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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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481.  幸福(1981) 《ネタバレ》 
市川監督の得意技とは言え、殆どモノクロのように見えるレベルの銀残しがキツ過ぎでない? 事件シーンがあまりに凄惨過ぎてしまって(金田一耕助モノのノリなワケで)、映画の印象を歪めてしまってない? (ついでに併映だった『アモーレの鐘』の存在が意味不明過ぎない?) そういうひっかかりがありはしたのですが、社会の底辺に澱む人々の悲劇のドラマと、その中に仄かに輝く温かさが鮮烈な印象を残す一編でした。メインに据えられた水谷豊、中原理恵、永島敏行という、市川作品らしからぬ当時の若い人々の演技が、映画にサラリとした独特な空気を運んでいて、主題歌などに漂うフジテレビ製作という背景も手伝って、ドロドロと陰鬱になりがちな題材の物語が、見終って爽やかささえ残します。長らく幻の名画状態になっていた(私も公開時に見たっきり)のが勿体ない、市川監督の個性がいかんなく発揮されている映画、市川監督を代表する作品の一つに数えられていい映画だったと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2009-11-03 23:22:14)(良:1票)
482.  ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ 《ネタバレ》 
この監督の映画は80年代当時でも古臭く感じられてあまり好きでなかったりしたのですが、今、こうもきっちり普遍的な邦画の作りを見せられると、映画を取り巻く世界と自分の物の見方は随分と変容したのだなぁと感じます。安易に時代を追うよりも、真面目にきっちり作られた映画の方が安心して身を委ねられます。ここではカメラや美術、照明がガチッ!とプロの仕事を用意して、あとはもう役者の実力、役者同士の演技のぶつかり合い、戦い。結果は松たか子の一人勝ち。男に振り回されているようでありながら、実際に描かれるのは女の強さ、したたかさであって、当然彼女が優位に立つポジションであるにしても、他を圧倒する演技で存在感を示します。浅野と広末の二人だけのシーンのおぼつかなさ、拙さがあまりに残念に思えてしまう程に。広末がビジュアルだけで松に比肩する存在感を全く示せなかった、ゆえに松の内面の炎を強烈に光らせきれなかった恨みが残りますし、浅野や堤の毎度の延長線上の演技は、もっと他に適任者はいなかったのか?という疑問も残ります(一方、妻夫木の朴訥さは好感を抱きましたし、伊武と室井は見事にハマっております)。だけど、松の圧倒的勝利としてのバトルを見たという点では、これは痛快な映画と言えるでしょう。原作に上手く肉付けした脚本(私的にはもっとさちはカラリとドライであっていいとは思うのですが)を含め、スタッフが完璧な土俵を用意し、役者が勝負する映画として、その戦いを存分に堪能しました。
[映画館(邦画)] 9点(2009-11-01 21:30:18)(良:2票)
483.  クヒオ大佐 《ネタバレ》 
