21. TOKYO!
《ネタバレ》 ゴンドリー映像目当てで観たが、「エターナル・サンシャイン」でも感じたように、ゴンドリーの作風は長編だとシュールさがくどくて逆に野暮ったい印象になってしまうので、PVぐらいの尺が丁度良く楽しめる、ということを再確認した。カラックス作品は一見ホラーな不条理物で、前衛芝居を観るような新鮮さとわけ分かんなさが面白かった。あまり期待していなかったジュノ監督作品が、意外にも映画としては一番楽しめた。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-31 00:39:58) |
22. 水の中のつぼみ
《ネタバレ》 ああ女子って面倒くさい。中学生頃のヒリヒリするような女子つきあいを思い出して何となく痛い気分。一番大人ぶってるフロリアーヌが一番ガキだってこと、勘の良い女子にはすぐ分かるはず。この娘が鬱陶しすぎて途中で何度も挫折しかけたが、ミックジャガー似のヒロインの痛みの行く末が気になって最後まで見てしまった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-08-15 12:28:57)(良:1票) |
23. グリーン・カード
《ネタバレ》 人生は目的達成のためにあると考えるアメリカ女と、人生は愉しむためにあると考えるフランス男。どちらも異性ウケという点ではかなり癖があるけれどギリギリ憎めないキャラ設定なのが心憎い。かくいう自分も冒頭はイケメンでもないのに悪気のない鈍感さで女をいらつかせるドバルデューにいいかげん愛想が尽きかけるものの、ラストシーンに至っては「いやいや、こういう男に愛され抱かれてこそ、女の幸せが分かるのかも…」と思ってしまう悔しさよ。切なく小粋なエンディングがまた良くて、フランス男の恋愛妙技に脱帽。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-08-14 00:15:57) |
24. サイン・オブ・デス
序盤に大風呂敷広げちゃったせいで、エンディングのちいさーくまとめちゃったね感が際だってしまって残念。詩人が予言を告げるような中世っぽい演出は舞台ぽくて面白かった。寒色系に傾いた映像はなかなかスタイリッシュで、嫌いじゃない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-08-11 14:31:07) |
25. トランスポーター
まあまあ、細かいことはいいじゃない娯楽作品なんだし。私はお洒落で格好良くて好きです。ベッソンが幼稚って意見に反論はしないがそこがいいんだってば。同じ馬鹿アクション映画でも、脳みそまで筋肉でできていそうな熱血で一本調子のヒーローがバンバン正攻法で敵を片付ける純粋アメリカンな作品よりも、ところどころに入るお洒落キック的演出が愉しいベッソン映画が私は好き。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-11 14:21:30) |
26. プライドと偏見
こういう凜とした女性の生き様を描いた話は大好き。が、残念ながらダーシー役のマクファディンが今ひとつフェロモンを感じないタイプだった(スネイプ先生かと思った)ので今ひとつロマンスに感情移入できず若干気持ち引き気味に冷静に鑑賞。それでも舞台となるイギリスの郊外のお屋敷の雰囲気を堪能できたのは良かった。一番好きなキャラはベネット氏だな。いいパパだ。ここで好評のBBCのドラマ版が非常に気になる。あと、この作品を踏まえてもう一度「ユーガットメール」を観てみるのも一興かと。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-10 16:45:08) |
27. バーン・アフター・リーディング
登場人物がアホばかりという徹頭徹尾下らないストーリーを超豪華キャストが大真面目に演じているというある意味とても贅沢な映画。思うに、大根役者に馬鹿を演じさせたら笑えるどころか痛々しくて観ていられないが、実力のある役者が演じるそれは製作者の酔狂に乗る余裕が伺えて実に面白い。それにしても評点低い~。フィフス・エレメントと同じくこれを面白がる人間は少数派らしい。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-09 15:52:41) |
28. 軽蔑(1963)
《ネタバレ》 軽蔑するよな、そりゃ。めっちゃ分かりやすいじゃん。と女の私は思うわけだが、わかんねー男はわかんねえんだろうな・・・。分からない男に絶望する女と、女が分からなくて絶望する男。そのどちらにも等しく世は不条理。女も唸るBBの美しさを堪能できて、眼福なり♪ [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-07 22:50:31)(良:1票) |
29. アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン
ジャニーズアレルギーの私にとって、キムタクは最強最悪なアレルゲンで有り続けているのだが、この作品を観たことで、ほとんどしゃべらずに呻いたり叫んだりしているだけの彼ならむしろ心穏やかに見ていられるという発見があった。「KIDS」ていう超つまんない邦画と同じく、キャラの特性(特殊能力)が単なる見せびらかしに終わっていて、これもやっぱり「だから何?」で終了するつまんない作品になっちゃってました。トホホ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-08-07 22:16:04) |
30. ライフ・イズ・ミラクル
序盤から、ほのぼの系映画のフリしていきなりグロ死体とかあいかわらずやってくれる。もっと支離滅裂かと思いきや案外筋が通っていて、長いけど退屈せずに観られた。登場シーンはわずかだがロバ好きにはたまらない映画。ミリチャに助演男優賞を。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-13 11:28:07) |
31. 桜桃の味
