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FSSさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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21.  スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
子供の頃の記憶の補完をしながらも、自我保全のために、自分の都合のいいように記憶を改竄していく主人公。しかし、精神世界の迷宮に落ち込んでしまった主人公にとっては、もはや何が真実であったのか、永遠に知ることは出来ない。記憶と幻覚、現実と非現実が混沌とし、自我境界を侵食していく展開は、「マルホランド・ドライブ」のように、見る者の精神の安定をも揺さぶる。ただ、いまいち割り切れていないと言うか、作品として中途半端な印象。後半のテンポの良さが前半にも欲しかった。惜しい。
6点(2004-01-11 01:27:17)
22.  ロスト・ハイウェイ 《ネタバレ》 
まさに破綻へと堕ちて行くストーリー展開の酩酊感は独特。倒錯した妄想の世界でありながら、幻想的で陶酔的。「マルホランドドライブ」の原型的作品。個人的にこう言う不可解な雰囲気は大好き。  ただ、さすがに妻殺害後の展開は主人公の「脳内妄想」としか解釈の仕様が無いものであり、まともな説明はほとんど不可能。しかし、そうなると最早どういう演出や展開も許されてしまう訳で、この辺はきちんとした「伏線構築」や「論理的結末」を放り出している手抜きと背中合わせと評されても仕方ないだろう。はっきり言って、単に意味ありげで思わせぶりな演出をしているだけで、最終的にまとめる必要が無いなら自分にも撮れる。  この意味不明な部分も含めて、リンチ作品としての魅力は満載だが、せめて「マルホランドドライブ」くらいには論理的な考察が楽しめる脚本構成にして欲しかった。  序盤のテンポの遅さもマイナス。明らかに無駄に間延びしているシーンが多いので、その辺を編集すれば、あと三十分は短縮できる内容。この手の作品は疑問を持つ暇も無いくらいのテンポが重要。  PS.以前、「タモリ倶楽部」の空耳アワーでやっていた「混じぇて飲んでぇ」の曲がかかったのが笑えた。
[DVD(字幕)] 5点(2005-09-21 19:28:58)(良:2票)
23.  バイオハザードII アポカリプス 《ネタバレ》 
ゲームの映画化としては前作よりも完成度が高い。まったく世界観を崩すことなく丁寧に作られている点は好印象だし(もっとも元のゲーム自体が「ゾンビ映画をゲーム化」したようなものではあるけど)、ゲームのファンとしては嬉しい限り。  ただ、やはり元々のゲーム版もそうだけど、肝心のストーリーのレベルはお世辞にも高いとは言えない。「トゥームレイダー」同様、ゲームの場合は能動的なアクションや謎解きが中心なので、多少のストーリーの粗やご都合主義も気にならないけど、これが映画として受動的なメディアになると、途端に悪い意味でストーリーの単純さや粗さが目立つ。相変わらずアンブレラは単に「謎の巨大企業」としか説明されないし、その研究成果が生物兵器への転用という発想も安っぽい。  全体的には前作よりもスケールは大きくなっているし、ジルや「追跡者」が出てきたりするのもファンとしては嬉しいけど、作品の中での扱いが中途半端で、いまいち活躍の場が無いのが残念。ストーリーも単にゲーム版をなぞっている程度で、逆に今後のゲームのシリーズに影響を与えるような大胆なエピソードや謎が出てこないのもつまらない。  まあ、はっきり言えば、この映画を見るくらいなら、ゲーム版をプレイしていた方がはるかに面白い事は確か。本末転倒。
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-05-16 00:21:07)(良:3票)
