141. 理由(2004)
のっけから能書きが長すぎだった。これはいかんのちがうか、と思うと、案の定、映画になっていなかった。能書きと字幕と台詞によりかからなければ伝えられない。これはつまり脚本段階で消化不良、それをそのまま撮るのは監督の指導責任。それもこんなに早口で台詞をこなさなければならんようなものは、はっきりいって映画とちがう。この監督は映画とはなにか、本当にわかっているのか、疑問に感じないわけにはゆかなかった。『青春デンデケデケデケ』はたしかに良かった。おそらくこの映画作家は、身近で身近な領域を描くのに才能ある作家で、そこから一歩出ると、とたんに駄作を連発する作家なのだ。 インタビュー形式の構成は、まず往年の名作『市民ケーン』だが、一方、これは観客を置いてきぼりにするだけ。形式も演出しだい、ということを教えてもらった。 いや、これはインタビュー形式というより、むしろワイドショー形式というべきか。音楽も、うすっぺらな調子のものが始終流れる。タイトルはMJQ風ジャズ、はじめはサスペンス調、途中ヒューマンドラマ調をしばしばはさんで、後半はもっぱらお涙もの調。安易で軽すぎる。それならそれで、もっとするどくワイドショーそのもので描いたほうが現代的だった。 [DVD(邦画)] 2点(2006-06-14 22:08:57)(良:1票) |
142. ローレライ
映像はけっこう凝っているのに、話の仕掛けが子供だましで、よくまあこんなものを大金かけて作ったものだ。艦長はかっこよかったが、これとてネタが『Uボート』でバレバレだった。途中から、これは真面目に観る映画でないことに気づいたが、わかっていたら借りてこなかった。 [DVD(字幕)] 2点(2006-01-01 02:17:10) |
143. バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌
平和ボケした日本人に衝撃を与えるという意図はわからないではない。それでもなんだこれは。『プライベート・ライアン』のパロディーだったり、単なる劇画だったり、深作組の悪い意味でのB級性が露呈している。名作『仁義なき戦い』は今思えば脚本がピカイチだったのだろう、どうしようもないリアリティがあった。深作欽二は名声を汚して去った。 2点(2004-04-20 20:59:48) |
144. ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON
三谷作品、またしても豪華俳優陣による高級学芸会。せいぜい「悪ふざけ」程度の、どうにも深みに欠けたドラマ。面白くもない「喜劇」。やるせないまでのリアリティの無さと、バカバカしさ。時間の無駄。ああ、こんなのお金はらってレンタルしてくるんじゃなかった。 [DVD(邦画)] 1点(2013-02-01 00:12:15) |
145. 山形スクリーム
よくもまあ、こんな映画に制作費をかけたものだ。恐怖もなければスリルもなく、肝心の笑いもほとんどわいてこない。そのうえ、無駄に長い。話がおそろしくつまらないからだ。いったい何を描き、何を伝えたかったのか?ひょっとすると、その場のノリだけで作ってしまったのでは? [DVD(邦画)] 1点(2010-10-09 07:44:21) |
146. 日本以外全部沈没
往年の名作『悪魔の毒々モンスター』を思い浮かべてもらえばいいが、チープさをねらったチープな映画というものがあり、B級に徹したB級映画があって、チープ映画、B級映画という独特のジャンルがあるのはたしかだ。ではこれはそうしたジャンルの作品として成功しているか? 残念ながらペケだ。この手のものは通常の映画よりむつかしく、よっぽどの才能と練り上げが要るように思われる。こんな程度でいいだろうぐらいのところで作られてはたまらない。観客をなめてはいませんか、といいたくなった。 チープなチープ映画、B級のB級映画。 [DVD(邦画)] 1点(2007-04-17 07:09:38) |
147. 赤い橋の下のぬるい水
今村ファンには悪いが、今村昌平は嫌いだ。なによりこの男の人間観が嫌いだ。この男にはプラトン流のイデア的志向がかけらもありゃしない。とにかく嫌いだ。 1点(2003-12-27 05:53:42) |
148. T.R.Y.
ほかの方々も言っておられるように、まったくお粗末な『スティング』。こんな気の抜けたアホらし話をなんで緊迫するこの場所とこの時代に設定したのか。理解に苦しむ。大森一樹は自らの体験にもとづいた『ヒポクラテスたち』は良かったが、このところのゴジラものといい、これといい、がっかりだ。織田裕二もみんな青島刑事になっちまうのは役者としてどうか。 唯一見どころがあるとすれば渡辺謙だけだ。 0点(2004-02-01 22:15:09) |