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民朗さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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41.  ブラス! 《ネタバレ》 
音楽というものは(音楽に限らず、芸術全般ですが)こうも人間にとって必要不可欠なものなのかと実感しました。最後に有終の美を飾れなかったことにも意味があると思いました。 某何とかガールズはこの映画を見習った方がいいと思いました。同じ音楽を扱った話なのに全く厚みが違う。
[地上波(字幕)] 8点(2008-08-09 11:55:05)
42.  グローリー/明日への行進 《ネタバレ》 
こういう伝記映画には概ね二種類あると思います。一つは映画なのだからと大胆に脚色を加えるパターン、もう一つは飽くまで事実だけを淡々と描くパターン。前者の代表例は『ソーシャル・ネットワーク』や『アマデウス』、後者の代表例は『RAY』や『リンカーン』でしょうか。本作はそれで言うと後者と言えます。 『RAY』はレイ・チャールズ自身の人生が破天荒(盲目で女大好き&ドラッグやりまくり)でしたし、『リンカーン』は偉大な大統領であるリンカーンが実は理想を掲げるだけでないリアリストな策謀家としての一面もあり、一本の映画として大変面白いものでした。しかしながら、本作ではキング牧師の人生は、個人的にですがこちらの想像の上を行ってくれませんでした。非暴力を貫き、黒人差別撤廃のために命を捧げた、素晴らしい指導者という姿以上のものは見せてくれない。少しだけ、非暴力をマスコミにアピールするための武器に使うなどのしたたかさや、嫁さんとの仲が少し上手くいっていない等の描写もありますが、あくまでほんの少しで盛り上がらない。よって、物語自体はとても良いものでありますのに、全体を通して少し退屈な雰囲気を感じ続けてしまいました。個人的には伝記映画はもっと弄ってほしいです。特にその主役となる偉人が本当に清廉潔白な場合は特に。 エンドロールでかかる主題歌は本当に素晴らしかったです。
[映画館(字幕)] 7点(2015-09-01 23:03:06)
43.  小さな恋のメロディ 《ネタバレ》 
まずお話を大変シンプルな構造にしていることに良い印象を持ちました。ダニエルとメロディというローティーン同士の恋に話を絞り、その他の登場人物も描写は非常に制限されています。これにより二人の小さな世界でのお話しという感じが上手く出ていたと思います。基本的に恋敵等の恋愛ものではありがちな要素が入っていないことも同様。二人がまっすぐな気持ちで愛し合うだけで映画になってます。これでもし主人公の年齢が20代そこそこだったら「そんなに簡単に話が終わってもつまんねーよ」となりますが、主人公がローティーンなこともあり、そう感じさせないのがこの映画の面白いところですね。 なぜ子どもは結婚できないかという問いは中々難しい。大人は、法的な問題だとか責任がどうだとか言って胡麻化しますが、ダニエルとメロディが言っている通り、もっといっしょにいたいから結婚するべきなのであって、年齢を重ねるにつれ恋の駆け引きをして、相手のステータスを確認するような恋愛をしてしまう大人からすれば中々痛いところを突いてくる映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2015-08-30 23:34:19)
44.  イントゥ・ザ・ウッズ 《ネタバレ》 
本来、題名の通り殆ど“森”から舞台が動かない話を、映画ならではのスケール感で描いているので見応えがありました。またこの作品はブロードウェイ・ミュージカルの映画化なので、映画独自の物ではありませんが、幾つものお伽噺が絡み合うストーリー、またハッピーエンド後の世界を描くという脱構築性、善悪二元論への批判等は独特で矢張り面白いです。 ちょっと微妙だったのは話の内容はスラップスティックコメディであるのにも関わらず、ややテンポが重く感じる部分があったこと。スピーディーに100分位の上映時間に纏めてほしかったです。 独創的かつ耳に残る曲の数々も実に良かったです。ミュージカルだから第一に曲に魅力が無ければ駄目だと思いますので。
[映画館(字幕)] 7点(2015-03-19 22:11:23)
