうとする財閥一族とそこに関わる人々を中心に、昭和初頭から満州事変までの日本の表と裏が描かれていきます。物語の壮大なスケールに負けないオープン・セットやエキストラ数、そして入れ替り立ち替り登場するスター達に圧倒されて3時間17分の間、全く退屈する暇がありません。正に堂々たる運命の序曲です、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-24 00:05:11)
40.  独立愚連隊西へ
「独立愚連隊」の名前を借りただけで、前作とは全く繋がりの無い続編。その上、コメディ色が強くなっただけでなく、日本軍に対する皮肉も辛辣さを増し、エピソードやアクション・シーンもぐっと増えて、前作よりも全然面白い続編となってます。彼らにとって軍旗は役立たずの布切れ。しかしそこに男の魂を感じ取るや、何よりも大切なものに変わる。飄々と振舞いながらも命の重さを知る、本隊と対極に位置する愚連隊の面々が相変わらずカッコ良い! 本作を観れば岡本喜八という人が、邦画界では如何にモダンな映画監督だったかが良く判ります。ところで、【ロンメル元帥】(略名)さんの提案には激しく賛同。でも、戦争娯楽アクションと言っても、「戦国自衛隊1549」や「ローレライ」レベルでは話になりませんけどね、7点献上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-24 00:04:15)
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