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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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541.  奈緒子 《ネタバレ》 
何もかもボヤけた映画。これ、実はほぼ全編、晴れた夏の青空の下で撮られなければならない映画だったんじゃないですか? ところが殆ど曇天なのですね。延々と薄グレーな色調なの。更に「このカットはカメラが動きますよ」とカット頭からハンディで雑に動くので予め判る、って。カメラが被写体を適確に捉えきれていないために、登場人物の表情がどうもきちんと見えてきません。特に鶴瓶は、一体どんな表情をしていたのか、全く印象に残らない感じ。そして、そんな画面に呼応するかのように、映画そのものも輪郭が曇ってボンヤリとしてしまっている感じです。奈緒子は単なる狂言回しという役割しか与えられていないのに、その役割すらも怪しくなってしまうという悲しさ。クライマックスではその存在が消えかかってましたからねぇ。始めに天才ありきという、マンガを原作とした映画につきものの基本設定が、映画のテンションを下げてしまっていますし、最初の駅伝とクライマックスの駅伝とで、さしたる進歩を感じさせない主役他数名に、お前映画一本分何してた訳?とツッコミ。一年生クサいし。また倒れそうなところを今度は回復しちゃうってパワーがマンガ的マジック以外の何物でもない、って感じだし。マンガのチカラと映画のチカラは別物ざんすよ? そうそう、鶴瓶は凄まじいミスキャストだと思いました。別の人がやってたら1点はアップするってくらいに。
[映画館(邦画)] 5点(2008-02-18 20:01:59)
542.  世界大戦争 《ネタバレ》 
家族のドラマと、政治ドラマ、戦争が起こる背景描写、それぞれが互いに繋がる事なく、断絶した状態で描かれてゆきますが、その断絶こそが恐ろしさ、無情さを明確にしています。平凡で平和な家庭が、ある時点でぷっつりと消えてしまう事の、その悲惨さが胸を打ちます。キューバ危機が起こるのは、この映画が製作された1年後。歴史的な事実を言えば、米ソが全面戦争に突入したとしても、日本が、そして世界が滅びるところまでは到底行かない程度の当時の核兵器の量ではあったようです。しかし、この映画のようになってしまうという危機感はみんな抱いていたのですね。被爆国として、まだ広島・長崎から16年しか経過していなかった訳ですから、それがもたらす恐怖と悲劇はこの国に色濃く染み付いていたことでしょう。今はソ連が崩壊し、内戦やテロを中心とした局地での戦いの世界、全面核戦争の恐怖からは程遠い状態になっているように思えます。だけど、この映画が製作された当時と違って今は、本当に、世界を簡単に滅ぼしてしまえる程の核兵器が、現実に、あるのですね。この映画の前半で描かれる、ちょっとした過ちから危機を招くエピソード、それは、ただ持っている、ただ存在しているというだけでも生じる恐ろしさを示唆しています。だけど、この国はそろそろ被爆の恐ろしさを忘れ始めたようですね・・・。
[DVD(邦画)] 9点(2008-02-17 00:57:48)
543.  ダメジン 《ネタバレ》 
なんだか立て続けにダメな人達ばっかりの映画を見ていて、今日は和風なダメな人達ね、って。映画館で予告編を見た時には、もう少しゆるりとした映画かと思っておりましたが、結構過激。目的を持ちながら、その目的は果たされてゆかないというパターンを冒頭から延々と繰り返す、というか重ねてゆく物語で、何かが成就される事はなく(集団銀行強盗以外は)、ひたすらダメ。なんというか、心地良くダメ、後ろ向き全力疾走みたいな映画で、出てくるキャラクターの面白さ、小ネタの面白さを楽しめました。が、単なるネタ集みたいな感じなんですよね。登場人物全員が、全然背景を持ってないの。「どういう生き方をしてきた人」ではなくって「ネタを演じるために画面に出てくる人」なのですね。そこには共感とか共鳴とか生まれる筈もなくって、画面の向こう側のダメワールドを傍観している状態な訳で、それはそれでアリなんでしょうけれども、ダメゆえの愛着っていうのを一時でも感じたかったなぁ。公開は2006年だけど、撮影は2002年って事で、伊東美咲、若っ!