45.  誰よりも狙われた男 《ネタバレ》 
まずジョン・ル・カレが作り出したストーリーに惹きつけられます。スパイ物でよくある(実際にル・カレも良く書いている)米ソ冷戦の対立構造を使用するのではなく、現代の対テロ戦を想定した情報戦はスリリング。テロとは良く“見えない脅威との戦い”と比喩されますが、本作でもそれは同じ。主人公であるバッハマンはどう見ても有能な男ですが、彼は確証がないままに捜査を強引に進めます。イッサが本当に過激な思想を持っているかは分からない段階で(結局持っていなかった)周りの人間を掌握し、アブドゥラ博士が本当に資金援助に協力しているか確証がないままに彼の拘束を決める。テロという言葉の元々の意味は「terror」=「脅(おびや)かす」ということ。安全保障上の彼の行動も一種のテロと言えるのではないのか?と観客に突きつけている様に思えました。しかも最後の彼の叫び「Fuck!!」に現れている通り、彼はどう見ても正義の信念を持ち(世界平和を望んだ)、イッサを結果として助けようと行動し(滞在証を発行した)、アブドゥラ博士も味方に引き込むことで強制的な危害を加える気は無かった。それに対しあのやるせないラスト。そして同僚のイルナから「無茶をし過ぎだ」と警告された上での非難の眼差し。本当の正義とは?と問いかける重厚なスパイサスペンスでした。 しかし作品としては聊か凡庸な部分があったことは否めません。ル・カレの小説の映画化と言えば数年前に『裏切りのサーカス』というトーマス・アルフレッドソン監督による傑作がありまして、それと比べてしまうと、その実力には大きく差があると言わざるを得ません。 本作は静かなトーンで作っているのだから態々無理に“動”のシーンを入れなくても良い気がしました。例えばイッサとアナベルが逃走のシーン。電車と車のチェイスは『フレンチ・コネクション』に代表される定番ですが、ド素人のアナベル達が本職のスパイを巻いてしまうのはあり得ないと思えるし、巻くならそれ相応の演出上の工夫が欲しい。最終的にクラブに紛れ込んでバッハマンの追跡を逃れますが、あれではバッハマンのおなかが人ごみにつっかえて逃げられたようにしか見えない。 但し、名優フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の演技を観る価値は絶対にあるかと思います。エンドロール前の献呈を観た瞬間、もう彼をスクリーンで見れないことを実感し、本当に惜しい人を亡くしたと思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2015-01-18 06:54:02)
46.  未来世紀ブラジル 《ネタバレ》 
ストーリーは主人公が管理社会の中で運命の女を守ろうとするという割と良くあるディストピア映画ですが、鬼才テリー・ギリアムによってかなり変わったテイストになっています。普通のディストピア物ってそのストーリーの都合上、シリアスな雰囲気の映画が多いのですが、この映画は正統派なディストピア物でありながら、兎に角ノー天気。キャラクター達も何となく明るく、深刻な雰囲気は一切ない。サンバのスタンダードナンバー、「ブラジル」のリズムに乗せて悪夢的映像を見せる。そのセンスが凄い。だって水と油ですからね、馴染むわけがない。 例えば、主人公の友人で、情報省に勤めるジャックは、テロリスト(と政府が見なした市民)の尋問で返り血を浴びてもニコニコして娘に接している。こっちとしては困惑してついつい笑ってしまう。 さて、ラストの解釈についても書いておこうと思います。誰もが最初はアン・ハッピーエンドと思うあの救いのない(でもクレジットと共に流れるサンバは矢張り明るい)ラストですが、ある意味どれだけ管理社会が理不尽な暴力を振るおうとも、人間の想像にだけは入り込むことが出来ないとも取れます。いつの時代にも何らかの理由をこじつけて芸術の表現に規制をかける社会は存在しますが、それでも人のイマジネーションは無限であり不可侵だ!という謂わば妄想賛歌ではないかと思います。だから個人的にはアン・ハッピーエンドでもありハッピーエンドでもあるかなと。 因みにこの映画の多分元ネタであるジョージ・オーウェルのディストピア小説『一九八四年』はその人間のイマジネーションすらはく奪する一〇一号室という拷問部屋があるので、その分本作より更に凶悪なディストピア物と言えそうです。
[映画館(字幕)] 7点(2014-11-20 20:04:20)
