321. スリーデイズ
試行錯誤の末決行した脱獄の成否、妻が罪を犯したか否か。相乗効果で見応えのある作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-19 22:03:30) |
322. サラの鍵
《ネタバレ》 フランスにおいて実際に起こった悲劇を初めて知りました。子供を引き剥がされるシーンの何と酷い事か。数多のナチス絡みの作品に見られる、世情はどうあれ良心を捨てない人が本作にも登場し、彼等のお蔭で生き延びたサラが鍵を開けるに至る展開は手に汗握るもので、彼女の澄んだ瞳に焼き付けられた数々の光景を思うと胸が詰まります。しかし、そこから先が退屈で退屈で。 産む、産まないの葛藤から始まり娘にサラと名付けるとは、あまりのあざとさに白け返りました。サラが存命してても同様に思うのではないでしょうか。観終わった後の興醒め感が残念な作品。 [DVD(字幕)] 5点(2012-10-03 00:41:02) |
323. 隠された記憶
40年も前の幼少時の行為を悔いながらも「悪い事をしてしまった」の一言が言えないジョルジュの民族的な感情や疚しさを浮き彫りにさせるマジッドの息子が何とも不気味でした。唐突な感がするエンドロールを眺めながら、「二人は何時の時点で知り合ったのだろうか?」「彼の復讐は終わったのか、これからなのか?」とあれやこれや考えさせられました。観る者を画面に引きずり込むかのような強烈な2つの血のシーンに仰天。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-22 01:34:16) |
324. 息子の部屋
《ネタバレ》 喪失感に苛まれる父が精神分析医である事に、心の拠り所について考えさせられた部分に加点します。息子の価値観が最後まで不明で、遺族の悲しみが深く染み入らずもどかしい思いがしたところが減点です。 [DVD(字幕)] 5点(2012-09-12 19:21:09) |
325. 遠すぎた橋
《ネタバレ》 題名のみ知っていた本作。オープニングに流れるキャストの余りの豪華さに目がテンになるも、その弊害なのか余りに長尺で全容がつかめない展開にグッタリ。総司令官が、兵士とオランダ民間人の物凄い数の血みどろの屍を生み出した果ての不首尾を「モンティは満足しておられた」「作戦は90パーセント成功だった」「あの橋はちょっと遠すぎたかな」と澄ましているのに、言いようのない怒りと虚しさでいっぱいに。無能な責任者の罪深さが浮き彫りにされていた事にプラス3点。 [DVD(字幕)] 6点(2012-07-13 20:19:35) |
326. Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!
昔毎度大笑いしていたビーン、映画にするとこんな事になるとは、身の丈を逸脱してはいけないという事のようです。顔芸のみでは面白みは皆無。デフォー監督作を鑑賞している観客と同じ状態に。私の期待は、列車に投げつけられた花瓶のように砕け散りました。心底ガックリ。 [DVD(字幕)] 2点(2012-06-23 09:00:44) |
327. ジャッカル
車の塗装、試射のカボチャ、電話の盗聴シーンに「ジャッカルの日」が思い浮かびました。本サイトで名作のリメイクと知り唖然茫然としているところです。これでリメイクを名乗るなどド厚かましいにも程があります。しかし(知らずに)、別物として観た感想はそこそこ楽しめました。ギア、ウイルスと苦手な二人も嫌悪感が少なく、シドニー・ポワチエ、ダイアン・ヴェノーラがいい味を出していました。大統領夫人襲撃からはグダグダな展開で一流の暗殺者のカケラもない姿はお粗末ですが、B級アクションものとして良しとします。 [DVD(字幕)] 5点(2012-05-27 18:33:33) |
328. パリ空港の人々
抜け出したくとも抜け出せない。さりとて抜け出す事に腰が引ける。如何ともし難い胸中が透けて見える大晦日の面々の様子に胸が痛くなります。ラスト、抜け出して、暮らしの保障が何もない明日へ歩いて行く二人の背中にエールを送ります。 [DVD(字幕)] 6点(2012-05-26 16:32:21) |
329. ル・アーヴルの靴みがき
《ネタバレ》 密入国者の少年を助けようと奮闘するマルセル。考えると義は密告者にあるのですが、奥さん、ベトナム人、パン屋さん、八百屋さん、パブの主人、犬のライカといった損得抜きの思いやりに満ちた面々との関わり合いを見ると、密告者の何とも寂しい姿が強烈な印象を残します。警視の胸中にも同じような寂しさがあったのかと想像します。結末はお伽噺のようでした。毎年季節が来れば桜は咲き、毎年二人で眺めるのでしょう。心地良いラストショットです。 [映画館(字幕)] 7点(2012-05-13 23:03:09) |
330. 幾つもの頭を持つ男
初見。リアルタイムで観られた方はさぞや驚いた事でしょう。他愛の無い映像に不快さはないものの面白味もありません。『っていうか映画っていいたくない作品』に抵触しますが、先人のチャレンジ精神に加点致します。 [インターネット(字幕)] 3点(2012-04-14 13:19:09) |
