1. ヴェロニカ・ゲリン
アイルランド国民は、愛国心のカタマリな奴等ばっかだ!っていうイメージが良くも悪くも私にはあって、「チョットついて行けねェーかも」とか、思って観ていた。しかし、一人のマスコミ人ヴェロニカ・ゲリンは、そんな愚にも付かない私の思惑を超越していた。 スーパーマンでもワーカーホリックでもなく、ただ笑い、泣き、怒り、怯え、屈しない。実に人間臭く戦い続けた新聞記者。彼女の死がドラッグ汚染撲滅の為に国民、法律をも動かし影響を与えたという功績は、悲話ではあるが、称えたい。 実話を基にした映画は「最高点9点」という私的基準も、今回は例外。今も尚、真実の為に命懸けで励んでいる、そしてかつて励んでいたであろう多くのマスコミ人の功績も称える心算で、一点献上。 [映画館(字幕)] 10点(2005-01-10 00:03:23) |
2. エレファント・マン
駅のシーンと、芝居を見に行く前の二人のやりとり、そして就寝のシーンで号泣。涙腺、故障したんじゃないか?って位に、です。あぁ!趣味の悪いホラー作品と勘違いしていて二十年以上も観ずにいた自分の「間抜けさ」を、呪うっス。同じ勘違いしている人って、いるのかなぁ。 10点(2003-09-04 10:54:44) |
3. ストレイト・ストーリー
ゆったりし過ぎで退屈かと思いもしたが、この「小型耕運機」の歩幅に合わせてユッタリと観ればいいんだな。これは。多分、何年経ってもこの作品の輝きは、褪せる事はないだろう。D・リンチ、恐るべし。 10点(2003-08-08 02:55:57) |
4. ダンサー・イン・ザ・ダーク
母の愛は、何処の世界でも変わらず、愚直でありながらも深い。それが只のファンタジーなのだと社会が幅を利かすのならば、こんな不幸な事はない。幼児虐待が、日々報じられるこの世の中、子を持つ母親には観てほしい一作。是非にでも。 10点(2002-08-21 20:55:11) |
5. やわらかい手
《ネタバレ》 どうでもイイ話で恐縮ですが、昔、大阪某所の某店に「神の手」と呼ばれた女性がいたそうな。…とは言っても、同僚が勝手に「神」と呼んでいただけなのだが、聞けば「厚手のデニム越しに触られているだけなのに、二分も持たずに愚息昇天」というのだから、恐るべし。「夜のいてまえ打線」と呼称される同僚の談だけに、眉唾っぽくもあるが、真実味もある。 「その神の手とやらを、味わいに行くかね、君!」と同僚を誘ったが、もう引退してしまったという。残念。その神の手とやらの真偽は、もう闇の中なのである。超残念だ。 …サテ、話を戻してとりあえずこの作品「やわらかい手」の感想ですが。なんだか、その同僚の語っていた伝説を、ちょっと思い出しました。彼女の「手」は、まさしく「ソーホーのいてまえ打線」を完封する軟投投手のごとく、痛快無比な技でした。途中で右肘を故障するも「右がダメなら左があるさ」と、一向に彼女の勢いは止まる気配を見せません。 しかし、その痛快な手捌きなんぞが、この映画のテーマなのでしょうか?イエ、決してそうではありません。注目すべきは、半歩ズレた世界で変化した彼女の人間性と、普遍的な愛情なのではないでしょうか。でなければ、この作品の邦題は「神の手」でもイイはずです。 その掌(てのひら)に宿る掌(たなごころ)を、洒落っ気と慈愛たっぷりに描いた「やわらかい手」。うーん。隠れた名作。まさしく「穴馬的作品」でした。 [DVD(字幕)] 9点(2012-01-17 00:53:00)(笑:1票) |
6. ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
この映画の中で一番格好イイのは、観る者の想像力を掻き立てるラストのベタな突き放し方。 [DVD(字幕)] 9点(2011-04-23 02:04:42) |
7. ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン!
《ネタバレ》 丁寧さと馬鹿っぽさを併せ持った脚本の見事さと、全速力でダッシュしつつも軽快な演出テンポのよさ、UKロックを主軸においた音楽センス、どれもとっても素晴らしい。 ミステリ、馬鹿ポリスコント、ちょっとした友情劇らを、破綻させず同時に楽しませるという器用な力技に、ただただ感服。 [DVD(字幕)] 9点(2009-10-05 04:10:46)(良:1票) |
8. ナイロビの蜂
社会派×映像美×ロケ地の豪華さの匙加減が堪らなくイイ。監督はラテン野村芳太郎?否、安易に泣かせないストイックさも、やられたーといった感じ。一筋縄でない。ティッシュやらお茶の水分補給等々、こっちは泣く準備万端(というか配給会社のコピーに騙された感じ)だったのに。ウカツ。テッサという名前、頭の中でフグの薄造りを彷彿してしまう私の頭の中の変換装置も、これまたウカツ。 [DVD(字幕)] 9点(2007-03-13 01:31:05) |
9. ホテル・ルワンダ
こういう作品を見る度に、安っぽい涙を流して感動に浸り、何事もなかったかのように観終え、チャンネルを変える。それじゃ駄目なんだ。色々考え、学び、行動するべきなんだろうなぁ。自分の無精加減が嫌になる。こういう「無精者な自分」に説教されているかのような、作品。しかし、アフリカの武器描写でよく見かける「ナタ」がメイドインチャイナなのは、不覚・不本意にも笑ってしまった。深刻な武器輸出ですけどね。 [DVD(字幕)] 9点(2006-12-15 05:23:53) |
10. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