47.  いつも2人で 《ネタバレ》 
スタンリー・ドーネンとオードリー・ヘプバーンとのコンビと言えば矢張り『シャレード』が一番に思い浮かべますが、本作も同じくお洒落な作品。同じくタイトル・デザインを担当しているモーリス・ビンダーもいい感じです。 倦怠期を迎えた夫婦を描いたストーリーも、私はまだ結婚していないとはいえ、いつかは訪れることだと思いますんで興味深かったですし、また勉強になりましたね。二人の馴れ初めや、妊娠初期のラブラブの状態を非常に嫌味なく撮るので、対比としての現在の二人が観ていて物凄く悲しい気持ちになるのですよね。殆ど文無しで旅をしていた時の方が幸せに見え、豊かになった方が不幸に見えるのも皮肉ですねぇ。しかし、どんなに嫌い合っても積み上げてきた二人の歴史に偽りはなく、最後に元鞘に収まるラストも実にリアルだなと。 いろいろなシーンの一部がそれぞれの時代の映像に繋がるキーになっているのも洒落ているし、映像的にも面白かった。テーマがボサノヴァ調だったり、バラードだったり、各シーンに呼応した作りになっているヘンリー・マンシーニのスコアも魅力的です。 個人的にですがオードーリー・ヘプバーンはこの作品でブレイクスルーしたと思います。『シャレード』の時も夫人を演じながらどこか少女的なものを感じてしまったのですが、本作はその少女的な時代と中年になってしまった時代を対比しているので、後者において彼女の少女的な印象は殆ど感じませんでした。大人の女を演じるオードリー・ヘプバーンも個人的には十二分にアリです。
[映画館(字幕)] 7点(2014-10-20 23:59:51)(良:1票)
48.  グランド・ブダペスト・ホテル 《ネタバレ》 
相変わらずのウェス・アンダーソン。開始10秒で「あ!ウェス・アンダーソンの映画だ!」と思わせる個性は流石です。シンメトリックな画面構成、細かな横パン・クローズアップ・ロングショット、豊かな色彩感覚、何ともシュールな登場人物たち、また今回はスラップ・スティック・コメディであるのでウェス・アンダーソンの気の抜けた様な洒脱なスタイルと相性は良かったと思います。ただ、何時もウェス・アンダーソンの映画で思うことですが、あれだけ多くの登場人物に有名俳優をキャスティングする意味があるのかと考えると正直疑問です。今回もレイフ・ファインズ、ウィレム・デフォーはいいなぁ~と思ったのですが、他は別段記憶に残らない演技でした。というか演技力を存分に発揮するだけの時間が明らかに無い人が一杯いる。でもやっぱり映画を観ている方は「ジュード・ロウだ!エイドリアン・ブロディだ!オーウェン・ウィルソンだ!ビル・マーレイもいる~」とか思う場合もある訳ですよね。そこであれだけ出番が少ないと正直拍子抜けいうか、勿体ないなーという気持ちが強いです。ウェス・アンダーソン映画の常連だからと言えばそれまでなんですけど、なんでこれだけ豪華キャストに拘るのか謎です。
[映画館(字幕)] 7点(2014-06-08 23:48:53)
49.  ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う! 《ネタバレ》 
面白いんだけど、後味の悪いコメディ。この後味の悪さは恐らく意図的なものなのだと思います。なので脚本が良く出来ている為に観客が観た後も少し困ってしまうわけですが、それを面白いと取るか、消化不良と取るかは人それぞれ。普通のコメディでは中々御目にかかれない展開は一見の価値ありです。 ストーリーですが、これが曲者で、楽しかった過去と辛い現在の価値観がコロコロ変わるのでとても感情を振り回されます。そこがこの映画の脚本の妙であるとは思うのですが。 この映画は簡単に言えば、エドガー・ライトが過去作で描いてきた幾つかの作品と同じく「子ども時代と決別する話」です。主人公のゲイリー・キングは40歳になっても昔と同じ黒いロングコートを着ていて明らかに過去の栄光に縛られている正直言ってかなりイタい男です。後半になると『地球の静止する日』や『ボディ・スナッチャー』にオマージュを捧げているのであろう、地球より高度な知能を持った異星人による地球への介在という話に展開していきますが、『ボディ・スナッチャー』と同じく異星人は主人公を誘惑します。つまり老いも無く自分の都合の良い(最高にイケてた時の)自分でい続ける世界です。