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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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1.  エル・スール
お父っつぁんには秘密がある。そりゃあるさ。例えばどっかのサイトに映画の感想文モドキを書き込んでるとか(はい、実は家族には内緒なのです。今のところは)。かつて小さかった娘、聖体拝受式で社会への一歩を踏み出した(自分の手から離れ始めた)娘。娘が成長するに従い、親父の存在も相対的に小さくなってしまう。そして。映画がダウジングのペンダントへと回帰したところで、ペンダントが小さなケースにスッと吸い込まれるように収まるシーンに、グッときます。コレ、日本人の感覚で言いますと何だか、故人の体が火葬後に小さな骨壷に収まってしまう、あの感覚を思い起こさせます……。しかしラストは、まるで暗かった音楽が最後に突然転調して主題(=“南”)を明るく提示して終わるように、希望によって締めくくられます。ま、はっきり言いまして、「実は途中までしか映画化できなかった作品」なんてことは露知らず、この唐突なラストの意外性に感激していた訳でして。我ながら、またピンボケの感想を持ってしまったのかも知れぬ。だから家族には内緒なのです。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2012-04-14 12:32:02)
2.  ミツバチのささやき
ドン・ホセがハンサム過ぎる・・・。一生自由を得ることのない働き蜂について父親が語る時、それは時代の閉塞感と子供たちの暗い未来を語ってもいるのだけど、作品の背景にあるスペイン内乱。大恐慌から世界大戦へと向うその時代の閉塞感というものは、何だかこの、世界が不況にあえいでいる21世紀初頭の今とリンクしている気がしてならない。なりふりかまわぬ通貨安競争、近隣窮乏化政策。そしてTPPの行く末にあるものは、かつて日本を追いつめたブロック経済ではないのか?次に追いつめられる国は?(って、まあ、そりゃ、ねえ) 冷戦下より、まさにこの今こそが、真にヤバいんじゃないのだろうか。とか思いつつ。この映画ではそんな不安の時代(今、まさに我々が抱える不安でもある)を背景に、その軸(大人の世界)と直交するように、子供と“死”との戯れ、という軸が描かれる。これは内乱の不安とは別個に存在する永遠の不安。両者がクロスした時、不安の二乗、どうにもならない閉塞感。イザベルがふざけて死んだふりをすることができるのは、明らかに「生」の側に立ち、「死」というものを知識として把握できているからだろうけど、その点、汽車が来るギリギリまで線路に立っているアナの方が「死」に近いポジションにいるのだろう。火を飛び越えて遊ぶイザベルの行為は確かに危険ではあるけれど、その後、暗くなるまで火を見つめているアナの方が、よほど危険な立ち位置である。ふたりで遊んだ、井戸の横の家は、アナと脱走兵の交流、すなわち死との交流の場となり・・・。直交する軸は二度交わることがない。解を見出すことなく、「どうにもならなさ」だけを残して、映画は去ってゆく。そして今また再び、我々は、見出すことの決してできない解を見出すこと、を求められる時代に生きているのかも知れないのだけど。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-02-04 03:51:28)(良:1票)
3.  続・荒野の用心棒
いいですね~ジャンゴ。棺桶を引きずって歩く不吉な姿のヒーロー。棺桶の中には「死」そのものが。ラストの墓場での決闘がこれまた良くって、ジャンゴはもはやほぼすべてを失っている。ガトリング砲も手放した、棺桶も奪った黄金も沼の底、手はリンチで破壊され銃も握れない。絶望的。しかも敵を倒したからと言って何が得られるでもない。しかし彼は決然と死地へ赴く。最後はいかにも、すべてが無に帰し土へと帰る、という感じで、何とも虚無的な世界観に、シビレます。  ・・・ところで、オヤジが気持ちよさそうに弾いているバイオリン。何だか駒が付いていないように見えるんですけれどね~。一種の特殊奏法ですかね。