24.  フィフス・エレメント
まあ、確かに「良い映画」ではない。陳腐な世界観、科学的考証無視のSF要素、幼稚なストーリー、狙いすぎてハズしまくっているギャグ、テンポの悪い展開etc.etc。生真面目に見ていると褒めるところは見当たらない。  でも、不思議とあまり悪い印象を感じない。何の偶然か必然かは分からないが、たまに理屈を抜きにして、その世界の「空気感」のようなものを感じる作品があるが、まさにそういうタイプ(?)の映画。  PS.人類の存亡よりも、クリス・タッカーの目玉が飛び出さないか心配しつつ見ていた。
5点(2004-11-12 21:12:51)(笑:1票)
25.  死刑台のエレベーター(1958) 《ネタバレ》 
古典的名作群に対する敬意は払うとしても、やはりミステリーやサスペンスといったジャンルは、マジック(手品)やTVゲームと同じで、アイデアと技術に支えられている部分が大きいので、ごく一部の例外を除き、どうしても古典よりは、色々な技術革新による表現の多様化、過去のアイデアの改案と取捨選択などを経て作られた新しい作品の方がより面白いと言わざるを得ない。  特に今作は「現実の皮肉」というテーマを描くために、ミステリーやサスペンスとしてのリアリティを犠牲にしているような、粗いご都合主義が目につく。完全犯罪を目指している割には、ロープを忘れていったり、硝煙反応を無視していたりと、思いっきり致命的なミスを連発。その上、犯行時刻の前後に、人目につく行きつけのカフェで、真っ昼間に不倫相手と待ち合わせをするなど、ちょっとあり得ないようなマヌケな行動の数々に、序盤から呆れてしまう。  また、車を盗んだあげく、人殺しまでしてしまうアホカップルなど、起こる事件のすべてが「トラブルのためのトラブル」でしかなく、そこが製作者の狙いだと分かっていても、そのあまりに無理のある行動の数々に最後まで感情移入できず終い。  些細な偶然の積み重ねが現実というものを作り上げ、それゆえ現実は脆いのだとするテーマは分かるものの、こうした登場人物全員のやる事のアホさ加減に、その説得力も薄れ気味。
[ビデオ(字幕)] 5点(2004-11-09 17:15:05)
26.  薔薇の名前 《ネタバレ》 
舞台となる石造りの修道院の寒々しい景観といい、当時のキリスト教の閉鎖性や堕落を象徴するかのような入り組んだ暗闇の迷宮といい、その雰囲気は最高。多分、一部の撮影以外は本物の修道院を借りているのだろうが、海外はこういうロケーションに不自由しないから羨ましい。  ただミステリーとして見ると、特にこれと言って特筆するようなトリックも謎解きも出てこないので、いまいち物足りない。実際、事件の真相もありがちで特に意外性のあるものではない(この手の「宗教がらみ」のミステリーって、たいていは動機も「異教がらみ」というオチが多い)。  また、この作品におけるテーマの描き方も中途半端。理性と論理的判断によって導かれる「真実」と「合理主義」に従う事を至上としながら、自己保身のためにその信念に背を向け、無実の人間を死に追いやった過去に悩むウィリアム。その忌むべき過去を引きずりながら、そして今また理想と現実を秤にかけなくてはならない事件に直面する。  しかし残念ながら、ストーリー展開にご都合主義的な部分が多く、「苦悩すべき選択や葛藤」にほとんど直面しないまま話が進んでしまう。そして事件は少年が始めて経験した女性関係ともうまく絡む事もなく、何となく成り行きで問題解決してしまい、この事件が二人にとっての「真の成長」や「過去からの脱却」をもたらす結果にはなり得ていない。その辺の中途半端さが残念。  PS.少年の名前「アドソ」が、変にネット慣れしてくると、「名探偵コナソ」とか「ドラゴソボーノレ」のような意図的な誤表記かと思ってしまう。そんな刷り込みが出来てしまった自分がイヤ。
[ビデオ(字幕)] 5点(2004-06-01 15:48:42)(良:1票)
27.  ルパン 《ネタバレ》 
