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プロフィール
コメント数 2398
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1.  キャッシュトラック 《ネタバレ》 
“ハゲ無双”ステイサムとガイ・リッチー、これが4度目のタッグになるわけですよ。やっぱステイサムはメガロドンなんかと絡むよりも生身の悪人たちを成敗する方がかっこいい!それにしても毎度毎度のハゲ無双&無精ひげ無双、この人の演技プランには役造りという概念はないみたいだ。お話しは単純なんだけどそれをわざと複雑にして見せるいつものガイ・リッチー節でございます。劇伴も重低音を基調にして全体的に重苦しいストーリーテリングで、どこかに茶目っ気やユーモアをねじ込ませる今まで観てきたリッチーの作風とはちょっと違う気もします。章立てを用いる撮り方も彼お得意の手法だけど、さすがに今作ではステイサムの立ち位置というか背景が判りにくいのは難点です。前半で出てくるステイサムに現金ネコばばがバレて脅される女警備員や、襲撃犯のボスの家庭風景をわざわざ見せる、などは後半に繋がる伏線なのが普通だと思うんですけど、そういうところは雑と言うか奇妙な脚本です。私の中ではステイサムは“トム・クルーズやスティーヴン・セガールと違って撃たれたり手傷を負ってボロボロになるガメラ的なキャラ”という位置づけなんですけど、さすがに今回は「これ、絶対に死んだよな」と思いましたがまさか定説通りだったとは、さすがにこれはやり過ぎです(笑)。 ところで、日本ですらキャッシュレス化が進んでいるのに、いくらブラックフライデーとは言ってもキャッシュレス先進国のアメリカであんなに大量の現金取引があるんだろうか?というのが素朴な疑問。まあそれを言っちゃうと、現金輸送車襲撃をテーマにした映画は撮れなくなっちゃうけどね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-10-06 23:15:56)
2.  キューブリックに愛された男 《ネタバレ》 
カーク・ダグラスに「才能はあるけど君はクソったれ野郎だ!」とこき下ろされたスタンリー・キューブリック、人嫌いで狷介なエピソードには事欠かない天才監督。天才のもとで働くことは大変な重圧が襲いかかってくるものですが、『キューブリックに魅せられた男』のレオン・ヴィタリと同じように三十年もキューブリックに仕えた人がいたとは驚きです。このエミリオ・ダレッサンドロはレオン・ヴィタリと違って映画製作には全く関わらずにキューブリックの運転手兼雑用係として仕えて、終いには主従と言うよりも完全に友人関係になっています。イタリアから60年代に英国に渡ってきてレーサーを目指しながらタクシー運転手をしていたエミリオが、最初にキューブリックと関わったのが、『時計仕掛けのオレンジ』で使われたあの有名な巨根はり型をタクシーに載せて運搬することだったというのは興味深い。彼はヴィタリと同じようにキューブリックと関わった資料を大量に保存しており、“S”の署名で終わる自筆の指示書というか走り書きが続々登場します。それが“ペットに餌をやってくれ”とか“ホームセンターに行ってこれこれを買ってきてくれ”などといいった完全に小間使い扱い。それでも元から誠実な人柄なエミリオは忠実に仕えて、キューブリックとは信頼以上の関係になります。そして遺作『アイズ・ワイド・シャット』ではキューブリックに乞われて出演までしています。トム・クルーズが秘密パーティに参加する前に立ち寄る店の主人役で、“エミリオの店”とネオンで店名が輝くのが泣かせてくれます。彼はキューブリックが死去する前夜も会っていて、キューブリックが生前最後に会った家族以外の人物でもあります。ヴィタリが俳優のキャリアを捨てたように、エミリオもレーサーの夢を諦めてキューブリックに人生を捧げたわけで、自分勝手な人間だけど自分にとことん尽くす者には彼なりの愛情を示す天才なりの人間性が見られたと思います。 エンドロールが終わってのラスト・カットのエミリオの回想、キューブリックに「自分の映画でどれがいちばん良かった?」と尋ねられて『スパルタカス』と答えたそうです。すると渋い顔したキューブリックは「アレはたいした映画じゃないよ」と答えたそうです、やっぱりね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-05-15 22:44:31)