[DVD(字幕)] 9点(2010-10-02 03:59:10)
4.  続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
いやはや満腹感の味わえる一本。腹持ちがいいかどうかは別ですが(笑)。埋蔵金(!)を狙う男たちの物語の縦糸に、南北戦争という背景の横糸が絡み合い・・・ん?待てよ、どっちが縦糸でどっちが横糸なのかな? それはともかく、その両者が絡み合い・・・ん?いやいや、絡み合いってのもちょっと違って、どっちかというと、両者の対比、ですね。いわば規律の象徴のような軍隊、これに対し、縦横無尽に好き勝手する3人のアウトロー。内戦下という状況の影響を受けて、3人の金貨争奪戦も紆余曲折、物語はダイナミックに進む(迷走する、とも言う)が、最後に行きつく先は、まさにお約束のクライマックス、三つ巴の決闘へ。決闘前の張り詰めた空気、それは、国を二分した「戦争」という世間の騒ぎなどどこ吹く風、誰も見届ける者もいない、墓地=円形の決闘場で、3人だけの世界、しかし圧倒的なエネルギーがぶつかり合う世界。実にしびれるクライマックスです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-04-28 17:42:48)
5.  夕陽のガンマン
以前は、リー・ヴァン・クリーフのマジメくさった顔を見て、ついぷぷっと噴きだしたりしたもんですが(←失礼な)、最近ではそんなこともなくなりました。いやはや、馴れとはおそろしいもの(←ますます失礼な)。しかし、クライマックスの決闘シーンは、馴れるどころか、観るたびに興奮度が高まります。シビレる。ジーンとくる。まさに病みつきになる映画。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-11-08 22:38:15)
6.  アザーズ
周囲でも、某作品を観てたから展開読めちゃった、との声を聞きます。みんなすごいね。私はビックリ仰天したんですけど。まず途中のサスペンス感覚は、その某作品よりもずっと上だと感じました。かなり夢中になって観てたので、真相が見えてきた時にはもう、心臓ドキドキもの。と思ったら、それは真相の端緒に過ぎず・・・。いやあ、かなり楽しませてもらいました。
9点(2003-10-12 08:32:31)
7.  カットスロート・ナイン
一説には『ヘイトフル・エイト』の元ネタとも言われている、いやどう見てもそうに決まってるだろ、という作品ですね。この時点で、曰く付き、要注意のキケンな香りが。実際、これ、ツキヌケまくってる作品です。 雪山を往く幌馬車には、護送される七人の凶悪犯。そして彼らを護送する軍曹と、その娘。とあるトラブルから彼ら九人は馬車を失い、雪山行脚へ。もう一触即発、この先何が起こるか判らない。 くだんの軍曹は妻を殺された身、従って彼の復讐譚かと思いきや、物語は思わぬ方向へ、多分そっちに転がっちゃいけないんじゃないかという方向へ、どんどん転がっていく。もちろんそんな我々の不安が追い付くよりも先に物語は転がっていくので、もう誰にも止められません。 雪山を舞台にしているのがいかにもヘイトフルエイトな感じですが(当然こちらが先)、雪山といえば幻覚がつきもの、ちゃんとそういうシーンもあって雪山感もバッチリです。 そして、やたらムダに残酷な、残酷描写。いや残酷描写なんだから間違っちゃあいないんですけどね。やることもエゲツなければ、その描写もエゲツない。 という訳で、先の読めない、読むことを諦めざるを得ない物語は一体、どこへ辿り着くのか。途中、スプラッターな描写も色々とありましたが、考えようによってはホラー映画以上にホラーなラストが、あなたを待ってます。 やっぱりコレ、ツキヌケてるわー。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-11-14 13:07:33)
8.  豹/ジャガー