まあ客観的な視点で評価すれば、3点以下をつける程の駄作ではないが、原作云々以前の問題として、娯楽映画としてかなり「中途半端」な作品である事は間違い無い。  もともと原作自体をほとんど読んだ事が無く、個人的にルパンと言えば、もはや「ルパン三世」にしか馴染みが無い事もあるが、リメイクとは言え、このミステリーとしても、冒険アクションとしても、伝奇ロマンとしても中途半端な脚本構成には失望させられた。  まず飄々とした顔立ちのルパン本人に魅力が無いのが致命的。外見的にはむしろ「ルパン三世」に影響を受けている感じだが、やってる事が大雑把で知性を感じず、とても稀代の天才大泥棒には見えない。  父ルパンも最終的に何をやりたかったのか分からないし、カリオストロ伯爵夫人も悪くはないが、「魔性キャラ」と言うには、「ちょっと怪しいオバさん」程度で、やはり中途半端。どうせ娯楽作品なんだから、「本当に魔術を使っている魔女」というキャラで押した方が良い。  原作が古典という事もあるが、こうした中途半端さは、やはり実写としてあまり突拍子も無い事をさせられないという制約があるからだと思われる。  あのいかにも「売れたら続編を作りますよ」的なラストもすっきりせず、消化不良感を残されただけ。  二時間以上もかけてやっている割には、全体的にダラダラし過ぎで、色々と詰め込みすぎた弊害が出ている。結局、脚本構成がヘタという事。もっとテンポの良さで飽きさせないように気を使わないと。「ルパン」の魅力の何を見せたいのかというテーマを決めて徹底した方が良かった。
[DVD(字幕)] 4点(2006-11-24 23:09:14)
28.  フラッド 《ネタバレ》 
「面白いか」「つまらないか」で言えば、間違い無くつまらない作品。  単にボートに乗ってドンパチやってるだけで、せっかくの「洪水」という設定をほとんど活かせていないのが致命的。中盤、保安官が悪役に転職すること以外、ストーリー展開にも意外性や起伏が無い。撮影するのは大変だったろうけど、二時間近くもやるには、これではさすがに内容が薄すぎる。  また、アクション演出にしても、よくあるご都合主義の連続で途中で飽き飽きしてくる(ギリギリで助かるに決まっている牢や手摺での時間稼ぎシーンや、殺せる時に殺さないせいで何度も窮地に立たされる主人公たちにウンザリし、そして当たり前のように主人公たちには弾丸が当たらない緊張感ゼロの銃撃戦にウンザリetc.etc)。  案の定、悪役に徹しきれないモーガンフリーマンのキャラも中途半端だし、そもそもミスキャスト。肝心の主人公とヒロインに至っては、見終わった後に彼らがどんな顔だったすら思い出せないくらい印象が無い。おまけに敵キャラもチンケな小物揃いで、悪役としての魅力が無いから、作品として引っ張っているものが「洪水」以外に何も無いという有様。  洪水という舞台設定の手間の割りに、作品の面白さとして還元されていないのが痛い。その手間に免じて+1点しときましょか。
[地上波(吹替)] 4点(2006-11-02 23:06:09)
29.  ブラック・ドッグ 《ネタバレ》 
いかにもアメリカ映画っぽい大味な脚本で、突っ込みどころやご都合主義は多いけど、あまり気にならないのは不思議。  悪役以外、登場キャラも全員憎めないし、基本的にハッピーエンドだから気持ち良く見終われる。  ただ、ラストでレッドが早速脱走してくるというプチどんでん返しは完全に蛇足。どうやって逃げてきたんだ。と言うか逃がすなよw。  それとタイトルの「ブラックドッグ」が内容とほとんど無関係というのもお粗末。ストーリーの重要なポイントに絡ませる事は出来たはずだから、その辺に拘らない(拘れない?)監督のセンスの無さが、この作品全体を安っぽくしている要因かと思う。  まあ、さすがに二度は見れないけど、何とか暇つぶし程度にはなるレベル。
[地上波(吹替)] 4点(2006-08-29 16:59:07)
30.  ナインスゲート 《ネタバレ》 