主人公はそれを跳ね除け辛い現実を選びますが、ここで観客は異星人に「人間様は指図されるのが大っ嫌いなんだよー!」と言う主人公についガッツポーズしたくなると思います。そこからがこの映画の意地の悪い所で結果として世界は荒廃してしまう。しかも主人公は昔の自分と同じイタい格好で救世主の演じている。過去の自分と決別した筈なのに同じ様な行為に走っている。つまりそこで過去をまた美として描くから混乱してしまう訳ですね。但しラストの主人公は水を頼んでいることでも分かるとおり断酒しており、荒廃した世界で自分の居場所を手に入れた訳ですから過去と決別しながら自分の夢を実現した男ということです。つまり立派なハッピーエンドですね。やっぱり意地は悪いけど。 ただもう少しスティーブンとサムの関係は描いていた方が良かったと思うし、ゲイリーとアンディの土壇場の友情も伏線も張っていたとは言え唐突な印象が強いです。また人間の感情を奪うことを目的としてる高次な存在の異星人が人間に対して感情的になるというSFとしてはお粗末な脚本の粗もあります(ギャグとして撮ったのでしょうが)。
[映画館(字幕)] 7点(2014-05-25 20:47:44)
50.  アクト・オブ・キリング 《ネタバレ》 
私は予告編を観た時のこの映画の印象は次の様なものでした、「かつて行った虐殺行為を嬉々として喋る殺人者を捉えたドキュメント」。実際に前半まではそういう内容が描かれます。序盤に店の屋上で自分が如何にして共産主義者(と断定した人間)を拷問し、殺害したかをアンワルが楽しげにカメラの前で演じてみせる様には大多数の人が嫌悪感しか抱かないでしょう。ここまでは私は「コイツ完全にイカれてるな」と思って観てました。 しかし中盤から段々と雰囲気が変わってくる。一つは自らをプレマン(自由人)と称する彼らが単なる「汚物は消毒だー!」とか言うような馬鹿ではなく、普通に知識を持ち合わせている点。監督が車内で一人のプレマンに「あなた達の行為はジュネーヴ条約に違反してますよね。ハーグから裁判に呼ばれるのが怖くないんですか?」と疑問を投げる。それに対して「アメリカのグアンタナモでの拷問はどうなんだ?俺達の行為を責めるなら"カインとアベル"からやり直せ」と答える。実際にアメリカはローマ規定に批准しておらず国際的な問題となっていますが、監督の質問にこんな返答をする彼は完全に国際法を把握している。単なる無知の暴徒ではない。因みに一応確認してみるとインドネシアも未だ批准していません。 極めつけがラストで、アンワルが自分が行った殺害行為を被害者視点から体験することで、屋上で強烈な嘔吐感に襲われる場面です。彼はイカれた人間ではない。自らが殺した人間の悪夢に苛まれ、自らの行為に対し遂に後悔しているとまで言ってしまう。 逆説的に言うと、そんなある意味普通の感性を持っている人間が1000人を殺害する行為に及んでしまった。その事実に心底戦慄を覚えました。私も含めアンワルみたいな人間と自分は決定的に違うと思ってしまう人は多いと推察しますが、決して他人事ではないのだと思います。但し、正直な映画として面白かったか、また観てみたい映画だったか、革新的な映像があったか、と言うと正直なところ否ですので、諸手を挙げて大絶賛は出来ませんが。
[映画館(字幕)] 7点(2014-05-12 22:09:08)
51.  キック・アス ジャスティス・フォーエバー 《ネタバレ》 
傑作映画の続編としては十分な水準に達していると思いました。本作はキック・アスとヒット・ガールのダブル主人公モノと見なすことが出来ると思いますが、二人の心情の変化を父親の喪失という事態を通して描く展開も上手く成功していると思います。特に失意に沈むキック・アスにヒット・ガールが「私達は悲しみを正義に変えるの。それがヒーローなのよ」という台詞は、一度同じ境遇に陥ったミンディだからこそ説得力のあるものとなってました。作品のテーマ自体は前作と同様「ヒーローって客観的に見ればキ○ガイだよね!でも尊いよね!!」というものですが、そこをまた変に捻ると"キック・アス"では無くなってしまうと思いますので、ラストのデイヴの台詞も含めて良い締め方だったと思います。 まあ問題は監督の変更に起因しているであろう演出の違いでしょうか。本作のアクションを見ると、自然と前作の監督であるマシュー・ヴォーンのアクション演出の素晴らしさを再確認してしまう様でした。例えば、拉致られたデイヴを乗せるバンの天井でアクションするヒット・ガールは、見た目は喪服姿&拳銃&「おしゃぶり野郎(Cock sucker)!」