コルブッチ監督には『続・荒野の用心棒』ってな邦題の作品がありましたが、そのセンでいくと、本作は『続・夕陽のガンマン』とでも名付けるべきですね、闘牛場での決闘シーンでは、円形の舞台に3人が睨み合う形となって、臆面もなく夕陽のガンマンのシーンをそのまんまパクってます。でも残念ながら、続・夕陽のガンマンという映画はすでに存在しているので、『続・続・夕陽のガンマン』とでも名付けるべきですね。なにせ、続・夕陽のガンマンみたいに、円形の舞台で3人が睨み合うもんね。ははは。 実際、本作の背景には革命が描かれていて、そういう激動の時代の中での決闘、という点でも、続・夕陽のガンマンを思わせるものがあります。ただし、チンピラみたいな軽いノリの革命家と、フランコ・ネロ演じる凄腕ガンマンとの奇妙な友情が物語の中心で、敵方の用心棒ジャック・パランスと戦う、という、比較的ストレートなオハナシには、なってます。だけど、この三者がそれぞれに一癖もふた癖もあって、物語に起伏をもたらします。 ジャック・パランスの髪型(いかにも似合わないパーマ)は、どうなのよ、と思いつつ、さらには何でこんな映画のこんなシーンで素っ裸にされてるんだよ、と思いつつ、それでも敵役としてはなかなかの貫録。 彼に刺客として任命された男の後ろで、別の男が農作業用のフォークを作ってて、刺客の男からカメラがそれると、男の悲鳴が聞こえ、フォークを腹に突き刺されて絶命した男の姿がカメラに捉えられる、などという、若干アホらしい見せ場も楽しいし、上述の「円形の決闘」がクライマックスかと思わせて、物語はそこで終わらずにさらに見せ場を作るのもまた楽しいところ。 出色のマカロニ・ウェスタン。パクリ的な部分も含めて。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-05-06 16:53:07)
9.  夕陽の用心棒
ジュリアーノ・ジェンマが何本のマカロニに出演しているのかも知らずに途轍もなく無責任なコト言うのですけれども、これはもしかして彼のマカロニ最高傑作ではなかろうか、と。所詮、ジェンマ的な最高傑作、という枠組みですけれども。 邦題のテキトーさも、作品によく似合っています。レオーネ作品の邦題の繋ぎ合わせ。 銀行強盗の一味が人質をとって立てこもり、そこで動員されるのが、牢屋に放り込まれていた凄腕ガンマン、ジェンマ。強盗一味がまるでお遊びのようにいちいちムダに無辜の人々を殺しまくる残虐な連中なら、ジェンマもまた、絡んできたチンピラ連中をまるでお遊びのように殺しまくって牢に放り込まれている。どっちもどっち、人の命を屁とも思っていないようなところがあって、後ろめたさを伴う小気味よさ、みたいなものを感じてしまうのですが。で、悪党どものあまりに悪辣な暴虐ぶりに、少年が目をそらし涙すると、軽薄極まりないジェンマがこの時ばかりはマジメな顔になって、泣いている場合じゃないだろう、みたいなコトをささやいて見せる。この主人公、ケーハクの極みみたいに見えても実は何か暗い過去を持ち心に傷を負ってるのか。それとも本当にケーハクなだけなのか。だってジェンマだもんね。 という、無責任型潜入捜査官みたいな主人公の活躍を描いていて、さらには人質となった銀行の頭取(?)と犯人一味の女性とがラブラブになる無責任な展開もあったりして、実にスバラシイ無責任さが展開されつつ、でもやっぱりこの主人公には何かが「ある」のではないかと、ホンの少しだけ感じさせるのが、ジェンマ作品のジェンマ作品たる所以、と言えましょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-29 02:40:44)
10.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 