「中途半端」。この一語に尽きる。  ホラーとしてもサスペンスとしてもどっちつかずだし、悪魔の書を巡る「オカルト風味の謎」も、「金田一少年の事件簿」や「名探偵コナン」にでも出てきそうな程度もので、ミステリーの謎解きとしてもありがちで低レベルなもの。  怪しげな「組織」や「陰謀」がらみと言うほど大げさでもなく、結局は金持ちの個人収集家同士の本の奪い合いでしかない。  それでいて「悪魔の書」に魅入られていく「人間の愚かしさや恐ろしさ」にも焦点が当たっていない。とにかく、その辺の突っ込みが甘い。  また、他の人の指摘にもあるように、単に調査するだけの立場だったコルソが、自分の命の危険も顧みずに、調査を続行しても利益が無い「悪魔の書」の謎解きに懸命になっていくプロセスに、納得できる動機が感じられなかった。  すべてが嘘ではなく、真実も隠されているという終わり方や、謎の女の正体をはっきりさせないのも、「見ている者に解釈を任せる」と言うと聞こえは良いが、結局、きちんと結末を描かないで済ませようという安易さが見える。  おまけに、お粗末なワイヤーアクションのおかげで、せっかくの作品の重厚な雰囲気も非常に安っぽいものになってしまっている。  ミステリーとして悪魔の書を巡る「人間の思惑が絡んだ謎解き」に特化するか、それが出来ないなら、ホラーとして「不可知的な存在が絡んだ恐怖演出」を徹底するべき。
[ビデオ(字幕)] 4点(2005-09-07 21:07:56)
31.  奇人たちの晩餐会 《ネタバレ》 
これはコメディと言うよりはドラマでしょ。タイトルやパッケージの説明から、「ピンクフラミンゴ」並みの、奇人・変人たちの凄まじい饗(狂)宴かと思い、相当に覚悟を決めて見始めたが(笑)、実際は非常に行儀が良く、まるで大人しい優等生的な作品だったのには、さすがにちょっと拍子抜けした。  「バカをバカにするつもりが、その行いの不道徳さゆえに、自分自身が人生のバカを見る」という、よくある含蓄を含んだ因果応報ドラマであり、笑いによって人生哲学を鮮明化させるというのも分かりやすい。  そういう観点でなら別に悪い作品ではないけど、コメディとして見ると、笑いの部分に斬新な要素はまったく見当たらず、「ボケとツッコミ」という基本中の基本に則ったオーソドックスなもの。  それにこの手の「バカがボケて場を混乱させる」というタイプの笑いは、それこそ欧米以上に「お笑い先進国」である日本も昔からやってきた事だしねえ…。笑い慣れしている人にとってはあまりにも笑いの作り方が普遍的すぎて物足りないでしょ。  コメディを媒体に、人間ドラマを際立たせるという点では良質な脚本ではあるけれど、「ボケとツッコミ」というお笑いの基本部分は前時代的でベタベタだし、フランス風味のジョークなど、日本人の感覚として受け付けない部分も多い。   ちょっと評価され過ぎじゃないかと思うので、この辺の点で。
[ビデオ(字幕)] 4点(2005-06-04 19:20:25)(良:1票)
32.  ジャッカル
何ともオーソドックスと言うか、古臭いシナリオ。全体的にまとまってはいるけれど、これではあまりにも普通過ぎる。もう少し、独自の工夫やアイデアを入れる心意気が欲しい。  リチャード・ギアも好きな人には申し訳ないけど、今作に関して言えば、何とも存在感が希薄で、まったく魅力が無い。キャラとしても中途半端。  ブルース・ウィルスも、演技自体は悪くないものの、あえて彼を「非情の殺し屋」にキャスティングする意図が不明。他に適役はいくらでもいるだろうに。  いかにも豪華キャストで客を呼ぼうと言う志の低さが見て取れる。  
4点(2005-03-02 16:06:57)
33.  氷の微笑
ウソSEXの中途半端なエロシーンのおかげでテンポが悪くなっている。サスペンス映画としては極めてオーソドックスだが、始めに「シャロン・ストーンの裸体ありき」で作られた、志の低さが作品としての質に現われている。  人物関係の「意外なところで意外な繋がりがある」という要素が弱いため、ストーリー展開やオチの意外性に欠けている。また、最後まで真犯人と動機をはっきりさせないというのも、単に脚本の粗を目立たせないようにするためで、見る側が色々な解釈を楽しむことが出来る程、練り込みがされているようなレベルの作品でもない。 