《ネタバレ》 先読み出来たと思っていたら、もう半歩先に苦味の利いたラストが!この手のどんでん返しに速攻で引っ掛る未熟者なミステリファンの私としてはこの作品、社会派モノの傑作だと思うのですが、コレ如何に。私自身「たとえ被告がフセインでも死刑には反対派」なわけですが、ああ、こういう本末転倒なアプローチもアリなのかも?と、不覚にも思ってしまいました。A・パーカー監督って英国人だったとは知りませんでした。本人はそのつもりの毛頭もないのでしょうが、勧善懲悪ボケした米国に対する批判と取れなくもない。 [DVD(字幕)] 9点(2006-07-05 07:38:12)(良:1票) |
11. マグダレンの祈り
自国愛と信仰の熱心さがウリのアイルランド人がこんな映画を製作したという心意気には頭が下がる。信仰というシステムや修道院という組織が問題なのではなく、何の疑問を持つべくもない閉塞された環境・組織・団体の一部が、腐敗を生むのだ。どうしようもないものか、な、問題。アイルランドでは1996年にこれらの施設が閉鎖された事により、社会の病巣にはささやかなるピリオドが打たれた。が、今現在私たちが生活するこの世界のすぐ傍らにも、私たちの知らない所で似たような腐敗が脈打っているように思う。現代社会に生きる者として、恐怖を覚えずにはいられない。 [DVD(字幕)] 9点(2005-10-29 23:41:41) |
12. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 踏んでしまえば解除不能な地雷なんて死んでも踏みたくない。死んでも死に切れないとは、こんな地雷を踏んでしまったときに丁度いい台詞だ。誰だ?こんなモノを作っちゃった奴は。誰だ?こんな兵器を欲しがった奴は。そういう怒りと悲しみと滑稽さを佃煮にしちゃったみたいなこの作品。分かり合えるかもしれない隣人同士が愛し合えもせず、殺しあわねばならない戦争なんて、本当にくだらないモノだ。本当にくだらない。 [DVD(字幕)] 9点(2005-10-26 23:46:01) |
13. モーターサイクル・ダイアリーズ
旅の醍醐味は、知らない場所で歩き、触れ、味わい、見聞し、その時に自分の中の何かを化学反応させる事。決してそれは逃避でなく向き合う姿勢であり、旅以外では得ることができない化学反応だ。 そういう旅の魅力に満ち溢れている本作は、まさしく珠玉。 ちょっと、チェ・ゲバラについてもう少し知りたくなっちゃいました。しかしモノグサな私は南米に行く気力もお金も根性もないので、机上で知った気になってみます。 しかし、こんなにバイクでコケるロードムービーは、観た事ないなぁ。笑。 [DVD(字幕)] 9点(2005-10-05 07:05:20) |
14. マイ・ネーム・イズ・ジョー
誠実に生きたい。立派じゃないし、ちょっと貧乏だけど、掌中の小さな幸せを糧に心豊かに過ごしたい。でも、悲劇って容赦ない。うまくいかない。上手に立ち回れずに、誰かが傷つき、誰かを傷つけ、大事なものが褪せていくし、消えてもいく。緩やかな毎日は、小さな満足と悲しい後悔の繰り返し。だけど、人生って、やっぱり、言葉にできない、醜く美しく、大事な何かだ。何と愛しいのか。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-09-04 07:23:46)(良:1票) |
15. シャイニング(1980)
RED RUMか~・・・。しばらく意味不明のまま流していたが数瞬たって「お!おぉぉ~。そっか~!」となる。ミステリ好きなのになぁ。俺。悔しい。怖さは俺的にイマイチでしたが、主人公が狂気していく様は、見事。スキ。ジャック・ニコルソンの怪演技も凄い。限りなく満点に近い「9点」かも。 9点(2003-10-03 14:02:14) |
16. ショコラ(2000)
チョコレート好きには堪えられない作品。是非、美味いチョコレート屋が営業している時間に見て下さい。でないと、「まっずい深夜のコンビニ市販チョコ」を食べる羽目に!甘党の私が卑しいのか、この作品の力量なのか!恐るべし。 9点(2003-08-14 20:18:58) |
17. ブラザー・サン シスター・ムーン
某胡散臭い宗教団体に勧誘用として見せられた、と、言う不幸な経緯を持つ映画なんですが(笑)えらく感動。然しその当時、勧誘がしつこかったという複雑な心境故にせっかくの名作が、ほろ苦い。個人的理由で、申し訳ない。 司教(だっけか)の足にキスするシーンが一番スキ。司教役のアレック・ギネス(だっけか)も、名配役。 9点(2003-04-28 00:50:27) |
18. ドラゴン・タトゥーの女
上質で渋いミステリを、いかにもフィンチャーといった演出で楽しませてもらいました。舞台や小道具、人物描写などの切れ味が、流石です。 リスベット役のルーニー・マーラも、佇まいやら立ち振る舞いやらが異様にカッコイイ。パッツンとした前髪とか、白い背中にある数個のホクロとか、パンキッシュなファッションなど、好みすぎて悶絶。あれに眉があれば、間違いなく求婚…否、満点でした。 [DVD(字幕)] 8点(2012-07-27 06:04:43) |
19. 赤毛のアン/アンの青春 完全版〈TVM〉
緩やかに流れる日常の素晴らしさを、アンと一緒に感受することのできる作品。ちと長いが、名作だった。 [DVD(字幕)] 8点(2012-06-06 00:05:34) |
20. ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式
《ネタバレ》 破綻しそうで、ギリギリセーフという、稀代のバランス感覚を持った良質コメディでした。とりあえず…あの精神安定剤は、素晴らしい助演。しかも脱衣率100%という優れもの。あの薬学部のカレ、天才なのかも。 [DVD(字幕)] 8点(2012-06-05 23:58:43)(良:1票) |