1. ショーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 パロディにしては、むしろリメイク版の「ドーン・オブ・ザ・デッド」よりも「ゾンビ映画の本質」をきちんと捉えている作り。 ただ、これでは余りにも基本的なストーリー展開や演出、テーマのすべてがオリジナル版そのままで、あえてパロディとしてリメイクしている必然性が見当たらないほど。 コメディとシリアスの比率が3:7くらいで、コメディにしてはシリアス過ぎるしで、その配分が中途半端。特に後半は完全に真面目なゾンビ映画そのもので、独自の解釈や意外性のある展開は皆無。もっとクイーンの曲に合わせて楽しそうにゾンビを殴りまくるシーンのように、コメディとして徹底した方が良かったのでは。死と滅びを受け入れて、とことんまで「崩壊していく世界」を楽しんでしまうような、「滅びのハイテンション」や「死のカタルシス」ってのが見たかった。 ラストもどうせなら、あの友人だけでなく、ゾンビになった母親や恋敵とも仲良く暮らして行くという暖か味のある終わり方にして欲しかった。近所のコンビニのレジ係をゾンビがやっているとか、そうしたオリジナルには無い、お茶らけた中にも、日常を生きる人間の強さや優しさを表現して欲しかった。 [DVD(字幕)] 5点(2005-06-24 19:51:38)(良:1票) |
2. ジャッカル
何ともオーソドックスと言うか、古臭いシナリオ。全体的にまとまってはいるけれど、これではあまりにも普通過ぎる。もう少し、独自の工夫やアイデアを入れる心意気が欲しい。 リチャード・ギアも好きな人には申し訳ないけど、今作に関して言えば、何とも存在感が希薄で、まったく魅力が無い。キャラとしても中途半端。 ブルース・ウィルスも、演技自体は悪くないものの、あえて彼を「非情の殺し屋」にキャスティングする意図が不明。他に適役はいくらでもいるだろうに。 いかにも豪華キャストで客を呼ぼうと言う志の低さが見て取れる。 4点(2005-03-02 16:06:57) |
3. シャロウ・グレイブ
《ネタバレ》 ストーリー展開もテーマも「シンプル・プラン」とほぼ同じ内容だが、人間性の捉え方や登場人物の関係の変化に少し無理があり、同作よりも一段落ちる。 結局、「思いがけずに大金を手にしてしまった人間たちのサスペンスドラマ」とくれば、その関係が破綻するという展開になるに決まっているわけで、作品の質を決定するのは、その「関係崩壊の過程」と「ネガティブな人間性の描写」の二点に集約される。 この作品は、この二点に難がある。特に会計士の男が急に屋根裏に閉じ篭ったり、ストーカーまがいの行為をし始めるという変化が唐突過ぎて、違う意味で奇異に映る。本来はこういう展開になる前に、あの大金を三人で分け、各人が自己責任で管理する、というシーンがあるべき。そうした「三つ巴」の対立関係を構築した上で、金を取り戻しに来る強盗仲間のじわじわとした恐怖を背景に、各人の「人間性の露呈」や「心理的な葛藤」、「関係破綻の過程」をじっくりと描いていくべきだろう。 その辺の心理描写が大雑把なため、「人間関係の惰弱さ」といったテーマの説得力に欠ける結果になっている。単純にサスペンスとして見てもご都合主義的な部分が多く、特に意外な展開がある訳でもなく、オチも普通。 PS.他の方も言っていますが、あの屋根裏の「水が溜まった木箱」は何なんでしょう?それが一番のミステリー。 5点(2004-07-31 15:05:07) |
4. シンプル・プラン
《ネタバレ》 「人間にとって、一番大切なものは何か」。まさにシンプルながらも、未来永劫、語られ続けるであろう普遍的なテーマがサスペンスを下敷きにして見事に描かれている。 それは人によって違うかも知れないが、当然のように身近にあるものほど、その恩恵や大切さには気付きにくいもの。最初、主人公は既にその「大切なもの」をほとんどすべて持っていた。だが、その事に気付いていなかったが故の悲劇がここにある。 突然手に入った大金に目がくらむ事は誰にでもあるかもしれない。しかし、貧しいながらも傍らにあった、当たり前のような「日常の平穏」や「家族」「友人」を犠牲にしてまで手に入れる価値のあるものなど、多分ありはしない。 7点(2004-07-25 20:04:00)(良:1票) |
5. シャイニング(1980)
《ネタバレ》 「人間の狂気こそが一番怖い」というのも、ジャック・ニコルソンの演技力の凄さも分かるが、個人的にはイマイチな内容。登場人物が少ない上に、展開に緩急がないため退屈。ミステリー的な謎解き要素もなく、単にひとりの男が狂気に取り付かれるというだけの話で物足りない。 [ビデオ(吹替)] 6点(2003-10-24 14:32:33) |