[DVD(邦画)] 6点(2008-02-15 01:36:28)
544.  ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ 《ネタバレ》 
「ええ~?こんな映画に10点~?」という人がほとんどでしょうけれど、見終わってマジで10年に1本あるかないかの大傑作!って思ってしまったんだから仕方ないです(笑)。予告編を見た限りではB級ボンクラアクション映画?って思ってましたが、これがもうど真ん中ストレート真っ当な青春映画だったりして。チェーンソー男は誰にでもいる存在。そこにぶち当たってゆくか、逃げ出すか。実感のない生と甘美な死の二極に囚われた主人公が、人生に折り合いを付けてゆく物語は、誰にでもある苦悩を判りやすく象徴していて、主人公の迷いとは逆に映画の視点には全くブレがありません(絵理は本来死ななければならない筈だったのを必死に死から逃れている状態という事で、主人公とはチェーンソー男の意味するところが違ってきますが)。日本映画には珍しい、きっちり手をかけたカット割りや綺麗な画。メインタイトル部分のカッコいいこと! シネスコ画面いっぱいに飾られた映像の快楽運動が、やがて一編のシンプルで爽やかな青春映画へと昇華されてゆく、この幸福感。登場人物ひとりひとりがみんな愛すべき存在で(特に主人公と寮で同室の、何をやっても中途半端な芸術志向の同級生に強いシンパシーを感じたりして)、見ている間ずっと幸せな気分になれた最高の映画でした。生きてる限り、雪は降るのですなぁ。
[映画館(邦画)] 10点(2008-01-30 01:12:22)(良:3票)
545.  大日本人 《ネタバレ》 
映画としては未熟で壊れてますけど、日本人を描くという姿勢では高く評価したいと思います。邦画が社会の細かな一部分にしか目を向けられなくなっている今、実は真面目に日本人に向き合っている映画だったりして、それは少なくとも某作品や某作家の映画化群みたいに、上っ面だけ日本の危機!みたいなアドバルーン上げて煽ってるような空疎なシロモノよりもよっぽど志が高かったりして。庶民生活から始まり、伝統・風習から、事件のエンターテイメント化、高齢化社会、アメリカ依存状態までも網羅した、批判精神に富んだ作品。松ちゃんの、人間の暗部を笑うパターンって、あんまり好きじゃないんですけど、これはアリだなぁ。まあ、シニカルなだけで収まってしまっていて、もう少し突っ込んで欲しい気もしますが、松ちゃんって元々そういうキャラですしね。
[DVD(邦画)] 7点(2008-01-26 22:25:24)
546.  惑星大戦争
行き当たりばったりな地球侵略作戦を組んだ宇宙人に対抗すべく、行き当たりばったりな人々の思考と行動によって、行き当たりばったりに発進した轟天号。お互い行き当たりばったりな攻防を繰り広げつつ、行き当たりばったりな勝利を得る。そんな物語を行き当たりばったりな演出と演技と音楽で盛り下げる、紛う事なき行き当たりばったり超駄作。ツッコミ出したらキリがない、映画の頭から終わりまでボケ倒すという困ったちゃん。今となってはダサカッコいいかな?と思って見たけれど、やっぱりダサいだけ。『スター・ウォーズ』人気にあやかって急造された映画だけど、そこにあるのは昭和ゴジラ終焉後の東宝特撮の悲しいショボさの集大成。しかし、ピッチピチな17歳の浅野ゆう子をフィルムに焼き付けたという事だけで、この映画の価値はゼロではないなぁ、と思うのでした。あと、しつこく流れて耳に残るダサいテーマ曲が困ったモンだ。思わず口ずさんじゃうじゃないか。
[DVD(邦画)] 1点(2008-01-21 15:32:52)
547.  火の鳥2772 愛のコスモゾーン 《ネタバレ》 