4点(2004-09-19 21:24:36)
34.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 
確かに微妙な作品です。夢オチ自体は別にキライではないんですけど、問題は「夢オチにするだけの必然性」があるかどうかですね。でなければ、それは単に「意外性」のためだけの方法論でしかないからです。  しかも全体の脚本管理が雑で、見ていて展開が分かりにくく、監督の自己満足が優先されているような作りには疑問が残ります。最初のルパン三世ばりの泥棒シーンに二十分近く費やしていたり、パパラッチとのやり取り等、いちいち各シーンが長いので、全体的に冗長な印象を与えます。  
4点(2004-07-31 14:33:34)(良:1票)
35.  WATARIDORI
本当に一緒に飛んで撮影しているというのが凄い。その美しい映像と飛翔感を味わうためなら、一見の価値がある。  たださすがに、ひたすら鳥が飛んでいるか、休憩しているだけの内容は、映画と言うより、完全に環境ビデオ。最初は見ていられるが、10分も見てると飽きてくるというのが偽らざる正直な気持ち。途中で何度もうとうとする事があったが、画面内の変化は飛んでいる鳥のみ(w。  また、ドキュメンタリーとして見ると、人間による自然破壊や環境問題という、安直な文明批判が根底にあり、素直な感動を妨げられる。ああいう押し付けがましい主張は不必要。
[ビデオ(字幕)] 4点(2004-02-06 15:33:04)
36.  スズメバチ 《ネタバレ》 
駄作というほどではないが、決定的に「何か」が足りない作品。  まず、アクション映画であるためストーリー性が弱く、アクション面を見ても、単に銃撃戦が長々と続くだけなので、最初はハラハラしていても、中盤を待たずに飽きてしまう。作中のテンションとかけ離れて行くので、見ていてシラけてしまうのだ。この「観客」と「作中人物」のテンションをバランス良く維持して行くことが、どんなジャンルにとっても重要なことだと思う。  また「籠城戦」とは言え、宇宙とか地下施設のような本当の閉鎖空間ではないため、イマイチ閉塞感や絶望感に欠けている。密室ならではのドラマが足りない。  カメラワークなどを見ても、これまた凡庸なので、飽きやすさに拍車が掛かる。登場人物もありきたりで没個性的なキャラが多く、見た後に印象に残る人物が少ない。  ラストも意外な終わり方をするわけでもなく、尻つぼみ気味に終了。そもそも重犯罪人を乗せた護送車の所在を見失うという導入からして、リアリティの御し方にセンスが感じられない。  全体的にアクションとしてもサスペンスとしても中途半端。  警備員のおっちゃんのカッコ良さに+1点献上。
[ビデオ(字幕)] 4点(2003-12-06 23:27:19)
37.  REM レム
最近はこういうのが流行りなのかな?解決をはっきりと提示すること無しに、物語全体の解釈を見る者に委ねるというパターンが増えている気がする。それが悪い訳ではないし、嫌いでもないが、問題は「解釈するに足るだけの練り込みがなされているか」である。概して、この手の方法を用いると、中途半端な内容になりがちである(「カル」、「メメント」、「マルホランドドライブ」等)。本格ミステリーほど伏線が巧妙である必要がないので、いかようにも解釈できる余地はあるだろう。しかし逆に言えば、それはまともな物語を構築できない言い訳でしかないようにも思える。「それっぽい雰囲気」や「それっぽい謎」を提出するだけなら誰にでもできる。それを結末でうまく収束させ、どんでん返しとして昇華できるかどうかが腕の見せどころのはずだ。本格ミステリーファンとしては、こういう手法は「逃げ」としか思えない。まさに「ハラハラ、ドキドキする」というだけの、文字通り「サスペンス」でしかない。
