301. アバター(2009)
この作品はもちろん3D企画が先にきて、とにかく映像革命を観てくれという映画でしょうから地上波で観賞した上で評価するのはちょっと筋違いかもとは思うのだけど、お話があまりにつまんなくてびっくりしたもんですから。2Dで観ても、映像の凄さはそこそこ伝わりましたが少なくとも私は映画を観るにあたって“飛び出す”ことは一切求めていないのですが世間は違うのかなあ。 [地上波(吹替)] 5点(2012-09-08 17:39:00) |
302. 日の名残り
《ネタバレ》 映画は必ずしも原作どおりであるべし、とは思わないけれども、この作品は映画化にあたって話を面白くしようという操作が鼻についてしまった。スティーブンスが(原作中で)何度も語るのは執事としてあるべき品格や見識。彼の中に血流の如く流れる謹厳さと、主人であるダーリントン卿への敬愛。A・ホプキンスを、レクター博士顔のまま執事役に配した今作は、この部分がすっぽり抜け落ちているので人物が薄っぺらい。執事氏はミス・ケントンが泣いている部屋に平然と入ったりは断じてしないし、再会の場でも互いの人生を尊重し、再就職の話が出ずに終わる原作の方が心の機微を感じさせてずっと気持ちが良い。映画ではどしゃ降りの中で二人は別れる。なんて田舎くさいセンスの演出だ。ああ、なんで夕陽に照らされる橋の場面をまるまる無視するんだろう。橋の上で見知らぬ相手に心情を吐露する執事氏を、暮れてゆく夕陽が赤く染めてゆく。執事氏が人生を振り返る、タイトルを象徴するこの美しいシーンが無いなんて。ここで号泣した私としてはちょっと怒りすら覚えたのだった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-07-01 01:30:30)(良:1票) |
303. 炎のランナー
《ネタバレ》 音楽が素敵だし、ケンブリッジの重厚感も堪能できるしで上品この上ないのですが、畏れながら申し上げますとお話がつまんないっす。個人のドラマはあるにはあるのだけど。ユダヤ人の彼は学長から「プロに堕ちるな」と説教されて方向性の違いにいちいち民族差別を感じて大変そうだし、宣教師の彼はトレーニングと布教活動の両立が困難で。・・でも心に響くような描写でもなく淡々としてるんだなこれが。安息日には走らないってくだりが一番驚いた。 [ビデオ(字幕)] 5点(2012-06-06 01:24:50) |
304. 彼女がステキな理由
《ネタバレ》 う、ちょっとギャグがしつこいなーと思ったけど、夜のロンドンをエレファントフェイスで自転車疾走するのには笑った。J・ゴールドブラムの純情っぷりもなかなか良かったなあ。 [映画館(字幕)] 5点(2012-03-21 00:07:31) |
305. レイヤー・ケーキ
《ネタバレ》 あ?なんだなんだ分かりづらいぞ。麻薬を巡って入り乱れる人物相関図が作れません。私の頭が悪いのか脚本が失敗してんのか。ただ、ダニエル・クレイグのオーラが007級の色気を放ってる。さすがです。指の長い手も身体つきも色っぽい。麻薬戦争を勝ち抜いたのに、最後に女のいざこざで三下に撃たれちゃうってのがなんか皮肉が利いてて良い。うんさすがだダニエル。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-03-19 23:40:50) |
306. インドへの道
英国統治時代のインド。インドと聞いて思い浮かぶ雑然とした熱っぽさが無くて、繊細で美しい画だった。・・でもお話はヒロインの心情含めよく分かんなかったし謎だらけだった。一生懸命思い出そうとしても蘇えるのが体位をちりばめた神殿の廃墟だけ、ってのも我ながらどうなんだ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2012-03-12 23:50:33) |
307. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
うわあぁ こりゃマジ怖じゃないですか。ティム・バートンちょっと線引き間違えてませんか。ぞくぞくする怖さではなく嫌悪感がつのって単に観てるのが苦痛になってくる。ユーモアないんだもん。それにしても海辺の似合わないことNo・1のカップルだったなあ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-11 01:43:03) |
308. アイズ ワイド シャット
