21. 三姉妹~雲南の子
このドキュメンタリー映画は同情を誘う為の映画ではない。 これについてはワン・ビン監督へのインタビューでも明らかだ。 長女が逞しく、慎ましやかに生きている姿が感動を呼ぶのです。 だけど、長女がずっと咳をしているのが気にかかった。 これだけは見ていて辛かった。 悪い肺病とかでなければ良いが・・・ 貧しいからイコール不幸だと思わない。 スマホとにらめっこで物質的に満たされていても不幸な人間は腐るほどいる。 「豊かさと幸福度」の関連性について、どう捉えているかによって、鑑賞後の印象を左右するかもしれない。 私は少なくとも、この三姉妹を不幸だと決めつけたくはない。 [DVD(字幕)] 7点(2020-10-17 21:12:31) |
22. レヴェナント 蘇えりし者
《ネタバレ》 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ作品が好きなので鑑賞。 音楽担当は坂本龍一、グスターボ・サンタオラヤが担当でないとイニャリトゥの良さが出ん! 内容もそこまで面白くないが、アクション好きには楽しめるのではないだろうか。 それにしても、息子を殺されるというのは見ていて辛いものがある。 [インターネット(字幕)] 5点(2020-08-16 13:20:16) |
23. ミッドナイト・アフター
《ネタバレ》 『メイド・イン・ホンコン』が良かったので、フルーツ・チャン監督目当てで鑑賞。 ところが、とんでもSF映画だった。 ザコキャラは簡単に消され、主要キャラは全員元気。 というか、どんどん死んでいくサバイバルな展開だと思っていたので、なんだかなぁという感じ。 あと設定が完全に破綻、というか何でもアリな展開。 死んだはずの人物が簡単に生き返るし。 謎のマスクマンは、結局よく分からないまま。 もうフルーツ・チャン監督はいいやぁ。 もう嫌だぁ。 [インターネット(字幕)] 3点(2020-08-08 20:14:52) |
24. グランド・マスター
トニー・レオンもチャン・ツィイーも歳を取ったなぁ、という印象。 いや、それ以上にウォン・カーウァイ衰えたり!が感想の全て。 おそらくウォン・カーウァイ史上、一番の凡作。 [インターネット(字幕)] 3点(2020-07-21 22:30:12) |
25. 恋の風景
《ネタバレ》 題材自体が既に暗いし、繊細なテーマを扱っているので、舵取りが難しい内容。 明るくもっていくと浅はかな話になってしまうし、暗いままでは映画として盛り上がらない。 だからこそ、先行きを敢えてぼかした必然的な終わらせ方。 この後、二人がどうなったかは明示されていない。 でも、こういう形でしか終わらすことができない。 そんな感じで、煮え切らない内容。 題材として、そもそも難しすぎるのだろう。 郵便配達の男のおかげで、女は少し立ち直った。 それだけなのかな。 人間として生きていく上で、大切な内容を語っているのだけど、映画としては難しすぎる題材で、不完全燃焼感は否めない。 印象に残ったのが、女が郵便配達の男の髪を切るシーン。 男は思わず女の胸元を見てしまう。 それに女は気付き、きまずいムードが漂う。 男と女であることを意識してしまった瞬間だった。 だけど、この男女は容易には付き合うことのできない状況。 そんな難しい状況を、うまく描いたシーンだ。 なんとも切ないシーンで、この映画を象徴するかのようなシーンだった。 [DVD(字幕)] 6点(2016-10-10 02:05:47) |
26. ホット・サマー・デイズ
複数のラブストーリーが同時に展開される。 ラブストーリーのごった煮みたいな内容。 軽い感じで見られる内容だろう。 可もなく不可もなくのレベル。 ラストで香港の夜をバイク二人乗りで走る男女。 サイドミラー越しの二人。 このシーン、完全にウォン・カーウァイの影響だろ! [DVD(字幕)] 6点(2016-10-09 00:16:51) |
