1. グリーンフィンガーズ
《ネタバレ》 期待はずれでした。 オヤジをはじめとするいわゆる〝挽回もの〟はハズレが少ないのですが、なんでこんなイマイチな出来になったのかって、これ、尺が全然足りないように感じますね。 全体的にユルすぎる…まあ、仲間の脱走とか出品取り消しとか病死とかいうマイナス要素はいちおう盛り込んでいますけども、いろんなことがなんとなくうまく行きすぎます。 だいたい前科者が中心の話なのに、裏庭でエッチをしたあげく妊娠させたりすると「反省とか贖罪はどうなっているんだ」という非難もしたくなります。 ガーデニング未経験者だったクライブ・オーウェンの主人公が「俺は庭師だ」と思うに至るまでの苦労が、ちゃんと納得行くように描かれていない。これは大問題です。ここんとこができていないので、観客がカレを応援する気持ちになりにくい。 もっというならプリムローズと相思相愛になった経緯もイマイチはっきりしない。 「実話ものだから、とにかく事実どおりに詰め込んでおけばいいや」って投げやりな感じもしないでもないです。 とにかく90分でやるというなら、勇気を持って何か(トニーのエピソード全部とか)を削除するべきでしたし、本来なら120分くらいもらって、前の刑務所の暗さとかガーデニングの困難さやプリムローズとの関係を細やかに描いていくべきでした。 所長役の俳優さんはドラマ「ダルジール警視」で主役を演じていました。なかなか練れた役者さんです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-25 20:11:23)(良:1票) |
2. クィーン
《ネタバレ》 イギリスで女王を演じるといえばヘレン・ミレン、ヘレン・ミレンといえば女王、というようなことになっている。先日、エリザベスの一世を演じたTVドラマを見たが、もはや別の女優が女王を演じることはムリであろう、というくらいに1人勝ち。 さてこの作品は、イギリスの大衆や王室の事情について、上っ面やおべっかでなく描いた優れた一品だと思います。 全体を見終わってどういう感じを抱かされるかというと、「ダイアナは厄介だったのだ」という、極めて客観的な事実の再確認、だと思います。 若くして悲劇的な死を遂げたことによって、この「ダイアナは厄介」という事実を誰も指摘しないし認めないということになってしまった。 しかし、どう考えたって、やっぱり「そう」だったのです。そして、作り手は「大衆の絶対的支持」などというものに押されず負けず、「そのこと」をはっきり指摘してみせたというところがすばらしいです。こういうものが出るからイギリスという国はあなどれないと思います。 さて私は個人的にはダイアナのような人間が好きでなく、女王やその夫が「厄介」と苦々しく思う気持ちが分からないでもないのです。一言でいうと、ダイアナのような女性は「肉体派」(セクシーという意味ではなく)なのです。 ダイアナを「肉体派」という場合、その反対は「知性教養」です。 「肉体派」は本を読まず、文を書かず、生涯勉強というものはしません。日本人なら、読書より絵手紙や社交ダンスに走るタイプ。ダイアナはそういう女性でした。 しかし、私や女王一家が眉をひそめるその「なりふり構わず愛を求める」みっともなさが逆にウケてしまいます。本人も「おっ意外にこれでイケるかも」と思います。 「ダイアナは厄介」だったのです。死んでくれてほっとしたけれど、死に方が死に方なだけに、「死んでまで厄介なダイアナ」ということで、女王は国民に嫌われそうになって困ります。 けれどこのとき、女王が自らに嘘をついてまでいちはやく半旗を掲げ、弔意を表明し、ダイアナの死を悼んだとしたら、とってもヘンじゃないでしょうか。それが「女王」でしょうか。 私は、ウソの下手なこの人がとても可愛い気がしてくるし、「女王の陰謀説」が有りえないということも納得できる。 一つ難をいえば、ブレア役の俳優が全く似ていなかったことが気分を下げる。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-02-21 15:35:09)(良:1票) |
3. クラッシュ(1996)
《ネタバレ》 ハギスの「クラッシュ」と間違えて見てしまった方にとっては、噴飯ものでありましょう。そりゃ災難でした。 どっこい私は衛星で放送を楽しみにしていたクチで、ひいきのスペイダー全盛期の美しさを堪能しようと…。や、スペイダーの美しさにはマチガイは無かった。確かにどの角度から見ても美男である。今のように太ってもいない。衣装がダサすぎるが、スペイダーのような美男であればそれもまた…。 が、この作品はスペイダーの美しさではカバーしきれないほど気色悪かったのであった。 基本はブラックジョークなんだと思う。悪趣味なコントなのだと思う。ラストシーンがあのように終わるのであるから、コントでいいのだと思う。 しかし全編に溢れて収まりきらないほどのえげつないセックスシーンは、私のような枯れ木状態の負け犬にはキツすぎた。ここまでエロを露出しないとダメかなあ。もう満腹なんですけど。 もともとコメディの素質があるスペイダーであるから、事故や障害によって性欲が刺激されハアハアとガッついていく様は笑えないこともない。でも、私は笑顔が凍りついて素直に笑えないのだー。 エロシーンの合間にブラックな笑いをはさんでいく、という試みは激しく観客を選ぶと思う。クローネンバーグにとって大爆笑のネタというものは、一般人が見ると笑顔が凍りつくレベル。…天才は孤独だなあ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-12-02 17:15:02)(笑:1票) |
4. クライング・ゲーム
《ネタバレ》 分かってるけど楽しめる。スターゲイトの人ですね。ここまできれいなら切らないんだろうか? ヘドウィグには悪いけど、レベルが違うキレイさだよね。出番ちょっとしかないけど元彼の黒人が絶妙。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-23 19:37:26) |
5. 蜘蛛女(1993)
《ネタバレ》 レナオリン知的でかっこよくて好きです。「蝿男」と「蜘蛛女」に出るとは、ジョークなのか。 なんか「痛い」感じのする映画だったなあ。「ハンニバル」より先に自力切断だ。 [映画館(字幕)] 8点(2005-11-16 23:04:03) |
6. グラディエーター
《ネタバレ》 この作品で良かったものは、仮面かぶってバトルする不気味な戦士のみ。最近見た「地球最後の男」というB級にも似たようなものが出てきた。 私はリドリーについて言わなければならないことがある。「GIジェーン」から感じていたが、あんたはサドじゃん。それでもってグロいですね。映画つくるのうまいのに、美しい映像も撮るのに、どーしても自分の趣味を入れるよね。たぶん、気が付いていないんじゃないかと思う。自分にとって、当然のことなので、そういう趣味のない人間の違和感がわからないんだと思う。 おもしろい映画を途中で早送りしなければならないのって、苦痛なんです。でも、見られないんです。どうしても。クリントと比べてみな、やっぱりあなたはちょっとおかしいよ、リドリー。 [DVD(字幕)] 6点(2005-11-03 00:24:38) |