3.  キング・オブ・シーヴズ 《ネタバレ》 
最近は世界各国で後期高齢者がつるんで悪さをするというプロットの映画が多いけど、本作はその英国名優版でちなみに実話の映画化。 引退して穏やかに暮らしていたマイケル・ケイン、かつては“キング・オブ・シーヴズ(泥棒王)”と闇社会では有名だった男。妻の死で落ち込んでいたところに、孫ほど歳が離れた若いセキュリティエンジニアからロンドンの宝石街ハットンガーデンにある貸金庫ある宝石・金塊・現金などのお宝を強奪する計画を持ちかけられる。「もう犯罪には関わらない」と亡き妻に誓わされていたが、眠っていた血が騒ぎ同年代の年老いた泥棒仲間を誘って人生最後の大勝負に乗り出すことに。集まったかつての仲間は、ジム・ブロードベント、トム・コートネイ、レイ・スウィントンなど名優ばかり、おまけにちょっとわけが判らないキャラでしたがマイケル・ガンボンまで顔を出します。言ってみれば『バンク・ジョブ』や『オーシャンズ11』の後期高齢者ヴァージョンという感じです。2015年に起こった事件ですが、実は『ハットンガーデンの金庫破り』という題名でTVミニ・シリーズも本作の後に製作されており、割と最近の事件だけにインパクトが強いみたいです。 金庫室の壁に開けられた穴なんかは実際の犯行現場と同じで、割と忠実に事件を再現しているみたいです。ところがその忠実さが仇となって『オーシャンズ11』などと違ってすっきりした物語にはならず、強奪自体は上映開始から半分ぐらいの尺で成功しますが、その後グループの仲間割れが酷くなってゆくところを見せつけられることになります。観ている方のテンションが下がってしまうのは、犯行計画を立てた首謀者であるマイケル・ケインが犯行成功前に脱落してしまうところでしょう。だって『オーシャンズ11』でジョージ・クルーニーが途中から降りてしまうなんて想像つかないじゃないですか。後を継いでリーダー格となるのがジム・ブロードベントですが、普段の穏やかなキャラではなく疑心暗鬼の強いけっこう凶暴な爺さんというのが面白い。他の二人も互いに疑いあって分け前で揉めるし、『グッドフェローズ』のデ・ニーロみたいにブロードベントが仲間を口封じするんじゃないかとひやひやしました。さすがにマイケル・ケインもそのままフェイド・アウトするのじゃなくてストーリーには絡んできますが、実話なんだからと言ってしまえばそれまでですけど、いまいちキレがないキャラでした。それでもぶち込まれる糖尿病やら他尿症やらといった老人ネタにはブラックなペーソスがあり、それを披露する各人はさすが芸達者です。 似たようなお話しですが『バンク・ジョブ』みたいなカタルシスは期待しない方が無難です。でもラストで、捕まったマイケル・ケインはじめご老人たちが法廷の廊下を歩くシーン、各人のアップの後にそれぞれが若き日に演じたギャング姿をカットバックで挿入する見せ方は、なかなか洒落ていました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2022-02-25 23:01:13)
4.  キングスマン: ゴールデン・サークル 《ネタバレ》 
この手の映画では善玉・悪玉のボスやわき役に大物をキャスティングするのが最近の定石ですが、コリン・ファースに加えてハル・ベリーとジェフ・ブリッジスのオスカー俳優が三人、そしてあのエルトン・ジョン卿までもが嬉々としてセルフ・パロディを演じているのがこの映画の見どころです。冒頭でマイケル・ガンボンはじめキングスマンの面々が全滅、後半ではついにあの人までも…というわけで前作の主要メンバーはふたりのガラハッド以外は在庫一掃され、今後はジェフ・ブリッジス率いるステイツマンの一員としてキングスマンをシリーズ化しますというのが、ラストの製作者の決意表明でした。前作はだいぶ前に観たので忘れている設定も多かったのですが、撮り方自体はかなりシリアスに寄っている感じがします。悪役ジュリアン・ムーアは彼女の演技力では余裕なんでしょうが、サイコパス女ぶりはけっこう強烈でした。でもその最期はちょっとあっさりしすぎだったかな。アクション・シーンもこの監督が得意とするワンテイク(風)の連続アクションで、これぞ職人芸と呼ぶにふさわしいところです。次回作にも期待いたしましょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-12-25 23:25:37)