27. 金魚のしずく
元刑事のおじさんと、不良な少女との交流を描いた内容。 ゆったりとした雰囲気のまま、ラストまでひた走る。 だけど、こういう題材は香港映画には向いていない気がする。 このジャンルなら日本か台湾の方が得意じゃないだろうか。 ゆったりとした作品と香港とは、相性が悪いと思うなぁ。 出てくるオヤジは喧嘩が強いという設定だが、強く見えないのも違和感の一つ。 香港映画は、昔はカンフー、いまならクライムサスペンスの印象強し。 少なくとも、私が見た範囲では。 もちろん、ウォン・カーウァイの様な、独自のスタンスもアリだが。 [DVD(字幕)] 5点(2016-10-04 00:01:27) |
28. ビヨンド・アワ・ケン
《ネタバレ》 まずまず面白い。 ラストの、ドンデン返しをドンデン返しでひっくり返す脚本が最大の見どころか。 でも何だか分かりにくい。 ラブコメとも言える内容だけに、軽いノリで見たいところだが、分かりにくいドンデン返しが、そのノリを削いだ。 純粋なラブストーリーでもなく、軽いノリのラブコメでもなく、中途半端な印象。 監督の、自己満足な作品のような気がしてならない。 [DVD(字幕)] 5点(2016-09-21 00:39:58) |
29. フィスト・オブ・レジェンド/怒りの鉄拳
《ネタバレ》 娯楽作品として楽しめるが、ストーリーがあまりに適当過ぎて、作り手側の真剣度を疑う 内容的には、90年代にありがちな香港カンフー映画。 とにかく適当で、それが逆に持ち味だったりする・・・ 本作を鑑賞した目的は、中山忍。 まだまだ初々しく、そして何よりかわいい! そして演技がヘタ。 ジェット・リーとのカップルは、あまりに不似合。 そして唐突に別れてしまうというオチ。 もういい加減にしてくれ!と言いたくなる適当さでした。 [DVD(字幕)] 6点(2016-09-04 00:33:23) |
30. てなもんやコネクション
山本政志監督らしい作品。 だけど、他の山本作品に比べると、明らかに失敗作。 ごった煮はいいけれど、支離滅裂で、ただ長いだけ。 風変りな人は、相変わらず沢山出てくるが、どれも生理的に受け付けなかった・・・ 釜ヶ崎の突入ロケだけが見物。 これだけは素晴らしい! [DVD(邦画)] 3点(2016-08-24 02:19:52) |
31. 密告・者
香港より発信の、良質なクライムサスペンス。 カンフー映画を得意とした香港は、今や過去のはなし。 スタイリッシュなクライムサスペンスやバイオレンスアクション映画を作らせると、香港は世界でもトップクラスだと思う。 本作も、出来栄えは非常によく、人間の持つ心の闇や優しさ、道義というものを繊細かつ切れ味よく描いてる。 埋もれさせておくには、もったいない佳作。 クライムサスペンス好き、そして香港ノーワル好きの方は、必見の作品。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-06 01:31:21)(良:1票) |
32. ハッピーイヤーズ・イブ
《ネタバレ》 完全にグイ・ルンメイ目当てで鑑賞。 彼女のミニスカ姿をおがめる貴重な一本だった。 ますます好きになった! 内容としては、純愛ラブストーリーで、三姉妹のそれぞれを描いたオムニバス。 まず、長女のストーリーは不要。 宇宙を舞台にしているが、完全に浮いている。 無重力だからという意味じゃない。 三話の中で内容的に浮いている。 当然だが、アジア映画としての雰囲気が、全く出ていない。 次女、グイ・ルンメイのパート。 これはグイ・ルンメイが主演じゃなかったら、駄作。 彼女の輝きがすべて。 三女のパート。 女優と一般人男性との恋を描いた、男からしたら夢のようなお話し。 ところが、この男、相手の素性を知らぬまま付き合っていて、女優と知った瞬間、「だまされた!」と言いだし、別れようとする。 こんなのあり得るか?! 勿論、純愛モノだから、これが正しい反応なんだけど・・・ 純愛モノは好きだから、それになりには気に入ったけど、アジア映画好きとしてみると、物足りない。 もっとアジアアジアした純愛ラブストーリーを観たい。 それもグイ・ルンメイ主演で! [DVD(字幕)] 6点(2014-11-04 01:34:32) |