散漫で支離滅裂な作品であるがゆえに、手塚治虫のやりたかった事が、逆によ~く見えてくる映画でした。リアルなタッチのSFアニメにディズニー風なコミカルなタッチが混ざり、全動画背景、実写、セリフなしのオープニング約10分など、実験的な事もあれこれやって、ぐちゃぐちゃになった世界が最後に『火の鳥』定番のオチを迎える、と。作品を作り上げてゆく力と、そして何より時間が全然足りないのが見て取れて、痛々しいまでの状態ではあるのですが、名作として仕上がっているよりも結果的に手塚治虫という人を上手く表した映画だったなぁ、と思います。週1本30分のテレビアニメを安い製作費でスタートさせた無謀さ、そしてそのためにアニメーターが現在に至るまで低賃金で苦しむ事になるのですが、そんなテレビアニメ業界の祖が作り上げた作品の結果としては、ある意味、当然のものであった訳で。ゴドーとオルガの、もっと純化された物語が見たかったのも確かですけど。ただ、音楽に関しては日本映画音楽史にその名を刻んでもいいくらいの名作なので、機会があれば是非お聴き頂きたいですね。
[映画館(邦画)] 5点(2008-01-14 15:45:46)
548.  少年ケニヤ(1984) 《ネタバレ》 
大林監督のセンスに、作画スタッフが全くついてゆけてないという感じがしました。元々が「ダメな時の東映動画」クオリティですから「線がいっぱい描かれた原画が動く」とか「線画だけの映像」とか「画面の一部だけを作画してある」とかいう特殊な状態が、単なる手抜き以上のものに見えてこないという悲しさ。原作のレトロな、時代ゆえの味わいも表現レベルが低いとパッとしない地味なアニメにしかなりません。クライマックスの突如SFな暴走は当時の大林監督の好不調の激しい波の、あまりよろしくない面が出たって感じですが、ああいう見せ場でも作らないと単調で仕方ないといった感じがあったのも事実で。併映が『スヌーピーとチャーリー・ブラウン』、当時の混沌としたアニメブームを象徴していた感じでした。
[映画館(邦画)] 4点(2007-12-16 23:15:27)
549.  バース 《ネタバレ》 
懐かしいなぁ、パンテオンでの早朝上映。この頃のアニメブームは見せる側も見る側もパワーがありました。早朝から徹夜まで駆け抜けてましたしね・・・。さて、作品の方はガッカリな出来。金田伊功って人は、作品全体ではなくて部分を支えてこそ才能が輝くという事を証明してしまったような映画でした。流石に金田作品だけあって、とにかく動くのはよく動くんですが、自らが監督をしているだけあって抑えが効いていなくて、悪いクセまでもがそのまんま修正入らず動いてるという状態。しかも絵は動くけれど物語はとんと動かない。物語にちゃんとした基盤がないままに、とりあえずフィルムにしてみました、というのが見て取れるような感じ。収拾が全くつかないままに唐突にお終いを告げる意味不明な1シーンで幕という、見終わって一体ナンだったんだろ?と観客一同首を傾げるような映画でした。カナメプロ系アニメはクリエイターの個性はよく出てたけれど、作品としては毎度まとまらないという致命的欠点を抱いておりましたが、これもそんな時代に咲いた徒花と言ったところでした。
[映画館(邦画)] 3点(2007-12-16 22:37:44)
550.  ALWAYS 続・三丁目の夕日
映画としては6点。茶川のエピソードを大きくし過ぎてしまっていて、それが全てベタで構成されているために何もかも読めてしまって全然面白くありません。それに、そのエピソードの大きさに押されて大切にして欲しかったはとこの女の子のエピソードが脇に追いやられ半端な印象になってしまったのが残念でなりません。だけど、映画を見ている間、尋常じゃないくらいに自分の過去のあれこれを思い出していて、ツボを突かれまくっておりました。父が倒れ、祖母の家に預けられた時のこと、朽ち捨てられた空き地、トロリーバスの架線が作る低い空、母に連れられ歩いた銀座の街並・・・。前作ではノスタルジックにキレイに描かれていた東京が、今回は汚れてくすんでいて、私の記憶にある灰色の東京に近くなりました。昭和30年代の映画を見ているような映像の自然さもいい感じですし。だけど、今回なんと言っても良かったのは、映画の地元とも言えるような場所で見た事。映画が終わって外に出ると、そこに東京タワー。今もそこにある見慣れた塔を、大きな繭やギャオスの巣やらを思い描くのではなくて、ずっと続いてる人々の営みの象徴としてウルウルしながら見るのは初めての事でした。映画の出来とは関係なく個人的に貴重な時間を与えてくれた映画です。最後に、あのTOHO SCOPEから続くオープニングを見せられちゃ、私としちゃたまりませんわ。東宝さん、この監督で行っちゃえばいいんじゃないですか?