5.  恐怖(1961)
ご存知クリストファー・リーが出演しているのでお分かりの通り、ハマー・フィルム謹製でございます。“オール・ユー・ニード・イズ・ホラー”がモットーのハマーにしては珍しい、ホラー風味ではあるが本格的なスリラーです。「ヒッチコックが撮りました」と言っても通るぐらいのストーリーテリング、なかなかやるじゃないか、ハマー。邦題の『恐怖』というのはちょっと大げさかとも感じますが、原題の方も“Fear”を強調してるしポスターからしてホラー映画と間違われることを期待しているようにもとれます。主演はスーザン・ストラスバーグ、アクターズ・スタジオの創設者の娘がハマー映画に出演していたとは知らなんだ、です。 ラストのどんでん返しが売り物の映画なのでレビューを書くのは難しいんですけど、スーザン・ストラスバーグの最初の登場シーンでの会話で「これは、ひょっとして…」と頭によぎるものがありました。そして見事に予感が当たりました。いつもぼんやりと映画を観る私でも判っちゃったぐらいですから、気が付いてしまう人はたぶん多いと思いますよ。「そんなこと、あり得るか?」と首を傾げたくなるかもしれませんが、ミステリーはやはり雰囲気が愉しめるかが大事な要素です。シャープなモノクロ撮影とサクサクしたストーリーテリングの効果もあり、私は十分に愉しめました。難を言えば車椅子に頼るしかないヒロインというプロットがいまいちストーリーに反映していなかったところで、ヒッチコックならここを巧みに料理しただろうな、と感じてしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-04-09 22:47:35)
6.  キングスマン 《ネタバレ》 
いまもっともコメディ演技が光る英国俳優といえばコリン・ファースです、彼の計算されたポーカー・フェイスはヘタなコメディより絶対可笑しいと思います。監督があの人でR15のレーティングですからけっこう血なまぐさい画を見せられるかと思ったら、こりゃ『キック・アス』に較べれば可愛いもんじゃないでしょうか。冒頭の山荘での乱闘シークエンスがもっともスプラッター色が強いんですけど、あの人間縦割りは『斬る』や『子連れ狼』のパロディですし本家の方がはるかにグロいですよ。でも『威風堂々』の調べに乗せて繰り広げられる人頭花火大会にはやられました、思わず声を出して笑ってしまいました。“なるほどこういう手の人体破壊があったのか”と感心しましたが、これこそこの映画でマシュー・ボーンがやりたかったことかもしれません。実はわたくし、ラストでコリン・ファースがまた登場してくるものだとばかり思ってました。でもたぶん撮られるであろう続編にはちゃっかり復活したりしてね、でもそれじゃぁまるっきり『アウトレイジ・ビヨンド』ですね(笑)。 でもいちばんびっくりさせられたのは、あのスウェーデンいじりです。なんせ王女様がお尻見せてあんなことまでしちゃうんですからねえ。たしかに私らの世代には頭脳の片隅に「スウェーデンはフリーSEX(死語です)のエロい国」という潜在意識が刷り込まれていますが、マシュー・ボーンの頭の中も同じなのかな?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-23 22:51:59)
7.  キック・アス ジャスティス・フォーエバー 《ネタバレ》 
前作の持っていた弾ける様な狂気とブラックな笑いがすっかり影を潜めてしまい、なんか全然違う映画を観ているみたいでした。真面目に物語を紡いでいると言えば確かにそうですけど、前作の雰囲気が好きだったので期待してたのに見事に肩すかしを喰らった感じです。おたくや心に傷を持つものがコスプレしてヒーローごっこをするというプロットなんですから、もうこれはブラックな笑いをメインにするのが王道で、単なる青春ストーリーにして欲しくなかったです。グロな描写もだいぶ少なくなり、まあそれは良いとしても旧レッドミスト=現マザーファッカーがガキのくせして警官たちを殺しまくるのはちょっと勘弁して欲しかったです。じゃあヒットガールが終盤で見せる殺しは良いのか?という突っ込みが来ることは判ってますけど、良いんですこれは、殺されるのは悪人だしクロエちゃんだから(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-12-04 23:34:55)
8.  吸血鬼ドラキュラ 《ネタバレ》 