33. ドラゴン危機一発
アクションシーンは控え目で、ストーリー重視型。 だが、そのストーリーは、かなり雑。 それだと良い所なしの作品に聞こえるが、ブルース・リーが画面に出ているだけで十分楽しいし、ワクワクもする。 この時代の香港映画、そしてカンフー映画。 その味わいを堪能できる作品として満足できた。 満点には到底届かないけども、ブルース・リーが出演している香港映画なら、このレベルで十分楽しい! [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-16 20:24:16) |
34. 花の影
《ネタバレ》 チェン・カイコーらしい、毒っ気たっぷりの悲劇。 観終えた後の気色の悪い余韻は、何とも表現できないものがある。 特にラストシーンの怖さ。 完全にその辺のホラー映画の怖さを超越している。 コン・リーを乗せた車椅子が音をたてて迫り来る・・・ あー、マジで怖かった。 戦慄のラストシーン。 レスリー・チャンとコン・リーの熱のこもった演技も見所。 クリストファー・ドイルの撮った、少し曇り気味で寓話的な味わいを持つ映像も見所。 チェン・カイコーが演出した、毒キノコ的味わいのある悲劇も見所。 こういった見所満載の中で、最大のマイナスポイントは、その余韻の悪さ。 とにかく後味が悪い。 コン・リーの側近の毒キノコ頭の様に、気色が悪い。 この後味の悪さは、まさに毒キノコ。 いや、、毒キノコは食べたことはないが。 この作品、何気に『さらば、わが愛/覇王別姫』に匹敵するパワーを持っている。 チェン・カイコーの代表作として、個人的には挙げたい作品。 [ビデオ(字幕)] 6点(2013-05-22 00:52:19) |
35. 1000の瞬き
「恋と偶然の出会い」を描いた映画。 レオン・ライがかっこいいので、それだけで満足しなければいけないのか、それとも内容まで厳しくつっこまなければいけないのか・・・ それは人それぞれだろうけど、この「偶然の出会い」とやらが、やけにしつこいのが問題かも。 父と息子のつながりを描いた部分は、なかなかの味わい。 恋愛映画として観るより、親子愛を描いた映画として観た方が感動するかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 5点(2012-12-11 00:01:46) |
36. 天使の眼、野獣の街
《ネタバレ》 冒頭のセリフの無い緊迫したシーンと大げさなBGM。 またこのパターンか、と思った。 そして、香港を舞台にした犯罪モノ。 またこのパターンか、と思った。 こうして斜に構えて観ていたら、いつの間にか引き込まれていく。 理由は、単なる香港クライムサスペンスではなく、そこに人情劇が絡んでいたからだ。 “犬頭(サイモン・ヤム)”と“子豚(ケイト・ツイ)”の子弟関係。 これがとても人情味豊かに描かれている。 特に後半が素晴らしい。 子豚の勝手な行動が原因で、犬頭が頸動脈を刺され、瀕死の重傷を負ってしまう。 子豚を守ったが故の負傷。 それを心配して泣く子豚。 子弟関係の絆がとても良く描かれているが秀逸。 最後の悪役ボス(レオン・カーフェイ)の死に方も粋。 近年の香港映画は信じられないくらいに進化し、洗練された。 古臭いカンフー映画の時代も、それはそれで良かったが、現代の香港映画も、映像・音楽・ストーリーの点で格段に洗練され、独特の魅力を感じる。 余談だが、いくら子弟愛とはいえ、犬頭が子豚の顔や体にやたらにボディタッチする。 スキンシップで励ます。 これは立派なセクハラだ!(笑) それはそうと、レオン・カーフェイは、マジでかっこいい!! 男の色気漂うダンディズム。 香港ならではの素晴らしくカッコイイ俳優だ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-14 23:35:45) |