結婚詐欺師を題材にした軽妙なコメディ映画を期待したら、これがまあ重い重い。淋しくて哀しくて弱い人々ばかりが出てくる映画で、それがもうそのまま直球で淋しくて哀しくて弱いです、って描かれ方をしているワケで見ていてツラくて仕方ねーです。みんな人間的に何らかの変化をしてゆくのかと思えば、ずっとそのままだし(事態の変化はありますけど)。松雪泰子はこの映画のカナメを最後の方でセリフにして喋っちゃうし。あのセリフにあった事、ただ目の前のあなたが好きだってところを核に、人間に惚れてっちゃう女達を面白哀しく描けていれば良かったと思うのですが、クヒオが掴みどころがなさ過ぎなキャラであったがゆえに、魅力の本質にまるで迫れなかった恨みが残ります。キャッチフレーズの「女達よ、なぜ騙される?」の答えに到達できてなかったじゃん、と。「なぜ」のまんまを映画化しただけみたいな。クヒオのキャラは創造できた、でも終盤の回想を持ってしても人間クヒオの創造には至らなかったように感じました。
[映画館(邦画)] 5点(2009-10-15 20:34:31)
484.  カイジ 人生逆転ゲーム 《ネタバレ》 
荒唐無稽過ぎてついてゆけません。あり得ないハナシ。社会を象徴的に描いているにしても、その立脚点があまりにネガティブ過ぎてしまって。登場人物の誰にも一切の共感も生まれないままに過ぎてゆきますから、もうラストまで見続けるのが苦痛で。せめて勝負ネタが面白ければいいのですが、2時間超の尺の中に3回あるだけの、その勝負自体が大して面白くないという。マンガを映像化するときは、その原作に頼りきるんではなくって、実写にした時にどんだけ説得力を生み出せるかってところに腐心して頂きたいところですが、そこをちっとも努力してないように思えます。みんなキャラ的にあり得ないんですよ。つーか、この原作が映画化に相応しいだけの価値があったのかどうか、きちんと吟味したのかなぁ? 自分で道を切り開くしかないんだ!っていうのはいいとして、世の中、敵ばっかりだから、弱者は資本主義に飼い殺しにされている状態だから、っていうのが大前提として存在している、かなり歪んだところから始まってるようなモノなので、個人的にはそこからしてダメ。逆にそんな物語が日テレ資本で出てきてるって、どんだけバカよ?と。日本映画界もマンガに頼ってその人気をアテに創造力を丸投げするんでなくてさ、マンガを上手く咀嚼しないとダメだと思います。点数は、こんな陳腐な物語にきっちり演技をぶつけてみせた俳優陣の頑張りに。
[映画館(邦画)] 3点(2009-10-14 20:07:06)(良:2票)
485.  ワイルド・スピード/MAX 《ネタバレ》 
前から話が繋がってんのね。1、2作目はテレビで見たハズですが、すっかり忘れちまったい(映画館で見ないとなかなか記憶に残らないという困ったクセが)。都合良く「レースで勝負だ」ってノリは麻雀ゲームみたいな無理矢理さ加減で毎回笑わせてくれますが、ヴィン・ディーゼルに主役を張るだけの華がないのがツラいですわぁ。つーか、レティとの関係がちゃんと見えてこなかったんでディーゼルのテンション低い演技と相まって、復讐の物語としてもどうも盛り上がらず。しかし、それより何より、なんつっても、これまでのシリーズにあった、ドレスアップされたチューンドカーをフェティッシュに見せるってのが殆どなくなってしまったのが非常に残念。あれがあってこその『ワイルド・スピード』なんでないの? あれがないとフツーのカーチェイス映画だわさ。つーか、昨今のインフレカーチェイス映像と比較してもジミ。唯一、クライマックスの坑道内チェイスは『スター・ウォーズ』みたいでちょっと面白かったですが。自動車映画としてのワクワクは番外バカ映画な前作未満でした。そういうのは今度出るXBOX360の『Forza3』で存分に楽しむとしますか。え?『GT5』?プッ、冗談でしょ。って、私ゃマイクロソフトの回し者か?