という台詞でビシッと決まっているのに、いざアクションとなると、天井にゴロゴロ転がったり、合成だろうと思われる動きだったりと、車の上で闘っているという臨場感というか緊張感が余り感じられませんでした。 それから個人的に物凄く残念な気分になったのはショボいCGです。どの部分かというとゲロゲリ棒でミンディがヤな女に復讐するシーン。私は下ネタは大好きですが、露悪的にするならするでトコトンやってほしいんです。そこでああいう偽物のゲロ&大便を見せられても単に萎えるだけというか……。AVで擬似精子のブッカケを見せられている様な気分でした(違うか?)。そんなことする位ならカメラに実物は映さず音だけ聞かせて、実物は観客に想像してもらう方がスマートってモンではないでしょうか。 あと嫌な気分になったどころか許せないのが、デイヴの友人で敵の組織に情報を売っちゃうアス・キッカー。結局、デイヴのお父さんが嬲り殺しにされたのは結果論であろうと彼のせいですよね?なぜ彼が「奴らがそこまでやるとは思わなかったんだ!」とか悔やむシーンか、デイヴに一言でもいいから許しを請うシーンを入れなかったのか。
[映画館(字幕)] 7点(2014-03-21 18:24:45)
52.  悦楽共犯者 《ネタバレ》 
ヤン・シュヴァンクマイエルの短編は難解なものが多いですが、長編は思いの外に理解し易い作品が多い気がします。この作品もそうで、簡単に言っちゃうと「みんなそれぞれが変態的趣向を持ってるんだよ!それは運命的なモノで逃れられないんだよ!」ってことですね。実にヤン的世界にピッタリの主題だったと思います。 「結局こいつ等一体何の倒錯者なんだ?」という興味に惹かれて最後まで一気に観てしまう不思議な映画です。
[映画館(字幕)] 7点(2013-12-30 16:01:08)
53.  ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式 《ネタバレ》 
名バイプレイヤーを集めて作られた感じの悲喜劇。特にアラン・テュディックの芸達者振りは見事で、ヤクでキメキメ状態になった演技には大いに笑わせて頂きました。アメリカの良くあるお下劣コメディと異なり、劇中では誰ひとり死なず、態々見せる必要のない下品なシーンも見せない点に好感が持てます。昨今のアメリカのコメディなら件の写真なぞ間違いなく大写しにしてしまうでしょう。一応葬儀という舞台にあった上品(?)な作りでした。 但し、登場人物が多く一人一人の葛藤などは特に掘り下げられないので、「主人公が挫折から立ち直り成長する」そういうアメリカの伝統的な物語を求めている人にはややモヤっとくる話かも知れませんが。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-16 16:13:08)
54.  ワールド・ウォー Z 《ネタバレ》 
まず良くこんな原作を映画化したもんだと感心しました。原作は作者が「かつてこんなゾンビ大戦があったんだよ」っていう形式でズラズラと当時者のインタビューが載っているだけの本なので、これを映画向けに脚本を完成させたことには驚きました。しかし原作の一番面白い所である、「現実にゾンビが発生したら世界はどう対処するか?」という部分は消えてしまっていたように思います。個人的にソダーバーグ監督の『コンテイジョン』の様な完全リアル路線のパンデミック物を期待していたので少し残念でした。 本作は光と影のコントラストが上手い作品だったと思います。明らかに意図的に逆光にしているシーンが多くて、それは"平穏に忍び寄る絶望"、逆に"絶望の中で微かに見える希望"の両面を表現していたのかなと思います。ゾンビ映画の伝統といえば容赦の無いバッドエンドだと思いますが、それに対して本作は最後に希望を見出して人類は生き残っていくラストとなっており、従来のゾンビ物から脱却しているのも面白いなと思いました。 しかし最も残念だったのがファミリー映画としての体裁を保つためでしょうが、血が全く映らないことです。最後に希望を見せて終わる映画でもいいのですが、それなら劇中で凄惨な描写がないと私は納得できません。この映画は汚い部分はほぼ完全にオミットされているので、ラストのブラピの独白も綺麗事の様に聞こえてしまいました。 あと流石にペプシの宣伝が露骨過ぎないか?なにゾンビに向かって呑気に一杯遣ってるんだよ!CMか!