40年以上前に初めてTV放映で観たときは怖さに震え上がったものでしたが、“現実世界にはドラキュラより恐ろしいものが沢山ある”という分別と経験を積んだ現在の眼で鑑賞するとどんな感じなんでしょうか。 これが思っていた以上に色あせていないんですよ、この映画は。良く観ると独自の脚色がありますね。まずジョナサン・ハーカーが吸血鬼ハンターの一員としてドラキュラ城に単身乗り込んでくることで、しかも序盤であっさりドラキュラの餌食になってしまい、そして婚約者までも同じ運命に。舞台設定もロンドンがオーストリアかドイツの某都市に変わっていますし、ヴァン・ヘルシングの解説では「ドラキュラがコウモリや狼に変身するという話はウソ」と言うことになってこれも原作と違っています。船で英仏海峡を渡るシーンや変身の特殊メイクが必要無くなるので、まあこれは予算節約ということでしょう。その分展開がとてもスピィーディーで、ヒーローとヒロインがいなくなった分、ドラキュラとヴァン・ヘルシングのガチンコ対決のキレ味が鋭くなっていると言えます。 “吸血行為はセックスのメタファーである”と言うのは定説ですけど、クリストファー・リーのドラキュラはその品格と発するフェロモンでこの説を雄弁に証明してくれています。また吸われる女優たちが色っぽく、ほんとハマー映画の熟女優たちはレベルが高いですね。 やはり本作がハマー・フィルムの最高傑作なんだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-01-26 18:02:24)
9.  来るべき世界 《ネタバレ》 
以前に出回っていたソフトは画像状態が非常に悪いと不評だったそうですが、HD化された画像で鑑賞すると、約70年前に撮られた映画とはとても思えない驚異の映像体験でした。 この映画が製作された1936年からの近未来(1940年)に突然世界大戦が勃発するところから物語は始まります。何とこの戦争は30年も続き、ストーリー自体も2030年ごろまでを描く一大サガになっています。まずこの戦争観がとても興味深いところがあります。毒ガス爆弾が猛威をふるい、終いには生物兵器まで使用されて人類は半減してしまいます。どことどこが戦争しているのかはファンタジーですので曖昧にしてますが、敵方の戦車は異様にアヴァンギャルドで手塚治虫の作品に出てきそうなスタイルです(そう言えば手塚治虫にも『来るべき世界』という傑作がありましたね)。都市は崩壊して文明は退化し、『マッドマックス2』を50年も先取りした様な世界観を見せてくれます。夢遊病の様な死病ウィルスが人類を激減させるのですが、感染者たちはふらふらと戸外をさまよい見つかると兵士に射殺されてゆきます。ジョージ・A・ロメロも絶対この映画を観てますよ。 この映画の凄いところは30年続いた戦争が終結して新文明によって新しい世界が建設されるシーンです。ここで見せてくれるミニチュア特撮の精緻さは、50年代の東宝特撮のレベルに匹敵するぐらいです。その中でも、ヘリコプターが登場したのにはビックリでした。これが現代のステルス・チョッパーとしても通用するぐらい優れたデザインで、そもそも製作当時はジャイロコプターすら実用化されてなかったんですから驚きです。ラストに月の軌道を周回させるために有人衛星を打ち上げる宇宙砲なるものまで登場しますが、実は後年ナチス・ドイツがこの宇宙砲と同じ原理でV3号“ロンドン砲”という秘密兵器を造っているんですよ。ほんとH・G・ウェルズという人は恐ろしい人です。 ファンタジー映画として観てもちょっと甘い脚本だしこんな壮大なサガを90分余りで観せるのはちょっと無茶なんですが、センス・オブ・ワンダーは映画史に残るレベルの高さです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-01-06 21:57:44)
10.  危険な愛の季節<OV> 《ネタバレ》 