これはもう、見事にヤな感じのオハナシで、見終わったらだいぶ、ヘコんでしまいます。 スペイン内乱が一応終結したとは言え、独裁政権下の閉塞感の中、ミニ独裁者ともいうべき義父の姿と、幻想世界を彷徨う少女の姿が、並行して描かれます。それぞれの世界は最初、互いに関連を持っていないようであり、少女は幻想世界に逃避しているようにも見えるけれど、厳しい現実を前に、いつまでも逃避できる訳もなく。双方の世界は「血」のイメージで結びつけられているようなところもありつつ、やがて2つの世界がクロスした時、物語は悲劇を迎える。 で、ここで冒頭シーンに繋がるのですが、いざ繋がってみると、何だか、この映画の中で展開されてきた数々の幻想世界のシーンが、実は瀕死の少女が最後に見た幻に過ぎなかったような気がしてきて(そういう解釈が妥当かどうかはさておき、どうしてもそんな気がしてしまって)、少女の哀れさに、気が滅入ってしょうがないのでした。
[DVD(字幕)] 8点(2019-03-19 23:30:19)
11.  ガンマン大連合
一体どこが大連合なのやら、というのはさておいて、これは出色のマカロニウェスタン、シビれます。フランコ・ネロ演じる主人公ヨドは武器商人、彼がメキシコ革命軍のモンゴ将軍から受けた依頼は、トーマス・ミリアン演じるヴァスコとともに、サントス教授なる人物を連れ帰ってくること。このサントス教授という人、非暴力主義を唱えつつも、メキシコ革命において勢力の一角をなす人物で、シンパがいたりする。という訳で、ヨドとヴァスコのつかず離れずの関係に、さらに教授シンパのオネーチャンが絡み、そしてさらには、彼らを付け狙うジャック・パランスの、これでもかというくらいワルそうな顔。さまざまな人物が見事に個性と存在感を発揮し、いろいろなエピソードで映画を盛りあげてくれます。いやホント、みんな、いい顔してるんです。だから盛り上がる。なぜヨドがコインを自分にくれたのかヴァスコがこだわるのも、いくつかの伏線にもなってて(あるいは、大した意味は無いともいえる)、面白いところです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-07-23 22:39:18)
12.  汚れなき悪戯
子供ってのは、天使の顔をした悪魔な訳で、マルセリーノ君も見事にロクなことしません。そのマルセリーノ君が、修道院の2階にひっそりと打ち捨てられているようなイエス像と、心を通わす。ここで、マルセリーノ君は、イエス様にパンや葡萄酒をせっせと持っていくのだけど、これらを盗んで持っていくのだから困ったもの、自分の食べる分を節約して持っていくのだったら美談なんだけど、とか思っちゃうのが日本人の正直な感想ではないですかね? しかし勿論、(特に最後まで)観ればわかるように、そんな単純なエエ話を描いた作品じゃないし、信心を通じて現世的ご利益を得る教訓噺でもない。ただ、どうしようもないくらいに無垢で美しくてはかないものを、そっと描いた作品ですね。こういう、小さな奇跡。まあ一人の子供が生まれてくること自体が、ひとつの奇跡なんですけれども。それがだんだん、天使の顔をした悪魔になり(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-05-11 15:43:37)
13.  ワイルド・スピード/EURO MISSION
ストーリーはと言うと、「良い者チームと悪者チームがカーチェイスで戦います」というだけ。両者の間で多少の交換トレード(?)らしきものはあるけれど、ヒネリという程のヒネリは無く、いたってシンプル。ややこしい点があるとしたら、ハゲとムキムキが多いので、誰がどちらのチームだったっけ、と混乱する方もいるかも知れませんが。でも、こんなシンプルなオハナシになっているのは、アクションの凄さに対する自信の裏返しかも知れません。やり過ぎ、走り過ぎ、壊し過ぎ。地面を這いまわる2次元的なカーチェイスが、ここではまるで3次元の空中戦のような。それどころか、もはや、カーアクションは重力を超越し、3次元の立体世界での戦いに向っています。とりあえず、お腹いっぱい。ありがとう。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2014-03-02 20:38:06)(笑:1票)
14.  マシニスト 《ネタバレ》 