[映画館(邦画)] 8点(2007-12-01 17:06:35)(良:1票)
551.  クワイエットルームにようこそ
面白く見られたものの、見終わってみて、さてと省みた時に何もないカラッポな空疎な感じを受けてしまったのは、結局のところ自分が彼女達と同じ世界の住人だったりして、危うい日常はずーっと続いてゆくのだな、という現実以外の何も示唆してくれはしないところにあるのかもしれません。過食、拒食、不眠、ついでに過敏性大腸症候群と、軽めなアレな病気はひと通り経験してきているだけに(抗不安剤の甘美さを思えば、そこに堕ちてゆく心地良さも判るのだけれども)、そこから先の(本当はあるはずもない)甘い未来の方が、実は映画として心地良いワケで、だけどこの映画の笑いの奥にある冷たい世界は「ああ、もう、その通りです」としか言い様がなくって。そして、きっとみんながみんな実はこちら側の世界の人間なんだよ、という映画でもあるのだろうなぁ、なんて。この映画をただ笑って見ていられるだけで終わってしまえる人生が本当の理想なのでしょうけれど。
[映画館(字幕)] 7点(2007-11-10 20:18:25)
552.  めがね
残酷な映画でした。何しろ、私は映画館で映画を見る前には決して飲食しないで臨むのですが、朝から飲まず食わずの午後2時過ぎに、あれだけ美味しそうなものをばーくばく食べまくる映画を見せられちゃ・・・。さて、それはともかくやっぱり残酷な映画。だって、この映画の世界はとても安らぐ世界だけれども、ずっとそこに居たいと思うけれども、現実にはどこにも存在しない、し得ない世界。登場人物ひとりひとりがリアリティのカケラも持たずに存分にたそがれられて、だけどこちら側の人間はあんな風にたそがれる事は絶対に無理、って判ってるから、だから残酷。逆説的に、たそがれシステムに組み込まれてるだけなのでは?なんて意地悪な事を考えたりもしますが、ここは物流やら金銭すら見えて来ない世界ですから、心地良く組み込まれますわなぁ。映画館を出て、冷たい雨のハチ公前、人で溢れ停滞する流れの中で、顔面や首に傘をぶち当てられ、無理矢理突進してきたお姉さんに押されながら、これが現実、と苦笑するしかない私ではありました。
[映画館(邦画)] 7点(2007-09-30 18:06:42)
553.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
元々新しくはあっても革新ではなかった『エヴァ』ですが(引用元をハッキリさせている分だけ潔かったと言えますか)、前回の映画化の最後で後を濁しまくりで外に出て行った癖に、一体どの面下げてのこのこと戻ってきているのかと。今回の映画化は驚くほどに保守的で、ある意味退化しており、そして、その分非常に心地良い、と。テレビシリーズをリアルタイムで見ていた頃の純粋な愉悦そのままの映画でした。そもそもが馴れ合いの土壌から生じたガイナックスに革新を望む事自体が誤りであり、所詮はATフィールドの中に閉塞された、停滞した馴れ合いに、その愉しみの本質があるのだとすれば、その内側から逃げ出さない事にこそ安穏があるのだろうな、と思うのでした。『エヴァンゲリオン』が『ヱヴァンゲリヲン』という古典へと移行した今、その古典の殻の枠に閉じこもり、革新に背を向ける事の快楽を享受するのもまた、懲りないファンであるという点で、監督を揶揄したところで結局は似た者でしかないのだな、と。革新の芽は他にいくらでも存在しているのですしね。