[映画館(字幕)] 6点(2009-10-12 18:23:44)(良:1票)
486.  空気人形 《ネタバレ》 
映画の価値って、見た時の状況やタイミングにも大きく左右されますね。私は東京に生まれ暮らして。この夏、自分的なキーとなったスポットはお台場と東京タワー、ついでに水上バス。これを見たのが豊洲で。そして今の半分ボケた父親との孤独な介護生活。どれだけこの映画にシンパシーを抱く事になったやら。不完全な器としての体に心が宿ることで、お互いに足りないものを補い、新たな創造に繋がってゆく、それが生命。そして、都市の、人の中に暮らしながら自分の存在をハッキリと確認できない、足りないものを抱えたままに過ぎてゆく人々の孤独が空気人形ペ・ドゥナに集約されてゆきます。心を持つ事の切なさ、つらさ、そして素晴らしさが、彼女の「透明な存在感」によって心に染み入るほどに繊細に織り成されてゆきます。象徴的に描かれてゆくフェイクたち。だけど、フェイクと本物は何を以ってそこに価値の差が存在しているのかを問いかけてきます。美も醜も生も死も自分のものとして演じられる唯一無二なペ・ドゥナという存在があればこそ成立した映画。また、彼女自身が作品として成立している映画でもありました。これまでのどの出演作よりもペ・ドゥナの映画で、そしてペ・ドゥナが映画で。
[映画館(邦画)] 9点(2009-10-04 09:21:48)(良:1票)
487.  カムイ外伝 《ネタバレ》 
クライマックスでどうして松ケンはそれまでさんざん使ってた「忍法ワイヤーワーク」とか「忍法CG」とか使わなかったんでしょうねぇ。いきなりもっさりした殺陣でレスポンス落ちまくっとるやないの。それはさておき、最初の経過説明のナレーションの終了直後、物語がそれより前の時代に戻るっていう大変にマヌケな事をやらかしてる時点でイヤな予感はしたのですが(一体何年プロやってんの)、なんでここまで点で描いてるの?って。カット、シーン、舞台、物語、全部点。飛ぶ飛ぶ。流れてないの。繋がり緩いの。いきなり森、いきなり川、いきなり海上、いきなり村、って。色々なものがワープしまくるんで、気持ちが映画に乗ってゆかないんですよ。せわしないワリに映画に乗れないので退屈しちゃって。『カムイ外伝』のダークなイメージをあえて青い空、青い海って明るい色彩に持って行ったのはいいとして(無理に着色してありますが)、マンガが原作だからマンガチックでいいだろう、みたいな映像が多いのはいかがなものかと。70~80年代のプログラムピクチャーじゃないんだから。村人達のそんなのアリか?な全滅具合も含めて(小雪や大後寿々花があれで退場ってのが・・・)、あちこちムチャ。これでは邦画はマンガに勝てません。マンガを前提にすると、原作よりよっぽど荒唐無稽になってしまうのって邦画の悪いクセ。あと、男達の裸が、どう見ても普段服を着て生きてる人達の裸で(お尻つるつる)、無理してフンドシしてるのが痛々しく感じられてしまいました。なんだか人工甘味料添加しまくり、ハリボテな映画ね。
[映画館(邦画)] 4点(2009-10-01 15:27:03)(良:1票)
488.  キラー・ヴァージンロード 《ネタバレ》 
冒頭からしばらく、やっちまったか!これはマズいか!って作為的な映像(ミュージカルで、60年代風なキッチュさで、そしてわざとらしい)が羅列されるのですが、段々と落ち着いてきて。非現実的なギャグと現実的なコメディとの境目が曖昧なカオスな状態で、クライマックスで泣かせにまで走るのは、さすがにバランスに欠け、映画的にツラいわ、と思いましたが、あと樹里っぺがあんまり魅力的に撮れていないのが気になりましたが、岸谷五朗監督、ここはヘンにゲージツ家気取りな俺様映画に走らず、バカ娯楽映画とした点で好印象。受動的キャラゆえか樹里っぺが意外に面白くないのが欠点なのですが、女ターミネーターの如き木村佳乃のバカっぷりは突き抜けていて良いなぁ。彼女が樹里っぺと一緒なシーンでは俄然映画が弾んで面白くなるという。この二人のかけあいの割合がもっともっと大きければ良かったんですけどねぇ。クライマックス、おじいちゃんを引っ張りすぎで不自然になっていますし(あの状態で延々放置って・・・)、泣きも前記のように映画の色に合ってないので長過ぎって感じで。それから樹里っぺが関わった人々が幸せになってゆくというラストの展開が、どう関わったためにどう幸せになったのかがちっとも明快な流れになっていないのが残念。樹里っぺの行動が結果的にきっちり幸せを運んだのでした、っていうんじゃなくて、強引過ぎて納得できない風が吹けば桶屋が儲かる状態で。バカげたギャグ部分は、あれはあれでいいと思うので、脚本がもう少しきっちりと組み立てられていたらもっと楽しめたと思います。