[映画館(字幕)] 7点(2013-08-18 19:39:20)
55.  月に囚われた男 《ネタバレ》 
題名から月面採掘作業の単調さに段々と狂っていく様なサスペンス映画なのかなーと思っていたのですが、予想外に切ない展開に驚きました。またそういう展開に弱いので単純に嬉しかった。終盤、二人のサム・ベルが採掘車に乗って奥さんとの馴れ初めを嬉しそうに話し合うシーンは、その時には二人とも自分がクローンで奥さんとの記憶もインプラントされたものでしかなく、しかも地球で待っていると思っていた奥さんも既に死んでいるのを知っていることもあり、ついつい感涙してしまいました。 ラストに後日談など描かずにニュースのナレーションだけでその後の顛末を説明するのもスマートでとっても良かった。 あと月面の寒々とした映像が凄かったですね。恐らくミニチュアで撮ったのでしょうが、非常に良く出来ていたと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2013-06-04 00:25:36)(良:2票)
56.  スターリン主義の死 《ネタバレ》 
労働者を単一な物として扱っていた社会主義への痛烈な批判。J・シュヴァンクマイエルにしては非常に分かり易く作られている反共作品。というより彼が作っているから反体制作品って言った方がイイかも。労働者をパペットで表現するってのは良くある表現ですけど、その泥人形が粛清されてドロドロの土に戻るまでをベルトコンベアと共に表現しているのが恐ろしい。泥人形一つ一つにまるで個性が無いのも怖いですね。
[DVD(字幕)] 7点(2013-02-03 20:46:49)
57.  ブリジット・ジョーンズの日記 《ネタバレ》 
女性をターゲットに作られているのに主人公が不細工という珍しいタイプのロマコメ。女性向けに作られていることもあり、結構女性のデリケートな部分まで描いている点が面白かったです。また個性派&実力派俳優を揃えている点もグッド。レニー・ゼルヴィガーの不細工な顔・仕草を強調した演技や、ヒュー・グラントのクズ野郎演技は一見の価値あり。爆笑でした。
[DVD(字幕)] 7点(2013-01-22 22:34:47)
58.  ヘル・レイザー 《ネタバレ》 
近年のホラー映画としてはもう古典に位置する作品なので、勉強のつもりで鑑賞。 苦痛の中に究極の快楽がある。それを投影するようなグロテスクなクリーチャーの合間に挟まれる美しい画面構成・ライティングに目を奪われます。単純に人を怪物が殺して回るホラー映画とは違い、究極の快楽のために全てを犠牲にする価値があるか?という非常に普遍的なストーリーとなっている点にも驚きました。また各所で言及されていることですが、三浦建太郎先生による傑作漫画『ベルセルク』に多大な影響を与えているであろうことからも、大変偉大な作品だと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2013-01-12 07:12:38)
59.  危険なメソッド 《ネタバレ》 
三角関係が面白い。しかも三角関係が心理医療の医師と患者の関係を基にして進んでいくのが面白かったです。父親に打たれた記憶に興奮するザビーナに、ユングが既に妻がいる身なのにズブズブと溺れていく展開には「わー、やっちゃった!」って昼ドラの濡れ場見ている感じで笑っちゃいました、内容はものすごいお堅い心理学の権威2人の話なのにね。「どんなに偉い学者さんでも上っ面剥がせばこんなもんだよ」とクローネンバーグがほくそ笑んでいるのが目に浮かびます。