[映画館(邦画)] 7点(2007-09-15 17:05:35)
554.  河童のクゥと夏休み 《ネタバレ》 
原恵一作品という事でどうしても期待してしまいますが、良くも悪くもマトモな佳作アニメ止まりでした。前半の、上原家内や康一の生活範囲内だけで描かれる世界は楽しく弾んでいてちょっとした描写にまで凝っていて感心するものの、マスコミが絡み始めてからの展開になると、どんどんと作画は崩れるし、演出の間が悪くなってゆくし、展開が間延びするしで、雑な印象になってしまうのが残念です。物語の構造が80年代に濫造された『E.T.』フォーマットものの枠内に納まってしまっているのも意外性に欠けてしまいますし。それに多分、今回も宮崎アニメや『クレしん』映画と同様、脚本なしでコンテから直接作業に入っているのではないかと思われますが、進行がいびつになってしまっている気がして、見る前に2時間18分って大丈夫な尺なのかなぁ?と思ったのですが、結局のところやはり大丈夫じゃなかったなぁ、と。あと20分削れたでしょう。後半の演出の間の悪さと、デザインも描き方も違う作品なのに『クレしん』的作画になってしまう状態に、ああ、途中で力尽きたんだなぁ、みたいな。疎外されてゆくものの気持ちを大切に描いていた筈なのに、最後の方でキャラに唐突にテーマとして喋らせてしまったり、自然を大切にしてない人間がいかん!と説教臭くなってしまうのもどうかと(そもそもエコロジー映画は資源を大量消費して成立するアニメーション映画という形式との矛盾を抱えてるのですよね・・・)。でもクゥは可愛かったし、ワクワクできたし面白かったしで、期待したほどではないけれど・・・という感じかな。
[映画館(邦画)] 7点(2007-08-05 17:29:09)(良:2票)
555.  夕凪の街 桜の国 《ネタバレ》 
映画化して欲しくなかったマンガですが、映画になった以上は前向きに、なるべく多くの人に見て貰いたい物語だよね、と思っていたものの・・・実際に見たら、この映画を見るくらいなら原作買って読みなさい!と強く言いたい状態になってしまいました。この監督や脚本家や作曲家は、あの原作を読んで、そんなにもクサ~い感傷たっぷりのイメージしか湧いてこなかったんでしょうかねぇ? 原作が大切に大切に描いていた事を、この映画は無神経に破壊しまくります。反核をこんなにも声高に叫んだりはしてないでしょ? さりげなく描かれていた事柄をどうだ!と言わんばかりに大袈裟に取り上げてますし(髪飾りが最たるものですし、旭が打越に会うシーンなんて、読んでて気付かない人は気付かないままでいいという描き方だったのに)、あえて被爆者をシンボリックに描いていたのに、直接写真を見せてしまったり、重要な「空白」をスルーしてしまったりと散々。物語全体は明るい日常を描いていて、その中にふと闇が射したり人を振り返ってみたり、という原作の構造をまるっきり無視して最初から最後までああ悲しい、ああ感動したと大騒ぎな映画。いや、この監督に決定した時点で嫌な予感はしてたんですが(100人の映画監督がいたら、99番目に相応しい程度の人だし)、この人の余計な反戦意識だとか、どうにもならないクサさだとかがモロに出てしまっていて嫌な予感的中。1つだけ、これだけはどうしても言いたいのは、この物語の中のいちばん重要な部分って「確かにこの二人を選んで生まれて来ようと決めたのだ」のところだと思うんですが、違います? そこがこの映画ではちゃんと重要になってました? やっぱり映画化なんかしなければ良かったのに。