[映画館(邦画)] 6点(2009-09-28 11:57:06)
489.  プール(2009) 《ネタバレ》 
『かもめ食堂』『めがね』に続く第三弾的な売り方をしておりますが、似て非なるというか、意図してか天然か判りませんが、下手をしたらその二作のアンチ映画として位置しているようなシロモノに仕上がっております。何故なら、この映画には終始不安感が漂い、ざわざわと心が落ち着かない要素が散りばめてあり、癒しなどとは逆の、サスペンスかの如き様相を呈しているからで。更に、最初に美味しそうな料理(しかし何故かタイまで行ってちらし寿司)を見せ、これまでのパターンを踏襲するのかと思えば、料理映像には寄らず、それどころか静かなクライマックス、母娘の対話シーンでは美味しいと言いつつも鍋の中身は判らず、その上、何匹も蝿がたかっている始末。前二作の美味しそうな料理映画からは完全に外れています。そして、そこで語られるのは『かもめ食堂』的、『めがね』的生活を選んだ母親に対する娘の非難。なんとした事か、その問題を始めとして、心が落ち着かない要素全てを、この映画は全く解決しようとはしません。放置です。この映画、多くのシーンで人が物陰に隠れかかっている、物陰から出てきて、しかし人と交わらずにただ様子を窺っているという映像を繰り返します。それは登場人物同士の埋まらない絶望的な距離感を描いているようであり、設定や物語と共にその居心地の悪い関係性を観客席にまでじわじわと染み出させているようであり。プールに入った人間はおらず、足をつけただけの人間はむしろ現実的な生き方を求められた二人。タイトルにまでなりながらその役割を成していないプール。「あちら側の世界の人間」にとってプールとは現実へ至る畏怖すべきイコンなのでしょうか。まるでこのままその世界はジワジワと腐ってゆくようにさえ思えます。現実的な二人こそがその世界を浄化しようとしているようで、だけど他の三人は・・・。あまり美しいとは言えないリアルな色彩の世界も含めて、前二作で荻上監督が創造した世界に対して、リアルサイドから見た負の感情がうねってしまったような、異形の映画ではありました。
[映画館(邦画)] 4点(2009-09-28 11:54:25)(良:1票)
490.  しんぼる 《ネタバレ》 
白い部屋の方はベタで面白かったですが、ルチャはネタフリ長過ぎだなぁ。中国やロシアももう少し先に振っておくべきだったかも。思考による行動が結果をもたらし、更なる思考を生み、やがて他者への影響を生んでゆく。これが相互に影響しあう状態がこの世界であって、もしも神が存在するとすれば、それらの作用を理解した上でただ俯瞰している存在なんではないの?みたいな事を考えました。でも、ここでその作用を生むものとしてシンボライズされているものはモノリスではなくってチンコ。んー、チンコだけでは物事は始まらないでしょ。チンコいじってるだけで世界は変わらんのでないの?と思ったところで気付きました。そうか、だからこれは松本人志の究極の「オナニー映画」なんだ、と。お粗末様でした。
[映画館(邦画)] 7点(2009-09-17 17:49:21)(良:1票)
491.  南極料理人 《ネタバレ》 
素材に対して料理法(演出と脚本ですね)が平凡な気がしました。カメラ固定の長回しを見せて「間」で感じてね、ってスタイルはいかんせん古いですわ。その「間」に費やす時間に、もう少しネタを詰め込めたんではないかなぁ。ラスト前の擬似家庭長回しなんかは、これ見よがしで、わざとらし過ぎちゃって(割烹着とか、「息子」のトレパンとか、あれじゃあ堺雅人がお母さん過ぎだあ)、ちょっと恥ずかしいです。まあ、しかし、素材の良さゆえの面白さっていうのに溢れていて。外界から遮断された、生物が生存できない世界で生きる事の閉塞感、たった8人の社会での摩擦、その中で「食べる」という生物の最も基本的な事柄についてのお話。意外にも恵まれたメニュー(ラーメン以外は)を、ごく当たり前のように口にする登場人物、だけどその毎日の食事って、材料と作る人によって創造される作品なのですよね。そこにもう少し目を向けてみてもいいんじゃない?って、特異な状況を通して語りかけてくるような映画でした。優等生風な作りの中では堺雅人に生々しい存在感みたいなのがなくて、やや薄味な気もしましたが。むしろ伊勢エビのエビフライみたいな幾らか無茶した映画でも良かったと思うんですけどね。