《ネタバレ》 贅を尽くしたパーティやら豪邸やら、金ぴか豪華な舞台にトム・クルーズとキッドマンがばーん、とゴージャスにはまって映像はとても流麗な印象。夜のNYの街にもくっきりと輪郭があり、安アパートにも灯るクリスマスツリー。綺麗。でも話はよく分からない。ミステリアスな記号をあちこち散りばめてるけど、全体を覚醒した目で俯瞰すると起こった事件も事件とすら呼べないような気もするし。今作では周囲に振り回されてるトム・クルーズが好印象。娼婦のとこで「先にお金の話をする?」って台詞が可愛いじゃないですか。手土産持って後日ふらっとまた来ちゃうのも。ああでもキューブリックが表現したいのはこんなことじゃないだろうな。すみません監督この映画わかりません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-11 01:21:27) |
309. ダメージ
《ネタバレ》 散々なダメージとむごいラスト。んー誰だって自分の人生を否定したくはないと思うんですが そうですか平凡な女でしたか。アナタが人生棒に振った女は。愛の業みたいなものを描いたんだろうけど・・お互いそんなに相手に惹かれてるように見えなかったしな。というわけで劇中もしも会えたならJ・アイアンズにはやめときなはれやー、と助言してあげたい。 [地上波(吹替)] 5点(2012-02-11 00:07:27) |
310. 誘う女(1995・米)
元ネタがワイドショーを騒がせていたので、あらましは知っていました。想像を超えるでもなく、下回るでもなく。ラストをあんな風にしたってことは、アメリカの人たちもこの女にあったまきてた、ということでしょうか。 [地上波(吹替)] 5点(2012-01-31 14:53:41) |
311. 穴(2001)
ご都合主義が過ぎるプロットには大いに不満だけれども、こちらの腰が引けるほどのソーラ・バーチの邪悪っぷりと、いつまでも耳にざらつく音楽が印象的。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-08 23:58:25) |
312. ハンニバル(2001)
《ネタバレ》 これは羊の続編ではなく全くの別物だ。羊たちに漂ってたぞくぞくする冷たい緊張感はどこへやら。披露されるのは通り一遍にグロテスクな殺人描写。ああ ジョディのクラリス。繊細で必死で凛とした勇気を携えていた彼女。憧れでした。J・ムーア扮するFBI特別捜査官にはクラリス・スターリングとは別な名前を名乗ってもらいたい。生真面目なおばさんにしか見えないんだ、どうも。肉付きのいい身体でもたもたランニングしないでほしい。どこがFBIや。ああそれに鉄格子の中にいながら他人の生死に影響をおよぼすのがレクター博士の真骨頂だったのにな。スリのタマ潰したりとか、露悪的で興ざめだ。博士とクラリスで恋愛沙汰にするのも嫌い。羊のときは博士が師のような、父性のような礼儀のある距離がちょうどよかったのに。文句ばっかりつけたけども、この監督らしく映像は洗練されて重厚感ありました。 [地上波(字幕)] 5点(2011-12-24 02:30:28)(良:2票) |
313. シド・アンド・ナンシー
究極に堕落したシドが歌うマイ・ウェイ。本家のシナトラの100倍も美しいこの歌で、シド・ヴィシャスは永遠の存在になった。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-11-27 16:18:15) |
314. 白い町で
南欧の光の一粒一粒まで捉えたような、美しい映像。社会不適合な男がえんえん彷徨う白い町 白い部屋 白い孤独 白い沈黙。実体がないかのように通り過ぎる妻・恋人・ホテル支配人・チンピラがゆらゆらと。会話の量の少なさにびびる。主人公の内省に付き合っているうちに私の頭も漂白されて真っ白になってしまった。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-09-29 16:12:12) |
315. 英国式庭園殺人事件
最初から最後まで意味がわからなかったことは確か。でも妙に記憶に残る映像美ではありました。時間を潰してもよい、という奇特な方向け。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-09-21 18:17:18) |
316. 恋におちたシェイクスピア
それは、ない。と言いたくなるような展開を力技でごりごり押してきたのに、最後に悲恋ヅラされて終わったのには驚いた。勢いのままハッピーエンドにしちゃえば良かったのに。急に世間の壁って枷をはめちゃうのね。なんだかな。豪華な衣装を着こなしたG・パルトロウは綺麗でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-07-31 17:26:45) |
317. ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢
《ネタバレ》 業界での成功を夢見る女の子の王道サクセス・ストーリー(サクセスまでは至らずだけど)といったところですが、この手の話に不可欠な根性や辛抱、窮乏との折り合いといったざっくり言うと「胸アツ」な描写がほぼ無いのですね。 ダコタ・ジョンソンがなまじ可愛い顔だからか演技力の問題なのか脚本のせいなのか、観ている間ずーっと「音楽業界ってこんなにお気楽でつとまるもんなのか」という思いが拭えなかった。 有名歌手の付き人をやるのだってそりゃあ大変でストレスフルだと思うよ?片手間に無名歌手のプロデューサーを気取ってレコーディングに取り組む余裕があるとは驚きだ。仕事なめんな。 終盤の「実は母子」という展開もびっくりするというよりは、こしらえすぎに感じて失笑しましたよ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2023-11-16 22:01:00) |
318. ホテル・アルテミス 犯罪者専門闇病院
《ネタバレ》 治安悪な近未来を背景に、犯罪者お助けホスピタルを舞台としてその女医に名女優ジョディ・フォスターを配したわけですが。ジョディをこれでもかと老けさせて老練さを演出し、擬似ブレードランナーな映像をこしらえてはみたものの、お話がつまんないんだよな。 女医の亡き息子の過去と関係のある女性警官のくだりはエピソードとしての掘り下げが甚だ浅い。ラスボス登場なるもボス感が弱く、周辺をうろうろするチンピラな登場人物らの存在感も軽い。この要所要所での情感の乏しさは、バラエティ等の再現ドラマを見ているのと同じ感覚です。実に薄味な映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-04-25 23:19:43) |
319. ホテル・ニューハンプシャー
《ネタバレ》 ほんと、何映画と紹介していいのか甚だ悩むへんてこな本作品、初めて鑑賞したのははるか昔。あの頃は若さゆえ、作品の意味を探すことも放棄したけどこの度再トライ。そしてやっぱり分かんなかった。 「開いた窓は見過ごして(飛び降りぬよう)」「前を向いて生きる」。テーマとしては優秀だしたしかにこの家族全員前向きではあるんですけどね。とにかく降りかかるトラブルの数々がシャレにならない、もちろんコメディにもしづらい深刻な案件ばかり。なのに全然重たくならないの。むしろコミカルな描写もあるのね近親相姦の場面だったりするのに。 分かんないなあ。視力を失ったり末娘が自死したり、それひとつで映画一本になりそうな大変な出来事を「どうやって」乗り越えるのか、心の説明が一切無いんだもん。名女優J・フォスターすらこの脚本では役の掘り下げが難しかったのではないかな。つん、と上を向いた強気一点張りの演技で押すのみ。 鑑賞中、唯一心躍ったのは我が愛しのナスターシャ・キンスキーの輝ける美貌。もう途中からは彼女を画面に見つけることにのみ集中しましたね。変な熊の着ぐるみさせられて、でもモサモサの胴体部分すら気にならなくなるほどの麗しいご尊顔。なのにどうして世界一の美女を「不細工な女」の役に充てるの?そういや冒頭も熊だった。熊って何。ああわからないこの映画。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-06-27 23:12:31) |
320. 普通じゃない
《ネタバレ》 この設定、すなわち天上界から人間の営みに介入しようというコンセプトならば、あの天使二人がもっと活躍しないとバランス悪くてしょうがないよね。キャメロンとマクレガーの二人の人生が交錯していることが人外の手によるものだよ、という感じが全然しないうえ、天使がいつ絡んでくるのかと思ってたら殺し屋役を買って出るやら、斧振り上げてボンネットに仁王立ちで襲ってくるとか、およそキューピッド役とは思えない破天荒な仕事っぷり。何か違わないかい。 なぜ心臓を撃ちぬいたらハッピーエンドなの?そこがクライマックスとばかりの描き方だったけど。作り手が勝手にどたばたしてる感が否めない。 ダニー・ボイル、ちょっと肩に力入りすぎだったんじゃないですかね。ハリウッド進出第一作だから、度肝を抜くようなセンスで皆を感嘆させよう、とアクセル全開で突っ走っていったら誰もついて来なくて気付けば一人、そんな作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-06-16 12:03:14) |