[映画館(邦画)] 3点(2007-07-28 21:14:49)(良:2票)
556.  ピアノの森 《ネタバレ》 
原作未読です。この人のマンガ好きなんですけど、すーぐ中断しちゃって、下手すると2~3年間が開いて、再開したのはいいけどガラッと絵柄が変わっちゃってて、とかあるから未完な状態じゃ手を出せませんわぁ。さて、これは多分、ほんの序盤のところをアニメ化したのだと思うのですが、最初はなんだか凡庸なアニメという感じでした。作画がちょっと丁寧な(マッドハウスならば当たり前)テレビアニメといった風情で、演出に映画的な空間の描き方、時間の流れ方がない状態で、これはツラいわぁ、と。物語も、海が何故、どういった経緯からあの音を、そしてあのメロディを創造したのかが全く見えず(単に赤ん坊時代からピアノと共にそこに居た、では、音楽のセオリーは決して身に付かないでしょうし)「天才だから」で片付けられてしまっている点で、入り込める要素をスポイルしてしまっている気がします。もっとも、『のだめ』『神童』とピアノマンガはどれも同じ欠点を持っていますが。ところが映画は誉子の唐突な登場によって俄然魅力を放ち、音楽とドラマとが相互に高揚感を持って高まってゆきます。なんだ、誉子をもっと前に出しておけばドラマに幅が出たんじゃん、と。この点、残念ね。メインに声優を使っていないため、少々聴きづらい部分もありましたし、キャラに合ってるかなぁ?と頭をヒネる感じもありましたが、みんな想像以上に上手かったです。最初と最後を綺麗にまとめる事で小さくまとまってしまった感はあるものの、クライマックス以降での広がりに、続きを見たいと思わせてくれました。
[映画館(邦画)] 7点(2007-07-28 20:50:54)(良:1票)
557.  佐賀のがばいばあちゃん 《ネタバレ》 
画面から匂いのしてくる映画でした。夏の川辺の匂い、かまどの煙の匂い、釜から立ち上る湯気の匂い、蚊取り線香の匂い。昔の日本の匂いを画面から感じられただけでも、この映画いいな、と思いました。物語は悲劇に寄る事なく愛すべき人々の温かさを描いていて、悪人なんて全然出てこなくて、だけど人の優しさ、温かさが逆に少年の生い立ちを際立たせて切なく悲しかったりもします。散文調でドラマの流れがないために、深みが感じられない面はあるのですが(ばあちゃんの言動は面白くも含蓄に富んでいますが、貧しさの中で7人の子供を育て生きてきた重さが伝わってくるようなエピソードは全然なくて)、ばあちゃんと少年の過ごす時間を見つめられただけで、ほわほわじんわりと染みてくる映画でした。まー、でもあの少年が後に「もみじまんじゅう!」ってところに至ってしまいますよ、っていう繋がりを感じさせてくれても良かったかな。なんで真面目そうなサラリーマンなのかな?