[映画館(邦画)] 7点(2009-09-09 17:40:04)
492.  BALLAD 名もなき恋のうた
山崎監督って、いい意味で色のない人だと思うんですよ。自分の色みたいなのがない(或いは出さない)がゆえにアクの強さがなく、毎回、広く人々に見られる作品になっている感じ。だけど、この作品は映画版『クレヨンしんちゃん』の映画化、今世紀に入ってから作られた最近の作品をわざわざ実写映画化してしまうっていうのは大変に無粋なように思え、また、元の作品に原監督の色が濃く出ているがゆえに、山崎監督ではなく原監督のモノとしか言い様のない映画になってしまうのではないかと危惧しました。結論としては、原監督と山崎監督のハイブリッドになって実写なりの面白さが出たな、と。原監督的こだわりはかなり薄まりました。でも、キャスティングのそのアクのなさ加減、色の薄さ加減まで含めて、これはかなり巧妙に計算されているんだな、と。つよぽん、ガッキーから筒井、夏川と、見事なまでに強い個性で押すタイプではない役者を揃え、アクの強さをいかに消しこんでゆくか、と。そう、オリジナルのアニメをそのまま映像化したら、とんでもない事になってしまうという危うさをきっちり回避してるんです、これ。実写で「野原一家、ファイヤー!」をやっちゃったら、ボディブレードでフルスイングをやっちゃったら終わりになってしまうという。そこら辺、『20世紀少年』なんかとは違いますね。結果として、広く口当たりのよい娯楽時代劇の出来上がり。シネスコ画面に展開する合戦シーン、一対一の殺陣など、必要な画も撮れてますしね。本格時代劇を、また『クレヨンしんちゃん』を大前提とした視点で捉えてしまうと物足りなさ大爆発でしょう。しかし、いい意味での俗っぽい仕上がりであるがゆえに、「『しんちゃん』でかつ大人なドラマ」という、客観的に見ると実はシリーズ中でもかなりマニアックなシロモノであった『アッパレ!戦国大合戦』よりも敷居は低く、間口は広い作品に仕上がっています。ポイントは『クレヨンしんちゃん』の実写化ではなく「おマタのおじちゃんと廉ちゃんの物語」の実写化。純化され、透明感を与えられたラブストーリー。そこに実写化の意義も価値もあったと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2009-09-07 00:29:22)(良:3票)
493.  女の子ものがたり
サイバラはいつも「貧乏」も「不幸」も「悲しい」も、自分の内なる世界に摂り込んで肯定してみせるのですが、それが人の手に渡ると必ず「憐れみ」という名の外側から見下した視点のものになってしまうのがダメで。で、この作品はそれでも他の映像化作品(『ぼくんち』『いけちゃんとぼく』)よりはまだマシ、と。いや、下手をするとそれらより質は低いです。前半で展開する小学生時代での子役達の演技に問題があり過ぎて、掴みでコケてしまっていますし、現在部分の深津絵里パートはグダグダするばかりでドラマとして弾みません。中盤の高校生時代が役者の力によって俄然魅力を放っているのが救いですが、少なくとも脚本や演出の力で魅力を出せている訳ではないな、と。ポイントは、最初に書いた「貧乏」「不幸」「悲しい」の肯定に立脚しているという点、サイバラの世界なるものを描出しきれないながらも、作品として成立させようとしている点。西原理恵子原作って看板をぶら下げた以上、最低限サイバラを感じさせるべきなのですが、この映画がやっとサイバラだったなぁ、みたいな。「サイバラ映画=貧乏で不幸で悲しいベタベタした映画」というスタイルそのものから抜け出す事はできていませんでしたけれど。次の映画化作品『パーマネント野ばら』も当然のようにそうなるんかねぇ? あと、必ず自分の映画化作品に役者として登場するサイバラですが、演技力が微妙に向上してるのはこのところのテレビ出まくりのお陰?