いや何、痩せてる俳優が必要なら、何もクリスチャン・ベールが苦労しなくとも、例えば私がもうちょい痩せた方がてっとり早い。実際、大学入学後に一人暮らしを始めて数か月後には、本作の彼と近い身長・体重になってた時期もあったさ。しかしだからと言って、私にこの映画の主演が務まる訳ではもちろん無くて、私にはこんな内側から滲み出るような狂気は無いのです(……多分)。異常な人間を主人公に、世界を彼の目から見て描いているので、現実とも幻想ともつかぬシュールな内容ではありますが、ちゃんとミステリらしい構成やオチを備えていて、納得感の方もしっかりと。そして衝撃的。この幻想譚が、幻想譚としての恐怖を充分に備えつつも、実は現実の再構成であるということ。その予想を超えた作り込みぶりに、ただただア然、いや参りました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-04-29 13:50:02)
15.  暴走特急 シベリアン・エクスプレス
観始めてナンボもしないうちに「あ~この映画、列車の暴走なんて最後まで起こらないんだろうな」と気づくワケですが。列車を舞台にしたサスペンス映画です。しかし、こんな掟破りの邦題をヒネリ出したヒトの、一人でも多くにこの映画を見せたかった気持ち、わかります。こりゃなかなかの力作です。面白かったです。異国人に囲まれた、異国の列車行において、目の当たりにする光景の目新しさと、勝手の分からない不安感。それをうまくサスペンスにとりこみ、また登場人物たちの配置のうまさも加わって、実にハラハラさせられる展開になっています。巻き込まれ型で追いつめられ型の、じっくり楽しみたい作品。まー結果的に、この邦題でむしろ損してますね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-26 17:13:15)(良:1票)
16.  悪魔の墓場
邦題が『悪魔の墓場』なんていうベタなタイトルで、ちょっと「恐怖の味噌汁」とか「悪の十字架」とかに通じるものがありますが(悪魔の人形。あ、クマの人形。ってのもありましたね)。だいたい、悪魔の“墓場”ってんだから、すでに悪魔が退治された後のような。それはともかく、ロメロのあの名作(タイトル略。笑)をパクッて、青い顔のゾンビに人間を襲わせて食べさせてみました、ってな趣向の作品ですが。ロメロ作品の、ただただゾンビが人間を襲うという身も蓋もない感じ(だからこそ画期的なんだけれど)と比べれば、本作はそこにオカルト色を加えていて(ゾンビが変な儀式してたりするし)、いかにも「恐怖映画らしい映画」というか、まあ折衷的な作品になっております。要するに日和ってるんじゃないか、と言われそうですが、そういう中途半端なところがまた面白かったりするわけです(ロメロならこういうのは作らない、作れない)。しかもそこに「害虫駆除の超音波が、死人の蘇る原因なのだ」みたいな無意味な合理性を持ち込んでみようとする、思い切りの悪さ。つまり、オカルト映画とパニック映画を両方やってみました、という訳ですね。スバラシイ。主演の男優のヒゲ面がまた、私にとってはいかにも“これぞ70年代映画のヒーロー”ってな感じで(ごく一部の映画のような気がするけど)、ものすごーくカッチョよい。不自然なほど警察と対立するのも良いし、とりあえず「立て篭もり」をやってみせてくれるのもサービス満点。ただ終わりの方は、何もそこまでロメロ作品(タイトル略)を踏襲せんでもいいでしょうに、とは思いますけど・・・。亜流作品だ、こういうのこそ映画の墓場みたいな作品だ、という批判も当然あるでしょうが(まあ当然ですよね)、わたしゃ結構好きです。
[DVD(字幕)] 8点(2010-04-04 07:51:14)
17.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 