そういう意味では劇中でユングを誘惑していくオットー・グロスは所謂単なるメフィストフェレスでありながら、徹底的にユングを客観視するクローネンバーグ自身ではないかとも思いました。 ただクローネンバーグは今までの映画ですとエログロを丹念に描いていたのに、今回の描写はやけにあっさりしていて少し物足りなかったです。患者に激しく打ってとせがまれていく医者なんて変態的な話はクローネンバーグにピッタリ(?)の筈なのに、ちょっとお尻をペチペチとスパンキングするだけってどーなのよ?もっと扇情的で変態的な映画が観たかったなあ、俺だけか。 役者の演技はヴィゴ・モーテンセンとキーラ・ナイトレイの二人が頭一つ抜けている感じ。特にキーラ・ナイトレイの序盤の馬面演技には笑っちゃいけないのですけど、これ笑いますよ!それから痙攣の仕草は物凄くリアルで、痙攣演技でこれだけ驚いたのは「レナードの朝」のロバート・デ・ニーロ以来です。今後の女優人生のステップとなるのか落とし穴になるのかは分かりませんがとにかく凄かった。
[映画館(字幕)] 7点(2012-11-11 22:47:22)
60.  希望の国 《ネタバレ》 
観た感想を率直に言うと、今観れて良かったです。劇中では何度かこんな言葉が繰り返されます。ニュース番組のキャスターは「大変な時こそ大きく騒がないで大きく構えていきましょう」、お笑い芸人は「こんな大変なことは置いといて僕らはお客さんを笑わせますよ」とか。人間は嫌なことや辛いことを忘れる能力が備わっている生き物です。大抵の人がご自身で被災されたり肉親を震災で亡くさせたりしなければ夜に悪夢で飛び起きたりすることは無いでしょう(テレビじゃ一応今でも日本中の人に傷跡がとか言うけど)。誰だって震災から1年半以上も経つと目の前の仕事とか生活とかの方が身近な問題になってしまう。今じゃニュースも新聞も被災地の状況より原発の再稼働の是非の方をよっぽど大きく報道するようになっている。 その1年前の出来事が段々過去になりつつある今、福島以外の原発が爆発してしまったら、というifを描いたのが本作です。この前、園監督の自伝を拝読したのですが、監督は前々作の「ヒミズ」で福島の被災風景をスクリーンに写したことでかなり非難の声を浴びたそうです。無神経であると。しかし福島の方には、よくぞ撮ってくれた、忘れ去られずに済んで良かったと感謝されたそうです。本作はその「ヒミズ」の被災風景のみで構成された映画と言えると私は思いました。つまりあの震災当時あったことそのものを今描こうと。皆は過去の出来事にしようとしているが、今一度思い出してみようと。私は本作を観て自分が震災を忘れようとしていることを自覚できましたし、そんな自分を仕方ないと許すと同時に恥じました。本当に今この映画を劇場で観れて良かった。 ただ映画としてどうかというと手放しで喜べないシーンも多いと思います。一番ガックシ来たのは、痴呆症で勝手に避難指定区域に入ってしまった大谷直子を何の理由も無しに夏八木勲が見つけてしまうこと。折角結婚指輪の話も入れているのだから、かつて思い出の場所だったから分かったとか何か一つ理由が欲しかった。ピアノがポーーンと一音だけなる音楽が繰り返されるのもそれを聞くだけで映画のテンポが死んでしまっている様に感じてしまい残念。マーラーの荘厳な音楽も繰り返されるとちょっとキツい。 ただし役者さんの演技は抜群に良い。特に夏八木勲と大谷直子の老夫婦はどう見ても長年本当に連れ添った夫婦にしか見えず、最後のキスシーンには非常に感動させられました。
[映画館(邦画)] 7点(2012-10-31 22:29:02)(良:2票)
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