[映画館(邦画)] 6点(2009-09-03 09:53:24)
494.  20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗 《ネタバレ》 
あのロボットのデザインじゃバランスを崩すとか以前に元々バランス取れなくて二足歩行なんぞできないのは誰が見たって判りますわな。ともだちの正体は、えーと、一体ダレだっけ?みたいな。それはともかく。クズとかクソとかひと言で片付けちゃっていいレベルですが(そもそも私は映画に対してそういう表現をしないワケですが)、一応。色々な過去の創作物のデザインを流用し、そこに何らかの世代なり時代なりに対するテーゼ、或いはアンチテーゼを込めて画面に叩き付けているのか?と思いましたよ、1作目時点で。完結編まで進んで、それが単なる文化に対する冒涜だったと知って大変に腹立たしい思いです。結局ここにあったのは自らは何も生み出せず、安易なフェイクだけで構成された、リアリズムの欠片もない自己満足の世界。思いつきのように刹那的にエピソードが展開するのは連載マンガを起点としているがゆえのダメさ加減と理解するとして、イメージの貧困さを先達の文化を穢してまで補う厚かましさには呆れ返ります。映画は最後、エンドクレジット後に長々と主役に無駄なケリを付けさせておりますが、この作品を世に出してしまった人間達は文化を穢した責任をどう取れるっていうんでしょう? 私にではなく観客にでもなく、日本の文化を形作った人々に謝れ!馬鹿もん。
[映画館(邦画)] 0点(2009-09-01 19:47:25)
495.  ホッタラケの島 遥と魔法の鏡 《ネタバレ》 
見た感じ、欠点多いです。セルアニメ的ポスターカラー風背景に、つるんとしたCGキャラが浮きまくってたり、そのCGキャラがかなり省略型デザインで、まるでマリオネット、パペットが動いてるみたいだったり。更に子供向けファンタジーでありながらクライマックスの動きは激しすぎ。秒間24フレームしかない映画で、情報量がやたら多い世界をめまぐるしくグルグルと動かされても絵が流れずに飛びます。設定的にもテオのワルな知り合い3人が半端な存在だったり、島における男爵のポジションが不明瞭だったりして、ずっとしっくり来ない違和感を心の隅に抱きながら映画を見続ける事に。でも、母を亡くした少女が辿る失われた思い出の世界の物語、楽しませて頂きました。お人形さん然としたCGキャラに命が吹き込まれ、不思議な世界を冒険し、ドラマを紡いでゆく。物語的に特に新鮮さはありませんが、シンプルな感動をきちっと与えてくれます。美術面は大変刺激的で面白いですし。結局のところホッタラケの島は遙のために存在した世界なのでしょう。そう考えればあちこちに存在する映画の綻びも納得できます。1つのCGキャラが広げてゆく世界にどこまで心動くかがポイントですね。
[映画館(邦画)] 7点(2009-08-26 18:14:12)(良:2票)
496.  山形スクリーム 《ネタバレ》 
竹中直人の、昔から全っ然!変わらない笑いを今でも「めっちゃくちゃおもしれー!」って思える人ならば楽しめるでしょう。アレがもういい加減つまんないヨって人間にとっては、地獄のような映画。何しろ登場人物全員、最初から最後まであのノリを要求されてるワケで。まあ、そんな事くらい判るでしょ、なんでわざわざ見に行った?ってカンジですけどね・・・。とにかくグダグダとした笑いに昇華されないネタが、ミョーに繋がりの悪い編集で余計にダラダラと盛り上がる事もなく流れてゆくって感じで。物語も『ショーン・オブ・ザ・デッド』やら『マーズ・アタック!』やら、どこかで見たようなエピソードで繋がってるばかりでオリジナルな面白さはまるでありませんし(パロディ映画からネタを頂く事ほど無粋なモンはないですなぁ)、キャラが全員元からマトモではないので、異常な世界に異常事態が起こったところでそれは一本調子なだけ。唯一シリアスな平家の怨念の部分がまたありきたりで、もう。成海璃子嬢は、なんつーか、アレなんですが、アレはアレでミョーに可愛かったりもします。申し訳ないんですが、ハッキリ言っちゃうと、ドラミちゃんみたいで。成長期だから仕方ないですね。キャラ的には途中でまるっきり動かなくなっちゃう璃子嬢よりも、先生やグラビア娘が面白かったかな。映画全体は竹中直人って人の才能ってマジでこの程度?って、ペラッペラな底の浅さを感じさせてしまうシロモノでした。つーか「2つで十分ですよ、カンベンして下さいよ~」なんてネタはやりたいと思っても絶対やっちゃだめだよね・・・。