海岸で釣り宿を経営する母親がV・レッドグレーブでその娘がS・ジョージ、20年ぶりに戻ってきた母親の昔の男がC・ロバートソン、その他にどうでも良い役柄の2人、たった五人が全登場人物という超激安映画。ともにトラブルメーカーとして映画界から干されだしていたとはいえ、その内二人がオスカー俳優というのはちょっと凄いかも。むかしの男と母娘が三角関係になるという主演L・アントネッリのイタリア映画みたいなプロットですが、“幻のエロティックドラマ”というのは明らかに看板倒れでした。レッドグレーブまでワンシーンながらもヌードを見せるのに、肝心のS・ジョージがわざと暗い映像で脱ぐというのはいったいどうなっているの、しかもどうもボディダブルを使っているみたいなんです。これじゃ「金かえせ!」と暴れたくなりますよ。 レッドグレーブはファムファタール的な雰囲気でストーリーを引っ張りますが、相手のロバートソンが謎の男かと思ったら単なるスケベ男だったという結末にはがっくりさせられました。実は観始めたときから自分にはある「?」が頭の片隅にあったのですが、その「?」がまさかその通りだったのでほんと驚きました。 ラストで母娘のうちひとりは去ってゆき、ひとりがロバートソンと暮らし始めます。でもそれぞれ全身が映らない映像を見せて、レッドグレーブとジョージのどっちだったのか判らない演出なんです。この映画の中で唯一シャレたところでした。
[DVD(字幕)] 3点(2013-01-17 21:25:58)
11.  宮廷料理人ヴァテール 《ネタバレ》 
ジェラール・ドパルデュー、ユマ・サーマン、ティム・ロス、と顔を揃えてこの面白くなさにはちょっとびっくりしました。なんですかねー、とにかく散漫なんですよ全篇にわたって。 ふつうこの手の題材を扱った映画なら、豪華な料理をもっと前面に出さなきゃだめでしょ。ヴァテールやルイ14世を取り巻く人間関係やエピソードもつながりがなくバラバラだし、悪役であるティム・ロスも何をしたいのか良く判りません。やっぱり、映画は悪役に魅力がないとね…
[ビデオ(字幕)] 3点(2012-08-05 23:31:47)
12.  キラー・インサイド・ミー 《ネタバレ》 
このケイシー・アフレックが演じるルー・フォードは、『アメリカン・サイコ』のパトリック・ベイトマンを凌駕するサイコ・キャラですよ。ジェシカ・アルバのケースはともかくとして、ケイト・ハドソンに関してはなんで殺しちゃったのか、さっぱり理解不能。でもね、こういう人間って現実にいそうな世の中だから背筋がぞっとするわけです。それもケイシー・アフレックの好演の賜物で、アルバとハドソンもなかなか良い脱ぎっぷりで感心しました。ただラストの火が燃え上がるシーンは、あまりにチープなCGなので興ざめしてしまいました。バジェットが足りなかったのかしら? サイモン・ベイカーやビル・プルマン(ほんのチョイ役でした)を使ったりして、たしかに無駄に豪華なキャスティングでしたから。
[DVD(字幕)] 7点(2011-12-25 01:15:13)
13.  ギャング・オブ・ニューヨーク 《ネタバレ》 
冒頭、ディカプリオが父のかたきデイ・ルイスと出会うまでの30分は、スコセッシらしいスピード感溢れるけれんみたっぷりの演出で大いに期待をもたせてくれますが、その後はいけません、ディカプリオがデイ・ルイスに喰われっぱなしです。「これじゃあいかん」とスコセッシもラスト30分では怒涛の急展開を図るけど、如何せんあまりに詰め込み過ぎで二人の宿命の決闘まで尻すぼみに終わってしまいました。あの暴動は「ニューヨーク徴兵暴動」として知られる史実ですが、徴兵される側も黒人をリンチして処刑するなど、とてもじゃないけど我々には感情移入できない連中なので困ります。スコセッシはこの映画の構想に30年かけたそうですが、こねくり過ぎて結局なにが言いたいのか良く判らん映画になってしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-11-07 20:51:54)
14.  キック・アス 《ネタバレ》 
出ました!ひさびさの痛快作に出会ったという感じです。クロエ・グレース・モレッツが『シベールの日曜日』のパトリシア・ゴッジにそっくりで、21世紀の新しいロリコンのイコンが誕生しました。ビッグ・ダディもヒット・ガールも高度な殺人テクニックを持っているだけで別に身体的な超能力があるわけではなく、アメコミ・ヒーローの中でも明らかにバットマンとバット・ガールのパロディですよね(ニコラス・ケイジのコスはモロにバットマンですし、レッド・ミストはロビンを彷彿させてくれます)。自分の中で銃社会のアメコミ・ヒーローが銃器を使わないことに今まで不自然さを感じていましたが、本作でそこを見事に払拭してくれました。ニコジーも近年まれに観るのびのびとした演技で、楽しんで演じているのが良く判ります。そしてジェイソン・フレミングとデクスター・フレッチャーの『ロック・ストック』コンビの贅沢というかもったいない使い方、思わず笑ってしまいました。いかにも続編を撮るぞという終わり方でしたが、このセンスなら十分に期待できるので早く観たいものです。