331. ひまわり(1970)
初見。女々しいアントニオと獰猛なジョバンニの悲恋を突き放した目で見てしまいますが、そんな彼女をもってしても堪えきれずに嗚咽してしまう姿はやはり切ないです。愛する者との再会叶わず力尽きた人々の魂の化身となったひまわりで覆い尽くされた光景に戦争の無情さを痛感します。当時困難を排してロケを敢行された事に千金の重みを感じます。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-08 10:17:12)(良:1票) |
332. シベールの日曜日
《ネタバレ》 心の病に苦しみ壊れそうなピエールの言動並びに彼を惑わせ遂には壊してしまったシベールの言動に、「純真」の思慮も思いやりも足りない残酷な一面を見せつけられました。シベールがスラスラ吐く台詞は12歳のものではないのですが、12歳相応に言葉の重みは何もありません。全編を通して上滑りした言葉を聞かされて退屈と怒りで苦痛のひとときでありました。マドレーヌの存在感が中途半端であったのも退屈さの一因でした。 [映画館(字幕)] 2点(2012-03-21 20:05:50) |
333. ジョニー・イングリッシュ
いやぁ、もう、声を上げて笑い通しでありました。勘違い→気づく→取り繕う 部下の存在も相まってこのサイクルがサイコー。それにしっかりとしたストーリーがあり、アクションシーンもなかなかなもの。そして嫌味で大層な悪巧みを企むジョン・マルコビッチ演ずる悪役が何ともいえない味わいがありサイコー。これぞコメディと言える快作です。 [DVD(字幕)] 8点(2012-03-11 03:34:05) |
334. ゴーストライター
《ネタバレ》 職分をわきまえない行動はハートを重視する所以か。勝ち目のない組織に対する優男の孤独な戦いを魅せるのはポランスキー監督の十八番。真綿で首を絞めるが如きの全編を覆う不穏な空気を堪能し、マカラのゴーストであってそもそもこの世に存在しなかったゴーストであったのかと思わせる無情なラストに痺れます。加えて「米国以外で引き渡し協定が無いのはイラク・リビア・北朝鮮・・・」との眼差しに御大の健在ぶりを見ました。いただけなかったググるシーンを差し引いても十分満足出来た作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-13 17:50:11) |
335. 灼熱の魂
内戦での憎悪の連鎖が生み出す残虐なシーンが満載。更に、テロ行為の報いであっても、これ以上の出来事はこの世には無いと思うあまりにも残酷な真相に言葉がありません。宗派の対立が端を発しているならば神とは一体何なのかとの思いが募りました。ストーリー展開の巧みさが見事な作品でした。 [映画館(字幕)] 8点(2012-01-18 21:51:44)(良:1票) |
336. 赤い砂漠
病人の独り言をメリハリもなく延々と綴っているだけで退屈で苦痛でした。色がついていようがいまいが私にはカンケイのない事でした。 [DVD(字幕)] 1点(2011-12-28 00:02:32) |
337. 美女と野獣(1946)
有名な童話が、重厚絢爛に、おどろおどろしく、愛憎露わに、表現されています。終始ドキドキ、ハラハラし画面に目が釘付けとなりました。大変豪華な童話でありました。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-21 21:55:57) |
338. 舞踏会の手帖
丁寧に描かれる各人の20年間の生き様。クリスティーヌ16歳の初舞踏会から20年で36歳。まだまだ長い人生をどう過ごすのだろうか、再び20年先に彼らと顔を合わせたらどんな話をするのだろうか。歳を重ねるということに考えが及ぶ作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2011-12-21 21:31:42) |
339. カビリアの夜
オスカーの真意が薄々想像出来たので重苦しい思いで見ていました。幸せなんて望むもんじゃないよ、負け組は死ぬまで負け組なんだよ。不貞腐れる私をラストで黒い涙を流しながらも前を向くカビリアが励ましてくれました。ジュリエッタ・マシーナの魅力満載の作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2011-12-17 16:49:06) |
340. しあわせの雨傘
《ネタバレ》 「飾り壺」と自虐する満ち足りた暮らしをしている社長夫人。何の困難もなく社長になり議員になりメデタシメデタシ。からりとしたコメディタッチのストーリーに目くじらたてることはないのですが、お若い時からやりたい放題なさっているのを見ると白けてしまいます。「終電車」で共演した二人、30年の時を経て、ブクブクに肥えたドパルデューは痛々しく正視に耐えなかったのに対して、まろやかで艶やかなドヌーヴは一見の価値がありました。 [DVD(字幕)] 5点(2011-12-04 17:11:30) |