4点(2003-11-01 20:02:30)
38.  戦場のピアニスト 《ネタバレ》 
いくらこれが戦争という現実に直面した無力な人間の姿だとは言え、人としてその生き様には何物も学ぶべきところが無い。「生きる事」は、単に「死なない事」とは違うはずだ。人間は生と死に意味を見出そうとするからこそ、本能だけの動物とは決定的に違うのであり、そこに人間としての「尊厳」や「価値」もあるのではないだろうか。 通常の反戦映画とは明らかに違うベクトルから戦時中の事実を描いたものであるとは言え、そこに「生き延びた」という事実以上の教訓を見出すことは難しい。後に何かを成す為に「今を生き延びる」というのは分かる。だが生き延びることよりも価値ある「何か」を見出すことも重要なのではないだろうか。それこそが宗教や道徳では答えの出ない「生きる意味」に通じるのではないだろうか。
[ビデオ(字幕)] 4点(2003-10-17 19:55:18)
39.  ユナイテッド93 《ネタバレ》 
書籍でもインターネットでもテレビニュースでも、いくらでも情報を得る事が出来る、あの前代未聞の歴史的テロ事件に関して、今さら中途半端に脚色された「ドキュメンタリー風味」の映画を見させられなければならないほど、我々はあの事件から何も学んでいないのだろうか?国家と民族のあり方やテロついて何も考えたりしていないのだろうか?  英雄的側面を強調する事で反論を封殺しつつ、何気に政治的プロパガンダに利用する事の方が、亡くなった被害者や遺族の方たちに対して失礼だと思う。 
[DVD(字幕)] 3点(2007-02-27 22:31:31)(良:3票)
40.  オリバー・ツイスト(2005) 《ネタバレ》 
孤児を通して現実の厳しさや人と人との繋がりを描きたかったのかも知れないが、子供を出して苦労させれば感動が生まれると勘違いしているのか、感動させようという気ばかりが先走っていて、肝心の人間が描けていないという本末転倒な作品。  登場人物の心理描写は大雑把で魅力が無く、ストーリー展開は不自然で必然性に欠け、ご都合主義以前。  特にオリバーはいくら子供とは言え、物語の最初から最後まで状況に流されているだけで、自分で何かしようという意思が感じられない。そのあまりの主体性の無さゆえに主人公でありながらストーリー展開にほとんど関与していないという有様(何のためのタイトルなのか?)。そのくせ序盤では親切にしてくれたお婆さんの家を出てまでロンドンに行こうとしたり、どういう性格で、どう演技させたいのか分からないキャラ。  また、昨日今日会ったばかりのオリバーに対して、何の根拠も無く「善意の光が宿っている」などと言う金持ちのジジイ、盗品売買をやっている割には覚悟の無いフェイギン、ひたすら暴力的でトラブルメーカーでしかないビル、なぜ仲間を裏切ってまでオリバーを助けたい心境になったのか分からないナンシーなど、とにかく人物の心理が描けていない。そのため物語展開に説得力が無く、感情移入もしにくい。  終盤の展開など、ほとんどオリバーは無関係。屋根の上でも逃げようと思えば逃げられそうなのに、これまた主体性無くダラダラと着いて行くオリバーにウンザリし、おまけにビルは足を滑らせて首を吊って死ぬという、アホな決着。  結局、自主的には何もやっていないオリバーだけが幸せになってハッピーエンドで、関係者はほとんど不幸になり、他の少年たちがどうなったかも語られずじまい。人生の皮肉を描いたのならある意味で秀逸とも言えるが、もちろん監督本人は大真面目に感動ドラマをやっているらしい。  二時間以上もかけてやるには無駄なシーンも多いし、あまりにも人間が描けていない。  PS.ナンシーがビルに毒(?)を飲ませるシーンは何だったんだ?ただの薬ならやけに思わせぶりだし意味不明。 
[DVD(吹替)] 3点(2006-11-24 22:17:27)(良:1票)
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