《ネタバレ》 荒れ地に伸びる未舗装の道路を進む車。ほとんど同じような情景しか出てこない映画なので、人によっては死ぬほど退屈な作品だろうと思う。でも、どこまでも乾ききった風景と主人公の心がシンクロするような演出に私は何故か冒頭からはまってしまって、最後まで目が離せず一気に見た。おお、なかなか面白かったぞ、と腑に落ちたところであえて不要と思わせるシーンを入れているのは、「はいはい、これは映画ですよー」という宗教的なエクスキューズなのだろうか。最後の最後でノンフィクション的に異文化を思い知るという一粒で二度美味しい(?)作品。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-11 00:12:32)(良:1票) |
32. ピアノ・レッスン
《ネタバレ》 音楽は確かに素晴らしく、色彩も好み。一つ一つのシーンを切り取って「絵」として鑑賞するには文句のない作品。でも特異な境遇とはいえヒロインの行動が同じ女としてどうにも受け入れがたく、話が進むにつれかなりイライラしてしまった。どーしてそこで無理矢理子どもを巻き込むんだよー!!しかもなんでいつの間にか綺麗に収まってるんだよー!ハッピーエンドに無性に腹が立つという映画も珍しい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-07 22:06:29) |
33. その男ヴァン・ダム
冒頭からの自虐ムードに若干わびしさを覚えたが、意外と面白かった。落ち目アクションスターとしての自分の見せ方をよく分かっているヴァンダムの役者魂が感じられる佳作。今時好きな俳優にヴァンダムを挙げるのはちと恥ずかしい・・と思っている人にこそ観て欲しい。例えばこの作品をスタローンやシュワちゃんがやったら白々しくて目も当てられないが、ヴァンダムだからこそこの哀愁が絵になるわけで、なかなかどうして絶妙なポジショニングを保ってる俳優であることに気づかされる。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-02-19 21:56:41) |
34. 青いパパイヤの香り
少女時代のムイが何とも可愛い。清純さとエロスを併せ持つ絶妙な雰囲気の子役がすごい。見ているこちらも、ゆったり寛いで微笑ましい思いで観ていたかと思うと時々はっとさせられたりして、その緩急具合が心地よかった。ただ残念ながらこの子役に見合う女優が見つからなかったのか、大人になったムイはややイメージにギャップがあり、しかも前半の良さを打ち消すような陳腐な展開になってしまいがっかり。それでもほぼ全編を通し屋敷内のシーンばかりでこれほど映像美を堪能できる作品は貴重。例えて言うなら敷地内だけでその空間美が完結しているアマン系リゾートホテルで過ごすお籠もり休暇のような、品の良い癒し系映画。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-15 22:38:07) |
35. ベティ・ブルー/愛と激情の日々
十数年前に、2回目のデートでこの映画に誘ってくれた勇気ある男性がいた。今その人は私の夫だったりする。あの頃の愛と激情の日々(?)はもはや戻ってこないけれど、愛情の「あ」もないような日々が続いて心が渇ききってしまった時にこの作品を見返したりサントラを聴いたりすると、諦めの悪い自分の中の女がちょっと癒されるような気がする。男性の皆さん、この作品に感情移入しまくるような女とは覚悟しておつきあいを。 [DVD(字幕)] 10点(2009-09-16 12:50:48)(良:1票) |
36. 潜水服は蝶の夢を見る
身内が同様の奇病にかかって入院したことがあり、当時の本人の気持ちを思って妙に感情移入してしまい、突然画面が曇ったと思ったら見ている自分も泣いていたりして、客観的に鑑賞するのが難しかった。 でも、10万人に一人か二人という珍しい病気の患者に際して、相手の身になって考えることなどに到底出来ないと思っていたのに、こんな美しい映像でそれを理解する手がかりをもらえたことに素直に感動した。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-28 16:21:02)(良:1票) |
37. フィフス・エレメント
《ネタバレ》 この作品に10点いれるのは勇気がいるが・・好きなモンは仕方ない。お金めいっぱいかけて悪趣味スレスレなB級SFを作っちゃう心意気が好き。まさに大きいコドモの道楽映画。なんかもう、みんな楽しそうに演ってんなー!って感じ。ミラも可愛いし、オペラシーンにもウットリ。個人的には、ゲイリー・オールドマンの「また空っぽ…」のリアクションだけでご飯3杯いける。スターウォーズもブレードランナーも好きだけど、どうせだったらこれぐらい豪快な馬鹿が元気に生きてる未来の方が楽しそうで憧れる。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-07-27 01:22:28)(良:4票) |
38. クリムト
クリムトの作品とマルコヴィッチが好きなので観てみたが、芸術家の妄想を陳腐に見せずに映像化するのは厳しいなーと思わざるを得なかった。ただ、エゴン・シーレを演じていた役者があまりにもシーレのイメージにぴったりだったので誰かと思ったらクラウス・キンスキーの息子というのに驚いた。キャスティングは◎だったのに、惜しい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-23 11:38:59) |
39. マイ・ブルーベリー・ナイツ
普通の女の子が失恋がきっかけの旅を経て成長するという、まあどこにでもありそうな話を、カーウァイ流のセンスでお洒落に撮るとこうなる。ノラがとりたてて華があるわけではないが可愛い気のある女の子を好演。レディングの大好きな曲をここぞ!というところで流してくれて嬉しかった。インテリアやメニューなど、アメリカのダイナー的空間が好きな人にはかなりオススメ。私もあんな居心地良さそうな店が近くにあったら絶対入り浸ると思う。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-22 12:12:10) |
40. イル・ポスティーノ
学はないが純粋な感性を持った男が、恋をして己の感情を無我夢中で表そうしたとき、ごく自然に詩人が生まれる・・「人が芸術家になる時」を美しく描いていて、何とも良かった。ただ、後半で狙った女を手に入れさえすればエセ詩人はあっさり廃業・・ってそんな無粋で打算的な男の話だったのかよ!!と憤慨しかけたが、うまいこと持ち直してくれて良かった。 それにしても惜しい役者を亡くしました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-16 13:24:22) |