[DVD(字幕)] 8点(2011-09-25 14:33:35)(良:1票)
15.  恐怖の魔力/メドゥーサ・タッチ 《ネタバレ》 
出だしは正統ミステリー調で始まります。冒頭リチャード・バートンが何者かにぼこぼこにされ瀕死の重傷を負います。そしてなぜかロンドンの警察に所属しているリノ・バンチュラ刑事(フランス警察が交換研修で送り込んだという説明ですが、リノ・バンチュラを起用するための苦肉の設定)が担当で捜査を始めます。バートンが精神科医にかかっていたことを知り医師リー・レミックから話を聞きますが、そこからバートンの妄想なのか現実に起こったことなのか判断つきかねる過去の事件が浮かび上がってきます。B級テイストの映画とは思えない豪華なこの配役、特に謎の男バートンの怖さを巧みに語る脚本の秀逸さ、なのにこの映画が日本で劇場未公開だったとは驚きです。大聖堂の破壊などスペクタル・シーンも、今の眼で見ればちゃちぃのですが、しっかり押さえています。バートンのサイコキネシスで旅客機が高層ビルに突っ込むシーンは、思わず9.11テロを連想してしまいました。掘り出し物です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-03 20:37:35)
16.  恐竜100万年 《ネタバレ》 
「子供たちは恐竜に、お父さんはラクエル・ウェルチに」、これは番組案内文ですが思わず爆笑です。この作品、あのハマープロの製作なのですね。確かにラクエル・ウェルチの肢体にはこの歳でも眼が釘づけでしたが、どうしてどうして、その他大勢のハマー・ガールズもなかなかでしたよ。黒い髪の山の部族が闘争的な気質で、海辺に住む部族は金髪で山の部族より文化が進んでいるという設定は、どこか北欧人種優位の人種感が感じられていやらしいところですが。そうそう恐竜でしたね、これはあまり活躍していませんでした。冒頭いきなり実物トカゲさんが登場でちょっと引きましたが、あいつは大写しで見せられると結構気持ちが悪いものですね。洞窟に住む猿人みたいなのが出てきて仲間を殺して食っちゃたりするところや、翼竜どうしが戦って勝った方が負けた方のヒナを捕食したり、結構ハードな自然の掟の描写もありました。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-08-25 19:35:58)(良:1票)
17.  吸血鬼(1967) 《ネタバレ》 
たぶんこの映画は、ポランスキーのフィルモグラフィ中唯一のコメディ映画ではないでしょうか。ちょっとブラックな感じのギャグが基調になっていますが、ドタバタギャグが多く、それがあまり切れはなく笑えないのが残念です。でも、吸血鬼のお城やバンパイヤたちが墓から出てきて舞踏会をするシーンなど、ゴシック調の雰囲気がよく出ています。そう言えば、ティム・バートンの世界に通じるものが感じられました。なるほど、ティム・バートンがリメイクしたら面白いかも。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-06-16 22:54:39)
18.  黄色いロールスロイス 《ネタバレ》 
いかにもイギリス映画らしくて洒落ていました。やはり自分は2話目のエピソードが好きです。マフィアの親分にするか、いかにもすけこましのイタリア男についてゆくかってのはある意味究極の選択ですが、シャーリー・マクレーンの選択はあれで良かったのですよ。あと、1話目のジャンヌ・モローの浮気を知った後のさびしそうなレックス・ハリスンが哀愁を漂わせていて良かったです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-23 14:00:33)
19.  今日も僕は殺される 《ネタバレ》 
設定が秀逸なので期待して観はじめましたが、中盤から展開がどんどんおかしくなっていくのでがっかりでした。戦いのシーンも他の映画のイメージをつなげたようなもので、新鮮味は感じられません。特殊効果も、この展開では見せ場は少ないしパッとしませんでした。
[DVD(字幕)] 4点(2009-02-18 19:36:22)
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