(←ネタバレ無しのつもりですが、未見の方には何がヒントになるかわからないので、一応。) 社会派サスペンスと思わせて実は、いわゆる「新本格派」風ミステリの要素が濃い作品。そもそも、「監督=アラン・パーカー」ってのがすでにミスディレクションになってますね、ますますこりゃ社会派映画だろう、と思って観ちゃいますから。冤罪を訴える元大学教授の死刑囚と、真相を追い求めるレポーター、残された日数はあと4日。まあ確かにこの設定自体、現実社会では考えにくいけど、映画の題材としては、結構盛り上がる。一日一日が刻まれていくこの映画の構成、うむ、こりゃまるで『インデペンデンス・デイ』のように実に安っぽい、じゃなかった、実に盛り上がるぜ~。正直、最後の最後のオチは、すでにその前のシーンでほぼ示唆されているので、余分な説明かとも思いましたが、これも最近のミステリのお約束、しっかり納得して見終わってスッキリいたしましょう・・・。で、結局、この映画はどういう映画かと言うと、「社会問題を土台にしつつ、また人生の悲哀なども絡めつつ、謎解きの魅力と驚きに満ちたミステリ映画です。死刑問題への賛成・反対の立場を声高に主張したイデオロギー映画ではなく、あくまで娯楽性を貫いていますが、その中において、死刑問題の実態の一端を垣間見せてくれる映画でもあり、観終わった後で、これをきっかけに一度、死刑というこの難しい問題について、話し合ってみるのもよいのではないでしょうか」 ←うひょ~ 血迷ったか、>ワタシ
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-14 23:02:18)(良:1票)
18.  WATARIDORI
空を駆け巡る鳥の姿をまざまざと目にし、我々は何を思うか。美しさに惚れ惚れしてもいいし、自由な姿に憧れを感じてもいいし、あるいは「美味しそう」、かもしれない(じゅるじゅる)。いずれにせよ、圧倒的なインパクトをもつ映像世界である。これを実現するには、とてつもない苦労があったであろうことが偲ばれる。例えば、海上を飛ぶ渡り鳥が、通りかかった船に舞い降りる。空中のカメラは船上へのカメラと切り替わり、これは間違いなく自然な渡り鳥の姿をそのまま捉えた映像ではなく、まさに編集のなせるワザ。しかしこのようなアプローチだからこそ、我々は鳥とともに空を飛び、鳥と共に船に「舞い降りる」、その感動。この映画は、確かに、ひとつの稀有な映像体験には間違いない。そしてこの「ドキュメンタリ風作品」は、渡り鳥のもつ「宿命」によって環を閉じ、そのとき、この生き物たちに敬意を感じずにはいられない・・・それにしても、鳥ってのはよく喧嘩するなあ、そういうトコだけは人間によく似ているね。(ついでにもう一言。傷ついた鳥がカニの群れに襲われるシーン、あのカニの種類は、実は“WATARIGANI”だった、というオチは、いかがでしょうか ←つまんね~)
[CS・衛星(吹替)] 8点(2005-11-26 21:10:44)
19.  スパルタンX
それまでのジャッキー映画って言うと、何だか時代がかった舞台設定で、タイトルも「○○モンキー/△△拳」みたいなアヤシイものが多かったのですが(嫌いじゃないけど)、この作品あたりで随分とイメチェン、現代のスペインを舞台にしたカンフー映画という設定がユニークでもあり、一気にジャッキーへの親近感が高まりました。ワタシにとっては記念碑的なジャッキー映画であります。カーアクションは正直言って腰砕けなのですが、格闘アクションは見ごたえ満点。まあ、今でこそ格闘技&プロレス大好きの私も、当時はまだ興味がなく、ベニー・ユキーデという人についても知らずに観てたのですが(今にして思えば、こりゃ紅白歌合戦の裏番組に持ってきても通用しそうなカード、かも?)、まさに「観ればわかる」この凄さ! スバラシイ! 格闘の中にドラマがありますな。何度観ても興奮します。ジャッキー頑張れ、ユキーデ頑張れ。さて、次は「ジャッキー・チェン vs 人食い大統領アミン」でも見てみたいところだナ。
8点(2005-01-22 00:25:02)
20.  ロスト・チルドレン
『デリカテッセン』はさすがに散漫な印象を受けましたが、本作はほどほどにストーリーがまとまってて、親しみやすくなってると思います。その一方で、悪趣味なテイストはちゃんと保たれてます。なんと言っても、特撮がほんとによく出来てますねえ。苦笑しながら観てるうちについ引込まれてしまう映画です。
8点(2003-07-05 21:06:28)
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