161. 海と毒薬
もっと人間の内面を描いた方が、訴えるものが大きかったと思う。この映画だと、単に「社会派」とか「反戦映画」と評価するしかない。原作が切り込めなかった部分に切り込む気迫は感じられない。◆奥田瑛二は、遠藤周作=熊井三部作のいずれにも出ていますが、少なくとも、これは下手です。自分が演ずる人間の内面理解に至ってないんじゃないかと拝察します。田村高廣がうまいですね。なぜ、岡田真澄をあんな役で使ったのだろうか、映画が台無しになっている。 5点(2004-05-05 08:44:42) |
162. カンゾー先生
ロベール・アンリコの「冒険者たち」みたいに作ろうとした映画じゃないかと思うのだけど、麻生久美子の大根っぷりと、今村監督の「照れ」がそれを阻んでいる。何も、あそこまで空想の世界とダブらせることはないと思う。悪い映画じゃないけど、二度みたい映画ではない。 ◆東大の物療内科って、大正15年開設だと思うのだけど、昭和29年に創設30年パーティってどういうこと? 4点(2004-05-05 08:43:59) |
163. 病は気から 病院へ行こう2
いやあ、ひどいなあ。本当にひどい。初めて0点つけることになりました。どうしたんだろう。こういう映画にスタッフみんなが疑問を感じながらやったのかな。やるんなら、もっと徹底的にやってB級を追求しないと。ひどいし、良心の方には激怒されるし…。笑える場面はほとんどなく、しらけるばかり。設定がむちゃくちゃな割に、妙に正確な部分が散見されてよけいに悲しくなる。こんなへぼい映画でも際だつ下手さの三上博史ってどうなんだろう。小泉今日子も10年前は、まだこんなに可憐だったのか。 2点(2004-04-25 14:53:58) |
164. 愛する(1997)
設定、考証が全てにおいてアンバランスすぎる。ハンセン病を中途半端な描き方するのは、「表現」として破綻している。制作側が何かを試みようとした形跡の臭いがする(外の世界が全くリアリティを欠如した結果、本来リアリティのない療養所の風景がかえってリアリティをもって見える)が、意図は全く伝わらない。◆それにしても、人物が全く描かれていないのがひどい(これも、上で述べたと同様、ハンセン病元患者の人々のリアリティのなさに、リアリティが生じるという奇妙な印象は受けるが)。このレベルになると、怒って投げ出さなかった俳優の意識が問われる。もっとこれは、設定や考証で解決できる気もする。遠藤周作の一番つまらない面を、熊井監督自身の一番冴えない表現によって、つまびらかにした作品。 1点(2004-04-25 14:53:17) |
165. 火星のわが家
《ネタバレ》 駄作というのもはばかれる駄作。全てできが悪い。主演の鈴木重子(ジャズボーカリスト)だけなら、なんとかしようもある。しかし、姉役のちわきまゆみ、父役の藤田敏夫と、堺雅人以外主要どころみんな素人。見させられる方以上に、日本の俳優がなめられているよなあ。ま、日本の本職俳優がそんな素人芸水準ってことなんだろうな。そんなこんなで、「週に2回しか医者の来ない区の保健施設」なんてないよ!とか、気にしなくても良いような設定の甘さが随所に気になる。◆しかし、まあ、身体がいうことをきかなくなった親と、その面倒をみる子ども精神的な葛藤を、なんとか表現はできていると思います。もちろん、なぞっただけとはいえ、あの世代の身勝手なオヤジのむかつき度はリアリティあるし(経験者)。◆それにしても、姉ちゃんとやっちゃった男でも良いのか?? 2点(2004-04-25 14:52:50) |
166. 天国までの百マイル
評価できるところもあるのだが、良い映画になりそうで、なっていない。多分、俳優さんが、自分の演じる役のことを理解できていないからではないかと思う。もちろん、大竹しのぶは、こういう役柄をやらせると天下一品、その分、八千草薫を筆頭として人物の薄っぺらさが気になる(入院患者が常にお化粧をしているという時点で、相当「変」)。 この設定に思い入れがないと、ついていけない。 4点(2004-04-19 17:21:20) |
167. ボクが病気になった理由
10年前くらいまでは、こういうギャグ映画ってあったよねえ、という感じです。 ちっとも面白くないし、設定も脱力モノ。 大森一樹(京都府医大医師免はあるが臨床経験無し)が監督しているだけならともかく、永井明(「ボクが医者をやめた理由」の元呼吸器内科医)が脚本書いて、こんなもんかいという感じ。 日本の映画がどれだけお金がなくて、どれだけ駄目かということがよく描かれています。 しかし、これが2を作るほどヒットしたんだから、当時の日本人の感覚が駄目だったのかな。 0点(2004-01-11 17:51:26) |
168. 病院で死ぬということ
こういう映画を非難するのは難しいが、難しい問題を強引に「感動」にしようとした偽善や商業主義を感じる。原作が立場性と作為性を明確にして、一本筋が通っていて、読者を引きつけ考えさせるのに対して、この映画は、「なんとなく救われた気持ちになる」というのが問題か。 5点(2003-12-23 18:15:58) |
169. ブラック・レイン
これは、リドリー・スコットが作りたかったものなのだろうか。奥が深いとはいえない、無難なフィルム・ノアールで終わっている。薄っぺらな、日米文化の相違の語りのせいなのか?マイケル・ダグラスが大根なせいなのか?日本の俳優がリドリー・スコットの意図を理解できなかったのか?松田勇作の勇み足なのか?そもそも、リドリー・スコットが、「失敗」したのか?それとも、リドリー・スコットってこんなレベルなのか? 5点(2003-11-22 17:56:39) |