37. 春の惑い
原題は「小城之春」。 邦題が悪い。 それはともかくとして、原題の通り、狭くて閉塞的な邸宅の中で巻き起こる、愛情に関わる心理的葛藤を主に描いている。 これって題材として悪くはないのだが、この邸宅内での出来事を、何とか別の方法で解決できそうな気がして、ストーリーの流れに、苛立ちを感じた。 私がそれぞれの人物の立場なら、もっと他の方法を試していたと思う。 例えば、邸宅の夫婦について言えば、もっと早い段階で、冷めきった夫婦関係を解消して離婚をするとか。 それを時代的背景が許さなかったというのならば、仕方ないが。 そして友人の医師の立場なら、再三、若奥様の据え膳を拒否しているわけで、受け入れるつもりがないのだから、早々と邸宅を後にした方が良い。 色んな面で、各登場人物達の立ち振る舞いについて、納得がいかない点が多い。 これを観ていると、物語を面白くするための、作り手側の工作と勘繰らざるを得ない。 繊細なテーマだけに、もっと脚本を繊細に、緻密に作ってほしかった。 それと、物語には直接関係がないのだが、ビデオソフトの画質が悪すぎる。 せっかく撮影担当が、名手のリー・ピンビンなのだから、画質がもっと良ければ、評価も上がったかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 5点(2012-11-12 00:28:55) |
38. 美しい夜、残酷な朝
《ネタバレ》 3話から成るオムニバス映画だが、3話それぞれがバラバラの印象。 2話目の三池崇史監督作品はホラー系なのに、他の1話目と3話目はスプラッター系。 まあ、オムニバスとしての一貫性が無くとも、全体的に面白ければそれで許せる。 だが、どれもイマイチ。 かっこいいイ・ビョンホンを観たかったのに、観られず残念だった韓国編。 『オーディション』で、三池監督がホラー映画の力を見せたと思いきや、思いっきりずっこけた日本編。 そして、とにかく悪趣味な香港編。 どれをとっても、不快。 ホラーとかスプラッターでも良いのだが、3話とも不満が残る内容で、出来の良いオムニバスとは言い難かった。 [DVD(字幕)] 2点(2012-08-25 00:12:12) |
39. ドリアン ドリアン
《ネタバレ》 大陸から香港に出てきて、売春婦としてお金を貯める。 田舎から都会に出てきて、都会になじみつつも、やはりなじみきれず、最終的には故郷に還る。 日本でも同じようなパターンがよくあるだろう。 地方から東京の大学に入って、そのまま東京で就職。 だが、やはり都会は仮の場所であって、本来の自分の姿は発見できない。 それで、田舎へ戻る。 その様な、どこの地域にでもありそうな事の顛末を、けだるくて、きらびやかな香港を舞台に、じっくり描いてみせる。 フルーツ・チャンの魅力は、それなりに感じられたが、東京で生まれ育った私には、等身大では観ることのできない部分があって、それが障壁となってしまった感がある。 一方で、香港映画としての魅力、香港の猥雑でいて、どこか寂しい夜の風景。 そういった、香港映画特有の雰囲気と映像の数々が、印象に残った。 [ビデオ(字幕)] 6点(2012-06-17 23:17:27) |
40. ルージュ
《ネタバレ》 愛する人の為に死ねるか? 永遠の愛は存在するか? テーマは分かるのだが、ファンタジーな内容に完全にうんざりとなった次第。 愛する相手に裏切れた女。 その女が現代の香港に幽霊となって現れ、愛の顛末の真相を解明していく・・・ いやー、お粗末というか、感想自体どうでもいいや、と投げやりになる恐ろしさよ。 幽霊より、この映画のお粗末さの方が恐ろしい。 [ビデオ(字幕)] 1点(2012-06-11 00:41:44) |