[映画館(邦画)] 2点(2009-08-23 11:11:01)(良:1票)
497.  AKIRA(1988)
レアな70ミリ版で見たのですが、画面の上下を切ってプリントしただけなので、かえって見づらいヴァージョンだったかも。6チャンネル音響は凄かったですけど。ショットの切り替えで繋がってない箇所があって、ああ、それはマンガでは通用するけど、映画だとアウトだよね、なんて思ってしまったり、アニメーター全員が大友克洋レベルなワケもないから絵が悲しいよね、と思ってしまったりで、結構冷ややかな目で見ていた気がします。でも、そのワリにLD買ったり、サントラを今だに聴き続けていたりと、未熟ながらも後に残るものが大きい映画でした。ちなみに現在見られるヴァージョンは、当時劇場にかかっていたモノよりも随分と綺麗になったシロモノです。劇場公開版は、作画がかなりキビシい状態で、ぐにゃぐにゃしたアニメ、って印象でした。
[映画館(邦画)] 6点(2009-07-29 02:04:41)
498.  X(1996) 《ネタバレ》 
その昔、愛が地球を救う、と信じられた時代もあったような。でも、この映画は愛がどんどんと全てを奪ってゆく物語。愛ゆえに地球が滅びそうになっちゃう世界。そして、愛ゆえに愛する人を殺すしかない・・・。決して甘くない映画。だけどせっかくのその主題、そして目を奪う作画や美術、演出が、短い上映時間のためにズタズタになって、ドラマも何もあったもんじゃない、という状態になってしまったのは残念です。せめて2時間くらいの尺で見たかったなぁ・・・。
[映画館(邦画)] 6点(2009-07-29 01:57:14)
499.  クラッシャージョウ 《ネタバレ》 
せっかくの映画化なのに、主人公達が利用され翻弄される、手の平で踊ってました、って物語っていうのは、スッキリしないですねぇ。あと、少人数のアニメーターで作られたために、絵は統一されているものの、動きのメリハリが映画全編一本調子で、単調な印象がしてしまいました。パロディとか漫画家デザインのゲストキャラもやり過ぎ(当時の流行りでしたけどね)。でも、B級なスペースオペラの雰囲気は楽しかったです。「俺達は運び屋だ、人殺しはしない」って言いながら、何人殺してんの?というツッコミをしたくなるクライマックスではありますが。メカニックデザインがいいわぁ。そうそう、音楽最高。
[映画館(邦画)] 6点(2009-07-29 01:54:15)
500.  未来少年コナン特別篇 巨大機ギガントの復活 《ネタバレ》 
えーと、確か『超人ロック』の併映だったかと。最初の再編集映画版からはカットされたギガントのエピソードを中心にした映画、なのですが、実のところ、単にテレビエピソードの24話『ギガント』と25話『インダストリアの最期』をつなげただけ、みたいな。どうせなら最終話『大団円』の最後まで繋いで欲しかったんですけれど、どうせなら、マトモな編集の『未来少年コナン』再映画化を希望、と。ギガント上でのアクションは物理法則とコナンのパワーとの戦いでアニメ史に残る名シーンだと思います。あの状況で生き延びてるダイスとジムシーは実はコナン以上にスゲーのですが。『コナン』の中の一部分だけを切り取った映画なので、ファン以外には楽しめないモノではありました。
[映画館(邦画)] 6点(2009-07-29 01:46:50)
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