[DVD(邦画)] 8点(2007-05-20 01:43:24)
558.  ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT 《ネタバレ》 
シリーズ3作目で日本へ行ってコケるって『がんばれ!ベアーズ』みたいな映画ですな。これ、ロケ現場に遭遇して(中目黒で撮ってたヤクザ事務所なパチンコ店周辺ね)、ガード脇の飲食店街にやたら電飾看板をいっぱい設置していて、毎度の映画やドラマの撮影にしちゃ派手ねぇって思ったんですが、後になってハリウッド映画だと知って納得。お金のかけ方が違います。日本で撮ったシーンと、日本っぽく撮ったシーンとでエキストラの民族が明らかに違ったりするんですが、あちらの人には東洋人の顔なんて区別付かなくておんなじだって感じなんでしょうね。メインの東洋人二人はどう見てもソン・ガンホと同じ遺伝子持ってるでしょ?みたいな顔だし(でも、そのうち一人はハンって名前なので間違いではないのかな)。さて、映画はすっかりB級ワールドに突入しておりましたが、結構楽しめました。やっぱりドリドリなノリこそがジャパニーズ!って感じですからね。勝負は峠だ!っていうのもヘンに判ってるわぁ、みたいな。アメリカの走り屋が日本文化を体験してゆくのと、スピードではなくドリフト主体の走行を覚えてゆくのがシンクロしていて、日本人から見ればそりゃないだろ!ってツッコミ箇所も多々ありはするものの、おバカジャポネズムの中の成長物語として笑って見られました。Z、シルビア、ランエボ、RX-7等々の日本車がどハデにドレスアップされてブイブイいってるのを見るのもまた楽し。現実にはこの映画みたいな走り方をしちゃいけませんから(自分が事故るのはともかく人に迷惑かけたらアカン)、このマンガやゲームのノリをまんま映画化したような映像を見て満足してましょう。
[DVD(字幕)] 6点(2007-05-20 01:20:56)(良:1票)
559.  出口のない海 《ネタバレ》 
まず映画としては撮影がとっても丁寧で綺麗で、良かったです。でも脚本はかなりガタガタね。オープニングから時間が戻った上で回想シーンで更に戻ったり、世界を捉える視点がクライマックスでいきなり主人公から整備士の青年にシフトしたり(唐突に彼のモノローグになるんだものなぁ)、だから見てるこちらとしては視点ブレるブレる。突如として死に急ぎ始める主人公から気持ちが離れてゆくんですわ。で、これは反戦映画のようにも見えますが、あくまでカッコ良く描かれてる訳ですよ、ここに出てくる死を選ぶ人々が。負けると判っているが、後世に語り継ぐために意味があるのだ、って点では『男たちの大和』と同じかな。確かにそういう歴史的事実があった、そういう悲劇があった、その通り。そしてそれを知る事も重要。でもね、赤紙が来て戦争に行った私の父や叔父の話、疎開した母の話なんかを聞いていると、どうも色々作られる映画との間に距離を感じるのですね。日本の戦争映画はみんながみんな最前線の人々となんの罪もなく犠牲になっていった人々の極で描かれているのですが、生き延びて今の日本を作った人々は蔑ろにされてるみたいな。俯瞰できず、悲劇に酔うばかりでそこに至る理由は問わず(問えず)。それはもう日本の戦争映画の限界かな。アメリカ人にも家族がいて、みたいな事を語りつつ、最後の方に出てくるアメリカ兵に魂を全く入れず類型的な進駐軍としてしか描けてない時点で、この映画もまた限界丸出し、と。
[DVD(邦画)] 5点(2007-05-18 01:34:11)(良:2票)
560.   《ネタバレ》 
最後に船は絶対に沈まないといけないと思いました。そして「やっぱり!」って。だってこれは『悪い女』に続く裏『タイタニック』なのですから。水の上で孤立した空間と、外界を結ぶ舟は『春夏秋冬、そして春』、語らない二人は『うつせみ』、娘を失う事の恐怖を描いたように思えるあたりは『サマリア』と、キム・ギドク監督の総集編みたいな作品ではあります。水の上に漂う船を捉えた美しい映像と、胡弓の安らかな音色によるイメージとは裏腹な、愛憎の物語ですが、歪んだアブノーマルな愛に見えるけれど、男の欲望、女の愛は結局のところこんな感じなのではないですか?と。ひとつ言えるのは、ヒロインはあの後、家族の元で幸せに暮しました、でもなければ、彼と幸せになりました、でもないだろうな、って事。言わずもがなですか。それにしても私にはお爺ちゃんが仲代達矢に見えて仕方ありませんでした。船乗ってるから『男たちの大和』思い出しちゃった。
[DVD(字幕)] 7点(2007-05-17 01:12:09)
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