21. ダンケルク(2017)
《ネタバレ》 クリストファー・ノーランて『メメント』の人だっけ。時間軸をずらす映画、久しぶりに観たけど、やっぱりこの手法はお話が単調なのを隠すためにしか見えないんだよなぁ。 ダンケルクの攻防戦は日本人にとっては馴染みがない上、誰が主人公という訳でもなく舞台があっちこっち移って入り込めませんでした。 そもそも戦争映画というのはどちら側の視点に立つかで見方ががらりと変わる。エンターテイメントらしくドラマティックに仕上げると、戦争のリアリズムから遠ざかってしまう。じゃあ感傷なんて省いて戦争の非情と理不尽を淡々と描けば、映画として面白くない。 結局のところ戦争映画はどう描いても虚構だらけじゃないのかと思ってしまう自分には、このジャンルは合わないのだろうと再確認しただけでした。 でも、どこの場面でも張りつめた緊張感は伝わりました。極限の人間を描き出そうという試みは成功していると思います。 [映画館(字幕)] 5点(2017-10-22 21:29:32)(良:1票) |
22. イントゥ・ザ・ウッズ
《ネタバレ》 この世は迷える森っていうテーマはいいんです。 おとぎ話の主人公がちょっとイヤなヤツだったり愚か者だったりとか、単位時間当たり最高ギャラと思われるオオカミが瞬殺され、最もヒロインらしい風貌のパン屋のおかみがあっけなく消え、第二のアンジーなるかと思われたメリル・ストリープが無残な最期を遂げるという容赦の無さとか、こういうのもきっと計算の上なんだろうなとは思います。 でも残念ながらそれがあまり面白いと思わない。おとぎ話の主人公でも本当は人間くさいのさと言われたって結局この映画はファンタジーなんだもの、リアリティが感じられずキャラクターの気持ち悪さが際立っただけです。 それに、前半と後半の物語が完全に分断されていて、最後の4人組はもはやおとぎ話の登場人物である必然性が無くなってます。 オリジナルはミュージカルだそうなので、物語の不条理性とか強引さはあっても仕方ないとはいえ、ちょっとこれは破たんしすぎていると思うぞ。いくら楽曲が良くてもこれは映画なのだから、脚本にチカラがなければ面白くないのです。 [映画館(字幕)] 5点(2015-03-20 21:20:52)(良:1票) |
23. Dr.パルナサスの鏡
テリー・ギリアムを数本観れば、彼の作風はわかります。最初観たときは「なんてすごい監督だ!」と思いましたが、2本3本と観ていくうちに食あたり気味になります。映像へのこだわりは強く感じられるが、こだわってるわりにあまり深みがない。 本作はその集大成って感じ。 この映像世界、20年くらい前なら新鮮だったかもしれませんが、これだけ技術が発達した時代にこれでもかと見せられてもむしろ痛々しいです。なんかこう、この世界観を活かすためにもう一工夫できなかったんでしょうか。 結果的にやたら豪華なキャスティングになってしまったことも、毒々しさが増して本来描ききらなければならないはずのテーマを薄めている。(そういう私自身もキャスト目当てに観たわけですが) かつてのクリスティーナ・リッチを思わせるリリー・コールの愛らしさとか、往年の色男トラップ大佐の悲哀とかそっちの方でもっと魅せるべき映画だと思うのです。 [DVD(字幕)] 5点(2014-03-04 13:50:12) |
24. ハリー・ポッターと賢者の石
原作を読んでいないのですが、これを観て原作を読もうという気にはなりませんでした。映画は良くできていたと思うし、世界観も嫌いではありません。原作ファンの方には申し訳ないですが、私はストーリーそのものに魅力を感じませんでした。子供が主人公という時点で所詮子供向け映画です。 5点(2003-11-26 12:44:08) |
25. トランセンデンス(2014)
《ネタバレ》 ジョニーさんが出てなければまず観なかった類の映画であることを先に言い訳しておいて。 なんかさ、普通起こりえないことが起こっちゃうのがドラマじゃない?で、そのドラマをどれだけ「らしく」魅せられるかがクリエイターの基本でしょ。 この映画、大原則をまったく無視していませんか。それ無いだろってことの連続を延々観続けなければならないのは結構消耗します。 ジョニーは明らかに主役じゃないんだから、もっとヒロインとかポール・ベタニーとかテロリストの彼女とか輝かせられなかったのか。 ていうか実はジョニーとポールの絡みが少なかったからひがんでるだけだったりして。この二人が1本の映画に映ってるという理由だけで観たのでした。 [映画館(字幕)] 4点(2014-07-27 00:26:29) |
26. ハリー・ポッターと秘密の部屋
ポスターにもなったキャラクターがまるでストーリーに関わってこないし、子供に演技力を求めたくないのですが憎まれ役のマルフォイ君など子供が演ずるには限界がありそうだし、主役3人ばかり先生たちに可愛がられるという描写は教育問題的にどーなのよ?とかつまらないところにいちゃもんを付けたくなるのは、やっぱり映画全体にまとまりがないからだと思います。ピーター・ジャクソンの「指輪物語」に対する惜しみない愛情が、クリス・コロンバスには感じられない。だから「ロード・オブ・ザ・リング」のように、本編だけ観て足りない部分は原作を読んで探求しようと思う気持ちが湧かないのです。完全に原作ファンのためのお祭り映画で、原作を読んでいない者に対して不親切だなあと感じました。 4点(2004-02-19 13:08:22) |
27. シャーロット・グレイ
ケイト・ブランシェットはどこまでも強く優雅で美しい。すごいなーフランス語も喋れるのかーきっとフランスにスパイとして潜り込むんだなーと惚れ惚れしながら、舞台がフランスに移ったと気付いたときには終盤でした。重ーい時代背景がほとんど活かされていない、ケイトのプロモーションみたいな映画。 4点(2004-01-29 18:57:11) |
28. グラディエーター
《ネタバレ》 家族の復讐のために立ち上がったはずなのに最後の最後で昔の女と・・・って興ざめもいいところ。そこまでしてラブシーンが必要だったのか。それが全てではないが、今のところ「オスカー受賞に納得できない作品」ナンバー1。 4点(2003-11-25 16:57:50) |
29. トロイ(2004)
全ての人々の愚かな行いが一つの大国を破滅へと導いた。巨額の制作費が投じられた本作品の訴えるところがそこならば、悪意に満ちた映画だと思う。観ている側には登場人物たちの言動が滑稽に映るのに、映画は彼らを皮肉るどころか大真面目に英雄に祭り上げている。なんだかとっても虚しいというか不毛な映画。 3点(2005-01-18 22:56:08) |